魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~   作:サッカー好き

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こんにちは!

匿名ですが、サッカー好きと申します。

違う名前で作品を投稿しているのですが、ネタが浮かばず気分転換で書いていたものを投稿してみました。

楽しんでいただけたら幸いです。


第1話『俺は転生者じゃねえ!』

今日は晴天でお出かけ日和。それなのに何故月曜日と言う学校の登校日なのだろうか?

 

俺の名前は橘。

どこにでもいる普通の小学三年生。

 

休日が空け、学校の登校日が5日(ゆとり教育です)も続くことに絶望している最中だ。友達に会えるのは嬉しいが勉強がマジで嫌いだ。

 

「おはようっす」

 

教室のドアを開け、いつも通りクラスのみんなに挨拶する。みんなもおはようと元気に返事をしてくれた。

 

俺は自分の席に座ると俺はノートを開いて周りの友達に声をかける。

 

「ここの問題がわからないんだ。誰か教えて!」

「えっ?またなの橘くん?」

「今回の宿題そんな難しいところあったけ?」

「ここなんだけどさぁ・・・・・・」

 

集まって俺にわからない問題について教えてくれる友人たち。本当に助かる。

 

「いや、みんな本当に助かったよ。ありがとう」

「ううん。大丈夫だよ」

「おう、これで貸し一つだな」

「つうか、なんでわからないんだよ?先週の金曜に習ったやつじゃん」

「しょうがねえだろ?俺の苦手な分野だし、習ったの一回だけじゃん。その一回で理解しろとか無理だろ」

 

「でも橘って『転生者』じゃん?」

 

俺は友達の一言に固まってしまう。だがすぐに回復し反論する

 

「だから、俺はその転生者じゃねえって言ってんだろ!何回言えばわかるんだ!」

「でもさあ・・・」

「ねえ?」

 

周りの友達たちも俺が転生者だと思っているようだ。何故なのかは当然俺も理解していた

 

「その輝く銀髪に」

「赤と黄色のオッドアイ」

「既に完成された美形なイケメン」

「そして名前が橘騎士(たちばなナイト)

 

「「「「この4拍子が揃って疑うなと言う方がおかしい」」」」

 

「ぬぐぐぐぐっ!」

 

友達の言葉に何も言い返せない俺。ちなみに俺の父さんや母さんは普通の黒髪黒眼のちゃんとした日本人。普通に考えたら俺みたいな子供が生まれるはずがない。

 

銀髪でオッドアイ。その異常変異に俺はすぐに精密検査が行われた。結果は異常なし。至って健康体のようだ。

 

そしてこの名前だが銀髪・オッドアイの組み合わせで普通の名前では後々俺が大変だろうと考えてくれた名前らしい。

 

「そんな事言われても俺には前世の記憶や特殊能力なんて持ってないぞ」

「そうだね。その4拍子を抜いたら橘くんなんて」

 

「「「ただのバカな普通の小学生だよね」」」

 

「待てコラ! なんだその一体感は!!」

「ヤバい! 転生者が怒った!」

「逃げろ! 騎士(ナイト)様に聖剣で斬られちまうぞ!」

 

俺が怒ったのを見て散開するみんな。俺は30cm程の定規を持ち席を立った。

 

「上等だ!お望み通り、俺の聖剣でお前らを叩き斬ってやる!!」

 

キャーと笑いながら逃げだすみんなを追いかける俺。

 

これがいつもの風景。

 

俺はなんやかんやで学校が好きで友達とバカするのが好きでちょっと容姿が変な普通の小学生だ。

 

 

 

 

 

 

 

朝のバカ騒ぎが担任の先生に発見され、鉄拳制裁(なぜか俺だけ)によって終了してから既に4時限目が終わり昼休みの時間だ。

 

俺が通っている私立聖祥大附属小学校は私立のくせに弁当持参と給食ではない。もう慣れたがたまにテレビで見る他の小学校の給食風景を見ると無性に食べたくなってくる。

きな粉揚げパンとかフルーツポンチとか食ってみたい。

 

「おーい、橘!」

「ん?」

 

俺が無駄に給食について考えていると友達が俺を呼んでいた。

 

「なんだ?」

「ほらお前のお姫様が迎えに来たぞ」

 

指さす方向を確認すると両腕を組んでこちらを見ている金髪で活発そうな女の子が居た。

 

「おいおい、前から言っているが、奴は俺のお姫様じゃねえって。あいつはどちらかっていうと俺の平穏を脅かす魔王と言っても過言じゃない」

「誰が魔王だって?」

「へぶっ!?」

 

いつの間にか俺の席まで来ていた魔王が俺に拳骨を喰らわせてきた。

「俺が殴られるまで気づけないとはこの魔王できる!!」

 

「だから魔王じゃないって言ってるでしょうが!!」

 

「あれ!? 俺まだ何も言ってないのだけど!?」

 

「口に出てたわよ!!」

 

うん、知ってた。

ちなみにこいつはアリサ・バニングス。

俺の幼馴染で宿敵と言っても過言ではない。

 

「とりあえず戦略的撤退!!」

「逃がさないわよ!」

 

逃げようとするが回り込まれた。だが甘い。俺はくるりとアリサを軸にして華麗にルーレットターンを成功させ―――

 

「ぐおっ!?」

 

―――出しっぱなしの椅子に突っ込みそのまま転倒してしまった。

 

席を立ったらちゃんと椅子を仕舞おうな?

俺みたいな犠牲者が出るから!

 

「ほぼあんたの自業自得でしょ。さあ、行くわよ」

「待って!?転倒したままの俺をそのまま連れて行こうとしないでくれ!?痛い!?背中擦れたり、机や椅子にぶつかって体中が痛い!?」

 

片足を掴まれ教室の外を出るまで俺は引きずられた。

 

「ほら、なのはやすずかが待ってるんだから寝てないでさっさと来なさい」

「お前は他に言う事はないのか?・・・んっ?と言うことはまたいつものお食事会か?俺なんか呼ばずに三人で食べればいいじゃないか?」

「何言ってんのよ?一年生の頃からそうしてるのだから今さらじゃない」

「そりゃそうなんだが・・・・・・・・」

 

呆れた表情で見るアリサをよそに俺はちらっと周りを見渡す。

 

『相変わらず仲が良いな~』

『微笑ましいね~』

『リア充爆発しろ!!』

『あれが、あれが転生者の力だというのか!?』

『とりあえず橘の筆箱の中に大量の画鋲を入れておこう』

『ついでに机の中に爆竹を仕込んでおこう』

 

「それじゃ行くわよ」

「ちょっと待って!無駄にハイレベルな苛めに遭おうとしてるんだけど!?」

「そんなのいつものことでしょ? 早く行くわよ」

「そんないつものことは嫌だ~~~!!」

 

俺はアリサに引きずられながら目的地の場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのさ~、いつも思うんだがなんで俺を昼飯に誘うんだ?俺が居なくても楽しくできるだろ?」

「・・・・・・・・別に良いじゃない。前から一緒に食べてるんだから」

「まあ、良いけどよ・・・」

 

確かにアリサとは幼稚園の頃からの付き合いでその時から一緒に遊んだり、飯を食べたりしている。

 

今さら嫌とか思う訳ないのだが・・・

 

「それにあんたが居ればあのバカが近寄らないじゃない」

「俺は蚊取り線香かなんかか!?」

 

アリサは幼馴染を便利な何かと勘違いしているのではないだろうか?

 

「とにかく早く行くわよ。2人が待ってるわ」

「わかったよ・・・」

 

俺はアリサとの付き合いをもう少し考えるべきなのではないかと思いながら付いて行く。

 

この学校は基本屋上を開放してあり、昼食を食べたりなどの目的で使用する生徒が多い。

 

「なあなあ、良いだろう?」

「だから嫌だって言ってるでしょ!」

「そんな事言わずにさ。本当は嬉しいけど恥ずかしがっているんだろ?」

「もうしつこいよ!」

 

だから決してナンパをするような場所ではない。

 

1人の少年が2人の少女に声をかけていた。少女達はとても嫌そうにしているのが遠くからでもよくわかる。

まあ、全員俺の知り合いなんだけどね。

 

「アリサ・・・」

「ええ。一足遅かったようね・・・」

 

ちなみにその少女たちが一緒に昼食を食べる予定の月村すずかと高町なのはである。

 

そして、少年の方が神崎和也。こいつは何かとアリサ達にちょっかいをかけてくる。何やら俺の嫁だ!とかなんとか言ってくる変な奴だ。

 

「神崎!いい加減にしなさい!嫌がってるじゃない!」

「この声は嫁のアリサじゃないか。俺の事は和也と呼んでくれって言ってるじゃ・・・!?」

「よっ」

 

振り向いた神崎が俺を視線に捕えた瞬間、硬直してしまう。なので俺は軽い挨拶をすることにした。

この様子を見てわかると思うけど神崎は俺の事が苦手なのだ。

 

簡単に理由を説明すると俺と神崎が初対面の時、俺に暴力振ってきたんだよ。それで色々あって俺はまさかの一カ月入院するほどの怪我をしたんだ。

 

それで俺が退院すると神崎は俺を避けるようになってた。

 

・・・うん。説明した俺も何故苦手になったのか分からない。俺を大怪我させたことによる罪悪感なのか、俺が入院している時に何かあったのか。

 

まあ、なにはどうあれ。

 

「ちっ・・・。そういえば俺は用事があるんだった。俺の嫁たちよ、またな。」

 

そう言って神崎は屋上から立ち去った。

それを確認したアリサはすぐに絡まれていた2人の元へと駆け寄った。

 

「2人とも大丈夫だった!?あいつに変なことされてない?」

「う、うん」

「大丈夫だよ、アリサちゃん」

 

少しげんなりしているすずかと高町。神崎の相手はかなり疲れたようだ。

 

「すずか、高町。お疲れさん」

「あっ!騎士(ナイト)君!」

「こ、こんにちは、橘くん」

 

さっきまでの表情が嘘かのように晴れやかになるすずか。

高町はまだ少し元気がない。何故か俺を避けてるみたいなんだよな・・・。理由とか全く分からないし・・・。

 

「ごめんね、二人とも。このバカがすぐに従わなくて」

「ちょっと待て!逮捕されて抵抗する犯罪者みたいな言い方をするな。俺は無罪だ。善良な市民だ」

「Doubt」

 

それでも俺はやっていない。

決め付けは良くない事なんだぜ?

そして無駄に発音が良いアリサにイラッとくる。

 

「つか、あいつが居なくなったんだから俺はもう御役御免じやね?帰っていい?」

「何言ってんの、そんな訳ないでしょ。またあいつが戻ってくるかもしれないじゃない!」

「ええ~~」

 

大丈夫だよ。一回追い払えば来ないさ。

明日には来るだろうけど

 

「えっ・・・騎士(ナイト)君帰っちゃうの?」

「・・・そんな訳ないだろ?アリサのせいで持って来れなかった弁当を持ってくるだけさ」

「ちょっと!私との扱いの差が違いすぎない!?」

 

日頃の行いの差です。

俺はアリサの言葉を無視し、弁当を取りに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

アリサ達との昼休みが終わり、学校も終わって放課後。

俺はアリサ達と一緒に帰宅していた。

 

いつもは、アリサかすずかの送迎車が来るんだけど今日は塾があるから徒歩だ。

塾まで送ってもらえばいいじゃんと思ったが送ってもらう程距離はないし、塾の開始時間まで余り過ぎてしまうらしい。

 

「だからって、塾に通ってない俺も一緒に行くのはどうかと思う」

「良いじゃない。あんた、帰っても家でゲームしているだけでしょ?」

「そ、そそそそんな事ないし!ゲーム以外に脳トレとか知恵の輪とかしてるし!」

騎士(ナイト)君。その二つは広く見ればゲームじゃないかな?」

 

ええ、その通りです。脳トレもゲーム機の奴なんでゲームのようなもんです。

 

「でも、ゲーム好きのくせには弱いのよね。この前やった格闘ゲームだって、なのはにすら負けてたのに」

「違いますー。なのはには手加減してあげてたんですー。アリサと違って純粋な高町を苛めたら可哀想だろ」

「そのなのはに、十戦十敗して泣きの一戦でも完封されたの誰だったかしら?」

 

何ノ事カデショウカ?身ニ覚えガゴザイマセン

 

「で、でも橘くんは、すずかちゃんより運動神経が良いよ?私なんかじゃ到底及ばないもん」

「そうだね。クラス対抗のドッジボールも必ず私と騎士(ナイト)君との一騎打ちだし、その時の勝敗はナイト君が勝ち越してるし」

「でも、勉強はからっきしじゃない。そんなんじゃ将来が不安だわ」

 

さっきからアリサの俺に対する当たり具合が半端ない。俺の精神がどんどん削れていくよ!

 

「大丈夫だし!俺は将来、世界一のプロサッカー選手になるんだからな!」

「そう。ちなみにリフティングは何回出来んのよ?」

「・・・調子良くて10回です」

 

なんだよ!悪いのかよ!リフティング出来ないからってプロになれない訳じゃないだろ!

 

「正直あんたの将来が本当に不安よ」

「だ、大丈夫だよ!もし騎士(ナイト)君がニートになっても私の秘書として雇って上げるから!」

「ちょっとすずか!?・・・もう、仕方ないわね!ニートになったら私の執事にしてあげるわよ!」

「おいコラ!その申し出はありがたいが、人をニートになる前提で話してんじゃねえ!」

 

どんだけ失礼な奴らなんだ!せめて、夢の手伝いをしてくれるとか言ってくれてもいいじゃないか?

まあ、もしニートになったらその申し出はありがたく受け取るがな!

 

「・・・・・・」

「?どうしたの、なのは?」

「・・・何か聞こえない?誰かが呼んでいるような声が・・・」

 

高町がきょろきょろと首を動かして辺りを見回していく。

つか、声?俺には全く聞こえなかった。アリサとすずかも同じようで首を傾げている。

 

「あっちの方!」

「ちょっと、なのは!?」

「なのはちゃん!?」

「お、おい!待てよ!」

 

なのはを先頭に走り出す3人。俺はその後をすぐに追いかける。しばらくして立ち止まったかと思えば、3人はかかんで何かを見ているようだ。

俺もその上から覗き込んでみると、そこには黄色い毛皮をしたネズミ、ではなくフェレットが力なく倒れていた。

 

とりあえず、塾ではなく動物病院に向かう事になりそうだ。




如何でしたでしょうか?

少しは楽しんで頂けたでしょうか?

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