私の小説を楽しんでみてくれている方に心からのお詫びを申しますm(_ _)m
どうも、ご無沙汰しております。リクヤです。カラトからあのアプリを貰って早一ヶ月。見事LV2になりました。
今日は天気予報の通り、朝から大雨。大粒の雨は、通学路を行く俺の傘を容赦なく叩き付ける。
「……はぁ…」
意味の籠らないため息が出る。
……昔から雨は好きじゃない。自分でも品がないと自覚しているし、今更ずぶ濡れになる———流石に通学中は勘弁———ことに大した抵抗は覚えない。でも、こういった大雨が降る度に昔のことを思い出してしまって胸が痛む。 ………あの時も、こんな雨だった……。
「……………やめよう」
嫌なことを思い出したと、頭(かぶり)を振る。あのことは、もう振り返らないと心の中で決めたハズだぞ……。今でもたまに夢に見る。———そう言えば、カラトから<BBプログラム>を貰った日に見たあの夢はずいぶんと、「りっくん、おっはよーっ!」腰に激痛が走るゥゥゥッ!!!
「ブベラッ!!」
衝撃で身体が中を舞う。そのまま水々しい路上をペンギンよろしく、腹で滑る。
犯人はだいたい検討が付く……。
「……ンの野郎……!何しやがる愛華(あいか)ッ!!」
「べっ、別にりっくんの為に鞄でどついた訳じゃないんだからねっ!」
「こっちから願い下げだ!!どうすんだよ、制服ぐしょぐしょじゃないか!!」
「だって……いくら呼んでもりっくんが振り向いてくれないから………!」
「たったそれだけか!?それだけで俺は冷たい路上に腹からダイビングしなきゃいけないのか!?」
「当たり前でしょ!りっくんは私の幼なじみなんだからっ!」
「幼なじみは路上でどつかれなきゃいけないだなんて世も末だな!!」
これの名前は多摩美 愛華(たまみ あいか)。俺ん家の隣に住んでいる。性格は元気もとい凶暴で、先ほどの意味の分からない行動が証拠だ。昔からの付き合いで、幼、小、中学校も同じ所に通っている。
———あえて言わせてもらおう。幼なじみであると!!
まあ、今の通り、幼なじみだからといって何があるという訳でもなく、『朝は毎日同じ時刻に登校』などと言ったマンガやアニメでしか見たことが無いリア充な行動などもあまりない。だからといって、仲が悪いとかそう言うことではないのだが。
「畜生……。早く行ってジャージに着替えないと……」
「早くしないと間に合わないよ〜?」
「誰のせいだと思ってんだお前!?」
☆
「何だお前。朝からジャージなんか着て」
教室に入って席に座るなりカラトが話しかけて来た。まあ、無理も無いよな。
「ああ、これか?来る途中に少しこけてな。制服がビショビショになっちまって……」
「そうか……」
別に心配をする風も無く、眠たそうにあくびをする。
あっ、そうだ、とカラトが口を開く。
「今日来るって言ってた転校生。どういうヤツなんだろうな」
「転校生?何だそりゃ?」
「はあ?お前知らないのか?」
「知らんぜ(グッ)」
話によると、結構前から先生が帰りの会などで口にしていたそうだが、まあ、大体俺はその時間は机に突っ伏して寝ている最中なので、聞き逃していたのも無理は無い。
どうやら今日は二人の転校生が杉並区からこのクラスに来るらしい。
丁度このクラスは先月と三週間前に二人のクラスメイトが転校と退学をしていて、人員のストックは丁度ぴったり空いているのだ。
「どんなヤツなんだろうな。片方で良いから、可愛い女の子だったら良いなぁ…」
「…名前からして、それはあり得ないだろうな」
「なんだ。名前まで聴かされているのか?」
「ああ。佐藤 優斗(さとう ゆうと)と畠山 裕雅(はたけやま ゆうま)。……ま、諦めな」
「ちぇ……」
学校中にHRのチャイムが鳴る。カラトは自分の席に戻り、俺は机に額を押し付けて寝る体制に入る。
教室の戸を開けて担任が入ってくる。転校生も一緒だろう。まあ、女子じゃないと解った以上、見る気すらないが。
「席に着いてください。HRを始めますよ」
さて、寝るか……。
すると、担任の女教師が怒った声で俺に話しかける。
「こら!小和田(おわだ)君も、今日くらいはちゃんと起きてHRを受けてくださいっ!」
「………………」
ちっ…。仕方ない。起きるとするか。
俺の担任、川崎 恵子(かわさき ちえこ)は二十代とは思えないくらいの低身長で、俗にいうロリとやらなのだが。まあ、なんと言うか…。身体の一部が幼い女体に釣り合わないほど出っ張っていて、凄く…その…、
「了解です」
―——エロチックだ…。推定Dカップ。男である以上、俺は彼女に逆らえない。ちなみに俺はロリコンではない。
全員が席に座り終えた所で、先生が開けっ放しの教室の入り口に向かって呼びかける。
「じゃあ、転校生の紹介をしますね。畠山君と佐藤君は中に入って来てください」
教室に二人の男子が入ってくる。一人はぼのぼのとした印象で、凄く緊張しているようだ。もう片方は眼鏡をかけていて、男子にしては少し髪が長い。先の男子に比べて、慣れているのか、緊張した様子は微塵も無い。二人とも中肉中背。顔立ちもそこそこ。
ま、女じゃないのだから俺に関わる筋合いは無い。
「それじゃあ、自己紹介をしてください」
「え?………はっ!…あの……そのぉ……えっと……」
「…佐藤君、名前名前」
「はいっ!佐藤っ、優斗デスっ!よろしく御願いしまチュッ!……っ〜〜〜〜〜〜!!」
最後の一言で見事に舌を噛みやがった。それも、結構な勢いで噛んだらしく、口から血が垂れている。クラス中から何処となく悪意の無い笑いが出る。
等の本人はハンカチで必死に口を押さえている。
「だ、大丈夫ですか!?保健室に行きますか!?」
「だ…大丈夫です…。少し、緊張しただけで……」
「そう…ですか…。じゃあ、次。畠山君どうぞ」
「畠山裕雅です。隣の佐藤と同じ、杉並第9中学校から来ました。これからよろしく御願します」
佐藤とは裏腹に、非常に落ち着いた口調で淡々と喋って行く。やはりこういうことに慣れているのだろう。
☆
『ねえねえ、好きな物とかあるの?』
『彼女は居るの?』
『好きな女性の好みは?』
『え……好きな物?えっと…それは…』
「良くやるな……」
「全くね」
「おっ、休み時間に俺の所になんか、珍しいな」
「何よ。私がここにいちゃ悪いって言うの?」
「いや、そこまでは言っとらんだろ…」
今は昼休み。俺は自分の席で、クラスメイトからの質問攻めにあたふたしているサトウを眺めている。ちなみにハタケヤマはこういうことになるのを予測していたらしく、クラスメイトが寄る前にどこかへ消えてしまった。
俺の隣にいるのはこのクラスの保健員、姫島 輝(ひめじま あきら)。黒のロングヘアーで、その姿は中学生と思えないくらい大人びている。
まあ、見るからにツンな訳で……。話しづらいのは確かなんだが、なぜかいつも向こうから俺に寄ってくる。
こう見えて、彼女もブレインバーストのプレイヤーで、アバター名は<ディクライン・スカート>。赤よりの黄色系。夕日色の優美なアバターで、名前の通り、腰より下はロングスカートで覆われている。
『…み、皆、……ちょぉ〜っと待ってくれる?』
サトウが、群がるクラスメイトを両手を上げて必死に制している。何だ?トイレにでも行きたいのだろうか?
『…………………』
―——バースト・リンク
サトウの口が小さく動いたのを俺とヒメジマは見逃さなかった。
雷の音が俺の頭を穿つ。視界が暗転したかと思うと、気づけば身体は黒い装甲に包まれ、周りは植物だらけとなっていた。
………仕掛けて来たのはやはりサトウか……?丁度十メートル隣に険しい表情をした<ディクライン・スカート>の姿が見受けられる。
とにかく……サトウの席…ああ、やっぱり居た。やたらとゴツゴツした赤い鬼の様な姿。名前は……<ヤークト・アルケー>かな?そして何故か……
「え!?…近っ!!うわっ!近っ!!」
凄く驚いていた。仕掛けて来たくせに……。
投稿が大変遅れてしまいました!
マジですんません!
コメント等があったらよろしく御願します!!