だから急いで始めてますが時間軸があべこべになるかもしれません。そこはご了承を。
あと幼少期の紋様や原作キャラの言葉遣いはわからないのでまた変更するかもしれません。
こんなぐだぐだな作者ですがこれからもどうかよろしくお願いします。
しばらくはオリジナルで進みます。原作回避の部分とかご都合主義は「まぁ悟空だから」ってことでお願いします。できれば「さっすが悟空、そこにしびれるあこがれるぅっ!!」とジョジョ的に思って下さい。
「オッス! オラ悟空!」
起きた直後、無邪気に手を上げ私に第一声。
「……えっと、おっす?」
それに対して私は呆然としたままオウムのように返していた。
「なぁ、ここどこだかわかっか?」
彼がその大きくクリっとした目でこちらを見ながら問いかけてくる。少し不思議な訛り方をしているけど不快には思わなかった。
「え、あっ、たぶん川神を出てないと思うんだけど……」
そこで私は我に返り、問われた内容に答えようとして同時にここがどこか自分でもわからないことに気付いた。何せ家から飛び出し無我夢中で走ってきたのだ。川神は広いからさすがに出ていないと思うが、ここら辺は見知らぬ場所としかわからなかった。
「かわ……かみ? 神さんの場所かぁ!」
「え、いや“神”は合ってるけど神奈川県の“川神”だから。けど……恥ずかしながら自分でもそれ以上ここがどこかわからない」
「そっか……んじゃ迷子だな!」
「ちっがーーう!! 迷子なんかじゃない! 迷子なんかじゃない……と思う」
いや、迷子なのだろうか。いやいや認めてしまったらそれこそ恥だ。
なので、
「そそそ、それよりもキミは何者なんだ?」
強引に話を変えてみた。普通ならばれそうなものだが、彼は天然なのかわざとなのか知らないがスルーしてくれた。
「ん? オラか? オラ≪孫悟空≫ってんだ!」
「いや、そういう意味じゃなくて……」
そこで私はどう説明しようかとかと悩む。今さっき起きた起きたことは私だけが体験した、それこそ誰かに話しても馬鹿馬鹿しいと一蹴される荒唐無稽な話だ。
そんな話を、ましてや≪龍≫が彼自身を召喚した話なんて普通信じるわけ――
「あぁ、≪神龍(シェンロン)≫がオラをここに呼んだのか! なるほど~」
「信じちゃった……」
さすがに私の“願い”によって召喚された等とは言えなかったのでそこだけ省いて話したらあっさり納得した。しかも彼が何か知っているようだったので聞いてみた。
「シェ、≪神龍≫と言うのかあれは……。あれは何だったのだ? 空が暗くなるなったり君を召喚したり……オーラと言うか威圧感とかすごかったから、まるで本当に神様みたいだった」
「まぁな! 神様が創ったもんだしな」
「……へ?」
軽いノリでいう彼に、思わず口あんぐりと開けてしまう。神様だと思っものが、神様によって創られたものだった。自分でも何を言っているのかわからないが、何を言われたのかわからなかった。頭がこんがらがってしまいそうだ。だが自分が見たものは本当で、その証拠が彼だ。
思わず頭を抱えてしまいそうだが言った本人は気にせず私に顔を向けてきた。
「そういやオメェは?」
「私の名はくk……ッ」
と、そこまで言って気付く。私は九鬼であり、
そう思い私はとっさに名前だけを名乗った。
「わ、私の名は≪紋白≫だ!」
「もんしろ……うん≪紋白≫だな! よろしく頼むな!」
「うん、よろしく……」
あれ? 今思えば家族以外に名前で呼ばれるのは初めてかもしれない。自分で名乗っておきながら今さら気付く。そう思うと顔が熱くなるのを感じて顔を背けてしまう。彼は不思議に思いながらもこっちを覗き込んでくる。また隠そうと横に動くが彼もまた追いかけてくる。
しばらくお互いグルグル回っていたが私の方が先に限界にきてしまい、息切れしてしまった。彼の方は全く疲れた様子もない。
「どうしたんだよ。顔なんか隠してさ。別に減るもんじゃねぇし見せてくれたっていいじゃねぇか……」
拗ねたように言う彼の顔が可愛く見えた気がした。
「あぁっ! やっと笑ったな、紋白!」
「あっ……」
彼に言われ思わず自分の顔を触ってみる。私は……笑っていたのか? そういえば九鬼に着てから心の底から笑ったことがあまりない気がする。
「……アハハ!」
「……フフフ!」
どちらともなく笑い出す。
あぁ楽しい! こんなくだらないことで笑ってしまうなんて。今までの私は“九鬼”の名に相応しくなれるように前へ突っ走ってきた――いや、止まることができなかった。“九鬼”に、母に認めてもらおうと焦っていたのかもしれない。彼との出会いは私に立ち止まらせてくれるための空間を作ってくれたのだ。おかげで心に余裕ができ体が軽くなった気がした。
しかしそんな楽しい時間にもすぐに別れが来てしまう。ふと見上れば雲がかかっていてわからなかった空が赤く染まり始めていた。
「もう……帰らないと」
「ん? あそっか、もう夕方時か! 父ちゃん母ちゃんが心配してるだろうしな」
彼に言われて今さら家から飛び出てきたことを思い出し顔が曇る。急に何も言わず飛び出したのだ。今頃心配してるだろう。いや……父はわからないが姉や兄は心配していると思うが、母は逆に清々したと思っているのかもしれない。ならいっそこのまま何処かへ、と考えるがそれこそ姉や兄、さらには“九鬼”の名を汚すことになりかねない。それこそ迷惑がかかる。
なので急ぎ彼と別れ帰宅するべきだ。
「じゃあ私はここで……っ!?」
久方ぶりに笑わせてくれた彼と別れるのは名残惜しいが別れの言葉を告げる。幸い九鬼のビルが見えているのでその近くに九鬼邸があるだろう。
その方向へ向かって歩けば着けるはず、と考え一歩踏み出す。が、突如足に痛みがはしり頭から前に倒れてしまう。
このままではまたこける!?と刹那に感じバタバタと必死に腕を動かすが、それ以上どうすることもできず目をつむって痛みに耐えるように倒れ――
「おっと、大丈夫か?」
「……っ!?」
る寸前で彼が胸板で受け止めてくれた。しばらくは何が起こったのかわからず呆然としていたが、彼の胸元に顔を埋めたままなのに気付き彼を突き放すように離れてしまった。この時また顔が赤くなっていたが、お互い気付かなかった。
「あ、そのっ、ごめん!!……あれ?」
すぐさま突き放してしまったことに謝るが、そこでふと疑問に湧き出た。
(あれ? さっき彼は私の後ろにいなかったか?)
後ろを振り返るが誰もいない。しかし彼とあった花畑が見える。頭に?をいくつもつけていると彼が顔を近付けてきた。
(わ、わわっ!? 近い近い!!)
「こら、ちげぇだろ?」
「へ?」
彼は少し「怒ってます」という風に腰に手を当てて指を振った。
「“ごめん”じゃなくて“ありがとう”、だろ?」
「あっ、ご……ありがとう」
“人に謝るより礼を言え”以前母にも言われていたことだがもともと気弱だった私はいつのまにか謝る方が癖になっていた。思わずまた謝りそうになったが彼のジト目に言おうとした言葉を吞み込み礼を言う。
言った後にまた痛みがはしり、しゃがみこんでしまう。見れば履いていた靴下が破れ穴が開き、所々切り傷や皮がむけ血が出ていてボロボロだった。思えば靴も履かず飛び出し、≪神龍≫や彼に会ったインパクトで痛みを忘れていたようだが思った以上に傷が深く痛みでこれ以上歩けそうにない。
「ッ痛!! っく、これでは歩けない。早く帰らなければならないのに……」
どうすれば……と考る私に彼はしばらく顎に手を当て考えていたが、ポン!と手を叩いて名案を告げるように言った。
「うしっ、じゃあオラが連れてってやるよ!」
「え? けどそれじゃ君に悪い……」
「よっ! 心配すんなって。 ほっ! 困ったときはお互い様ってやつで!」
言いながら腕を伸ばしたり屈伸する彼。よくみれば彼の腕や胸には歳相応には思えないほど鍛えられた筋肉が自身の表れとして見える。そんな彼の言葉には説得力があった。
また謝りそうになりながらも礼を言って甘えることにした。
「んじゃ、ほいっ!」
掛け声と同時に背を向けしゃがみこむ。彼の方は準備できたようなのでその背に乗ろうと痛む足でゆっくり歩く。
「……ん?」
――そこでまた今日何度目かの違和感を感じた。
「さすがにオラは場所わかんねぇから、どっち行くか教えてもらわねぇと」
――今まで彼を正面からしか見たことがなかったので気付くことはなかった。
「でも舞空術はあんまし使うなってチチやブルマ達に言われたからダメだろうし」
――黒い髪に空色と黄色の胴着。そこに混じって稲穂のように揺れる一本の茶色。
「かといって瞬間移動もダメだろうなぁ~。てか知ってるやつの気の場所しか行けねぇからどっちにしろダメだな」
――彼の黄色いズボンの中心、もっと言えば少し破れたお尻の辺りから生えてピクピクと動いている。
「そっか! “おまわりさん”ってところをたずねりゃいいんだ!……あダメだ、その場所さえもわからねぇんだったっけ」
――まるでたわしのようで、毛のようで、もっと言えば猿の尻尾のようで。
「やっぱ紋白頼みか。ん? どした紋白?」
――今考えれば気付くべきだった。少し古そうな胴着。シンプルでいて見事な色合いを持つ棒。そして猿のような尻尾をもち、御伽噺に出てくる黄色い雲“筋斗雲”が似合いそうな少年。
そして――
「孫……悟空ぅぅうぅぅうぅううっっ!!!????」
「うん、オラ≪孫悟空≫だけど?」
≪西遊記≫に出てくる≪孫悟空≫にそっくりだと……。
紋様が少しジョジョってしまった。な、何を言っているかわからねーと思うが(略
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ……
――的なもん入れちゃった。わかる人にはわかる。わからない人はジョジョでググってはまろうぜ!!
しかし話が進んでない気が……(気にしたら負け
感想、評価、アドバイスよろしくお願いします。