居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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おう楓if早くしろよと言われたので次回作は楓さんになります☆

まだわかりません。蘭子書きたいし楓さん書きたいしアニメ基準も書きたい。

※今回の設定として名前が出てきてないアイドルはまだスカウト前と考えていてください!



安倍菜々:塩見周子 どっちどっち?

目の前に座る周子ちゃんからの、なんと言いますか威圧が凄いヒシヒシと伝わって来ます。

何故ナナがこんな目に……と記憶を辿って見ますが思い当たる節など、当然ありません。

今私達は、346プロダクションにある喫茶店で向かい合っています。周りには、私達の出す空気に興味を持った人達が、少しだけ遠くから見てきています。お願いですから助けてください。と視線を投げかけましたが、瑞樹ちゃんに逸らされました。

 

(裏切り者ぉ……)

 

裏切るも何も最初から瑞樹ちゃんは関与してなかったので罪は無いのですが、せめて声をかけるなりなんなりして少しでもこの空気を払拭して欲しかったです。

 

 

「あ、あのー周子ちゃん?」

 

「んーどーしたのんナナさん」

 

どうしたもこうしたも、周子ちゃんが呼んだからここに居るのですが…。なんてウサギハートのナナには言い出せません

 

「あ、そっか。飲み物頼んでなかったね」

 

ちがうんですぅ…。

しかし、飲み物を飲んで喉を潤したかったのも事実なので、ナナは紅茶を。周子ちゃんは抹茶ラテを頼みました。

少しして、商品が届き二人して喉を潤します。

やっと一息つけました。と思って居たのですが

 

「ナナさんは悠人さんの所出てかないの?」

 

「んえっほっ!!」

 

その質問に紅茶が気道に入り、むせてしまいました。

 

「えっと、質問の意図が掴めないのですが……」

 

口元から滴る紅茶を拭きながら訪ねます

 

「私ね、悠人さんの事好きなんよ」

 

その突然の告白に、喫茶店の中の雰囲気が少しだけ変化します。浮かれて話を聞く人、周囲に気を配る人。

そんな中、ナナは少しだけ焦りました。

 

「それでね、ナナさんが悠人さんの事を気にかけてないなら、出てって欲しいなって。お願いしたかったの」

 

その目は、普段の周子ちゃんと違って真剣で。彼女が本気で悠人さんを想っている事がわかりました。

では私は?と聞かれれば、yesになると思います。

その答えをナナは、周子ちゃんに伝えます。

 

「悠人さんは、ナナが本気で困ってる時に、笑顔で受け入れてくれたんです。行く宛も無く、頼る宛は…ありましたが、事情があって頼れなかった時に。優しく、凄く優しく受け入れてくれました。今思えば、その時から少しずつ惹かれてたのかも知れません。毎朝おはよう。って言ってくれて、疲れて帰ってきたらお疲れ様。って言ってくれて。そんな些細な事も嬉しくて、幸せで。だから、ナナは今迄ずっと悠人さんの所にいました。だから、ナナは出て行きません」

 

毎日一緒に、同じ屋根の下で生活していて、意識しない訳がありません。ナナだって女ですから、好きになります。他の人からして見ればそれだけ?と言われるかも知れませんが、ナナにとってはそれだけの事が重要何です。

そう伝え、周子ちゃんを見つめ返します。お互い黙ったまま見つめ合い、しばらく

 

「そっかー。ナナさんも悠人さんの事が好きなら、私も悠人さんの所に住むしかないよね。そうしないとフェアじゃないし」

 

「ふぇ?」

 

「だってさ、好きな人と同じ屋根の下に居るんだよ?誰がどう見てもナナさんのが有利じゃーん」

 

私も早く引っ越したーい。

なんて喋る周子ちゃん。

と言うか今更ながらさっき自分で言ったことに恥ずかしくなって顔とウサミミが真っ赤になります。皆が聞いてる中で、なんて大胆な!

恐る恐る周りを見てみると、皆さんとても慈愛に満ちた表情をしていました。

 

(ナナちゃん、今夜は寝かさないぞ☆)

 

(結婚式には呼んでくれるのよね、わかるわ)

 

(好きになってスッキリ……んふふ……)

 

脳内に直接話し掛けないで下さい!!

あぁ、絶対弄られる…。その事に少し気落ちして、頭を振って思考を切り替えます。

 

「周子ちゃんの方が、若くて可愛いかも知れません。4代目シンデレラガールですし……。でも、それでもナナは諦めません。悠人さんがナナを選んでくれる様に、精一杯努力します!」

 

「いやーナナさんも充分可愛いと思うけどねー。だって」

 

そう言いながら周子ちゃんは立ち上がって、ナナの背後に立ちます。何を……と思って直ぐに

 

「うん、やっぱ私よりおっぱいあるね。ウエストはそんなに変わらないのに何故ここだけ差がでるのか……」

 

「うっひゃぁ!?」

 

突然胸を揉みしだかれました!

その光景は周囲の人達も思わず吹き出すほどで、と言うか見てないで助けて!

 

「あ、でもお尻は私の方が小さいかな?」

 

「にゃ、にゃにおう!?」

 

でかくないですし!例えでかくても安産形ですし!

 

「と言うか何時まで揉むんですか!離してくださーい!」

 

涙目になりながら叫ぶとすんなりと手を離して、周子ちゃんはクスクスと笑いました。

 

「うん。大丈夫、私のまだ若いから成長するだろうし。未来はある」

 

「ナナだって17ですし!未来ありますし!」

 

「あ、うん。取り敢えずナナさん、これから私は遠慮しないからね。悠人さんを貰うから」

 

その言葉に、うっと詰まり。負けじと言い返します

 

「ナナだって負けませんよ!年の功を見せてあげます!」

 

「私より年下なのに年の功……」

 

「こ、言葉の綾ですし!」

 

目を逸らしながら、吹けもしない口笛を吹いて誤魔化します

 

「それでナナさん、お願い何だけど。悠人さん説得するの手伝ってくれない?」

 

何ですと?

どういう事かと訪ねて、私はまた驚いたのです。

 

 

 

 

-----

 

 

 

 

「つまり、周子は既に女子寮を出てたわけで。行き場が無いからお前のところに転がり込んだと」

 

「まじ最近の若者の行動力舐めてた。もう俺の選択肢yesしか残されてない状況でさ、お願いとか言われたら断れないじゃん。断ったら周子ちゃんやばいやん」

 

ナナさんと周子ちゃんが二人してお願いしてきて、断れるはずも無く、周子ちゃんは再びうちの店で住み込みで働く事になった。4代目が働く居酒屋やで!がっぽがっぽ儲けさせて貰いますー。なんて言えない、寧ろマスコミとか来たらおじさん居留守レベル最大にまでするぞ。

 

「まぁ周子はアイドルになる時に言ってたからなぁ。目標叶ったらやめるかもって」

 

「まじか」

 

「まじまじ、確か……。ちひろさん、周子の契約書あります?」

 

「周子ちゃんのでしたら……これですね。読み上げても?」

 

Pが頷くと共に、千川が喋り出す。

 

「契約内容は基本的に他の皆と変わりませんが、周子ちゃんは少しだけ付け足しがありますね。契約期間が目標到達まで…。つまりシンデレラガールになるまで」

 

「いやぁ、まさかこんなぱぱっとなるとは思ってなかったから、俺も社長も普通にOK出してたわ」

 

あっはっはと笑うPにワンパンしておく。

こちとらお陰様で笑えなくなってきています。周子ちゃんが本格的に住み始めた事で、アピールが段々と過激になってくるし何故かナナさんまで対抗する様にアピールしてくるし。

 

「俺の安息の地はトイレだけやで」

 

「ほんまか工藤!」

 

「アカンで工藤」

 

お前らノリいいな。

まぁ冗談はさておき、そろそろ何処かで釘を打っておかないと俺の理性がエボリューションバーストしそうである。考えても見てくれ、美人で色白な周子ちゃんが夜な夜な布団に潜り込んで来るんだぜ、鍵掛けてんのに意味無いし。ナナさんなんか童顔で可愛いし、そんな人がアーンとかしてくるんだぜ?

なんて言ったら二人して胸焼けしたような顔をしていた

 

「甘すぎて糖尿病になりそう」

 

「砂糖を吐く気分ってこんなんなんですね…」

 

「P、お前も同じ立場に立ってみろ。但し相手はまゆと凛な」

 

そう伝えると、Pは少しだけ考えるように上を向き、震えだした。

 

「お前がキュート三銃士を連れてきたよって、ゆかりと智絵里と響子を追加で連れてきた所で死にかけた」

 

何があったし、お前の脳内。

 

「ま、まぁ想像通り大変な訳だ。嬉しいけど、辛い」

 

「んでも、お前がここに来たって事はまた何か面倒が起きたんだろ?」

 

「基本的に神楽さん厄介ごとしか持ち込みませんしね」

 

お前ら分かってるじゃん。

今回の事件はこちら

 

「ここにお見合いの写真が1つ」

 

「解散解散!!」

 

「骨は拾いますから」

 

待て、本当に待て。これ以上は俺の手に負えぬのだ。

問答無用で写真を開き、2人に見せつける。2人の動きが止まった。

 

「美人ですねぇ…」

 

「綺麗ですねぇ…」

 

「だろ?うんまぁそれは置いておこう。どうすっぺこれ」

 

珍しく両親が連絡してきたと思ったらこれだよ。何でも早く孫の顔見たいから見合いして相手見つけろだってさ!しかも御丁寧に既に相手側に連絡済み+会場セッティング済み。笑えない

 

「まぁどうするも何も、1度会って決めるしかないだろこれ」

 

「ですねぇ…。向こう側に既に連絡済みであるなら顔合わせしない訳にも行かないでしょうし」

 

「本当に逃げ場のない人生送ってるわ……」

 

「ざまぁ」

 

「ざまぁないですね」

 

親友思いの友人2人にアイアンクローをしながら写真を見る。写っている女性は何処か儚げで、美しさの中に可愛らしさが混ざっている、そんな印象。

腕をタップされ、2人を解放する

 

「痛い……」

 

「うら若き乙女に何て事を……」

 

乙女(笑)

 

「まぁ頑張れとしか言えないわな。もしこの話流れるんだったら俺に言ってくれ、スカウトするから」

 

「あ、うん。お前取り敢えず誰にでも声かけるの止めよう」

 

「見境無しに声かけてる訳じゃないからセーフセーフ」

 

見境無しとか関係無く、これ以上増えたらお前がやばいって。事務所の濃いメンツが何をしでかすか…

 

「ちなみに、この人のお名前とか分かるんですか?」

 

「ん、あぁ。違う紙に色々書いてあったなぁ…。確か…岩手出身で、歳は26」

 

「ええやん」

 

「ベストですね」

 

「名前が」

 

 

 

 

--三船美優

 

 

 

 

 




黒ウサギは基本的に皆様を混乱させる立場です☆
因みに、私も何故風呂敷を広げたのか理解が追いついていない模様。
多分美優さんルートはない。多分、多分…

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