居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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何で更新に文香いないんですか千川。
許されませんよこれは…


安倍菜々:歳

 

「むー!?むー!?」

 

「あっはっは、朝から元気な奴め」

 

「ナナさんパンツ見えてるー」

 

猿轡を口に付けて両腕を縛り、足だけは自由にしてあるため、周子ちゃんの一言で慌てて足を閉じた。

バックミラー越しにナナさんの顔を見てみるがベソナナ状態とある。仕方がないね、昨晩も疲れて帰ってきた来てすぐ寝たのに、起きてみたらこれだもん。いやー乱世乱世(笑)

俺も同じことされたらビビるもん。周子ちゃんと二人して覆面も被ってるしね。

 

「むぁー!?」

 

「あっはっは、何言いたいのかわかんねー」

 

まぁこんなことしてるのにも理由はあるのね。ナナさん多分休日だからって家から出て来ないだろうし、立替えるからって素直に服とか買ってもらうこと許さないだろう。だから強行作に、出ることにしちゃいましたてへぺろぉ!

 

と、ナナさんに言ったら吐き気を催した様な顔をしていた。そんなに気持ち悪かったか今の。

 

「流石の周子ちゃんも今のはないと思う。そろそろナナさん辛そうだから解放しちゃいまーす」

 

そうか、そうか…。声優は許されても店長は許されないのなてへぺろ…

 

「ぷっはぁ!複雑な気分ですけど、解放してくれてありがとうございます周子ちゃん!で!神楽さんこれどう言うつもりですか!?立派に犯罪ですよ!?」

 

「早苗さんの許可は貰ってある」

 

「あの人元警官じゃないですか!」

 

「あっはっは、乱世乱世(笑)」

 

「誤魔化されませんからね!?」

 

このウサミン今日はなかなか食いかかってくるな…。やっぱあれか、ウサギパンツ履いてると気が強く何のかな…

 

「まぁいいじゃんナナさん。細かいこと気にしたらウサギは死んじゃうよ?」

 

「周子ちゃん…ナナそこまで脆く無いですから…」

 

ここで巫山戯るのは1度止めて、ナナさんに今回の目的を告げる。あまりいい顔はしなかったが、周子ちゃんが「何時までも同じ服を着るのは、若者としてどうかと…」と呟いたところ手のひらがグルグル回って涙目になりながら頼んできた。

男は別に気にしないもんかもしれないけど、やっぱ女性的にはアウトか。

 

 

 

 

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「来たぜ、ぬるりとな…」

 

「今日はゆーとさん1段とキモイねー」

 

「そうですね…」

 

頼む、もう少しオブラートに包んでくれ。

やってきたのは島村。決してダブルピースとかしないので間違えなく、ここなら安いし種類色々あるし安いし俺の財布にも優しいから連れてきたけど、周子ちゃんからは島村とかないわーと言われて少し心に来た。

 

「じゃあ周子ちゃんナナさんと洋服見てくるねーん!」

 

「待って周子ちゃん、ウサミミ引っ張ると千切れあぁああああああ!!!?」

 

ナナのウサミミがぁ!!なんて魂の叫びを残して2人は消えていった。どこからかやーいボッチーと聞こえた気がした。あとで千川の三つ編みツインテールにしてやる…

しかし、自分の買い物は無いために暇である。何故か置いてある小さなゲームセンターで時間を潰すことにしたのだが、紗南ちゃんなんでおるん…?

 

「ゲームセンターにいない私は私じゃないんだ…」

 

つまり、アイドルの紗南ちゃんは本物の紗南ちゃんでは無くて、今ここにいる紗南ちゃんが本物…?やめておこう、訳が分からなくなって来たぜ…。

暫く紗南ちゃんの白面をラムダで遠距離からひたすらボコって泣かせていると、周子ちゃんが走り寄ってきた。

 

「ゆーとさんゆーとさんさん」

 

「なんだい周子ちゃん」

 

「ナナさん今試着してるんだけど、ここは是非男性の意見も欲しいかなって」

 

良いよね、答えは聞いていない。

と首根っこを掴まれて運ばれた。4代目ともなるとパワフルである。初代は胸がパワフルだし、2代目は可愛さがパワフルだし、三代目は変態だ。346プロは色々やばい

 

「さぁ、ゆーとさん」

 

刮目せよ!と大胆にカーテンを開き

 

「ぴ?」

 

「うん」

 

まだナナさんは試着途中だった。スカートを履こうとして少しだけ前屈みになっており、当然胸元が強調されているように少しだけ垂れておりピンク色のブラがナナさんに似合っている。でも

 

「ナナさん流石にウサギパンツはもう卒業しようよ、安倍菜々さんじゅうななさいでも流石にそれは…」

 

「見るなぁ!!!」

 

そんな叫びと共にハンガーを目に突き刺された。

 

 

 

 

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「何て事があった」

 

「いやー乱世乱世(笑)」

 

「何ですか…それ流行ってるんですか…」

 

流行ってるんじゃないかなぁ、神様の中では。

服を無事に購入し、周子ちゃんにパフェを集られながらも無事に買い物は終わり、現在は346に来ている。買い物が終わった頃にPから電話が来て、仕事の話があるから来てくれと頼まれたのだ。

 

「んでんでんで?」

 

「にゃーんで」

 

「いいから仕事の話してください。そんなに暇は無いんですから!」

 

千川に怒られてしまった。ちなみに千川は今ツインテールである。一ノ瀬印のヘアーワックスでガチガチに固められており、暫くはそのままの姿になるだろうね。ざまぁ!

 

「いや、前に光が特撮の仕事したいって言い出してさ。今回その話がこっちに回ってきたんだけど、やらん?」

 

「やらん?じゃないんだけど。普通に考えて飲食店店長に話す必要無いじゃん」

 

「いやほら、お前無駄に運動神経高いし…」

 

「本音は?」

 

「俺達の動きについてこれる役者がいないらしい」

 

「まじか」

 

Pももちろんだけど、後輩である武内君もなかなかに人間をやめている。Pは月歩くらいなら出来るし、武内君ならコンクリートを拳一つで粉に出来る。俺?出来ることと言ったら高速移動による分身かな

 

「まぁ、そんな話しなら受けても良いけど…」

 

「ちなみに、お前の名前は既に向こうに伝えておいた」

 

「逃げ場無くしてから話すんのやめーや」

 

Pは昔から俺の退路を潰してから話をする。何度煮え湯を飲まされたことか…

 

「神楽さんごめんな、私のわがままに突き合わせて…。でもさ、私この仕事やりたいんだ!やっと私はヒーローになれるんだ!」

 

そんな真摯に言われては尚更断れない。しょうがないかと諦めて、その話を受けることにした。

ちなみに配役はこうである。

 

俺が悪役。Pとた武内君と光ちゃんがヒーロー。周子ちゃんがヒロイン。しかもキスシーンありと来たぜ

 

「周子ちゃんよく受けたな。寧ろキスシーンあんのにはやみんが出て来ないのが意外だわ」

 

「キスシーンって言ってもフリだしな。奏はほら、あんまりこういった仕事は似合わないからなぁ…」

 

なるほど、フリなら問題無いな。

話を粗方聞き終わり、武内君の顔でも見ていこうと思いレッスンルームに顔を出す。

 

「武内君武内君。君の配役何だかわかる?」

 

「悠人さん、お久しぶりです。悠人さんもお話を聞いたそうですね…。私は確か力の2号だったかと…」

 

つまりPが技の1号で、光ちゃんが力と技の3号になるのか。やべぇな、地味に俺の疲れがたまりそうだ。

 

「何何、悠人さん遂に殴られるの?」

 

「遂にってなんだ遂にって」

 

しぶりんがそんな事聞いてくるが、346内での俺の評価が凄く気になった。

 

「だって、悠人さん変態だし」

 

「私にも何度も笑顔とピース要求してきますしね…」

 

NGの評価はなかなかに酷いって事はよく分かった。

 

「確かに、魔の者は動きが世界の枠に収まっておらぬ…。なればこそこの配役はなかなかに楽しめる物となるのでは?」

 

珍しく蘭子語が控えめな事に驚きながら返事をする

 

「一回レッスンしてるの見た事あるしね、確かにアレだけ気持ち悪ければ殴られるのも間違いない、気持ち悪いし」

 

「しぶりん俺の事嫌いなの?」

 

「プロデューサーの舌を虜にしてる時点で殺意の波動に目覚めそうだよ」

 

そこまで言われるとは思わず、涙が出そうになる。

 

「渋谷さん、そこまで、言わなくても…」

 

「大丈夫だよプロデューサー、悠人さんMだから」

 

「いや、先輩は…。確かに…」

 

確かに…。じゃねーぞ武内君。何納得してるんだ。

ここには敵しかいないと悟り、せめてと「3代目は貧乳!」と叫び部屋から飛び出した。

 

 

 

 

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そして、撮影日当日。

 

「ねぇPーミン」

 

「どうした神楽、緊張でもしてるのか?」

 

うん、色んな意味で緊張してる。だってお前ら手になんかメリケン付けてるの見えたし。他にもしぶりんと島村さんグランブルーで使ってた剣持ってきてるし、ちゃんみおも銃持ってるし。確実にヤリに来てますねこれは…

 

「大丈夫だって、峰ついてるから」

 

「安心してください、峰ついてますから」

 

「メリケンに峰とか訳が分からんぞお前ら」

 

ちなみに、この作品は変身シーンがある。そこは我らがあきえもんに

 

『狂気のマッドサイエンティストはこんなのも作れないんですか?』

 

と5人に分身して囲みながら言ったら5分で作り上げた。しかもウサミンロボにしっかりと俺を殴らせてる最中にだ。346のアイドルって文香ちゃんと楓さんしか女神いないんじゃないかと疑ってしまう

 

「まぁ死にはしないだろうけど、俺も日頃の恨みとかここで晴らすつもりだから暫く動けなくするな」

 

このプロデューサー確実に仕留めに来る、そんな気がした。助けて武内君と目を向けるが

 

「私も、いい機会だと思います。ですので、久しぶりに先輩の胸を借りるつもりで、全力で行きます」

 

退路は絶たれた。

本気で逃げ場を探すが、出入口はNGに塞がれてしまい逃げ出せない。あいつらも確実に仕留めに来てる。

辺りに視線を巡らせると少し元気がない周子ちゃんがいた。何かあったのかと訪ねてみると

 

「いやね、私にヒロインとか務まるのかなって」

 

なるほど、珍しく悩んでいたのか。

そんな彼女に少し笑い、励ます。

 

「周子ちゃん立派にシンデレラなんだ。一番のヒロインなんだよ。務まらない訳がないよ」

 

そう伝えると、白い肌を朱に染めて彼女は笑った。

 

「そっかー。色々考えてたけど、少し吹っ切れたよー。ありがとーゆーとさん。あたしがヒロインじゃつまんないかも知れないけど、よろしくねん?」

 

「ん?誰が誰のヒロイン?」

 

「私が、ゆーとさんのヒロイン」

 

ヒロインはひろいん事されるんですよと、そんなの事を言う25歳が過ぎった。

と言うか待て。ヒロインって悪役側なの?

 

『そろそろ撮影始めまーす!』

 

そんな考えを解消できないまま、撮影は始まった。

 

 

 

 

 

 




次回『神楽死す!』
次回は作者の中の封印されし某が暴走しますてへぺろぉ!

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