居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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お待たせしました
尚本編は進まない模様
俺らの神楽がまさかの方向に進んだお話


小話

あれはいつ頃の話だっただろうか。

いつもと代り映えしない日々を怠惰に過ごし、過去との差異に苦しみ、現実(いま)でも苦悩していた頃。

 

 

その日は日差しが殺傷力を多分に含んでいた真夏日だった。

ちひろから珍しくお酒のお誘いが来た。特にやることもなく、外に出たとしてもカラオケぐらいにしか行く場所も無かった(.)は特に深く考えずにそれを承諾した。

 

「まぁ確かに私の勘違いが原因なのは理解しているがね、せめて電話越しでも良かったから合コンだってことは説明して欲しかったな」

 

詳しく話を聞かなかった私にも非があるのは認める。しかし変なところで頭が回る彼女の事だ、きっと素直に合コンと伝えると私が参加しない可能性があったから敢えて伝えなかったのであろう。

ちひろは誘った私の事よりも意中の相手であるPとの会話を楽しんでいる。恋する乙女…いやそろそろ乙女と言う年齢を卒業しなければなら無いかもしれないが。一先ずそんな乙女を放置しつつ、私は私のペースで飲酒を続ける。

 

 

暫く飲み勧めて気がついた。男性側にも私と同じように黙々とお酒との愛を深めている猛者がいる事に。

ちょっとした好奇心で私は彼と話をしてみる事にした。

かなりお酒が回っていたのか寡黙な見た目からは想像できない程に彼は饒舌に、語ってくれた。

Pの後輩であること。Pの夢を応援すると共に、自身も同じ道に進みたいと考えていること。最近ちひろがPに謎の液体を差し入れに持ってくること。何故かそれがこちらにも飛び火することetc

彼らが目指す道はプロデューサーである。

世はまさにアイドル大時代。765、961を筆頭に大小様々な事務所が数多くのアイドルを排出している。そんな世界に彼等が飛び込もうとしている。

そんな彼の話を聞きながら、私は過去を思い出す。そんなソーシャルゲームも有りましたと。

通称モバマスと言われていたそのゲームに私は心底のめり込んだ。アニメが放映されるとわかった日には特にイベントも無かったのに多くの諭吉を灰にしたものだ。

そんな懐かしい記憶を思い出しながら酒を口に含む。アニメが放映される前に過去の私は息を引き取った。死因は覚えていないが、再び目を覚まし理解してからは絶望が襲ってきた。そんな中ちひろに出会えたのは当時の私からすれば僥倖だったであろう。

中の人の総年齢が軽く魔法使いを超えていたため、周囲に合わせるのも面倒であった私は孤立していた。遠巻きにヒソヒソと陰口を叩かれていたのも知っていたし、視線が合えば素早く目線を逸らされる。泣けるぜ

そんな中ちひろは違った。Pに近づきたいがために私に近づいてきた彼女を私は気に入り(緑の事務員そのまんまであったために応援したくなった訳であるが)気が付けば一番の親友となっていた。

 

宴もお開きとなりちひろが始まりよりもPとの距離を近づけていた。件の後輩くんにはアイドルになりませんかなんて言われてしまったが丁重にお断りした。前世魔法使い(30)がアイドルをやるなんて失笑物である。Pにも誘われたことがあるが彼等は私に何を求めるというのだ。胸か、無駄に成長したこの胸か。アイドルってグラビアの事かー。

なんて事を考えながら帰路に着く。月明かりが差し込む自室に戻ると、私は窓を開け放ち歌を紡ぐ。

なんたらポニーの月明かりのなんたらである。

過去では存在していた歌が現在では存在しない。そんなことが許せなかった私はこうして歌を歌う。誰も知らない、それでも私が知っている歌を。幸いにして両隣はお出かけ中なのか壁ドンなんてされないので安心して声を出せる。魔法使いとはいえメンタルは豆腐なのだ。

 

 

合コンと言う名のちひろのPとの距離を近づけるための飲み会の翌日。秋葉原にてコスプレのための道具を買いに来た奴、私です。折角女になったのだから有効活用しないとか有り得ないwwwwww

そんな考えのもとに来てみたのだが早々に暑さに負け近くのメイド喫茶に入ることに。兎と小鳥がいるメイド喫茶とはたまげたなぁ…。小腹が空いていたのでサンドイッチとコーヒーを頼んでウサミンパワーをお裾分けしてもらい、帰り際には小鳥ちゃんとのフォトを貰った。何故かこちらがお願いされて写真をとってもらう事となったのだが。

 

外に出るが相変わらず日差しが強い。うん、あんな風にゴスゴスしたロリロリな服を着た少女がさしている日傘が羨ましいよ。

 

秋葉原で何度目かのスカウトを受けた。いい加減にして欲しいぜ。私はこれから中学生とゲームをしに行くんだ。

無表情でお断りしまくっていたら見慣れた顔に声をかけられた。

おぉ、後輩くんか。なんだね私に何かようかね?え、スカウト?誰を?私を?

まぁ落ち着け後輩くん。少し目を瞑りなさい。そして10秒過ぎたら目を開くのだ。

そうして素直に目を瞑った後輩くんの目の前に、後ろを通りかかったゴスロリを召喚する。ふぇっ!?とか可愛らしい声が聞こえたが、済まない必要な犠牲なんだ(私が逃げるために)

 

 

 

尊い犠牲の上で無事に逃げおおせた私である。

逃げたのはいいけど今度はPに捕まった。なんだ貴様らはハンターか何かなのか。逃げ切れば賞金でも貰えるのかと軽くトリップしていたらまたスカウトだよ(笑)しかも知人に(笑)

取り敢えず三度生まれ変わってから出直してこいと告げたらPは膝から崩れ落ちた、敗北を知りたい。流石に即答するのは酷いかなと考えたので近くの病院に放り込んでおく。あまりの優しさに全米が涙するレベルである。

いい事をした後は清々しい気分になる。そんな時に電話が掛かってきた。ちひろからである。

もしもし何御用ですか?え、何何?アイドル?私が?niceジョークですね!うん待って、印税生活とか出来んの?売り上げ次第?million出せば大丈夫なのかな?

そんなわけで神楽悠希、アイドルになりました。

 

後輩くんとP?なんかちゃっかりアイドル勧誘してきたみたいだよ?と言うか同じ事務所なのね。なんでプロデューサーしてるのか聞いてみたがなんでも職場体験的なものらしい。びっくりだぜ。

本日はほかのアイドルと顔合わせをする為に呼ばれたらしい。訓練室に集合しているらしいので四人で向かう。

扉を開き小娘どもを見定めしようと生き込んでいたのだが

 

やべぇよ……

歩く背クロスさんとか花屋のわんことか普通のアイドルとか処女ビッチとかいんじゃん!

うっひょー!堪んねぇな!

アイドル?いいよそんなの!こんな可愛い子と一緒に汗かけるんでしょ?!合法的に匂いかいでもいいんでしょ!汗の流しっことかいっておっぱい揉んでもいいんでしょ!何時までもアイドルやってやんよ!待ってろよおっぱい!




多分性別変わってもこんな感じで壊れてる。
もう少ししたら本編更新します。
長らくお待たせして申し訳ぬえ…

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