ちゃんみおとしぶりんお迎えできたので、後は10月に来ると噂の文香さんをお迎えするためにジュエル貯めるのです。
突然であるが、バイトを首になった。
いや、首になったというのは間違いかもしれない。正確にはバイト先が無くなっていた。
前々から怪しいなとは思っていたのだ。お客さんは1日に3人でも来ればいい方だし、たまにとても怖いお兄さん達が遊びに来るし。それでも店長はいい笑顔で「給料日楽しみにしておけよ!」なんて言うものだから楽しみにしていた結果がこれである。
しかし何時までも悲観している場合ではない。そう思い新しいバイト先を探すことに決めた。
梅雨が始まりジメジメとしてきた六月の事である。
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GW以降、鷺沢さんとはまともに顔を合わせてはいない。別れ際にまた今度話をしよう。なんて言ったのはイイのだが、果たして何処で話をすればいいのやら。学部は同じであるが、席が隣合うことなど無いし、サークルに至っては入部すらしていない。何となくあの部屋に行きづらいのだ。
まぁ、よく考えれば自分の事なんか向こうも待っているわけも無いだろう。そう結論付けて、今まで通りのキャンパスライフを送っていた。
学校掲示板に張り出されている求人募集に目を通す。食堂、コンビニ、服屋にパチンコ屋などなど。様々な職種が張り出されている。何でも少し前に何処かの会社の事務員まで募集があったというのだから驚きだ。
ぱっと目を通してみたが、これだ!と言う仕事は見当たらなかった。
見つからないのも自分が求める条件が面倒くさいだけなのかもしれない。平日のみの夜九時まで。断っておくが城ヶ崎家には門限は存在しない。莉嘉ちゃんは流石に遅くなりすぎると怒られるが、美嘉ちゃんはアイドルの仕事で帰ってくる時間がマチマチだったり、俺に至っては既に大人である。今更そんな心配も無用の長物。では何故九時なのかと言うと、莉嘉ちゃんが1人でさみしそうにしているのを見かけたからである。1度そんな姿を見てしまったら、一家族として見過ごすわけには行かない。そう判断して、この結果となった。
しかし今回に限ってはその判断が首を絞める形となっているのだけれど…
なんて考えながら、大学を出て、商店街へと進む。たまにであるが、こうしてふらつく事でアルバイト募集の張り紙を見つけることがある。そういったものなんかはこちらの条件にピッタリだったりするのだ。
道中、肉屋で売られていたメンチカツを頬張りながら、何かないかと首を動かしながら歩く。
すると、古ぼけた、小さな本屋を見つけた。御丁寧に求人募集の張り紙付きである。
募集している時間帯的にも、こちらが求めていた条件に合致しており、給金も申し分ない。
これは早急に連絡を取って面接を受けさせて貰わないと。そう考え店内に入ろうとした時に
「お?悠人さんじゃん。ちょーど良かった☆」
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結局、店内に入ろうとした時に美嘉ちゃんに捕まり荷物持ちとして付き合わされた。美嘉ちゃん1人だけであるなら荷物持ちもそこまで重労働では無いのかもしれない。だが、その時は仕事仲間であるらしい『渋谷凛』と『佐久間まゆ』が一緒にいた。何でも、次の仕事まで時間が余っていたらしく話している内に買い物に行く流れに至ったらしい。
であるならば、自身はいない方がいらぬ噂なども立たないであろうし、最初は逃げ出そうとしたのだが。
『悠人さんこの前私のこと放置してどっかいってたよねー。埋め合わせ欲しいな★』
などと、小悪魔的に笑われながら言われてしまってはこちらとしては従うしかなかった。念のため2人にも行動を共にしても良いのか確認した所快諾を貰ったので、付き添うことになった。
「それで、今はプロデューサーが色んな人をスカウトして新しいプロジェクトを立ちあげようとしてるんだって」
「私もそのプロジェクトの為にスカウトされた様なものなのかな」
「まゆは凛ちゃんのプロデューサーとは違う人に運命を感じて、346に移ったんですけどねぇ」
女3人寄れば姦しく、俺が何か話題を出さなくても勝手に話が進んでいく。
「武内さん…だっけ?見た目怖いらしいけどそこまでなの?」
「…私の友達に卯月って子がいるんだけど。スカウトしに来た時は、何処かに拉致されるんじゃないかって不安になるほど怖かったらしいよ」
それは、そのなんだ。相当怖い顔してるんだろうな…
「まー実際仕事ぶりとか見たりしてると、見た目で損してるなーって思う感じ何だけどねー」
「噂をすれば、何とやらですかねぇ…。ほら、あそこ見てください神楽さん。信号待ちしてる人をスカウトしてますよ?」
まゆちゃんに言われて、そちらを見てみると。
---鷺沢さんが、スカウトされていた。