居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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アナスタシア:事

厄介事は何時もPが持ってくる。

 

「プロデューサー業?」

 

「ほら、前に一度やってもらったことがあっただろう?その時の仕事ぶりからお前なら大丈夫だと思って」

 

訳が分らないのはいつものことである。

話を纏めるとアイドル増え過ぎてPだけだと首が回らなくなるから少し手伝ってちょ☆ってことだ

 

「待て待て、俺居酒屋店主よ?それにお前んとこに武内君入ったじゃん」

 

武内君とは俺らの大学時代の後輩である。就活していたところをPが捕まえて入社して、現在は同じ事務所で働いている筈なのだが

 

「武内君は、ほら。まだ俺が見てないといけないしさ。それに彼一人にしたら職質受けて仕事にならないし…」

 

なら何故アイドルを増員したしと声を大にして言いたい。だがしかし大人である俺は華麗にスルーした。

 

少し考えてみる。プロデューサー業務が出来ない訳ではない。問題は居酒屋業務に支障が出ないか、それに尽きる。

まぁどうせPの事だ、支障出ないか程度の仕事を手伝わせて来るんだろうな…

 

「アーニャのプロデューサーとして着いて貰いたいんだけど」

 

「アーニャちゃんの?それまたなんで?」

 

「俺も武内君と少し県外に出ていくことが多くなりそうでな、そーなると近場での仕事が多いアーニャになかなか着いていけなくなるから、出来るならお前に連れ添いして欲しいんだけど」

 

「まぁ知らんわけでも無いから俺はいいとして…、アーニャちゃんはどうなの?」

 

と厨房をせかせかと小走りしている彼女に問いかける。

 

「あー、私は大丈夫、ですよ?」

 

大変嬉しく思います。悩む素振りもなく即答してくれてるなんて信頼されてるね俺!一周回って意識されてないのかね?やばいね、それはそれで心に来るわ

 

「それなら話は決まりだな。明日から頼んだぞ神楽!」

 

ちょっと待て明日とか聞いてない

 

 

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「アーニャちゃんが助手席に座る機会も多くなったね」

 

「そうですね、仕事以外でも、最近はよく乗せてもらいますし」

 

ユートとこうして二人きりになる機会が増えました。仕事だけでなくプライベートでもです。ユートは優しくて、そばに居ると心がポカポカします。この気持ちが何なのか良く分からなくて、ちひろに相談して見たらとても優しい笑顔で頭を撫でられました。

 

「次の仕事はっと、なんだっけ?アーニャちゃん手帳見てくんない?」

 

「えっと…。あー水着の撮影ですね」

 

もうそろそろ季節は夏に差し掛かる。日差しが強まり、日光が肌を焼く。多くの人が暑さから逃れるように薄着になり涼しさを求めるようになる。

私は両親の影響からか、肌が白い。だから昔から余り露出をするのは控えていたのだが…

少しだけ横目でユートの顔を見る。その顔を見るだけで心のポカポカがまた暖かくなる。にへら、と自然と笑顔になりそうになるが頭を振ってキリッと表情を固める。アーニャはcoのアイドルです。そんな簡単に笑顔は見せないのです。これもちひろに言ったら崩れ切った笑顔で頭を撫でられました。

故郷のお婆ちゃん、アーニャはこの夏、少しだけ勇気を出して肌を出したいと思います。

 

 




こうして黒ウサギはロシア語を調べるのを辞めた……
軽くリハビリめいた投稿なので短いです。今後もこんな感じになるかもしれませんがよろしくお願いしますん。

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