居酒屋で愚痴を聞くだけの簡単なお仕事です   作:黒ウサギ

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リクエストを頂いたのでのんびりと



第26話

「大当たりー!こちら二等景品の3名様で行ける遊園地一日パスポートになります!」

 

「いや、三等の海鮮詰め合わせがいいんですが」

 

割と、まじに。そんなパスポート貰っても行く人いないですし。ボッチワロス…。

食材の買い出しで貰った福引券で回してみた結果見事当選した。うん、いらん。

大学の頃であればPや千川を誘って行くのも良かったが、今ではみんな社会人。時間が取れそうなのは俺だけである。

なので、海鮮が良かったのだが交換は出来ないらしくどうしたものかと。

 

「うむ、これはPに渡して火種にしよう。」

 

慌てふためく顔を思い浮かべながら事務所に向かうことにした。

 

 

 

 

 

「無理!」

 

受け取ってもらえなかったよ…。

どうも話を聞く限りどう頑張ってもスケジュールに空きが出ない状態らしい。だから受け取っても金券ショップに流れるのがオチだとか。

 

「せっかくだから神楽が誰かを誘えば良いじゃないか」

 

「誘う人いねーから来てんだよハゲ」

 

「ボッチざまぁ」

 

「「表出ろぉ!!」」

 

「バカばっか…」

 

美玲ちゃんの冷静なツッコミが痛い。

 

「なら、ウチから誰か連れてくか?」

 

「んーあー、せっかく当てたのを売り払うのもなんかなぁ。因みに誰が行けそうなの?」

 

「行くとしたら日曜日だろ?となると…美波と智絵里が行けそうだな」

 

新田ちゃんとちえりんか、そこまで親しい訳でも無い二人なので悩む所である。

 

「そもそもアイドルと一般人がそんな所行ってもいいのん?」

 

「大丈夫、お前一応プロダクションに所属してあるから」

 

「あ?」

 

「社長が念の為ねじ込めって言って来てな、こっちも心苦しいんだけど登録しておいた!」

 

満面の笑顔で親指立ててんじゃねぇよ。いや、仕事回って来ないだけマシと考えよう。ポジティブに…。

 

「この恨み何時か必ず晴らす。まぁ二人が良いんだったら連れてくとするよ」

 

その後難なくOK貰いました。信頼って素晴らしいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やって来ました夢の国」

 

「ハハッ私ミ○ー」

 

「新田ちゃん、それ以上はいけない」

 

見事3人で夢の国に訪れた。智絵里ちゃんは着いた時から凄くテンションが上がっている。お目目キラキラモードである。

 

「さて、智絵里ちゃん。何か乗りたいやつあるかい?」

 

「え!…私が決めても良いんですか?」

 

「いや、そんなに驚かれても困るけど…。じゃあ新田ちゃんと決めな。」

 

お目目キラキラちえりんまじ天使。地味にテンション上がってる新田ちゃんも天使である。346プロには天使と神様が多い(確信)。一人悪魔いるけどな。

 

「美波さん何か乗りたいものありますか?」

 

「そうね…、智絵里ちゃんが乗りたい奴から乗りましょうか」

 

「…その、ありがとうございます!じゃじゃあ!あれ乗りたいです!」

 

そう言って彼女が指差したのはてっぺんから落下するやつだった。タワー的なテラーね。

初っ端から絶叫マシンや…

 

 

 

 

「お口からマーライオンしちゃう…」

 

「神楽さん絶叫マシン苦手なんですか…」

 

「その…ごめんなさい…」

 

謝られてしまった。ちゃうねん、苦手じゃないけどいきなりってのがキツかっただけです。

 

「大丈夫大丈夫。久し振りに乗ってビックリしただけだから」

 

言いながら頭を撫でてあげる。ナデポや…、これでナデポが成立するはずなんや…

 

「ひゃっ。」

 

悲鳴が上がりました(白目)

 

 

 

 

「やっぱり夢の国に来たのならチュロスですよね」

 

「何時だっけかなぁ、餃子ドックが美味しかった記憶あるんだよなー」

 

「わ、私は何でも美味しいと思います…」

 

食事はレストランで食べないで道中で食べ歩きするのが一番だと考える。

まぁ人それぞれなんだけどさ、二人して喜んでるみたいだし食べ歩きで正解だね。

 

「よっしゃ、腹も膨れた事だし。次行って見よー」

 

「おー!」

 

「お、おーです!」

 

天使や(二回目)

 

 

 

 

「たてたてよこよこまるかいてどん」

 

ジェットコースターまじミキサー。

 

「神楽さんやっぱり絶叫マシン駄目なんじゃ…」

 

「目が虚ろですよ…。」

 

大丈夫だと思ったんですよ。しばらく乗ってなかったから大丈夫になったと思ってたんですよ。そんなことは無かった…

 

「俺のことはいいから、二人で楽しんで来なよ…」

 

訳。休ませてください

ちえりんが心配して動こうとしない。どうしたもんかなと新田ちゃんに視線を送ると。理解してくれたのか智絵里ちゃんを説得してくれ、そのまま出掛けて行った。

 

「よしっと、行ったなー。」

 

二人が見えなくなるのを確認してから立ち上がり、お土産を買いに色々歩き回る。もちろん二人に渡すものも忘れない。

 

「百○ビーンズが売ってたら買うんだけどなぁ。夢の国にあるわけねーよな。何がいいかなー」

 

プロダクションにはクランチチョコで良いとして、後は…

 

「楓さんにも何か買ってくか」

 

特に深い意味はない、はず。ほらあれだ、最近仲良くなってる気がするし。深い意味はない!ただ問題なのは何を渡すかだ。何でも喜んでもらえそうなんだけど、出来るのなら心の底から喜んで貰いたい。ならばお酒か、と思ったが夢の国にはお酒が無い。

 

「妥当な所で縫いぐるみなんだろうけどなー」

 

数多すぎてわかんね。ハハッ

 

「何か無いかなー……おぉこんなのもあんのか」

 

少々値段が張るが、喜んで貰えるのならこれにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「楽しんだかー!」

 

「満足です!」

 

「遊園地久し振りに来ましたからね。楽しめました!」

 

 

よろしい。特に描写はしないが二人とも満喫したようである。ちゃんとお土産も買ったようだし

 

「さぁ帰るぞ!」

 

尚ここまで運転して来たのは私です。

 

 

 

 

 

「何てことあってですね。夢の国行って来ました」

 

「なんで、私を、誘ってくれないんですか!」

 

やめて肩パンやめて。

だからってボディもやめて。腰の入ったパンチ出すのやめて、デンプシーはもっと、やめろぉ!

 

「いや、Pがスケジュール空いてるのがこの二人だけって言ったから….」

 

「仕事休んで行きましたよ!」

 

楓さん、あんたアイドル。OK?

 

「まぁ楓さんにもお土産ありますよ」

 

「無かったら延髄に蹴り入れてました。」

 

アイドル(白目)

ゴクゴクと勢いよくお酒を飲み干し、ジョッキが叩きつけられる。怖い。

 

「で、出来れば家帰ってから開けてほし」

 

「開けちゃいました」

 

「はえーよ」

 

そこはもうちょいこう…、家に帰ってから楽しむもので…

 

「これ……ネックレスですか」

 

「見ての通りネックレスです。これなら思い出として残りますし。……似合うと思いまして」

 

おう、言っててなんか恥ずかしいぞ。

ちらりと横目で楓さんを見てみると。凄く嬉しそうに、笑顔になっていた。

 

「嬉しいです…。凄く嬉しいです…!」

 

「良かったー。喜んでもらえなかったらどうしようかと….」

 

「喜びますよ!え、もしかしてこれって……ペアネックレスとか…?」

 

「え、まっさかー。ペアなんて買うわけ無いじゃ無いですか」

 

この後めちゃくちゃ腹パンされた。

何故だ…

 

後日、ネックレスを着けて嬉しそうに仕事を行う彼女を見ることになり。心がとても温まった。

 




楓さんヒロインだから。
最後持ってくのも仕方が無いね(白目)

ちえりんと新田ちゃん。出番少なくてごめんね…
リクエスト貰ったのに最後が楓さんでごめんね…

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