加蓮ちゃんが来てガチャガチャしたけど現実はそんなに優しくなかったよ・・・・・・
今回のお話ですが少しgdgdしているかもしれませんのでご注意を・・・
六月。梅雨に突入し気温も段々と上がり始めてきた今日のこの頃。皆様はどうお過ごしでしょうか。私こと神楽は本日もCGプロダクションにお邪魔させてもらっております。あ、私事になりますげ先週鎌倉に行ってまいりました。生憎あちらも雨模様の天気だったのですが大変いいものが見れました。ノースリーブのワンピースを着ている美優さんが見れただけでも眼福だというのに響子ちゃんの濡れ姿まで見れるとは思ってもおらず私思わずその場で叫んでしまったほどです。珠美ちゃんに竹刀で叩かれてしまいましたが
さて、六月といえば梅雨だけではなくもう一つ、代表的なものがあります。そろそろそんな仕事も来るんじゃないかとPを話をしていた矢先に起きた事件がこちらです
世界が凍った。そう表現するのが一番だろう
Pが放ったある一言により、出前を届けに来た俺も合わせてプロダクション内にいた全ての人物の行動が停止した
彼は口には出してはいけない言葉を出したのだろう。少し経つとアイドル達が慌てたように、いや、我先にとPの元へと駆け寄る。あっという間にPの姿が見えなくなってしまった。この手に持った岡持をどうしたもんかと考えていると入り口を大きな音と共に開け放ち駆け出して行く人物が見えた。給湯室の方を見るといつの間にかお茶を入れている人もいればお菓子を取り出している人もいる。あ、ドーナツは遠慮しておきます。どこかに電話をかけている人もいる。「えぇ、はい・・・・・・。ですのでもう少ししたらこれからそちらに衣装の方を見に行きたいと思いますので・・・・・・」
軽くため息をつき、Pがいるであろうデスクに近寄る。未だ彼は見れないがとりあえず岡持の中からレバニラ定食を置いてその場から去る
全く、Pもなんてことを言ったんだ
「神楽・・・・・・引っ張って、俺を助けて・・・・・・」
「自業自得、俺知らない」
「後生だからっ、これ以上はもう本当に折れる・・・・・・っ」
きらりが抱きしめているのだろうか、確かに骨がミシミシと軋んでいる音が聞こえる。が、我関せずを貫きたいので去ろうとすると腕を掴まれた
「Help me・・・・・・」
「No Thank you」
「!?」
奴の顔が絶望に染まったのを確認してから掴まれていた腕を振りほどき出口へと駆け出す
「な、長門屋の特製餡蜜10個で!」
「馬鹿野郎!死ぬんじゃないぞ!一緒にここから逃げるんだ!」
出口へと向かっていた体を反転させてPの腕を掴み無理やり引き抜く。長門屋の餡蜜を条件に出されたのなら飲まないわけにはいかない。それも特製のほうと来たらパンダだって笹を放り投げて駆け出す。同時に彼女達の意識を逸らすために懐から幼少時のPの写真を数枚ばらまておく
「しかしお前も何であんな事を言っちゃったかな。こうなるってわかってただろ?馬鹿なの?」
「反論の余地もありません」
「まったく・・・・・・」
「結婚したいなんて言い出すから・・・・・・」
で、現状俺とPは応接室に立て篭もりあるセッティングをしている。ガタガタと音を立てながらテーブルを動かす
「プロデューサーここ開けて。急がないと市役所閉まっちゃうから」
バンバンと扉を壊さんという勢いで叩きながら声を掛けてくるのが軽くホラー映画を連想させる
「さて、P覚悟はいいか?」
「おう、こうなったら俺も腹を括ろう。プロデューサー業で身に着けた処世術を見せてやろう!」
そう意気込んだPは扉の前に立ち、告げる
「これから面接を開始する、今この場にいる人のみ面接に参加する権利があるので事務所の鍵を閉めておいてくれ。そちらで面接の順番は決めて貰う。決まり次第ノックと共に部屋に一人ずつ入ってきてくれ」
外から何故面接が行われるのか?何故立て篭もる必要があるのか?など色々な疑問が聞こえてくる。それもそうだろう、これはPがこの場を切り抜けるためだけに行う面接なのだ。結婚という話から話題を移そうとしているだけに過ぎない
「あきえもん、準備はいいか」
「あきえもん・・・・・・。まぁいい、こちらの準備は出来ている。それよりも報酬の方は確かなんだろうな」
「勿論だ、これが終わり次第Pの身柄はそちらに引き渡そう。ただ事前の約束通り過剰な接触はタブーとする。飽くまでデートくらいしか出来ないと思うように」
「十分だ、では私は部屋の隅で研究を続けるとしよう」
そう言い彼女、池袋嬢は部屋の隅に移動していった
ドンドン!!とノックの音とは思えない音と共に最初の一人が入ってくる
「失礼します!!!!!!!!!」
豪快に扉を開け放ち、豪快に扉を閉め入ってきた最初の一人は
「面接番号一番、日野茜です!よろしくお願いします!」
先日CDデビューを果たした日野茜だった。うるせぇ!
「それじゃあ、何故動機を聞かせてもらえますか?」
耳を押さえながら、Pが質問をしていく。質問の内容はそんなに多くない
①面接を受けようと思った動機
②何故Pなのか
③今後希望する事は
全て聞くまでも無い事だとは思うが面接をすると決めた割りに何を聞けばいいのか浮かんでこなかったのでこの三つになった。どうせ全部結婚するためとかで返事が終わりそうである
ちなみに俺は書記である。書き留める必要は無いのではないかと思ったが後々ネタに出来そうな気配がしたので書いておくことに。日野ちゃんの返事はどんなのかなー
「なんとなくです!」
思わず手に持ったシャーペンを落とすところだった
「・・・・・・え、なんとなく?」
Pの方は少し震えている。まさか彼もなんとなくでこの面接に挑まれるとは思っていなかったのだろう
「はい!事務所に戻ってきたら皆さんクジを引いていたので、私も引いてみたら一番だったんです!」
鍵はどうしたのかと聞くと入ったと同時に閉められたらしい。もう少し遅かったらこの子面接受けれなかったのか
「それじゃあ日野ちゃんはこの面接がなんの面接か知らないってこと?」
「わかりません!」
「うん、元気すぎて耳が痛い。ちょっと時間もらえるかな?」
わかりました!と大きな声を聞き、どうしたもんかとP考える。ここで面接内容、つまりはPが漏らした結婚という話から始めないといけないのだが・・・・・・
ちらりと二人して日野ちゃんの方を見る。すると彼女と目が合い、彼女は不思議そうに首をかしげ笑った
(日野ちゃんに本当のこと伝えたら声で窓割れると思うんすよ・・・・・・)
(同意。ここは申し訳ないが違う話題で面接を行おう)
相談を終わらせ、彼女に向き合う
「お待たせしました、それでは先ほどの質問は変更して。『最近困っていることなど』これでいきますか」
「最近困ったいることですか・・・・・・」
Pから何故そんな質問なのかとジト目が送られてくるが許して欲しい。直ぐにまともな質問が思い浮かぶほど出来た人間じゃないんです、ハイ
「そうですね・・・・・・。自分で言うのもどうかとは思うんですけど、最近私忙しいじゃないですか?」
CDが発売されてからというもの確かに彼女は忙しい。雑誌のインタビューに水着のグラビア。音楽番組に呼ばれたりとCD発売組はあっちへこっちへてんやわんやだ
「そうなるとラグビーを見に行く時間がなくて・・・・・・」
「なるほど・・・・・・」
確かに時間帯が被れば当然見に行く事は出来ない。彼女趣味はラグビーの観戦である。趣味を長時間お預けを喰らうというのはそれなりの苦痛だろう
Pになんとかしてあげるようにと言う念を込めた視線を送ると。咳払いを一つして話出した
「いつもお疲れ様茜。CDデビューしてから仕事ばっかりでお前の時間を取らせてあげる事が出来なくてごめんな・・・・・・。変わりといっちゃ何だが今度の休みはラグビーの試合がある日にしておこう。その時は俺も一緒に「プロデューサーさんも一緒ですか!?」え、はい」
Pも一緒。その言葉を聴いた日野ちゃんは突如立ち上がり
「うううううう~~~~~~、ボンバーーーーーーーーー!!!!!!!」
俺達の鼓膜に大ダメージを残す掛け声を上げながら走り去っていった
「すいません、取り乱しました・・・・・・」
「大丈夫、大丈夫だから今後は急に叫びだすなんてことはないように・・・・・・」
じゃないと俺達の耳がいくつあっても足りない
「善処します!」
「ほら早速叫ぶー。まぁ慣れたからいいけど」
しゅん、と俯きながら謝る日野ちゃんにこちらも少し申し訳ない気分になる。そんな空気を察してか知らずに動いたのかはわからないが、Pがある企画書を取り出した
「そういえば茜にまた仕事が入ってきてるぞ、これなんだけど・・・・・・」
「仕事ですね、頑張ります!!!・・・・・・頑張ります」
小声で言い直す日野ちゃん可愛いです。渡された企画書を見ようとした日野ちゃんにPがストップをかける。念のためにこの部屋から出て、女子寮に戻ってから見るようにとPが告げ今回の面接は終了になった
「ところでP、さっき渡した企画書って結局なんのなんだ?」
「ひ☆み☆つ・・・・・・落ち着け神楽暴力では何も解決しないぞ」
「今この場でお前を殴る事で解消されることがある。それは俺のストレスだ」
「やめて!」
「次の人ー」
パッションな日野ちゃんの次に入ってきたのは加蓮ちゃんでした。季節に合わせてなのか少しだけ髪が短くなった気がする
「茜さんが凄い勢いで出てきたときはびっくりしたよ・・・・・・」
「次は加蓮か、とりあえず座ってくれ」
「お言葉に甘えますよっと。うぅ・・・まだこの格好だと少し寒いかも・・・・・・。Pさん落ち着いて、体壊してるわけじゃないんだから」
ガタガタと勢いよく立ち上がりどこからともなく毛布にマフラー、手袋を取り出すPを見て加蓮ちゃんは何処か嬉しそうにはにかむ
「大丈夫なんだな!風邪引いてるとかそんなんじゃないんだな!」
「大げさだなぁ、最近は体の調子も良いって知ってるでしょ?それにトレーナーさんから聞いてない?昔と比べると体力もついてきてるって」
「聞いてはいるけど・・・・・・、心配なものは心配なんです!」
「大丈夫だよ。本当に辛くなったらちゃんと伝えるから」
「そっか、それでも今は寒そうにしてるんだしコレ着とけ」
自分のスーツを脱ぎ加蓮ちゃんにかけてあげるP
「え、これ、でも・・・・・・」
「あ、さすがに俺が今まで着てたやつはいやか?まぁ女の子に着せるもんでもないしなぁ・・・・・・。かと言って他にちょうど良さそうなのは・・・・・・」
「・・・・・・これいいです」
「そうか?じゃぁ温かくしてろよ」
そうPが告げると加蓮ちゃんは顔を赤く染め嬉しそうに微笑む。それを見てPも嬉しそうに微笑んだ
「何この幸せ空間。砂糖吐きそう」
もう俺がここにいる意味ってないんじゃないかな。二人だけの空間になりつつあるこの場からこっそり抜け出そうと出口に向かう、が。開けたくない、心の底から開けたくない。今開けるとなんか雪崩れ込んできそう、雪崩れ込んでこなくても俺が向こうに引きずり込まれて残念な結果になりそう。退くも地獄進むも地獄とかこれなんて無理ゲー?
幸せ空間から桃色空間に代わりそうだったのでわざとらしく大きめの咳払いで俺の存在を思い出してもらった
「それでPさん、この面接って意味あるの?」
と加蓮ちゃんがもっともな疑問を投げかける
「ありません。何故拳を握るんだ神楽!」
「今の俺なら撃滅のセカンドぐらいは出せそうな気がする」
「ごめんなさい」
よろしい。素直に謝ってきたので今回は殴らないでおくことに。意味もない面接に巻き込まれたのかね私は!
「まぁ今後の仕事の相談についてとかが目的かなー。ちなみに加蓮の次の仕事はこれがいいかなって」
そういいながらPはまた企画書を渡す。それを受け取り中身を見た加蓮ちゃんが固まった
横から何の企画書なのか覗いてみた俺も固まった
「いやー、茜にここで見せたら事務所の窓割れそうだから女子寮で見てもらうことにしたんだけど。加蓮なら叫ぶ事はないだろうし、可能ならここで受けるかどうか決めてもらえないかな?」
「え、嘘、これ本当に私に?」
「向こうの人が茜と加蓮を指名してきてな。あともう一人いるんだけど誰かは内緒」
「いや、でも私まだ子供だし。似合うかわかんないし」
「大丈夫、加蓮なら着こなせる。俺が保障するよ」
――バンバン!
「Pさん・・・・・・」
――バンバンベコォ!
「いいか、加蓮?」
――ドゴン!ドゴン!
「うん、私この仕事請けるよ」
「そっか、ありがとな加蓮。一緒に頑張ろう」
「うん!あ、でも」
「うん?」
「これで私が結婚できなかったりしたら、Pさん責任とってね♪」
――センカワカベタリネェゾ!!!
「壁を殴っていたら面接が終わっていた」
「面接が終わったら壁が無くなっていた」
「「・・・・・・・・・」」
「次で終わろうか」
「ラストでーす・・・・・・」
「最後の締めはこの私ですわね、Pちゃま!」
「なんで私も一緒なのか理解しかねます・・・・・・」
ロリ二人が入ってきた、ちゃまとちょろい人。なんていうかPが適当に押すだけで終わりそうですこの面接。そんな二人に企画書を見せたところ
「まぁ、まぁ!ついにPちゃまが私との結婚をお決めになりましたのね!」
一人は感極まって
「なんで私なんですか?いえ、それ以前に桃華も選ばれているということもおかしいと思うんですが。まず私達の年齢知ってますよね?まだ10代の前半ですよ?小学生ですよ?ソレにも関わらずウエディングドレスですか?プロデューサーにはそんな趣味があったんですか?それともこれは神楽さんの趣味ですか?どちらにしても軽蔑すべき趣味ですね・・・・・・。いえ、別にやらないと言っているわけではありません。折角プロデューサーが多くのアイドルの中から私を選んでくれたんです。当然やるに決まってるじゃないですか。不満?そんなものありませんよ。・・・・・・あぁ先程のは世間一般から見た時の評価といいますか・・・・・・。な、なんですかニヤニヤして!て、照れてないです!ほっぺも赤くなってないです!撫でないでください!あ・・・・・・。残念に思ってないですから、また撫でようとしないでください早苗さん呼びますよ!」
一人は軽く暴走しちゃいました
「面接とは何だったのか」
そう呟かないわけにはいかなかった。途中からただの仕事の説明が始まってたし・・・・・・
「そういえばさ、お願いがあるんだけど」
どうしてこうなったと自問自答しているとPがこんなことを言ってきた
「次の出張で温泉行く事になったんだけど神楽もついてくるか?来るんだったら車出してもらえないかたって」
温泉。その素敵な単語から導き出されるものはお酒、饅頭、そして湯煙。つまり混浴・・・・・・!!!
「落ち着け俺・・・・・・取り乱すな・・・・・・」
「神楽?」
「なんでもないなんでもない。何人行くんだ?」
「えーと楓さんと紗南の二人だけだな」
「あら、ずいぶんと少ないな」
「まぁ増えるかも知れないけど今の所は二人だけだな」
「まぁ7人・・・いや6人くらいまでなら乗れるはずだし、増えたら増えたらで考えればいいっしょ」
「それじゃあ決まりだな、詳しい日程が決まり次第お前にも教えるよ」
「おう期待して待ってるわ。それじゃあお先に失礼するぞー」