Fate/ZERO-NINE【休載中】   作:縞瑪瑙

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 第四章第二話。ちょっと短いですがどうぞ。
 近況報告ですが、にじファン時代のISの作品をこちらでも投稿を開始したところ、かなり反響をいただいています。ちょっと感想も多く、まさかここまで人気があるとは思いませんでした。気になる貴方は作者のページからどうぞ。


Fate/ZERO-NINE 4-1

 ウェイバーの要請がライダーへと降りてから、三日が過ぎた。

 その日は静かであった。珍しく、遠坂時臣が夜の散歩を庭でやるくらいに。虫の鳴き声が静かに鳴り、耳を楽しませてくれる。空は多少雲があるが十分に星空を楽しむことはできるだろうと時臣は考えていた。

 

「静かな夕方だな……素晴らしい」

 

 最近になってようやく胃の痛みも引き、安らかな睡眠を得ることができた時臣の体調は非常に良い。各陣営の動きもいったんは静かになっているので、あまりピリピリしなくてもいい状況が続いているのも要因の一つだ。監督役の方も、神秘の隠ぺいという骨の折れる仕事が少なくなったため、安堵していると聞いている。

 これこそが聖杯戦争の、ひいては魔術のあるべき姿だ。そう時臣は考えていた。なんと幸福で平穏な午後なのか。使用人たちがいないとはいえこの分なら今夜も平和ではないかと期待もしていた。

 だが、あっけなくその平穏は崩れ去った。とあるジ○リの天空の城もビックリな崩壊ぶりである。

 

「時臣、散策に出る。供をせよ」

 

 崩壊の言葉は、英雄王のそんな一声だった。今日の時臣の幸運値は底値を割っているようだった。南無。

 

 

 

   ●

 

 

 それの始まりは、時臣の平穏崩壊の十数分前に発生した。

 武家屋敷を思わせるセイバー陣営の二つ目の拠点。そこに張られた結界が音も立てず、そして結界を管理するアイリスフィールにも感づかれず解除されて始まる。

 セイバーは、“運悪く”周辺を夜の見回りのためにその場にはおらず、舞弥が代わりにアイリスフィールのいる土蔵の前で警護をしていた。簡単な認識阻害をかけたステアーAUGを片手に辺りを窺っていた彼女の目に、何かが映った。

 

「?」

 

 目を凝らし、それを見た。直感的に、無意識下で自分の中で何かが反応した。あれを食えと。馬鹿な、とも思いつつも改めてそれを見た。暗闇を見透かす魔術を眼球にかけてまで。ちょうど、視界の中央だけがズームされたかのように変化する、そうして、見えたのは舞弥の気をそらすには十分すぎるものだった。

 

「ケーキ!?」

 

 1ホールも余裕でありそうな巨大なものだ。真っ白な生クリームとそれの合間に並ぶ色とりどりのフルーツ、重たげな全体はさぞやわからなスポンジと中にあるクリームで構築されているのだろう。考えるだけで、舞弥の頭の中はお祭り状態だ。その見た目、性格とのギャップがとんでもないが彼女はそういったスイーツに目がない。思わず、足がそちらへと向かった。

 そうして、後ろから落ちてきた白い影に対する注意は、まったく払うことができなかった。

 

---ごめんなさい。 

 

 ライダーの右手の手袋から生まれた3段階に伸びる警棒が、容赦なく舞弥の体へと叩き込まれ、そこから流れた軽い電流がその意識を奪い取った。だが舞弥は、打撃が来た方を振り返りつつもわずかでもケーキへと近づこうとあがきながら、最後には気絶した。一言を残したうえで。

 

「ラ、イダー……?……ケーキ……が……」

「すさまじい執念だな……本当にケーキを置いてやるべきではないだろうか?」

---なんだか、複雑な気分。

 

 舞弥の執念に微妙な顔をしたライダーは、映像立体投射機を片手に門から入ってきたドクターとウェイバー、手袋姿のウフコックに漏らした。最後まで甘いものに固執するとは思わなかった。

 爆破前のハイアットホテルのケーキバイキングで無表情のままにケーキを食べていたことから、彼女は甘党ではないかとウフコックは予想していたが、効果は予想の斜め上だ。

 

「なんだか……悪いことをしちゃったね」

 

 ドクターも苦笑いをするしかなかった。

 

「だが急がないと。セイバーが戻ってくる前にご婦人を確保しよう」

「もちろんだ、手筈通りに頼むよ」

 

 ドクターは角に止めてあった赤いオープンカーを取りに行き、ライダーは移動手段としていたハンプティ=ダンプティを片付けた。そうして意識を集中して、その皮膚による操作能力を土蔵の中へと伸ばす。

 数秒が過ぎるとライダーは静かに土蔵の扉を開ける。中ではアイリスフィールが魔術陣の上で気を失っていた。

 

「生きてるよな?」

---気を失わせたの。相手がホムンクルスじゃなかったらできないけど。

 

 いかに頑丈なホムンクルスと言えど内部の魔術的な機構を操作されればこんなふうになってしまう。

 ウェイバーとライダーは力を合わせて、アイリスフィールの体を運ぶ。ちょうどドクターも車を門の前に横付けしたところだった。戦闘服に変身しているウフコックは部分的に変身することでライダーが持ち上げるのを手伝う。

 

「さて、ウェイバーはこっちだね」

「大丈夫かな?」

「ウフコックが本気を出してくれたんだし、ライダーがしっかり寸法を測ってくれた、絶対大丈夫さ」

---準備ができた。

 

 ライダーの前には、一台の乗り物があった。

 現代の乗り物でいえば、まるでバイクだ。だがそれはよく似ているだけの、中身が全く違う何かだ。緊急特例法案が具現化した新しい宝具。かつては、地上侵攻用の乗り物として開発され、平地だけでなく市街地のような高い建物があるような場所での運用も考慮し、低空で飛行が可能な一品。重力素子と疑似重力の装置などを積んだそれは、あまりのコストと操縦の難しさから量産が中止となった、“焼けついたタルト(ヴェロシティ・デザート)”。軍事用だけあって、機関砲やミサイルランチャー、機雷、射出アンカー、小型の火器をいくつか、さらには小型の電磁投射砲までも積んでいる。軍用の武装ヘリも真っ青な火力だ。

 

「……聞かされていたけど、かなりゲテモノだなこれ」

---大丈夫、私に任せて。

 

 自信ありげに言うライダーではあるが、どう考えてもこの巨大なバイクを乗りこなすとは思えない。振り回されて事故を起こす未来しかウェイバーには見えないが、ライダーに任せるしかない。

 形を成した段階でエンジンがかかっているそれは、乗り手であるライダーを今か今かと待ち受けていた。うなりを上げるエンジン……ではなく、静かに空気を震わせる低い電動音を発している。シャープな車体にはライダーとウェイバーが乗り、次いでアイリスフィールが乗せられてベルトによってしっかりと固定される。

 

---変な悪戯しないでね?

「す、するかよ、馬鹿!」

 

ハンドルを握るライダーと後部座席のウェイバーの間にアイリスフィールはいる。じと目で注意したライダーにウェイバーは顔を赤くして抗議するが、ライダーはくすくすと意味ありげに笑った。一瞬でもそっちの意味でのいたずらと考えた自分が愚かしく感じる。

 座席の一番前、ハンドルを握る位置へと腰かけたライダーは、その右手を気を失って倒れている舞弥のほうへと伸ばし、持っていた通信機へと干渉する用意をする。目でドクターに合図するとドクターは赤いオープンカーのエンジンをかけていつでも出せるようにする。そして、マスターであるウェイバーが指示を出す。

 

「やってくれ」

 

 ライダーが通信機へと干渉し、ドクターは車を走らせた。これで数秒あとにはセイバーがここに現れるだろう。おそらくは令呪による空間転移で。

 その前に、とヴェロシティは走り出す。タイヤではなく重力素子によって地面から浮遊して走る。音だけはそれらしいものを取り付けたスピーカーから流すという徹底ぶりなのは、メイド・バイ・ウフコックのクオリティなのだろうか。

 三人乗りの未来のバイクは冬木の町へと走り出す。

 

 

 

 

 

   ●

 

 

 

 

 

「舞弥!」

「セイ……ばー……」

 

 剣を手にして現れたセイバーは、地面に倒れている舞弥を見つけた。幸い、大きなけがはないようで気を失っていただけのようだった。

 

「はやく……ライダーが……」

「わかっています。何か移動手段はありますか?」

 

セイバーはライダーの持つ飛行住居を知っている。あれで逃げられた場合、さすがにセイバーでも追いつくのは不可能であるし、それを攻撃することもできない。そのセイバーの問いに、舞弥は半分失神した状態でバイクが用意されていると伝えて気を失った。

 その場所に行くと、果たしてバイクがあり、しかもカギがきちんとついていた。聖杯から得た知識によって燃料も十分にあり整備が行き届いていることはすぐに分かった。焦る心を落ち着けながら、エンジンを始動させ、セイバーは走り出す。

 行く先は直感が答えを出した。山間部の方角、町を突っ切るルートだ。

 

「いったい何を考えている、ライダー!」

 

 騎士王は、そう叫びをあげた。その声にかぶさるように、バイクのエンジン音がとどろいた。

 

「ケーキ……」

 

 あとに残った舞弥は、口からそんな言葉を漏らしたのは言うまでもない。すさまじく雰囲気ぶち壊しだが。

 

 

 

 

 

    ●

 

 

 

 

「来たぞライダー!」

 

 街中を走り抜けるヴェロシティの上に乗るウェイバーは、眼下の道路を突っ走るセイバーの姿を見つけて、ライダーへとほえた。その声よりも早くその存在を察知出来たライダーだが、まだ反撃はしない。

 

---もっと人気のないところに!

 

 アクセルを踏み込んだライダーは声をかけて急ぐ。道路ではなく、ビルの屋上付近の高さを這うようにヴェロシティは走り抜ける。エンジンはライダーから流される魔力で回り、そのハンドルはライダーが皮膚でもある宝具“電子の殻”で受け取った情報をもとに、ライダーの両手が動かす。ヘルメットをかぶり、必死にしがみつくウェイバーは情けないが頼りっきりの状態だ。

 

「ドクターからの連絡は!?」

---まだ来てない!

 

 あまり返事をする余裕はライダーにはない。騎乗スキルをフル活用してこのヴェロシティを制御しているのと、電線や看板、ビル屋上にある電灯などを回避するために意識を前方へと配る必要があるからだ。さらには、ウフコックを通じて別行動をとるドクターやランサー陣営とも連絡を取るという離れ業をやってのけているのだ。いかに英霊といえども三つの仕事が負担にならないはずがない。

 

「ライダー、何かあったら令呪を使うからな!」

「少なくとも二角は残しておくんだぞウェイバー」

 

 ウェイバーの声に、ライダーの手袋へと変身しているウフコックが注意を促す。

 そう、これからの計画上、令呪は必ず必要となるものだ。うかつに使ってはせっかくの準備が全て泡となる。

 

「あとついでに頭をひっこめろ、ウェイバー」

「えっ?」

 

 ライダーが後ろに手を伸ばしてウェイバーの頭を下げさせた直後に、その頭上ギリギリを看板が通過していった。真っ青を通り越して土気色になったウェイバーは無言になってヴェロシティの座席へとしがみ付く。まるで借りてきた猫である。

 

「……なんだよ」

 

 こんな状況でくすくすと笑うライダーにさすがにウェイバーも眉間にしわを寄せる。

 

---ごめんなさい。でも、反応が面白いから。

「うん、ライダーの言うこともわかるな。いじるのが楽しくなる」

「ウフコックまで何を言って……うわ!」

 

 急速にハンドルが切られた。張り出していた看板を回避したのだ。いやそれ以上に、危うく座席に座る“アイリスフィール”が落っこちそうになったのだ。これは絶対に必要だ。

 

「うまくセイバーはこちらに来ているな……さて、一体どうなるか」

 

 ちらりと見やった方角には間桐邸がある。あそこに乗り込んだバーサーカーたちは一体どうなったのかまではわからない。だが、少なくともやるべきことはやり抜くだろう。

 

---私たちはやることをやらないと!

「ああ、急いでくれ!……うわああああああああッ!」

 

 急なハンドル操作でウェイバーが悲鳴を上げつつも、ライダーはセイバーを引き連れたまま町の中を走り抜けていく。

 

 

 

 

 

   ●

 

 

 

 

「あはハハハはあっは」

 

 狂った笑いが、暗闇を走り抜ける。正気ではないそれは、幾人かの人影から漏れていた。

 

「すげえぜ旦那たち!最ッ高にクールだぜ!」

 

 一人は、キャスターのマスターであったはずの、そしてキャスター討伐後の動きの中で忘れられていた雨龍龍之介だった。だが、かつての姿とはいくらか違うところがある。まず右手には、ナイフがある。柄の部分には何やら目盛りとスイッチらしきものが付いた二十万ドルのバターナイフだった。ちゃちなナイフではない。対象を高電磁による熱で切り裂く恐ろしいものだ。また、それまで来ていた服の上からはどことなく鎧を思わせるような分厚い感じのするコートを着込んでいる。そのポケットやつけられているベルトからは龍之介が動くたびに軽い金属音がしている。

 そしてバターナイフを嬉々として使いながら、先ほどまで生きていたはずの肉体を切り取っていく。そんな彼に、声をかけた人物がいた。

 

「おい、リュウノスケ、喜んでいる暇はないようだ」

「ん?またあのアサシンってやつ?ウェルの旦那」

 

 龍之介が振り返った先、左手だけに皮下着を思わせる手袋をつけ、浅黒い肌をした見るからに危険な男がいた。野獣のような、とは言わないが少なくとも放っている空気はまともな人間ではないと直感的に理解できる人種だ。獰猛な獣。しかもかなりの知性を持つタイプの、敵に回したくない雰囲気に、しかし龍之介はひるみもしなかった。

 

「ああ、フレッシュの監視網にかかったようだ。すぐに移動するぞ」

「ん、了解っと」

 

 それまっでもてあそんでいたパーツ(・・・)を、おもちゃに飽きた赤ん坊のように放り棄てて、龍之介はひょこひょことついていく。

 

「でもすげえな旦那たちの使うこれ。まるで紙を切るみたいだ」

「すぐに使いこなせるお前も大したものだ……」

 

 大型のバンが止まっている駐車場へ急ぐ二人は、巨大なトランクを運んでいく。冷凍装置の付いたそれに何が入っているかは語るまでもない。先ほどまでは生きていたはずの部品だった。

 

「さて……俺もそろそろ魔力を蓄えなければな。フレッシュ、ミンチとレアを呼び戻せ。あの小娘が移動しているぞ」

 

 虚空に向かって、まるでそこにいるかのように声を飛ばした。そうして、ウェルと呼ばれた男だけが頭の中で声を受け取る。

 

『了解。こっちも追跡ルートを何パターンか構築したよ。魔力源の準備もオッケー。二人は霊体化でこっちに移動しているから、無線で指示を出すよ』

「情報ではだれかを拉致したというらしいな?」

『うん……どうやらリュウノスケの話にあったセイバーのマスターみたいだよ』

「ほう。それは楽しみだな……ミディ、そっちの準備は?」

『いつでもいいぜ』

 

 にやりと笑うのを自覚しながら、通信を終えた。

 

「でもさ、旦那たちのそれすげえな」

「軍事用の通信機を埋め込んでいる。全員が全員の目であり耳であり、武器となる……あのライダーの小娘にはだいぶやられたがな」

 

 そう通信機は軍事用で独自の防壁をくみ上げたハッキング不可能のものだったが、生前のライダーはこの通信機へと干渉することで、逆に彼らをかく乱したのだ。しかし彼らは復讐を誓う身として対策を立てていた。

 

「お前の体に植え付けるのは時間がない……だが、代わりに俺たちへの魔力供給を頼むぞ」

「りょ~かい」

 

 誇らしげに龍之介が出した左手には、すさまじい数の令呪があった。もともと持っていた令呪三角と、監督役から腕ごと奪い去った令呪がそこに移されていた。

 アヴェンジャーは複数人で一体のサーヴァント。いかに各個体が血や肉を摂取して自力で魔力を稼いでもどうしても足りないところはある。特に戦闘中は顕著だろう。

 だから、代用とするのが魔力の塊である令呪だ。一気に使えばすぐに消えるが、わずかにしみだすように使えば、素人の龍之介でもサーヴァント使役には問題がない。魔力供給を行いつつも龍之介の負担は減るうえに、自身が戦闘へと介入もできる。

 その令呪をにやりと笑ってみたウェル---ウェルダン・プッシーハンドは、自分の後ろで実体化した三人の仲間へ向き直る

 

「ミディ、レア、ミンチ準備はいいようだな?」

 

 それぞれは、外見上はただの人間だ。だが、その体はただの人間のものではない。科学技術による改造を受けた、サイボーグのような怪物だ。

 ミディアム・ザ・フィンガーネイル、レア・ザ・ヘア、ミンチ・ザ・ウィンク。さらには通信担当のフレッシュ・ザ・パイク。誘拐犬を構成するメンバーはすべて、名前を変え、その本質をそこに表わしている。

 かつての戦争において、医療技術は格段に進歩した。あらゆる怪我が生まれるのは戦争であり、あらゆる病気が流行するのも戦場から一歩はずれたところからだ。だからこそ、ドクターのような医者が多くいた。そして、その影響で、人体を扱う技術が進歩し、必然的にアンダーグラウンドの住人もそれを手に入れた。

 人体パーツの移植と保存。ゆがんだ願望を持つ人間たちにとっては涎が出るほど魅力的だ。自分が得た獲物(・・)を好きな形で--それこそ自分の体に移植したり、あるいはそのままの状態を維持したままコレクション(・・・・・・)できるのだから。バンダースナッチカンパニーもまたその魅力に取りつかれた組織の一つ。マルドゥック市を根城にアンダーグラウンドの世界で楽しく生きてきたのはそういった趣味を共有したが故だ。

 彼らのセカンドネームには各個人がコレクションするパーツの名がある。手指と爪(フィンガーネイル)髪の毛(ヘア)目や瞼(ウィンク)乳房(パイク)、というように。またリーダー格のウェルダンは、その左手にとあるパーツを移植していた。ほかのメンバーも、体にそれらを移植し、あるいはまるで宝石のように体に身に着けていた。

 そんなものは、龍之介から見ればとてつもなくクールな(・・・・・・・・)芸術品以外何物でもなかった。考えることはできても実行に移すだけの技術や資金、そして度胸を持ち合わせている同類(お仲間)をみた龍之介には、キャスターとの出会い以上の衝撃だった。

 コレクションを飾り、身に着け、あるいは生きたまま保管する。なんてクールなのか(・・・・・・・・)

 

「さあ行くぞ。獲物はまだまだいるんだ」

「楽しみにしてるぜ、旦那たち!」

 

 狂った殺人鬼たちの夜は、ひそかに続いていた。

 

 

 

 

 

 

 

    ●

 

 

 

 

 

 

宝具解説

 

焼けついたタルト(ヴェロシティ・デザート)

ランク:B

種別 :対軍宝具

レンジ:-

最大補足:-

 

 オリジナル宝具。

 スクランブルオーナインの物品の一つである、バイクの形をした戦略兵器で、市街地や城塞都市を攻撃・制圧・占拠することを想定して開発された。疑似重力や重力素子などを持ち戦車や爆撃機クラスの火器を内蔵している。またヘリほどまではいかないが低空で飛行することができる。しかしながらその扱いは非常に難しい上に一台当たりのコストがかさみ、結局量産されることなく終戦を迎えた不遇の兵器。

 “緊急特例法案”の力により、ライダーの宝具の一つとして具現化している。これを乗りこなすには同ランク以上の騎乗スキルとこの宝具への理解が必要。これにはもちろん電子機器なども搭載され、ライダーはハンドルを握らずとも運転することができる。

 

 

 

 

 




 いかがでしたでしょうか?
 僕自身は原作キャラをあまり出す気はなかったのですが、やはり原作虚淵のダークな感じを表現するには彼らを出すのが一番でした。登場の仕方はやや無理やりですが、彼らはとある人物たちにとっては重要なファクターですので次回での展開をお楽しみに。

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