小麦粉使いの魔法使い   作:蛙顏の何か

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普段前書きはあまり書かない私ですが、あまりにも衝撃的過ぎることに、ここで私の衝動を吐き出したいと思います。

事の発端はこの作品の原作でもある『魔法先生ネギま!』の作者、赤松先生の最新作『UQ HOLDER!』が連載開始されると言う事でワクテカしながら少年マガジンを買った私なのですが、最初のカラーページを見て私は仰天しました。

エ、エヴァ様!!?

何とこの作品は『ネギま』から100年経った世界なのでした!!
やべぇ、やべぇよ!これは『ネギま』の二次創作の世界に確変が起こるよ!不死身キャラならそのまま行けるじゃねぇかこの世界!!
と言うかエヴァ様、そのお姿はいったい!
なぜ、何故ロリじゃないんだ!
こうなったら我が軍のアハトアハトを使って抗議を……いやまて、まだ幻術という可能性があるじゃないか!!仕方ない、アハトは押入れにしまっておこう。

まぁ、こんなに騒ぎましたがぶっちゃけ、エヴァ様なら何歳のお姿でもお美しいくてすきなのですが、やっぱり私はロリのエヴァ様がいいのです(´・ω・`)
私は単行本派なので一巻が出るのをアハトを磨きながら待つ事にしました。





閑話:三峰 縁の何気無い一日

「んん〜、はふぅ」

 

縁はベットから上半身だけを起こし、身体を伸ばし欠伸を洩らす。

時効は朝の6時、子供が起床するにはやや早い時間だが、縁にはする事がたくさんある。

パジャマも着替えず、目を擦りながら洗面所へと向かうと、台所からエプロンを着た夕子が声をかけてきた。

 

「おはよう縁君」

 

「ん…おはよう…」

 

「あらあら、まだおねぼうかな?顔洗ってらっしゃい」

 

夕子に言われる様に寝ぼけた頭で洗面所まで向かい顔を洗うと目が覚めたのか、トテトテと小走りでキッチンへと向かう。

 

「夕子さん、何か作るの手伝おうか?」

 

「い、いいわよ、もう終わっちゃったから

それより伊織を起こしてきてくれないかしら、せっかくの朝食が冷めちゃうわ」

 

縁は少しがっかりしながらも、伊織を起こしに行くが、夕子は内心ほっとしていた。

いくら自堕落な友人でも、朝から毒物を食べさせるのは可哀想だと思い、毎朝早起きして三峰の朝食を作りに来ているのだ。

 

縁が伊織を部屋から連れてくると、夕子も自分の家での家事が残っているので片付けだけして帰っていった。

 

 

 

 

 

 

朝食が終われば、縁の登校時間までダイオラマ球で訓練がまっている。

 

最近は朝の訓練は激しいものでは無く、魔法の訓練や気の鍛錬だけに留めている。

少し前までは朝もお構い無しにハードな戦闘訓練をしていたのだが、伊織が腹部に強烈な一撃を放ち、縁が朝食を口からリバースしてしまった事からこの様なメニューに変わっている。

 

「プラクテ・ビギ・ナル

光の精霊2柱。集い来りて敵を射て。

『魔法の射手・連弾・光の2矢』!!」

 

しかし、何も起こらない。

MPが足りないのか、魔力制御がダメなのか、それともSAM値が足りないのかは解らないが初級の魔法すら撃てないようでは魔法使いにはまだまだ遠い。

 

魔法の詠唱には必ずこの始動キーが必要となるが『プラクテ・ビギ・ナル』とは魔法の始動キーであり学童時に与えられる見習用のキーである。まぁ、言うなれば始動キーのお試し版の様なモノだ。

伊織は『エゴ・マレ・アルゲオ・ガブリエル』と一人前の魔法使いなら誰しもが自分専用の始動キーを決めなくてはならない。

 

「たった2矢も射てねぇのかよ……」

 

「ま、まだこんな物ではない筈だよ!僕の内なる力はこんな物では!!」

 

「小麦粉と灯りの魔法しか使えねぇんじゃ話にならねぇな

しかも、部類別けするなら小麦粉は魔術だしな」

 

つまりはただの灯り担当、気の使い方は上手いのだが、魔力に関してはてんで駄目な縁。

普通なら魔法を諦めて、気一本に絞った方が効率がいいが、それは伊織が許さない、彼女は例え才能が無かろうと訓練を辞めさせない。

それは縁に才能が眠っているからなのか、それとも努力が才能を凌駕する為なのかは、それは本人にしか解らない。

だが、縁も毎日教えてくれる伊織の期待に答えようと、文句も言わず、再び魔法の訓練に励む。

 

 

 

 

 

 

 

今日もいつもの様に魔法は成功せず朝の訓練は終わり、登校の時間になったので家を出ると突然後ろから目を覆われた。

 

「おっはよー、ゆかりん」

 

「もぉ、ゆかりんって言わないでって言ってるでしょ和美」

 

覆っていた手を離すと、そこには赤いランドセルを背負った朝倉 和美が笑顔でおはようと返して来た。

縁もおはようと返すと二人はそのまま学校へ向かう。和美が来ても驚かないのは、彼女がここ最近縁の家まで迎えにくるからだ。

朝倉の家は明石家の様に近くはない。

彼女はバス通学であり麻帆良の目の前まで来るバスがあるにも関わらず、少し離れた三峰家のアパートで下車して一緒に登校している。

 

 

「『中等部教師、いたいけな小学生少女を誑かす!?』これは絶対にスクープだって!」

 

「いやいや、そのアスナちゃんが片想いしてるだけでしょ、そっとしてあげなよ」

 

「おーーい!ゆかりぃーっ!和美ぃーっ!」

 

朝から大声で二人の名前を叫び、手を降りながら呼び止めた。

明石 裕奈

縁の幼馴染でもあり、この世界で初めて出来た友達でもある。

裕奈の家は三峰家の住むマンションのすぐそばであり、昔は縁と二人で登校していたのだが、最近では和美も合わさり三人で登校している。

 

 

 

 

 

 

 

いつもの様に登校し、クラスの違う裕奈と和美と別れる。

二人のクラスはA組であり、縁は自分のクラスであるD組に入ろうと扉を開ける。

 

「お前が!泣くまで!!殴るのを!!!やめないっ!!!!」

 

縁が登校して最初に目にする光景に目が点になり唖然としていた。

そこには、男子生徒を一方的にボコボコにする女子生徒の姿が……

しかも、周りの生徒達はどっちが勝つだのと賭け事をしており「給食のプリンを賭ける!」など言うものまで聞こえてきており、全く止める気がない。

 

「はっはっはっ!!無駄無駄無駄無駄無駄!無駄ぁっっ!!」

 

「ちょっ!もうやめなよ柿崎!!」

 

いや、よく見れば、この一方的な蹂躙を止めようとしている者が一人いた。

大河内 アキラ

縁とは裕奈や和美と同じくらい長い付き合いであり、争い事を嫌う彼女なら、この喧嘩を止めるのは当然なのかもしれない。

そして何気に、縁の中では癒し担当だったりする。

 

アキラは教室の前で呆然としている縁を見つけると、天の助けが来たかの様に明るい顔になると思ったら、今度は縁を指差し真剣な表情で喧嘩をする二人に言った。

 

「ほら、縁が来たよ!パウンドケーキだよ!」

 

それを聞いた途端、生徒達は蜘蛛の子を散らす様に解散し、急いで席に着いた。

一方的に暴虐な行為をしていた女子生徒も謝り、ボロボロの男子生徒はアキラに介抱されていた。

 

「(何でみんな顔を背けて逃げるの!?と言うかパウンドケーキって!?

あれかな?あの時喧嘩を治めたせいでこのクラスの番長みたいになってるのかな!?)」

 

縁は知らない、あのパウンドケーキの事件だけでなく、家庭科の調理実習でも地獄絵図を作り出してしまった事に。

縁は知らない、今もなお教室の隅で震えている釘宮 円にトラウマを植え付けてしまった事に。

 

本人は知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だからさ、ボールから炎を出したり、電気みたいなのを出せると思うんだよ、亜子なら」

 

「いやいや出せないって!ゆーなはウチの事を何だと思ってるの!?」

 

昼休みになりいつもの様にグラウンドで遊ぶ縁達、唐突にサッカーボールを持って和泉 亜子に無茶振りを言う裕奈に縁は呆れていた。

 

「裕奈、いくら和泉さんが超人だからって流石に非現実的な事はできないよ、そんな事を言うなんてアニメの見過ぎだよ」

 

「いや、三峰君もちょっと待って、ウチいつから超人になったん!?ウチは三峰君やアキラと違って普通の女の子だよ!?」

 

「えっ?なんで私も?」

 

さり気なく普通の女の子ではないと言われ、ショボーンと落ち込こんだアキラを和美が慰める。

裕奈は、ならば縁なら出来るのかと、期待のこもった眼差しで見つめるが、いくら小麦粉が操れても、縁にエンチャント魔法(属性付加魔法)なんて習得どころか、初級魔法だって成功していないのに出来るはずがない。

 

「仕方ないなぁ、そんなに見たいなら見せてあげるよ」

 

意外な事に名乗りをあげたのは和美だった、裕奈からボールを貰うと、ポケットの中をゴソゴソと探り始めた。

 

「まずここにライターがあるだろ」

 

「おいやめろ」

 

いきなりライターを取り出した和美の腕を縁が掴み静止させた。

 

「おや、ゆかりんもなかなか大胆ですなぁ〜」

 

「ライターでボール燃やそうとしたら普通に止めるでしょ!!」

 

「冗談冗談、いくら裕奈の頼みだからって器物破損はしないって」

 

和美は地面にボールを転がすと、みんなに普通にサッカーしようと呼びかける。

和美がボールを蹴ると同時に試合はスタートするが、和美本人は動かず、縁に掴まれた腕を触りながら、ほんのり顔が赤くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

 

三峰家に帰宅した縁は、まずダイオラマ球のある部屋に向った。

普段は帰宅して、伊織が居ればそのまま夕食の時間まで訓練になる。なので部屋に入り、ダイオラマ球の利用者数を確認するが誰も居なかった。

 

この時、伊織は明石家でアニメ鑑賞に浸っているのだが、縁は仕事をしているのだと勘違いし、張り切って台所へと向った。

 

手洗い、うがいをして縁専用のエプロンを装備する。

手の消毒も忘れず行い、小麦粉の袋を台にのせて、縁の三十分クッキングは始まった。

 

小麦粉を手で掴み、マジックハンドのアーム部分を二つ程形成する。

 

「う〜ん、伊織も疲れて帰ってくるだろうし、今夜はいっぱい食べれるのがいいかな?」

 

冷蔵庫の中身を確認すると、あまり材料は入っていないが、縁はいつもの事だと思い、手馴れた手付きで残りの食材を取り出す。

実はこれには理由がある、冷蔵庫の補充は夕子がしているのだが、彼女は材料があれば縁が使ってしまう事がわかっていたので、あえて作る分だけの食材しか買わないのだが、それでも使い切れなかった食材は出てくる。

縁はその残った食材だけで作れてしまう賢い主婦なのだが、それは彼が自分の料理を自覚していたらの話しだ。

 

「よし、久しぶりにオムライスを作ろう

あと、それだけじゃ足りなさそうだからスパゲッティも作ろっかな」

 

メニューを決めたら即行動、縁は使う材料や器具を揃え、鼻歌交じりで食材を刻んでいく。

小麦粉を誘導し、次の食材を掴ませたり、調味料を取らせる。

 

縁の調理行程は見ている分には普通に見える、しかし途中途中に「隠し味」だの「縁風」などと言う言葉が聞こえてくる。

しかし、言葉で言っているだけで作っている所は普通なので何が悪いのかは他者が見ても解らない。

 

それから本当に三十分で料理は完成し、テーブルに並べられる。

大皿に乗せられた大量のパスタと、トロッとした卵が被せられたオムライスは食欲をそそるが、何故がケチャップで(`・ω・´)と顔文字が描かれていた。

 

「うんうん、我ながら良い出来あがり、冷めないうちに食べよ

 

いただきまーす」

 

スプーンでオムライスを掬い、一口食べる、卵のふんわりトロッとした食感とチキンライスの美味しさを味わうかと思ったら、何故が自分の顔をオムライスに突っ込みベチャッと料理が潰れる音が鳴った。

 

 

そして、意識を失い、オムライスで窒息しかけた縁を伊織が見つけたのは、それから十分してからの事だった。

 




この絵が何かともうされますと、私の妹が描いた縁の絵です。
描いてくれたのがあまりにも可愛かったのでここに投稿させて貰いました。
皆様のイメージするゆかりんが崩れると思う方は、どうかスルーして頂けると幸いです。

【挿絵表示】

ちなみに、皆さんお忘れかもしれませんが、ゆかりんの髪の色は黒で瞳の色は緑です。


せっかく久しぶりのゆかりんの登場なので、少しだけ三峰 縁のステータスを開示したいと思います。
一々説明がかったるいのでFate風にしてパラメータと手持ちスキルを一つだけ開示したいと思います。








名前:三峰 縁

あえて真名を言うなれば:榊原 縁

現段階のステータス

筋力・C
耐久・A
敏捷・C
魔力・E
幸運・D



スキル

薬師の秘薬:A

名の通り薬を作るスキルであり、縁が本気で魔法薬学を学べば『エリクサー』も造れてしまうほどの高位ランクでもあるが、彼自身がこのスキルに気づいていないため宝の持ち腐れである。
しかし、これは強力な薬も毒も造れるスキルであり、縁の料理を食べると感覚がおかしくなるのはこのスキルが原因と考えられる。
だが、彼の料理は有害なものではなく、言うなれば『ハイポーション』と同じくらいの効果はあるのだが、作る行程や材料の問題から変な効果が追加されている。
つまり、HPを中回復するが数ターン状態異常を起こすと言う物。
実は生前から持ってるスキルであるが、その頃はCランクほどでしかなかったが、他のスキルの所為でランクが上がったのだと思われる。




以上が現段階の縁のステータスです。
スキルの方はまだあるのですが、それはまた次の機会、もしくはキャラ紹介みたいなのを作っている載せたいと思います。

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