バカとテストと召喚獣 ~とある男の物語~   作:カンベエ

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第二十問 日本史
以下の( )にあてはまる歴史上の人物を答えなさい。
楽市楽座や関所の撤廃を行い、商工業や経済の発展を促したのは( )である。

吉井明久、秋山隼人、高本晋也の答え
『織田信長』

教師のコメント
正解です。

島田美波の答え
『ちょんまげ』

教師のコメント
日本にはもう慣れましたか?この解答を見て先生は不安になりました。

寿々屋義行の答え
『のぶりん』

須川亮の答え
『ノブ』

教師のコメント
ちょっと馴れ馴れしいと思います。


第二十話 バカと肝試しと坊主撃退戦

2-Cエリア突破に成功した二年勢、次に挑むは2-Bエリア。科目は数学だ。

 

「数学ならウチに任せて!」

 

意気揚々と宣言する島田、確かにAクラスレベルの点数だし操作技能も申し分ない・・・・のだが。

 

「駄目だ」

 

隼人がその宣言を斬り捨てる。

 

「何で!?」

「お前は良い、だがお前の『相方』の点数を良く見ろ」

「へ?」

 

真っ青な顔をしている義行。

 

「スマン美波・・・・俺の数学は・・・・58点だ」

 

義行も明久に並ぶ学年トップクラスの操作技術を持ち合わせているがチェックポイント担当は全員Aクラスだ、いくらなんでも点差が有りすぎれば太刀打ち出来ない。

 

「と言う訳でここは俺と優子、もしくは雄二と霧島がやる」

 

隼人は700点代だし優子、霧島は無論400点越え、雄二も300点半ばだ、問題ないだろう。

 

「というわけだ、お前らは別の作戦があるからそこで活躍してもらう」

『はーい』

「んじゃあFクラスの野郎共!突撃だ!」

『応!!!』

 

というわけで恐怖耐性の高いFクラスから二チーム、他Bクラス、Cクラスから一チームを派遣した二年勢。

 

「今のところは問題無さそうだな」

「ああ・・・・だが・・・・」

 

雄二の言葉に頷きつつ、一つの予感を巡らせる。自分たちが仕掛けるならばそろそろだ、と。

 

『なんだろうな、アレ・・・・』

『なんか人影が・・・・』

 

画面から聞こえてきた声に、最初に反応したのは義行だ。

 

「っ!!!皆!!女子に画面を見せるなぁあああああああ!!!」

 

反射的な叫びに、大半の生徒が首を傾げる。が、隼人、明久、義行、雄二、康太、秀吉、亮、晋也がそれぞれ反射的に優子、姫路、島田、霧島、工藤、綾乃、叶、紫に画面を見せないように覆い被さる。

 

バンッ!!(スポットライトの点く音)

 

そこにはゴスロリを来た夏川(坊主)が・・・・

 

『ぎゃああああああああああああ!!!!』

 

画面内外を問わず響き渡る叫び声。

 

「っ!!やる事も汚いが絵面も汚い!!!」

「野郎!!何て事しやがる!!!」

「根本の女装より気色悪い!!!」

「俺はやってない!!!」

 

『なんだ?こっちから叫びが・・・・いやぁああああああああああ!!!』

『まおらうmふぇいgへいげいげ!!?』

『助けてくれぇえええええ!!無理なら殺してくれぇええええ!!!』

『誰か!!誰か俺の目に濃硫酸ぉをををををををををw!!!』

 

「・・・・突入チーム、全滅」

 

康太の口調からも、無念さが現れている。

 

「頼む坂本!秋山!アイツらの仇を討ってくれ!!!」

「でなけりゃ死んでったアイツらが浮かばれねぇ!!!」

 

最早Fクラスどころか全クラス生徒から放たれる懇願の声。

 

「ああ、分かってる!!!」

「良し、坂本&霧島ペア!土屋&工藤ペア突入!なおチェックポイントは坂本&霧島ペアで行け!土屋&工藤ペアはその後続けて2-Aの保体エリアへ突入しろ!!!」

 

隼人の号令のもと突入した二チーム。

 

「・・・・雄二、そろそろ」

「ああ、ムッツリーニ。準備は出来ているか?」

「・・・・問題無い」

「ささ、行くよ~♪」

 

問題の場所に到達。

 

バンッ(スポットライトの点く音)

ドンッ(雄二と康太が巨大な鏡を取り出し設置する音)

ゲポッ(坊主変態が吐く音)

 

「て、テメェら!!なんて物を見せやがる!!!あまりのグロさに吐き気がしてきたぜ・・・・どうりで着付けをしてきた奴らが鏡を見せてくれねぇわけだ」

「・・・・恥じる事では無い、それは人間としての生理反応」

「だな、常識ある人間なら当然な反応だ」

「・・・・大丈夫、来世ぐらいでなら・・・・」

「そうだね、すれ違ってもいいかもね」

「来世になってもすれ違う程度かよ!?ちくしょぉおおおおおおおおお!!!」

 

全力疾走で逃げ出した坊主変態。

 

「よし、行くぜ翔子、ムッツリーニ、工藤」

 

四人の活躍に歓喜する二年勢。

 

因みにチェックポイントはあっさり突破しました。

 

―体育館―

戻ってきた雄二&霧島ペア。

 

「良くやった雄二、士気も再び上がったぞ」

「へっ、きっちりやり返してきた」

「・・・・・・・・ぶい」

「ご苦労だったな、後はゆっくり観戦するこった」

 

画面の向こうでは既に土屋、工藤がチェックポイントに到達している・・・・というかあっさりケリがついた。三年側も300点半ばぐらいで高得点には違い無かったのだが・・・・

 

保健体育 土屋康太:Fクラス&工藤愛子:Aクラス

      831点       711点

 

最早教師越えの点数の前には塵芥に等しかった。

 

「さて・・・・チェックポイント通過は無理でも何とか到達ぐらいはして欲しいんだが・・・・」

「対策ぐらい立ててくるんじゃないか?三年の先輩方だってムッツリーニの名は知らなくても保健体育の点数が異常に高いバカの存在ぐらいは知っているはずだからな」

 

再び画面へと視線を移す、道半ばに見えるのは一人の女生徒の姿だ・・・・和服美人とでも言おうか、かなり綺麗な人だ。

 

『始めまして、私、三年の小暮葵と申します』

 

あ、ヤバイ。カメラがかなりブレている、カメラを持っていたのは康太だから恐らく目の前の和服美人を見てかなりダメージを貰っているだろう。

 

「・・・・雄二、私も和服を着ればああなる」

「何を言っているんだ翔子?それにお前に眼を塞がれて全く見えないんだが」

 

雄二は霧島に眼を塞がれている、というか霧島が頬を膨れさせながら雄二の眼を塞いでいる、対抗意識でもあるのだろうか・・・・

 

『じゃあ、ボクたち先を急ぎますので』

 

おっ、そうこうしているうちに工藤が上手く話を切って先に進もうとしている。何とかなるか・・・・

 

『そう、ユニフォームなんです。この和服』

 

ん?

 

『私、実はもう一つユニフォームを着ておりますの』

「・・・・何かヤヴァイ、何がって・・・・ムッツリーニが死ぬ気がする」

 

待て義行、お前が言うヤバイ予感は高確率で当たるんだぞ?

 

『実は私・・・・』

 

バサッ、と和服を脱ぎ捨てる先輩。

 

『新体操部にも!所属しておりますの!!』

 

和服の下からレオタード。

 

『(ぶっしゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!!)』

『わぁあああああああ!!!ムッツリーニ君!!ムッツリーニくぅううううううん!!!』

「音声レベル、画面、ともに真っ赤」

 

と言うか鼻血を出す音で失格って・・・・

 

「おのれ卑怯な!!」

「ムッツリーニの敵を討たねばならないだろ!!」

「だな、アイツだけを死なせはしないぜ!!」

「待ってろムッツリーニ!」

『うぉおおおおおおおおおおお!!!新・体・操~!!!』

 

レオタード姿に興奮したFクラス男子+独り身男子陣(隼人、雄二、明久、秀吉、久保、平賀、根本を除く)が暴走して突入、そして即失格。

 

「・・・・(ベキッ)」

『!!?』

 

何かがへし折れる音、に視線を移した一同。

 

「ふふふふふっ、ふはははははっ」

 

物凄い笑顔で笑う隼人、を見て明久、綾乃の顔が引き攣る。

 

「優子行くぞー」

「え?ああ・・・・うん」

 

優子を連れて隼人突入。

 

「隼人はどうしたんだ?なぁ明久」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

「お、おい・・・・綾乃、明久は一体どうし・・・・」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

何故か地面に土下座してゴメンナサイと連呼する明久と綾乃、何があったかは知らないが予想は出来た。ああ・・・・あれは怒っているんだな、と・・・・思っていると何か腕が変な方向に捻じ曲げられた男子たちが鉄人に輸送されていった。


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