遊戯王GX―とあるデュエリストたちの日々―   作:masamune

89 / 104
第二期 登場人物・デッキ紹介

 

 

 

 

 

・夢神祇園(ゆめがみ ぎおん)

 性別/男 所属/アカデミア・ウエスト校二年、デュエルランキング暫定7位(二年生筆頭)

 

 たった一人の少女との約束から全てが始まり、そしてここまで到達した少年。本作の主人公。

 基本的には人畜無害で、むしろ他人に圧される場面の方が目立つ。それでも胸に秘めた〝約束〟へのこだわりは最早執念と呼んでいいレベルのものであり、それだけを支えに戦い続けてきた。

 度重なる不運や不条理、理不尽に晒されながらも折れなかったのはその精神が強固なものであるから――ではなく、『折れることができない』が故にである。究極的には(少なくとも本人にとっては)いざという時に無条件で頼れる相手がいないが故に、折れることがイコールで死に繋がりかねないことを知っているのである。

 

 アカデミア本校を退学になり、ウエスト校へ編入。そこで〝ルーキーズ杯〟におけるウエスト校代表決定戦に敗北するも、かのアマチュア№1と並んで本選へ出場し、準優勝。更にその後は再び本校へ戻り、そしてまたウエスト校へと編入。このあまりにも異色過ぎる経歴と、ウエスト校において一年生筆頭としてIHに出場、一年生の身分でありながら十二分にその実力を示した彼をメディアは〝シンデレラ・ボーイ〟と呼んだ。

 しかし一部ではこれを批判する声もある。彼はあくまで自身の力で道を切り開いてきたのであり、シンデレラのように魔法使いにドレスと馬車を用意してもらったわけではない、と。だが、そもそもシンデレラが与えられたのは究極的には『舞踏会へ行く権利』である。そういう意味では、全国大会という領域へ至れるだけのメンバーが揃っていたアカデミア・ウエスト校に編入したという事実を指しての呼称としては正しいかもしれない。

 

 本人の自己評価はとことんまでに低いが、そもそもから本校における彼の同世代の者たちはまさしく〝天才〟と呼ぶに相応しい者ばかりであり、環境が異常に過ぎる。更には桐生美咲という幼馴染の存在や、烏丸澪という〝最強〟の存在など、彼の周囲の者はあまりにも強過ぎた。特にウエスト校代表としてのIHに向けた練習では他の代表の者とばかりデュエルを繰り返し、敗北を繰り返していたという経緯もある。それでも折れずに勝利を掴もうとする姿は最早狂気的でさえあるが、その直向きな姿に他のメンバーは信頼を置いている。

 

 実はウエスト校でもそれなりに女生徒から人気があったりするが、その手の話は聞こえて来ない。それどころか基本的にぼっち行動である。それは彼が自分から誰かに対して『用はないけど話しかける』という行為を全くと言っていいほど行わないからであり、あまりにも一人でいた時間が長すぎた故に『雑談』という行為が苦手であるがため。

 

 彼のデッキには精霊である『ドラゴン・ウイッチ―ドラゴンの守護者―』が宿っているが、この精霊は本人曰く力が弱く、あの防人妖花でさえ認識できない。実は〝三幻魔〟との戦いの際に周囲に満ちた闇の力で一時的に顕現した際も、祇園以外の人間には一切見えていなかった。彼女のことを知っているのは主たる祇園以外では烏丸澪のみであり、その澪自身、彼女に対して興味を持っていない。

 祇園を『マスター』と呼び、必要以上の忠誠心を見せる。

 

 

 使用デッキ/カオスドラゴン、白黒魔轟ジャンクドッペル

 

 カオスドラゴン……OCG的には世界大会でも活躍した『カオスドラゴン』だが、祇園の使う型は非常に特殊。全てのカードがピン差しという特異な構成であるため、操るには相応の実力が必要となる。コンセプトは『どこからでも戦えるデッキ』であり、所謂切り札のポジションにあるカードの種類が非常に多い。反面、エースと呼ぶべきモンスターがこれといって見当たらず、安定して場に出るモンスターというのが決まっていないのが弱点といえば弱点。

 白黒魔轟ジャンクドッペル……所謂『クイックジャンド』が基本形だが、そこに白黒の二種の竜、更に烏丸澪より贈られた『魔轟神獣』を組み込んだデッキ。一撃の爆発力は勿論のこと、『魔轟神獣ユニコール』を用いたコントロール戦術を行うことができるなど、その戦術における選択肢は多い。基本的にエースは二種類の『スターダスト』。

 

 

 

 

・桐生美咲(きりゅう みさき)

 性別/女 所属/横浜スプラッシャーズ所属、日本ランキング25位

 

 アイドルにしてプロデュエリスト。本作のヒロイン。

 性格は明るく、社交的。アイドルをしているだけのことはあり、常に笑顔を絶やさない。だがちょくちょく腹黒い部分が見えたりする。夢神祇園と交わした〝約束〟の成就については、彼に負けない想いを抱いている。

 全くの無名からジュニア大会を優勝、そのままプロデビューという鮮烈な経歴を持ち、その上で現在はプロチーム『横浜スプラッシャーズ』のエースを張る実力者という割と出鱈目超人。それでも印象として圧倒的と思えないのは、おそらく彼女より上位に屹立する〝最強〟の存在が理由だろう。

 

 アイドルプロと呼ばれ、その人気においては日本のプロデュエリストの中では間違いなく最上位に入る。出演する番組、ラジオ、雑誌など彼女の姿を見ることのできるメディアの数は多く、その上でアカデミア本校の講師までしているというとんでもスケジュールで過ごしている。文句は言うが、それでもきっちりこなすので海馬瀬人は重宝しているとか。

 

 プラネット・シリーズやカオス・ソルジャーといった世界レベルでも超が付くほどのレアカードを所持していたり、まだ十六という若さでありながらI²社会長であるペガサス・J・クロフォードやKC社社長海馬瀬人、更には〝最強〟の一角たる烏丸〝祿王〟澪などから全幅の信頼を寄せられていたり、更には当代最高峰と謳われる〝巫女〟である防人妖花でさえ認識できない精霊を従えたりと、謎な部分が多い。そもそもどこでどうやってそれらのレアカードを手にしたのか、一切が不明なのだ。

 しかし、そんな彼女をペガサスや海馬瀬人は信頼している。そこにどんな事情と理由があるのかは、現時点ではわかっていない。

 

 夢神祇園に対しては、明確な恋愛感情を抱いている。かつて荒んでいた時に出会い、『諦めない』というあまりにも単純で、しかし忘れかけていたことを教えてくれた彼を大切に想っている。そして何より、いつだって彼は彼女の味方だった。だからこそ、彼女もまた彼の味方である。だが、桐生美咲自身があまりにもヘタレ過ぎてその関係は一向に〝親友〟から変化しないままである。〝三幻魔〟との戦いで進展しそうになったが、結局彼女自身がそのことについて明確にしなかったせいもありうやむやとなった。ヘタレここに極まれりである。

 

 

 使用デッキ/混沌天使、TG代行天使

 

 混沌天使……ヴァルハラによる特殊召喚を主軸に、大型天使モンスターによるビートダウンを主軸としたデッキ。ヴィーナス、アスモディウス、スペルピア、マスター・ヒュペリオン、アテナ、クリスティア――大型天使たちはその一枚一枚がエースであると同時に試合を決めてしまいかねない破壊力を持つ切り札でもある。更には天空の聖域によるダメージ無視もあり、想像以上の硬さも有している。

 TG代行天使……上記のデッキにシンクロ要素を組み込んだデッキ。展開力が上昇しており、更に殺意も上昇している。二種類のレッド・デーモンの隣に大天使やカオス・ソルジャーが並ぶという対戦相手涙目の展開も見られる。OCG的には一時環境トップに立ったこともあるデッキであり、今でもクリスティアで詰むデッキはそれなりに多い。

 

 

 

 

・烏丸澪(からすま みお)

 性別/女 所属/日本五大タイトルが一角、〝祿王〟を冠する(ランキングは日本、世界共に圏外)

 

〝日本三強〟が一角にして、〝祿王〟のタイトルを有するプロデュエリスト。本作におけるヒロイン。

 尊大な態度と言葉遣いは、自他共に彼女を〝王〟と認識するが故。その名に相応しい実力は有しており、彼女の実力を疑う者はいない。しかし彼女自身、ほとんど公式の場に姿を現さないため〝幻の王〟とも呼ばれている。それがまた彼女の噂を一人歩きさせ、様々な憶測が流れているのだが、その実情はただ単に本人が表舞台に立ちたがらないだけという理由である。

 

 遊城十代は〝選ばれた者〟であり、防人妖花は〝愛された者〟である。二人は精霊からの加護を一身に受ける存在だが、その根底には精霊との交流があり、心を通わせるという背景がある。しかし烏丸澪にそんなものはない。彼女がそこにいるだけで精霊たちは力を貸し、彼女はそれを受け入れる。それが〝王〟であり、曰く〝望めばありとあらゆる領域で頂点に立てる〟と謳われる存在だ。だからこそ精霊たちは彼女に畏怖の感情を向け、彼女もまた、精霊たちに対して必要以上の意識も興味も向けない。

〝王〟と呼ばれこそしているが、彼女には臣下も民もいない。本人曰く『一人きりの愚かな王』。そんな彼女の望みは自分と同種の存在を見つけることであり、とある出来事から他人に対しても大して興味を抱かなくなった時はその過程で相手を壊してしまうことも何度かあった。しかし手がかりすらなく、最近では最早諦めている。

 

 現在一番興味を持つのは夢神祇園という少年が歩む軌跡。自分とは全く違う、〝持たざる者〟たる彼がどこへ行きつくのか、楽しげに見守っている。だがその執着はとある感情を連想させ、とある少女を不安にさせている。ただ、本人には未だその感情の意味がわかっていないようだが。

 

 セブンスターズ、そして〝三幻魔〟との戦いの際に前線に立つことを拒否したが、それは丸藤翔に語った理由よりももっと根深い理由がある。烏丸澪という〝最強〟が守護者に加われば、それこそセブンスターズはありとあらゆる手段を講じて彼女を排除するであろうことは想像に難くない。例えば夢神祇園や防人妖花を人質に取り、最悪二人が殺害、そうでなくとも五体満足でなくなるという可能性さえあった。そういうことをする者がいることを彼女は知っているし、そういう場面も見たことがある。故に彼女は最後まで一度も戦わなかった。それと同時に自身の存在を抑止とするためにあの場にいたというのが真相である。……まあ、その背景にはとある少年の件があったわけだが。

 

 ちなみに現在の彼女は結局進学をしなかったので所属する組織はなく、表に出たがらず仕事もしたがらないということもあってニート具合が増している。ちょくちょく祇園に会いにウエスト校に現れて校長と雑談をしているらしいが、〝最強ニート〟の名が真実味を帯び始めている。ぶっちゃけ働くだけの必要性がないという立場でもあるため、色んな意味で一番自由。

 

 かつて幼き頃に精霊界を訪れ、混乱を巻き起こしたり世界を救う手助けをしたりしたという噂があるが……真実のほどは定かではない。

 

 

 使用デッキ/暗黒界、暗黒魔轟神

 

 暗黒界……ご存じグラファがひたすら蘇り続ける暗黒界を使用。エースであるグラファでひたすら殴りつつ、スキドレとウイルスで相手を叩き潰す。対戦相手は大体理不尽な目に遭う。

 暗黒魔轟神……レイヴンの効果でシルバ、ゴルドのどちらかを捨て、レベル8シンクロ、そこからヴァルキュルスの効果を用いて更に展開、という動きを基本としたデッキ。バトル・フェーダーを合わせればトリシューラも特殊召喚できるなど、できることは多い。こちらもデッキとしては割とスタンダート。魔轟神の王たちとは現在共闘関係にあるが、互いに相手に対する信用も信頼も一切ない。

 

 

 

 

 

・防人妖花(さきもり ようか)

 性別/女 所属/なし

 

 当代最高峰を謳われる、神さえも降ろすことを可能とする〝巫女〟。

 遊城十代が偶然に産まれた〝精霊に選ばれた者〟であるのに対し、彼女は人が永き時を懸けて紡ぎ上げた〝精霊に愛された者〟。その存在はただそこに在るだけで精霊たちを惹きつけ、共にあることを彼らに望ませる。そしてそんな精霊たちに囲まれて育ったためか、肉親のいない境遇ながら底抜けの純粋さを持つ。それは彼女が〝巫女〟であるために必要な素養であると同時、彼女の本質を示している。

 

 元々は山奥の村に隠れるように、或いは隠されるように暮らしていたが、いくつもの偶然から烏丸澪と出会い、ペガサス・J・クロフォードと出会い、その世界を広げていくこととなった。現在は烏丸澪が暮らすマンションに居候しつつ、特別に用意された教育係の下で勉強している。年齢的には丁度中等部に入学する年齢であり、周囲はアカデミア中等部に入学するモノだと勝手に認識しているのだが……。

 

 彼女の故郷にある社に封印されていた『エクゾディア・ネクロス』の世話をしていたという話だが、それについては違和感がある。エクゾディア・ネクロスは〝神〟と呼ばれるほどの力は持っておらず、また、力の弱い『クリッター』などの精霊はともかく、彼女に与えられた加護の本質からすれば歯牙にもかからないほどの力しかないはずの存在なのだ。だがそれでも彼女がネクロスをそう認識していたのは事実であり、その理由は不明である。

 

 DMについては小さなころからずっとTVで眺め、憧れ続けてきた。そのためプロデュエリストについては異様に詳しい。ちなみに一番好きなプロデュエリストは『喧嘩決闘』と謳われるデュエルスタイルをした藤堂晴であり、対戦相手がおらず、一人で壁に向かってデュエルするしかなかった防人妖花にとってどんな相手だろうと真っ向から殴り合うその背中が非常に格好良かったためである。

 

 精霊界において〝神〟とぶつかった夢神祇園を癒したり、〝三幻魔〟との戦いでは本来存在し得ないはずの龍を呼び出したりと、その能力は最早異次元のそれ。本人の自覚は薄いが、その才能は唯一無二のモノと言えるだろう。

 

 

 使用デッキ/レベル1活路エクゾディア、魔導エクゾディア

 

 活路エクゾディア……『活路への希望』を用いたドロー加速を用いたエクゾディアデッキ。そこに防人妖花の豪運による、『ミスティック・バイパー』のドローが加わり、最早理不尽そのものな回転を見せる。だがこのデッキはそもそも対戦相手のいない彼女が一人で回すために紡ぎ上げたデッキであり、そのため対戦相手を見なくても戦えてしまうデッキとなっている。

 魔導エクゾディア……〝ルーキーズ杯〟で戦うということを知った彼女が紡いだ戦うためのデッキ。ブラック・マジシャン師弟とエクゾディアを魔導に組み込むというとんでも構築をしているが、彼女の豪運によって問題なく回っている。エクゾディアは彼女に加護を与える数多き精霊の中でもとくに重要な精霊の一柱であり、姿を現すことも言葉を告げることもほとんどないが常に彼女を見守っている。

 

 

 

 

・如月宗達(きさらぎ そうたつ)

 性別/男 所属/アカデミア本校二年オシリスレッド、フロリダ・ブロッケンス2A

 

 憎悪をその根源に宿し、修羅の道を歩むことを決めた業深き少年。

 基本的にトラブルメーカー。元来敵が多く、本人も売られた喧嘩は全力で買う主義であるためすぐにトラブルを起こす。大体相手を挑発して怒らせるが、そういう時は彼自身が穏便に済ませるつもりがない場合がとても多い。ただし一度仲間、もしくは身内と定めた相手に対しては徹底的に甘い。友人たちに対しては彼なりに忠告を何度も送ったり、セブンスターズとの戦いにおいては裏切り者と罵られることを覚悟で友を守るために正体を隠して敵側についた。

 

 かつて〝サイバー流〟とその理念と真っ向から対立し、そのせいで一人きりになってしまった経緯がある。彼にとってデュエルとは勝利が全てにおける大前提であり、そこに別の要素が絡む余地はない。そのスタイルは徹底したカウンター制圧型。それはドロー運があまりにもなさ過ぎる彼が辿り着いた哀しい結論であり、それを選ぶしかなかったからこそ、それを否定した〝サイバー流〟を許せなかった。

 その本質は〝管憑き〟と呼ばれる、存在そのものがある種の呪いを受けた存在。それは業であり、生まれながらに彼はそれだけを理由に精霊たちから忌み嫌われ、否定されている。故に彼はそれを受け入れ、ならばと彼らを憎悪し、力ずくで従える選択をした。

 

 彼にとって何よりも優先されるのは〝勝利〟であり〝栄光〟、それに伴う自身の証明である。だが、恋人である藤原雪乃についてはその限りではない。彼女は彼にとって救いそのものであり、だからこそ執着し、何よりも大切にしている。

 

 とある偶然から〝邪神〟を従えることとなった。現在は力で抑え込んでいるが、その均衡は非常に危うい。ただ〝邪神〟としても彼の〝管憑き〟としての体質については面白がっている節があり、今のところ共闘関係を築けている。

 

 

 使用デッキ/六武衆

 

 六武衆……モンケッソクケッソクカゲキムシャの呪文で有名な侍デッキ。その展開力と切り札たる支援の制圧力は凄まじく、その強さから〝侍大将〟と宗達は呼ばれる。『六武の門』が無制限の時代はキザンの無限ループを可能にした。

 

 

 

 

◇プロデュエリスト◇

 

 

 

 

・新井智紀(あらい ともき)

 性別/男 所属/阪急ジャッカルズ(ドラフト一位)

 

 アマチュア№1とも呼ばれていた、最強の大学生だった男。気のいい兄貴分。

 今年度ドラフトにおいてまさかの七チームからの強豪指名を受けて世間を騒がせた。本人には特に志望するチームはなかったらしく、快くジャッカルズに入団している。

 

 かの〝ルーキーズ杯〟において遊城十代に敗北したことをきっかけに、彼の周囲と交流を持つようになった。その面倒見の良さから慕われており、彼本人も色々と気にしているらしい。特に防人妖花には懐かれており、妹のような感覚で接している。

 一見栄光の道を歩んできたように見える彼だが、その経歴はどちらかと言うと挫折と苦悩に満ちている。だからこそ決して人の努力は笑わないし否定もしない。ただ、夢神祇園が抱える問題については自身にできることはないとある意味冷たい返答を彼に対して行っている。しかしそれは彼なりの誠意があってこその言葉であり、夢神祇園も彼のことは信頼している。

 

 現時点で新人王最有力候補。実力は確かな兄ちゃんである。彼女はいないが。

 

 

 使用デッキ/ジェムナイト

 

 ジェムナイト……連続融合が売りのデッキ。最近デッキ融合も手に入れ、ますます殺意が高まった。単純なワンキル性能ならトップクラス。その分防御が薄く、そこが弱点と言えば弱点。

 

 

 

 

・神崎アヤメ(かんざき あやめ)

 性別/女 所属/東京アロウズ(副将レギュラー)

 

 新人王も獲得した実力者。プロデュエリストであると同時にスカウトとしての役目も負っており、礼儀正しく真面目な女性。

 自身を倒した夢神祇園のことを高く評価しており、割と真剣にすぐにでもチームに引き込めないかと考えている。おそらく作中で彼のことを最も評価している人物の一人。

 

 実はアカデミア本校の卒業生であり、当時はラー・イエローに所属していた。その時は今ほど融通の利く性格ではなかったらしく、その不器用さから親友と共に制裁デュエルを受けた経緯がある。ただ本人はそれを恥ずかしがっているのか、過去のことを夢神祇園に語る際はその辺を誤魔化していた。

 実力は確かで、詰将棋の如く一手ずつ相手を追い詰めていくデュエルスタイルから〝玄人〟とも呼ばれる。

 

 ※学生時代のエピソードで多分文庫一冊分ぐらいのストーリーを書ける気がする。多分。

 

 

 使用デッキ/剣闘獣

 

 剣闘獣……かつてはモンスターを数多く投入するライトロードと対極、モンスターの数を少なくする構築で世界に挑んだカテゴリー。基本的に受けの戦術だが、カイザレスが割と理不尽な効果を持っている。デッキに戻して融合という少々特殊な動きをし、少しギミックが特殊。

 

 

 

 

・藤堂晴(とうどう はる)

 性別/男 所属/東京アロウズ(大将レギュラー)、全日本ランキング3位、世界ランキング10位

 

 真っ向勝負の決闘スタイルから『喧嘩決闘』と呼ばれる、全日本三位の実力者。現時点で最もタイトルに近い人物と謳われるが、本人はあまりタイトルには興味がないらしい。

 

 過去に精霊界に彼の姉と共に呼ばれたことがあり、そこで英雄と呼ばれるだけのことをした。だが普段の行動が普段の行動過ぎてあまり敬われていなかったりする。それもそのはずで、基本的に悪人ではないが割と外道で面倒臭がりのため、結果的に彼が救いこそしたもののその結果が釈然としない場合が多かったのである。

 そんな彼がプロデュエリストとして活躍しているのは、命の恩人たちからの頼みのため。それが果たされる日が来るまで、彼は正々堂々、本来の彼のスタイルとは大きく違う正々堂々の戦いを貫くだろう。

 

 姉である藤堂詩音が〝眠り病〟という病に侵されており、その原因を追い続けている。

 烏丸澪とは姉と共に精霊界で出会っており、その際に殺されかけたため大の苦手。

 

 ※精霊界での物語においてはおそらく主人公。多分色々やらかしてる。

 

 

 

 

・烏丸銀次郎(からすま ぎんじろう)

 性別/男 所属/東京アロウズ

 

 烏丸澪の弟でありながら、その才に恵まれなかった青年。しかしそれでも本来ならそこに立っていたはずの〝彼女〟の代わりにプロの世界で戦うことを誓う。

 

 烏丸澪とは腹違いの姉弟。愛人の子供であり、そのせいで居場所はなかった。母が亡くなり、引き取られた際にそんな彼を『弟』だと澪が彼のことを決め、それにより生きていくことが許される立場となる。それ故か澪のことは常に気にかけており、命を懸けてでも恩を返すとは本人の意志。

 それとは別に病院で出会った藤堂晴の姉、藤堂詩音と交流がある。本来ならプロの世界で称賛を浴びているはずの彼女の代わりにプロの世界に立つことを誓いとし、歯を食い縛って戦い続けている。彼女は澪と同じく彼を認めてくれ、肯定してくれた数少ない人物であり、心の底からの想いを抱いている。

 原因不明、治療法不明の奇病〝眠り病〟に侵され、日に日に起きている時間が短くなっていった彼女は、遂に目を覚まさなくなる。彼は毎日病院に通い、ただ、待ち続けている。

 ――再び、彼女が目を覚ます日を。

 

 見た目はもの凄く怖いが、悪人ではない。むしろ善人。そして気が弱いとは姉の談。

 

 

 使用デッキ/レプティレス

 

 レプティレス……攻撃力0がテーマという一風変わったデッキ。特に切り札の『レプティレス・ヴァースキ』は攻撃力0のモンスターを二体生贄に特殊召喚と変わった条件を持つ。トリッキーな戦術を用いるが、それ故に噛み合った時の爆発力は凄まじい代わりに追い込まれると辛くなる。 

 

 

 

 

・本郷イリア(ほんごう いりあ)

 性別/女 所属/スターナイト福岡

 

 桐生世代を代表するデュエリストの一人。同時期にプロとなった桐生美咲とは数多くの場面で戦い、勝ったり負けたりを繰り返してきたため彼女のライバルとみなされている。実際互いの認識は好敵手なので間違いではない。

 

 ドラフトで〝帝王〟こと丸藤亮を手にしたスターナイト福岡の中心選手。その実力は確かで、〝ルーキーズ杯〟にも選出された。気の強い女性だが、だからこそ桐生美咲とは相性が良い。

 アカデミア・サウス校の卒業生であり、福岡は彼女の地元。そのためか非常に地元人気が高く、地元ではほとんどスター扱い。

 

 

 使用デッキ/炎王

 

 炎王……破壊される度に色々やらかし、ガルドニクス二体で全体破壊のループを組める恐ろしいカテゴリ。まさかの手札を破壊するという効果を用いてまで、相手ターンであろうと全体破壊を繰り返す。そのリセット能力は強力で、割と理不尽。油断すればサイドラ条件下で魔法カード一枚よりガルドニクスが飛んでくることもある。

 

 

 

・二条紅里(にじょう あかり)

 性別/女 所属/広島セイバーズ(ドラフト一位)

 

 昨年度IH団体戦MVP及び個人戦総合優勝の、文字通り〝最強の高校生〟。

 ドラフトで広島より指名を受け、快く入団を決定した。新人王有力候補。

 

 中学時代から烏丸澪のことを知り、同時に彼女に壊されず、それどころか未だ憧れを抱き続け、友人でもあり続ける稀有な人物。その圧倒的な存在感と実力により注目を浴び続け、しかし、あまりにも異質であったために周囲から拒絶された烏丸澪を肯定し続けた数少ない人物。そのせいで本来ならば負う必要のなかった苦難を背負うこととなったが、それを彼女が後悔したことは一度もない。

 

 のんびり屋でマイペース。烏丸澪のそれがうつったのか、よく昼寝をしている姿が見かけられる。だが物事の本質はきっちりと見ており、一人になりやすい夢神祇園を気遣う場面が何度か見られる。また、その表面の奥に秘めた情熱は本物で、誰もが自分とは違う存在と認識する――あるいは、するしかない烏丸澪という怪物の領域に本気で至ろうとしている。

 

 

 使用デッキ/植物デュアル

 

 植物デュアル……デュアルモンスターであるギガプラント、植物モンスターをデッキからどんなモンスターであろうと呼び込むローンファイア・ブロッサムを中心としたコンボデッキ。その動きは中々壮観で、ぐるぐると目まぐるしくモンスターが入れ替わり、場が構築されていく様は見る者を魅了する。世界に一枚しかない『ライフストリーム・ドラゴン』はIH個人総合優勝者である彼女へペガサス・J・クロフォードから直々に贈られた。

 

 

 

 

・菅原雄太(すがわら ゆうた)

 性別/男 所属/阪急ジャッカルズ(ドラフト四位)

 

 騒がしいことが大好きなお祭男。だが悪人では決してなく、その根本は善人である。

 二条紅里の陰に隠れがちだが、IH団体戦において彼女と共に無敗を誇り、また、個人戦においてもベスト8で二条紅里に敗北するなど、対外戦において彼はIH中無敗を誇った。少々実力が過小評価されているきらいがあるが、二条紅里という存在がそれだけ強烈だったと言えるだろう。ただ、どのチームも彼を下位指名で獲得する意志はあったらしく、そこを阪急が四位指名することで他を出し抜いた。本人は阪急ファンだったのでこの結果に大喜びだったようだが。

 

 実力的な中核は二条紅里だったが、ウエスト校代表にとって精神的な支柱は実を言うと彼。基本的にマイペースで意外と他人に興味がない二条紅里。基本無口で、人と物理的に距離を取ろうとする沢村幸平。真面目過ぎて融通が利かず、サイバー流の亜流であるということに複雑な想いを抱いている最上真奈美。そしてぼっち行動が多く、自己評価がとことん低い夢神祇園。山崎壮士を除けば個人主義――というより、個人行動の多い者ばかりであり、その全員と正面から向き合えたのは彼だけであった。全員と言葉を交わし、チームとしてまとめ上げたのは間違いなく彼の功績だろう。だからこそ、誰一人文句は言わずに彼を大将に据え続けた。

 

 あらゆる意味で正統派の青年。普通に青春し、恋をし、努力し、結果を示し、今がある。努力を高確率で結果に繋げられる者――〝秀才〟という表現が彼には一番適しているだろう。

 

 

 使用デッキ/ライトロード

 

 ライトロード……登場時期に対し、随分と長く生き続ける古参テーマ。最近クラウンブレードを組み込んで更に殺意を上げ始めた。一部では裁きの龍不用説も出ているが、彼は絶対に認めないだろう。多分。デッキから墓地へ送るというシンプルな効果を軸に、墓地との連携で相手を圧倒する。とりあえず増えていく墓地とちらつく裁きの龍の存在に絶望感を覚えたデュエリストは少なくないだろう。

 

 

 

 

・皇清心(すめらぎ せいしん)

 性別/男 所属/日本五大タイトルが一角、〝弐武〟を冠する(全日本ランキング2位、世界ランキング3位)

 

 DMの創世記より活躍し続ける、〝日本DM界原初の大物〟。この呼び名はあまりにも多くの異名を与えられ続けた彼が最後に辿り着いた称号と言える。

 基本的に己の勝利のみにしか興味がなく、それ以外の全てを捨て去った。その始まりは、一体どこへ置き去りにしてきたのか。最早本人さえ覚えているかどうか、定かではない。

 

 飽くなき〝最強〟への執念がこの人物を〝行ける伝説〟とまで呼ばれる領域へと押し上げた。如月宗達が選んだ形の、ある意味では究極系。その暴虐的な意志はありとあらゆる全てを捻じ伏せ、従えてしまう。

 その執念は最早怨念と呼んでいいほどに凄まじく、如月宗達がどうにか力技で抑え込もうとし、興味というある種温情のようなものを受けることでどうにか呑み込まれずにいるが、この人物の場合は違う。〝邪神〟という存在をその執念は縛り付け、従えてしまった。

 

 どこぞの〝王〟と違い、少し〝違う者〟を見かけると興味を抱く。だが、すぐに飽きる。彼が他人に絡むのは所詮は気まぐれであり、他人の人生など彼にとっては暇潰し以上の意味はないのである。

 

 

 使用デッキ/聖刻、炎星

 

 聖刻……全盛期は一瞬でオーバーキルが可能というとんでもデッキだった。現在もデッキから直接レダメを引っ張れる効果は強力で、特に『聖刻龍―トフェニドラゴン』は色んなデッキに出張する。そうして生まれた『聖刻リチュア』なるデッキは先行で相手手札を全てデッキに叩き込むという史上最強のハンデスをやらかした。

 炎星……永続魔法、永続罠を中心にアドを取っていくという一風変わったデッキ。動きを単体で見ていくとよくわからないアドの取り方をしているが、気が付けば相手が劣勢ということもよくある。特に『炎舞―天キ』と『暗炎星―ユウシ』のコンビネーションは強力で、出張することも多い。レベル3軸だと『真炎の爆発』にも対応しているので、割と酷いことになる。

 










最近儀式次元の住人であることが発覚した作者です。
というわけで第二期、皆ちゃんと進級しました。
デッキについての説明は割と適当です。遊戯王はテーマ内で馬鹿げた数の型が存在するので、割と色々ありなところが面白いですね。





……最近デュエルしてないな……。
相手欲しい……。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。