ロザリオとバンパイア ~刃の音撃戦士~   作:オンドゥルッフ

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第十七の巻「通り魔事件?強盗団?…とりあえず潰すか:後編」

 シャカシャカシャカシャカ…キキィーイ!!

 

 刃鬼「うわっ、この自転車ブレーキパッドすり減っている!!しかも油もなくなっているからウルセッ!?…あとで整備するか…おのれディケイド!」

 

 僕は自転車から降り、幽波紋じゃない方のスタンドを降ろし、地下牢の入口を見た。

 

 刃鬼「地図によると一番近い入口は…ここかぁ?…(紫色の蛇風に)」

 

 僕は地図を確認して地図を折りたたみ、かごに入れ風で飛ばされないように石を乗せてから中へ入って行った。

 

 ~数分後~

 

 刃鬼「迷ったな…さっきから同じところをグルグル回っているな…」

 

 普段ならここで自分の鼻で誰か捜すけどここはかび臭く鼻が利かなくて僕は困って別の道を歩いていると

 

 刃鬼「ん?壁に穴が開いている?しかも断面から結構新しい…いってみるか。」

 

 僕は壁の穴を通り行くと女性が泣く声が聞こえ、急ぐと血まみれで気絶している蜘蛛の妖怪と泣いている萌香さんがいた。

 

 僕は急いで萌香さんに駆け寄ると

 

 刃鬼「萌香さん!!どうしたのですか?」

 

 萌香「刃…刃鬼君、つくねを止めて!!」

 

 刃鬼「萌香さん、それは一体…まさかバンパイアの血が暴走しているのか?」

 

 萌香「うん、だからお願い!!つくねを止めて!!」

 

 僕は頷き立ち上がり、牢屋の外へ向かおうとすると蜘蛛の妖怪は

 

 蜘蛛男「くっそ~あの餓鬼…許さねえ!!」

 

 と言いながら立ち上がったが、色々とややこしくなりそうだったので

 

 刃鬼「寝てろ、ギャラクティカナントカ!」

 

 ゴッ!

 

 蜘蛛男「ギャアアアアア!?!?」

 

 左ストレートを顎に食らわして気絶させた。その時緑大猿が来て僕はついてきながら壁を壊したりしながら突き進み角を曲がると煙草をくわえ、変化が解けた胡夢さんと闘っている月音君を見守っている皆、そしてその後ろからでかい妖怪がいた。皆はそれに気づかず僕は走り、低くジャンプし宙で激しく回転して

 

 刃鬼「ライダーキック(棒)」

 

 牛っぽい妖怪をライダーキックで蹴り飛ばし、着地すると

 

 月音「う゛あ―――(赤面)」

 

 胡夢(ズボン)「グハッ(赤面)」

 

 刃鬼「なんで月音君とズボンをはいた胡夢さん鼻血出しているの?スカートをはいた胡夢さん?」

 

 胡夢(スカート)「あいつが私の姿でつくねに胸を見せたのよおおおお!!って何よその呼び方!!それとあいつは偽物よ!!」

 

 みぞれ「あいつはドッペルゲンガーと言う種族で他の者に化けることができるそうだ。」

 

 刃鬼「ああ、確かにそれだと鼻血でますね…とりあえず瑠妃さん今のうちに」

 

 瑠妃「は、はい!紫ちゃん手伝って!!」

 

 紫「了解ですぅ!!」

 

 紫ちゃんが暴走状態で鼻血が垂れている月音の周りにカードを差し、魔方陣を作って結界を発動すると月音君の顔にあった紋様らしき物は引いていき、元に戻るのを確認し、ほっと胸を撫で下ろすと…

 

 心愛「どこ行くの?あなたにはまだお姉ちゃんを返してもらってないわよ?」

 

 心愛ちゃんがモーニングスターになったこーちゃんを振り上げ、

 

 心愛「逃げようたってそうはいかないんだから!!」

 

 こーちゃんを振り落としたが胡夢(偽)は避け距離を開けた。

 

 刃鬼「あ~僕は萌香さんの場所知っているよ。ここに来る前に会ったし」

 

 心愛「え!?どこっ!?」

 

 心愛さんがそう言ったが、僕は胡夢(偽)の逃げている先を見て角を曲がった瞬間砂煙が上がった。そこは僕が来たところでもあるので僕は指を差しながら

 

 刃鬼「今砂煙を上がった方から来たから多分萌香さんもあそこにいると思う…。」

 

 心愛「ええ!?」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 月音さんの血の暴走を封じた後、突如轟音が響き私達はその方を見ると

 

 胡夢(偽)「ハハハハッついてるっついているぞ!!まさかこの局面でこんな女に会えるとはッ」

 

 胡夢(偽)の右手は萌香さんの頭に手を置いていた。

 

 胡夢(偽)「目が合った瞬間なぜかピンときたよ。「この女は何かある。」「こいつに変化してみてぇ」ってな」

 

 偽胡夢の右手が怪しく光り、左手を顔の前に持っていくと

 

 刃鬼「げぇ!?顔が変わっているぅ!?髪も伸びてる!?」

 

 刃鬼さんは変わっている事に

 

 胡夢(真)「うそ…!この凶々しい妖気…これは……」

 

 みぞれ「まさか…これは」

 

 胡夢(偽)は裏萌香(偽)へと変わり、

 

 裏萌香(偽)「まさかこの女がこれ程の力を隠し持っていたとはな」

 

 みぞれ「まずいぞ…くるむに化けた時でさえかなり強かったんだ。そんな奴が」

 

 刃鬼「胡夢さんに化けた時でもかなり強い?どういう意味だ?」

 

 みぞれさんの一言に刃鬼さんは首を傾げていて私は

 

 瑠妃「刃鬼さん!彼は様々な武術をマスターしていて化けた人の力を100%引き出せるそうです!!」

 

 私の説明に刃鬼さんは聞きおわると

 

 刃鬼「ほう、それはなんと手応えのゲフンゲフン厄介な相手ですね…で瑠妃さん、彼と言っていたからあの偽物は本当は男なんですね?」

 

 瑠妃「は、はい!刃鬼さん余裕ですね…」

 

 胡夢「刃鬼、あんたこの前裏萌香負けたと言ってたじゃない!!何でそんなに余裕なのよ!!」

 

 刃鬼「余裕?それは違うよ。胡夢さん、例え相手が裏萌香さんに変わったとして狼狽えていては隙が出来てしまいます。それに「汚らわしいっ!」あ、待て!心愛ちゃん!!」

 

 心愛「あんたなんかがお姉さまの代わりになるもんかあああああ!!」

 

 刃鬼さんの静止を聞かず、心愛さんが偽の萌香さんに向かって武器を構えて駆け出し、偽の萌香さんはカウンターの構えを取って、刃鬼さんは走りだしながら

 

 刃鬼「ちっ…相棒!偽物の腕を狙え!」

 

 光鷲「ピィ!!」

 

 刃鬼さんが指示すると光鷲は一直線に偽の萌香さんの腕に飛んでいき、翼のカッターで腕を浅く斬りつけた。

 

 裏萌香(偽)「クッ!?」

 

 偽の萌香さんは顔を一瞬ゆがめたが、そのまま攻撃は心愛さんを捉え、

 

 パァン!!

 

 心愛「あ…」

 

 心愛さんは口から多少の血が出て宙を舞ったが、刃鬼さんが素早くキャッチをすると偽の萌香から背を向け私達の元へ歩み寄りながら

 

 刃鬼「おい、大丈夫か?僕の声が聞こえるか?」

 

 と声をかけると心愛さんは弱弱しく

 

 心愛「う…や、刃…」

 

 と答えると刃鬼さんはフウと息を吐くと

 

 刃鬼「良かった…意識はあるか、それと動けるか?」

 

 心愛「喋れるけど、身体は動かない…忠告聞かなくて…ごめん」

 

 刃鬼「顎に入ったか…別に謝らなくてもいいから、偽物は僕が倒すから休んでいてくれ…瑠妃さん、心愛ちゃんを頼む。」

 

 心愛「うん…わかった。」

 

 瑠妃「は、はい……」

 

 気を失った心愛ちゃんを私のそばに降ろして立ち上がると偽の萌香さんを見た。偽の萌香さんは萌香さんを投げ飛ばし、苦い表情をしながら

 

 裏萌香(偽)「貴様、あの一瞬で俺がどこに攻撃するかよく分かったな。あの時の玩具の一撃で少しずれたよ。しかもこの俺を倒すだと?」

 

 刃鬼「僕の相棒を玩具呼ばわりにするのは酷いね~ああ見えて、鉄柱なら斬りおとせるんだけど…ここから先は僕が相手だよ。」

 

 刃鬼さんは構え、偽の萌香さんも構えるとお互い同時に地面を蹴ると偽の萌香さんは蹴りを刃鬼さんは殴りかかり

 

 バシッ!!ガッ!!

 

 地下牢跡に激しい音が鳴り、刃鬼さんは萌香さんの蹴りをガードもせずに立ち、殴り返していた。

 

 裏萌香(偽)「グッ…」

 

 偽の萌香さんはフラつき、刃鬼さんは懐に入り

 

 刃鬼「まだまだぁ!!」

 

 偽の萌香さんの腹部に連打で拳を打ち込み、

 

 刃鬼「もういっちょう!!」

 

 裏萌香(偽)「グハッ!?」

 

 アッパーカットをして偽の萌香さんは吹き飛ばされた。その光景に胡夢さん達は

 

 胡夢「嘘…強い」

 

 みぞれ「全くあれを見ると私達の今までの修行が遊びで意味がないように感じるな…」

 

 紫「この前は手加減でもしていたのですか?」

 

 紫ちゃんの一言に刃鬼君は右手をこっちに向け人差し指をたてて横に振った。

 

 刃鬼「ちがうよ紫ちゃん手加減はしてない…ただ彼は隙をなくし、できるだけ攻撃を食らわないことを最優先に持っているから、さっきの蹴りは本物の萌香さんより弱いんだ。本物は一発で終わら世れるから加減なしでやるからね。」

 

 刃鬼さんは烈光を構えると片方を立ち上がろうとしている偽の萌香さんに向け

 

 刃鬼「それに彼女の潜在能力100%出せたとしても彼は萌香さんじゃない、さっきなりたてだ…それでその体でろくに鍛えてないのにいきなり強くなろうとしても、所詮無理があるってもんだな。」

 

 裏萌香(偽)「ふざけるな!!俺は空手、功夫、柔術と言ったあらゆる武術をマスターしているのだぞ!」

 

 偽の萌香さんは構え直し刃鬼さんに攻撃を仕掛けるが刃鬼さんは烈光で手を叩き落とし、手を抑え

 

 刃鬼「…で?それがどうかしたの?」

 

 裏萌香(偽)「それがって…俺だって鍛えてきたんだぞ!!それが貴様みたいなただの鬼に!?」

 

 刃鬼「そうだね…でも君は心の方は鍛えたのかな?そして鍛えた理由は自分“だけ”を守るためだけでしょう?しかもさっき言った武術はどれも相手…人間相手で“倒す”武術だ。君は今まで自分より同等もしくは弱い奴しか相手にしてないだろう?…僕のように自分より体格も力も数倍上の“化物”を“確実に殺す”武術じゃない。」

 

 刃鬼さんは少し悲しそうな顔で言うと、頭突きをして相手を少しだけ離して腹部に烈光を叩きこむと

 

 刃鬼「最後に僕相手に萌香さんに化けたのは間違いだったかもね…」

 

 裏萌香(偽)「ハア、ハア、ハア…何故だ?」

 

 刃鬼「僕がこれから使うのは萌香さんには本当に相性の悪い技でね…ハア!!」

 

 刃鬼さんが輝に変わろうとした時、偽の萌香さんは襲い掛かったが刃鬼さんの纏っている光によって弾き飛ばされ、刃鬼さんが変わり終えると烈光に光が集まると

 

 刃鬼輝「すまないが、そろそろ終わりにさせてもらうよ…ハア!!」

 

 烈光をふるい光が偽の萌香さんの当たると鼓に変わり、

 

 裏萌香(偽)「な、なんだこれは!?」

 

 刃鬼輝「なにって、ただの鼓さ…今のあなたには少々きついぞ…さて、お前の罪でも数えてな。」

 

 刃鬼さんは偽の萌香さんの前に立ち

 

 刃鬼輝「響鬼さん直伝…「爆裂強打・輝」の型…テリャアアアア!!」

 

 刃鬼さんは烈光で思い切り鼓に叩きこみその時も妖気と清めの力が反発しあい電流がバチバチと

 

 刃鬼輝「ハァ!ハァ!・・・・テェエリャアアア!!」

 

 裏萌香(偽)「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 音撃を決めると白い爆発が起きて煙が晴れると変化が解けた強盗犯の姿があった。輝と顔の変身を解くと胡夢さん達は駆け寄り

 

 胡夢「やふ~~強盗犯をやっつけたよ~~!!」

 

 紫「輝で闘うとああなるのですね…ゾクゾクするですぅ!」

 

 みぞれ「流石だな…ますます惚れるよ…ポ」

 

 月音「やっつけてありがとう…」

 

 萌香「心愛も助けてありがとう…それとさっきもう一人の私から伝言があるらしいけど…」

 

 刃「裏萌香さんから僕に伝言?」

 

 瑠妃「なんなのでしょう?」

 

 刃さんが首を傾げていると

 

 萌香「今度は輝で手を抜かず闘えって…今語りかけてきたけど拒否権は無しだって」

 

 刃「ええええええええ!?!?それは嫌だよ!!輝で闘うと烈光とか結構痛むのに~予備の材料が無くなったら、屋久島まで行かなきゃいけないのですけど!!」

 

 萌香「刃君…ごめんね」

 

 刃「ハアまあやるけど女の子に本気出しにくいな~…じゃあそろそろ理事長の部下とザンキさんが来るだろうから現場を引き継いだら帰るよ。みんな歩ける?」

 

 刃さんは皆に聞き、

 

 萌香「私は大丈夫」

 

 胡夢「私は少しダメージを食らったけど、歩くくらいなら」

 

 みぞれ「私も問題はない…それとくるむ嘘はいけないぞ。」

 

 月音「俺も身体のあちこちが痛いけど大丈夫だよ。」

 

 紫「二人とも口に血の跡がついてますよ~」

 

 瑠妃「私達もかなりの魔力を消耗しましたが、動けます。」

 

 刃「皆は大丈夫でっと…残りは結構大ダメージを受けた心愛ちゃんか。」

 

 刃さんは烈光を戻し顎に手を当てながら心愛さんを見た。心愛さんは私の肩にもたれて、眠っていた。

 

 心愛「スー…スー…」

 

 刃「なんか…起こすのも気がひけるな。」

 

 胡夢「そうねぇこうしていると可愛いんだけど」

 

 刃「しょうがない…瑠妃さん、済まないけど心愛ちゃんを…」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 心愛「ん…」

 

 あたしが偽物の攻撃を食らって刃に休むように言われてから揺れている事に気づき目を覚ますと

 

 萌香「あ、心愛」

 

 刃「おお、心愛ちゃん、目が覚めたか。」

 

 胡夢「もうぐっすりと眠っちゃって!」 

 

 みぞれ「その程までに偽モカの力が強かったんだろ…」

 

 紫「でもあれは刃さんの判断のおかげで少しは威力を落としたのですよ!」

 

 瑠妃「それでも吸血鬼の回復力でもかなりの時間がかかるのですね。」

 

 月音「本当に吸血鬼っていろいろと凄い面があるね。」

 

 皆の声が聞こえるが、刃の声がなぜか近くから聞こえて不思議に思うとだんだん意識がはっきりしてきて、あたしの目の前に黒く大きな物が見えた…あたしの制服は赤だけどおねえちゃんたちの制服は緑で黒なんてないはず…そういえば刃の鬼の姿肌が黒かったような…

 

 心愛「え…えええ!?ちょっと刃、離しなさいよ!!」

 

 刃「おっと!?こら暴れるな!!落としちゃうだろ!!今、降ろすから暴れないでくれ!!」

 

 あたしは刃におんぶされる形で運ばれていたのである!刃は急いであたしを降ろしあたしは足に力を入れようとしたが、

 

 心愛「あ、あれ?フンッ!…あれ?」

 

 腕は力が入るのに足に力が入らず立ち上がれず刃の背中にもたれかかってしまった。

 

 刃「ありゃりゃ…まだあの攻撃のダメージが残っているのか…すまないが病院まで我慢してくれないか?」

 

 心愛「第一なんであんたにおんぶされなきゃいけないのよ~せめておねえちゃんにされたいわよ!!」

 

 刃「無茶いうなよ。萌香さんは襲われた時のダメージがあるし、この中で一番体力が残っているのは僕だからしょうがないじゃない!」

 

 みぞれ「といっても刃は偽モカと闘っているけどな…」

 

 雪女の一言であたしは

 

 心愛「そういえばあいつはどうしたの!!お姉さまが倒したの?」

 

 と言うとお姉ちゃんは手を振りながら

 

 萌香「ううん、私は闘ってないよ。刃君がやっつけてくれたよ。」

 

 心愛「嘘よ!アレの力は強かったのよ刃ごときに倒せるわけなんて…」

 

 刃「まあ、あれは敵が萌香さんの体に慣れてない事と、元が男だから容赦なく顔とかにグーパンチができたから勝ったんだよ。第一、萌香さんの体に戦鬼の力とは相性が悪かったこともあるけどね…っと、」

 

 刃があたしを背負い直し、歩き出した。あたしは背中にもたれて

 

 心愛「ねえ、なんで刃はそんなに強いのよ?」

 

 と問いかけると刃は

 

 刃「う~んそれは僕の過去を話さなきゃいけないけど、それは重い話だけどいいかな?」

 

 心愛「…うんお願い」

 

 刃は顔を少しだけ空に向けると

 

 刃「月音君には話したか覚えてないけど、僕がなる戦鬼は心身を鍛えて、いろんな人から教えてもらって初めてなれる姿でね・・・僕が鬼になろうとした切欠は小学校の頃目の前で両親を魔化魍に殺されてね、僕はその時逃げる事しかできなかった。その時に今の僕の父さんと会って、父さんが魔化魍を倒すのを見ることを許可してくれたけどその時の父さんの姿に憧れて、僕も鬼になりたいと思ったんだ…。」

 

 月音「刃君……」

 

 刃「それで最初は父さんに弟子入りしようとしたけど断られて自分で鍛えることにしたんだよ…でも小学校低学年の頃にどれほど鍛えても、何回懸垂できても鬼になれなかった。その時の僕の心は魔化魍を滅ぼしたい気持ちでいっぱいだったからね、ある日一人の同級生を守るのに数人の上級生と喧嘩して、ボコボコにされ、気づいたら一人の先輩鬼が今のようにおんぶしてくれてね。その時にその先輩に負けて悔しいと言ったら、同級生が僕に感謝していたから良かったね。僕は友達を守れて羨ましいとも言われたよ…その時に教えられたよ。倒すことより守ることの方がなんかこう…心がスッとするなって」

 

 あたしはその話を聞いていて刃の背中に顔をうずめると刃は続けた。

 

 刃「それから気持ちを復讐ではなく誰かを守りたいという思いで修行をすると、今まで相手にしてくれなかった先輩方が教えてくれたり父さんが異様に優しくなったりして修行が進み、先輩方も驚くぐらいの年、確か小学高学年の時かな?鬼になって頑張ったね…大けがを負った先輩の穴埋めとかで忙しくて中学では友達もできなくて浮いていたね~。いつも生きるか死ぬかの闘いだったからね。ここに来て毎日が楽しいね…恋人もできたし。」

 

 瑠妃「刃さん……」

 

 刃「おっと話がずれたかな?まあ簡単に言うと誰かを守りたいという気持ちで鍛えているからかな?それと経験と先人の教えかな?おっと病院に入ったら書類書くからしっかり捕まってくれ」

 

 心愛「ん…」

 

 あたしは刃の首に腕を回し刃達は病院に入り近づいた医者の持っている書類にサインをしていた。

 

 心愛「…ねえ、刃……」

 

 刃「ん、なんだい?心愛ちゃんどこか痛むのか?」

 

 心愛「あたしが回復したらまた手合せしてくれる?」

 

 と聞くと刃は軽く笑って

 

 刃「いいよ、僕も萌香さんの妹であると闘えるのはいい経験だし心愛ちゃんが目に見えて強くなるのは嬉しいからね。」

 

 嬉しそうに言うと白衣を着た医者が一人来た。

 

 明日夢「刃君、もう鬼の弟子取ったの?」

 

 刃「まさかっ弟子と言うほどじゃありませんよ。ただ手合せをして、いけないところを言うだけですよ明日夢兄さん」

 

 明日夢「そうなんだ、じゃ、こっちについてきて」

 

 あたしは刃の一言で一つ思いつき皆が一つの部屋の扉の前についた時

 

 心愛「ねえ、刃…もうひとつ願いがあるんだけどいい?」

 

 刃「うん、いいけどどうかしたの?」

 

 皆が部屋に入り終え刃が椅子にあたしを降ろそうとした時に言った。

 

 心愛「今度から刃を義兄さんって呼んでもいい?」

 

 その時刃はピタッと止まった。辺りを見回すとお姉ちゃんまで固まっていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 僕は心愛ちゃんの一言にわが耳を疑った。念のために心愛さんを椅子に降ろし、真正面からもう一度聞くことにした…聞き間違いであることを願って…

 

 刃「ごめん…心愛さんさっきなんて言いましたか?僕の聞き間違いでなければ先ほど僕の事を…義兄さんと呼ぶと聞こえましたが?」

 

 月音「僕もそう聞こえたけど…違うよね?」

 

 胡夢「ハハハ、だ、だよね~~」

 

 しかしみんなの思いとは裏腹に心愛さんの口から出た言葉は

 

 心愛「うん、間違ってないよ。お義兄ちゃんと言った方がいい?」

 

 その発言に僕はゆっくりと瑠妃さんとみぞれさんの方を見ると

 

 瑠妃「またですか…フフフフフッ」

 

 みぞれ「刃は罪づくりな男だな…フフッ」

 

 吹き出しだと普通に笑っているように見えるが目が笑ってない…しかも瑠妃さんは音叉剣、みぞれさんは両手に氷の爪を展開してこっちを見ていたさらにどこからか「悲しみの~~向こうへと~~」と「ウンメイノー」とか音楽が流れてきた。とりあえず僕は心愛さんに理由を尋ねることにした。

 

 刃「なあ、何故心愛さんは何故そう僕を呼びたいんだ?」

 

 僕の質問に心愛さんは

 

 心愛「偽物の萌香お姉さまを倒した強さに惚れたしいつもあたしのわがままに付き合ってくれるし、それと背中が温かかったからかな?…駄目?(上目使い+腕をギュッと掴む)」

 

 刃「フグッ(心にハートマークの矢が刺さる)!?ええっとその~「いいんじゃない?」…え?」

 

 僕が心愛さんの質問の返答に四苦八苦していると部屋の扉が開き、イブキさんとトドロキさんが入ってきた。その二人に瑠妃さんとみぞれさんは殺気を飛ばした。

 

 イブキ「部屋の外で聞いてたけど、刃君はアマキを姉御って言っているからいいんじゃない?」(天然)

 

 トドロキ「キョウキも兄貴って言われているし刃にも義妹ができてもいいと思うッス!!それと鬼の弟子じゃないなら、小暮さんも起こらないと思うッス!!」(全然気づいてない)

 

 明日夢「そう言えば、俺も刃君から兄さんって呼ばれているから問題は…あ」(途中で二人の殺気に気づく)

 

 明日夢兄さんが天然&鈍感鬼コンビの後ろで瑠妃さんとみぞれさんにジェスチャーで謝っていると僕は最終手段を思い出した。

 

 刃「あ、ごめんね~父さんに許可を取らないと…(多分父さんなら駄目って言うはずだ!!)」

 

 心愛「なんで刃義兄さんの父さんから許可を取らなくちゃいけないのよ。」

 

 瑠妃「少しそう言うのに厳しい方で刃の恋人の私もまだ中々認めてもらえなくて…(刃さん、ナイスです!!)」

 

 明日夢「そ、それじゃあ立花に連絡を…「その必要はないぞ!」え?ザンキさん?」

 

 月音「え?財津原先生!?ど、どこに」

 

 トドロキ「…!匂いからしてそこの壁ッス!」

 

 ジンキ「おいおい、なんで居場所分かるの!!」

 

 瑠妃「日菜佳さん・・・頑張ってください。」

 

 トドロキさんが指さす先の白い壁をよく見ると長方形の切れ目が入ってペラッとはがれるとコーヒカップと携帯を持ったザンキさんが現れ、

 

 ザンキ「ついさっきメールで確認したら「彼女は許さんが、義妹くらいならいい」だそうだ。」

 

 刃「そんな…ソンナウソダドンドコドーン!!」

 

 僕が叫ぶと心愛さんは腕をグイッと引っ張ると

 

 心愛「ねえ?師匠って呼ぶのは先輩とかに誤解を招くかもしれないけど義兄さんって呼んでも大丈夫だよね?(上目+笑顔)」

 

 刃「パウッ!?…ハア…父さんからも許可が出たしいいよ…でも最後に確認させてほし「刃さん!」「どけ!」オボフ!!?」

 

 僕がそう言いかけた時、瑠妃さんとみぞれさんに飛ばされた!僕は起き上がり三人を見ると

 

 瑠妃「さ、最後に確認させてください!!」

 

 みぞれ「朱染心愛・・・お前は」

 

 瑠・み「「刃の事が好きになったのですか?(か?)」」

 

 と言うと心愛さんは眉をしかめ

 

 心愛「は!?好きだけど・・・likeの方でしょ?」

 

 瑠妃「いいえ、loveの方です!!」

 

 みぞれ「もしくは欲しいか…お前までライバルになると刃を奪いにくくてかなわん」

 

 瑠妃「あなたには絶対あげません!!私は刃さんとキスはしましたし〔これ以上書きますとこの小説がR18になるので略します。〕」

 

 みぞれ「甘いな、私が刃の嫁になれば、刃の為なら〔これ以上書きますと(ry〕」

 

 瑠妃さんとみぞれさんの口喧嘩が始まりその内容を間近で聞いている心愛さんは

 

 心愛「え?え?‥‥キュー」

 

 心愛さんは鼻血を出しながら気を失い、

 

 刃「心愛さぁああああん!!って月音君もぉおお!!しかもイブキさん、トドロキさん!?あなた達彼女いるでしょ!?」

 

 月音君、イブキさん、トドロキさんも鼻血を出して気絶して、萌香さんは顔を真っ赤にしていて紫ちゃんは鼻血を出しながらもメモ帳に何か書いていた・・・

 

 ザンキ「全く…」

 

 明日夢(螢糸さんによって慣れた)「あはははは…」

 

 この後心愛さんに聞きなおすと僕と裏萌香さんの(割と薄いけど)大きな壁があるそうで愛してはいないそうで安心しました…後、トドロキさんとイブキさんはみぞれさんの手によって凍らされました。

 

 しかし…学校内でも大声で呼ぶからすごく恥ずかしい‥‥でも満面の笑みでこっち来るからやめてとはいえない…ウウッ




~今回の猛士報告~

 義妹が出来ました‥‥

               byジンキ

 ヒビキ「エイキさん子連れの方と結婚したのですか?」

 エイキ「いや、まだだけど?…ああ、ザンキが言ってた子ね。」

 日菜佳「まさか新たな瑠妃さんのライバル出現!?」

 香須美「いや、それはないって」

 アマキ「つまりジンキ君が私の事姉御と言うのと同じようなものですね。」

 キョウキ「なるほど、弟子だったら俺がぶん殴ろうと思っていたけど義妹ならしょうがない。」

 おやっさん「それと関係ないけど、さっき宅配でイブキ君とトドロキ君が氷漬けで来たけど・・・どういうことなの?」

 ヒビキ「さあ?なにか余計な事を言ったんじゃないのですか?」

 おやっさん「だろうねえ…」

 本日の金言 「人間の氷漬けって生モノで宅配できるんだ… by立花一同」

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