混沌の使い魔 小話   作:Freccia

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ファーティマに対する救済──になるかは別として、こちらも書きたいものとして。
18禁シーンは……書きたいは書きたいけれど、需要があるかも分からないので省略で(笑)





いじめられっこ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そっと髪を撫でる。

 

 華奢なファーティマは、私の胸元にようやく届くかといったところ。部屋に戻るなり縋りつき、そのままだ。落ち着くまでとは思ったが、もう、どれだけこうしているだろう。

 

「ファーティマ、そろそろ落ち着いたか?」

 

 返事の代わりに、顔をうずめたまま首を振る。年相応というより、むしろ小さな子供を相手するような。

 

 さて、どうしたものか。

 

 イザベラからは「後は任せた」と言われたが、何があった? 無理に引き離そうとすると、捨て犬のように涙ぐむ始末。

 

……むぅ。

 

 女性の扱いは人並みではあると思うが、流石に子育ての経験などない。あえて言うのならルクシャナの面倒を見た程度。それとて、時折会った姪として。どうしたものか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベッドでは、ファーティマが体を丸め寝息を立てている。

 

 どこか遊び疲れた子犬を思わせるが、しかし、かすかに膨らみ始めたその胸は確実に大人へと近付いている。そう、今ファーティマはその身に何も纏ってはいない。そして自分も……

 

「……どうして、こうなった」

 

 思わず頭を抱える。

 

 決して、ファーティマが悪いわけではない。悪いのは、誘いに乗ってしまった私だ。たとえ、ファーティマは満足気に寝ているとしても、けじめを取らなくてはならない。例え、何を言われようとも受け入れよう。

 

 養子縁組の手続き、正式に認証されるには時間がかかるはずだが……

 

「まだ間に合うか?」

 

「──おとう、さま?」

 

 ふと、ファーティマの声。ゆっくりと体を起こすが、ふらふらと危なげ。抱きとめると、そのまま体を寄せる。何とはなしに髪をすくと、くすぐったそうに体をふるわせる。幼子のようなその仕草は可愛らしくも、だからこそ、罪悪感を感じる。

 

「その、……なんだ。辛くなかったか?」

 

 ファーティマは首をかしげ、意味が分かったのか頬を染める。

 

「優しく、してくれたから。その、初めての時は痛いだけだったけれど、お父様なら、嬉しいから」

 

 そこまで言って、恥ずかしいのか、顔を胸にうずめてくる。

 

「……えへへ。お父様のが、まだ入っているみたい。ジンジンして、気持ち良い、かも」

 

 

 

 

 

 

 

 ファーティマを、ベッドに押し倒した。ベッドの上で、目を白黒させるファーティマ。

 

「……え? ま、まだするの?」

 

「嫌か?」

 

「い、嫌じゃないけれど……。ほんとは、まだ痛いの。だから、優しく、して?」

 

 涙に濡れた目で懇願するファーティマ。

 

「……ファーティマ、それは逆効果だ」

 

「……え? え? あの、え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時をおいて訪れる試練。

 

「……イザベラか」

 

「いやぁ、もしからしたらと思ったけれど、本当にか。正直、ドン引きだよ」

 

 しかし、言葉と裏腹、ニヤニヤと笑っている。

 

「あーあ、ルクシャナが知ったら何と言うかね。あんたには随分と懐いているようだったし。娘にしてそうそう手を出すなんて、その為に引き取ったと思われても仕方ないよねぇ」

 

 そのまま、おかしくて仕方ないとばかりにクツクツと笑う。人の物語にある悪の女王とは、まさにこの者の為にあるとばかりに。

 

「──謀ったな」

 

「さあて、娘に手を出すような変態の言葉なんて聞こえないね。私はあんたのこと、信じていたのに悲しいよ」

 

 泣き崩れる──と見せかけ、爆笑する。

 

 


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