ども。ベッドから失礼します。クーです。
先日めでたく二歳になりまして。こんな危険な世界の危険なポジションで二年も生き伸びれたことに感無量です。
まぁ生まれて間もないころから命の危険にびくつく生活にはうんざりしてるんですけどね。ハハ。
だってねぇ。来よるんすわ。ジョゼフが。
お前、親父の愛人家になに足しげく通ってんねんとね、一言物申したい気分なんすわ。
あんまり親しくしたくねぇんだよなぁ。
だってシャルルを暗殺した後の暴走っぷりを知ってるわけですからね。
「お前を殺せば余は泣けるやもしれんぞー」とか言ってナイフ片手に「加速」で向かってくる兄とかね。
新ジャンル「ヤン兄」。あれ? デレはどこ?
そんな誰得な展開にするわけにもいかんので、なるたけジョゼフの興味を引かないように寝て過ごす日が増えてきてるわけなんすわ。
あぁそうそう。
「体がクー・セタンタの名前に引っ張られてんじゃね?」疑惑ですが、ビンゴっぽいです。
先述の通り俺はジョゼフの興味を失わせようと食っちゃ寝生活を続けてるんですが、なんていうかね、こう、うっすら筋肉のようなものがね。
いやいやいや。碌に遊び回ろうともしない二歳児の癖にしっかり成長しやがるんですわ。
どうせなら横に育ってマリコルヌのようなギャグシーン要員にでもなりたいくらいなんですけど。
アホ面下げて「ガリアの光の御子(笑)」で居ようと努めてるんですけど、気を抜くとすぐに「リュティスの猛犬(キリッ)」って感じの目つきになってしまうから困りものですわ。
このままだとマジで最速の英霊のスペックが手に入りそうです。
目立ちたくねぇってのに。
で、だ。
今後に関しても色々と考えてみたりしたんでその報告も。
いやね。寝てるだけじゃ暇なんでね。頭働かせて今後に関してどう動くかとか、そういうことばっか考えて過ごしてるんですわ。
まぁ「誕生前」に色々考えてたことが、生まれてみたら予測の斜め上のことばかり起きて、プラン(笑)になってしまった実績を考えるとね、あんまり役に立たないんじゃないかなぁとも思うわけだけど。
とりあえず当面の目標は「光の御子」の評判を落とすことだね。
最近よく現れるジョゼフ兄曰く、教会関係者のボルテージが上がってるらしいんですわ。
当初は始祖のお告げで名前を与えられたというだけ(それでも俺からしたら厄介だけど)だったんだけど、今じゃどういうわけか始祖の生まれ変わりなんじゃないかとの声まで出てるとか。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
愛人との子どもゆえという理由で親父殿が俺を公の場に出さないというのが、余計に神秘性を感じさせてるとか。
そういやブリミルの像を造るだけでも不敬だと言われる世界だったっけね。正体不明な感じが大好きなのかね。もうチラリズム教に改名しちゃえよ。見えそうで見えない、正体不明にこそ神秘を感じるチラリズム教。風のメイジの貴方の参加をお待ちしています。みたいな?
閑話休題(一度言ってみたかったんだよね、コレ)。
ま、俺からしたら「ブリミルの生まれ変わりなんじゃね?」疑惑なんて百害あって一利なしなんで、早急にぶっ潰しときたいわけですよ。
なんたってこんな噂が広がったら将来的に「ジョゼフ派」「シャルル派」に対抗して「クー・セタンタ派」なんてものが出来かねない。
愛人の息子。妾腹。王位からもっとも遠い継承権第三位。不利な点は多々あれど、教会がバックに付くならと「ジョゼフ派」「シャルル派」の中核になり損ねた中級~下級貴族あたりに持ち上げられかねないんだよね。
そんな死亡フラグ満載な未来を潰すためにも「俺=無能」ということは示しておかなければならない。
いくら神託を受けた司教でも、俺が虚無に目覚めるどころかドットの魔法にも四苦八苦する姿を見れば、ブリミルの生まれ変わりなんて考えは無くなるはず。
そして俺の場合、演技で無能のふりをするわけじゃあなく、本当にドットクラスで頭打ちなわけだから高位のメイジに疑われることもない。
いやぁホント、スクウェアに至れる才能とやらを拒否っといて良かったぜ。
で、「光の御子」呼ばわりされることの対策はコレでいいとして、だ。
次に考えたのが俺が神さんに貰った「力」すなわち「コミュ力」に関してなんすよね。
俺としては「コミュニケーションが得意になる程度の能力」を所望したつもり、なんだけど。
知っての通り、ただ「名前」を貰ったつもりが神託だの肉体スペックの上昇だのを引き起こした以上、楽観なんて出来るはずもなく。
ならば「コミュ力」に関しても何が出来るのか、何を引き起こしてしまうのか、真の意味で「どの程度の能力」なのかを知っておくべきだろう、ってね。
俺の予測が悪い方向で当たっていれば、この能力はかなり凶悪なものになりかねないんすわ。
ほんの少し「力」のニュアンスを変えれば……。「コミュニケーションを成功させる程度の能力」。これだけでかなりのチート性能に昇華しかねないのだよ。
コミュニケーションが「得意になる」ではなく「させる」。「力」を行使して無理やりコミュニケーションを取らせる能力に変わってしまうんだよね。
剣を向けてくる賊。杖を向けてくるメイジに「戦闘」ではなく「対話」を強制させる「力」。
それこそ蛮族との対話など不要とのたまうエルフを交渉のテーブルに付けることすら出来るだろうね。
もしこの予測が的を射ていた場合ではあるが、もしこの予測なしに「コミュニケーションを成功させる程度の能力」が発動していればヤバいことになっていた可能性もあった。
この「力」さえあれば「命乞い」がかなりの確率で成功するのだから。
ガリア王族という身内からも命を狙われかねない身の上ならば、暗殺の対象になることもあるかもしれない。
もしスクウェアメイジが俺を狙ってきたら、その結果窮地に追い込まれた俺が「命乞い」という「交渉」を「コミュ力」の力を借りて成功させたら。
正体不明の「心を操る魔法」を使ったと思われないだろうか?
敵からはエルフの先住魔法を使ったのだと思われないだろうか?
味方からは「虚無の再来」だと思われないだろうか?
危険度のレベルが分からない能力ほど厄介なものは無い。
早急に俺に宿った「力」がどの程度のことまで可能とするか調べる必要があるだろう。
ま、ジョゼフ兄のせいで身動きなんて取れないんですけどねー。アハハー
そろそろ普通に歩きまわるようにしますか。
二歳児が歩いてる姿を見て変に思う人はいないだろう。むしろ周りより遅れているくらいだろうし。
体がうずうずしてしょうがないんすわ。多分これもクー・セタンタの名前のせいなんだろうね。
今にも走り出したがっている体を押さえつけるってのも、結構大変なんよ?
次回はやっとヒロイン(?)が出せるかなぁ
ガリアを舞台にしたんだから彼女たちには頑張ってもらわないとね
ツンデレピンク?出るかどうかも未定っすよ。アハハー
実はプロローグ書き終わった時点ではピンクがメインヒロインだったんですよね。
主人公はガリアの王族では無く、ワルドの弟という、別の意味で死亡フラグに溢れているポジションに生まれるはずでした
何故ガリアに変えたのかって?
兄がジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドじゃないですか
弟の名前で確定してるのが「ド・ワルド」だけじゃないですか
ジャンが名前だとして……ジャックが、えーと……
弟も名前が最初で……ミドルネーム? が、えっと……
しばらく悩んだ結論として、
よしっ。ワルドの弟ポジションは諦めよう
と、なったわけです
ちなみに弟は銀髪繋がりでギントキ・ホニャララ~・ド・ワルドにしようとか思ってました
杖の代わりに洞爺湖印の木刀を腰にぶっさし~、てな感じで
ギャグセンスなんか無いので下手に銀ちゃん出さなくて良かったと今は思ってます