どうも俺です。ただいま生後3かげちゅ。
もうね。なんて言うかね。またかって気分なんだよね。
またこのセリフを言わなきゃならないのかって気分なのさ。
生まれて直後の光のまぶしさに対して、
母乳を与えられる気恥かしさから、
おむつの世話なんぞをされる悲しさから、
毎度のように繰り返してきたセリフをまた使わせてもらうよ。
「ばぶぅ(勘弁してくれ)」
事の発端は母の一言からだったんだよ。
母は、まぁなんと言うか、かなり美人なわけだ。
見た目金髪白人美少女。この人と結婚した父は、「前世」でならきっとロリコンのレッテルを張られていたことだろう。
まぁ年が近いならアリなのかもしれないのだが、うちのダディは残念なことにかなりの御年輩の方らしいんだよね。ほぼお爺ちゃんになりかけの。
うん。言葉尻から分かったかもしれないが、俺はファザーにあったことがないんだ。
なんでもパパンには既に奥さんがいるらしくてね。浮気なのか愛人なのかは知らないが、いや、ハルケギニアってお妾さんとること認められてるんだっけ? まぁとにかく愛人的ポジションに母は埋まっていたわけだ。
で、その母が今日はやけに機嫌が良かったんだな。
いやー美人さんがニコニコしているのは見ていて胸が温かくなるねぇ。なんて思っていたら
「―――――。―――――――――――――! ―――――」
うん。ハルケギニア語は分かんないんですわ。
まぁでも、ね。俺には神さん特製のチートパワー「コミュ力(神)」が備わっているわけで。
母さんの言いたいことが「言葉」ではなく「心」で理解出来る!
……えーとなになに?
今日、父、来るよ。やったね! 嬉しいね! アハハー!
うん。めっちゃはしゃいでたのさ。
俺としても夫婦仲の悪い家に生まれるよりかは、お互い好き合ってる両親の間に生まれる方がよっぽどいいし、文句なんてなかったんだ。嬉しそうな母を見てベイビーハートをくすぐられたのか、俺を抱き上げてクルクル回る母と一緒にキャッキャと笑ったりなんかもしたな。
……もうねぇ。父を見た瞬間そんな気分なんて吹っ飛んだけどね。
父が現れたのはもう日も落ちかかった頃だった。
使用人さんが「旦那さまがお見えになりましたー」なんて感じの事を言ったんだけど、残念なことにその時は俺のお食事中だったんでね、お出迎えはなしになったのさ。
父かぁ。どんな人なんかなぁ。なんて思いながらも母の母性をちゅーちゅー吸ってたんだが、
ドタドタドタと廊下を駆ける音が聞こえ、
ババーンと扉を開け放たれた瞬間に、
ブバッ!
っとね。鼻からね。ミルクがね。噴出しちまったのさ。
だってよう、だって。
アレが父親とかありえねぇもん。
知ってる奴だったのかって?
いや、まるで知らない奴だったさ。
原作でイラストが描かれているようなキャラじゃなかったよ。
むしろ原作で名前すら出てないんじゃなかっただろうか。
ならなんでそんなに拒絶するのかって。
簡単さ。
父親の髪と髭が、どこまでも立派な「青」だったんだよ。
ガリアの王族て……。orz
「ばぶぅ(勘弁してくれ)」
というわけで第三話、お話的には第一話、どうだったでしょうか?
衝動のままに筆を進めると暗くて重い方向に進みそうになってしまうので努めて軽く、極力あっさり風味に仕上げてみたんですが
では、第四話も読んでいただけることを願いつつ、本日はこの辺で
次回は主人公がやっと名無しを卒業できるかと