問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第十九話

十六夜たちと別れた紫炎と飛鳥が正門の階段前広間で暴れていた

 

「オラオラ、俺をもっと楽しませやがれ」

 

「同感ね。」

 

飛鳥は持ち出したギフト、水樹に乗りペルセウスの軍勢を水に沈めて行き、紫炎が打ち漏らしを剣で切っていく

 

「ええい。子供二人如きに何を手間取ってる」

 

「不可視のギフトを持つ者は他を探しに行け。ここは我々で抑える。」

 

二人が任された役割は囮だが、逃げ回るのは性分ではない

 

それで二人は逃げ回らなくても兵士の目を引くため、――――――屋敷を破壊することにした

 

「まとめて吹き飛ばしなさい」

 

飛鳥が言うと、水流が騎士はおろか宮殿の装飾と格式ある名画も巻き込まれた

 

「い、いかん。このままでは一階が水没してしまう」

 

「この分じゃ下は大丈夫そうだな」

 

「そうね」

 

紫炎は水流に巻き込まれないように水樹の上に乗っている

 

「死ねー」

 

「よっと」

 

余裕を見せていると上からヘルメスの靴で襲ってきたが苦も無く紫炎が迎撃する

 

「上にもいたな。あれは俺がもらうぞ。」

 

「別にいいけど大丈夫なの?」

 

飛鳥は紫炎が耀のように空中に居続けられないのを心配している

 

「大丈夫だ。あんな奴ら敵じゃないよっ」

 

「そのことではないんだけど」

 

紫炎が言い終わると空の敵に切りかかる

 

「ぐはっ」

 

切りかかり、紫炎が落ちていく

 

「紫炎君」

 

「ははは、自滅とは」

 

飛鳥が驚いたように声を上げるのを聞き、何も仕掛けがないと知り、嬉しそうに声を上げる兵士たち

 

「よっと」

 

「「「「えっ」」」」

 

全員が驚愕の声を上げる

 

なぜなら

 

「良かったぜ。練習したけど不安だったんだよね」

 

何もない空に立っていた

 

騎士たちのように道具で浮かんでるわけでも、耀のように風で浮いているわけでも、ましてや自身のギフトである炎を使ってる様子もない

 

「さてと、それじゃあいくぜ。」

 

紫炎は何かを蹴ったように加速し、空に浮かぶ騎士たちを倒して行った

 

「もう終わりか?それなりには楽しめたからいいか。」

 

紫炎がそういうと、そこに何もなかったかのように突然落ちた

 

紫炎は焦る様子もなく炎を出し、落下速度を弱めながら下りた

 

「紫炎君、あなた何したの?」

 

「俺のもう一つのギフト“自由主義”の力だ。まぁ知ったのはガルドのゲーム以降だがな。」

 

「それはどんな」

 

ギフトなのか?と、飛鳥が紫炎に尋ねようとした瞬間、紫炎が飛鳥の方へ日本刀を振り下ろした

 

「それはゲームの後だ。ここはもう取り囲まれてるんだからな。気を抜くな。」

 

「え、ええ。そうね」

 

飛鳥の後ろから来ていた兵士を切り倒した

 

「さて、ゲームが終わるまで相手してもらおうじゃないか。」

 

そうして、戦いが再開された

 

その後、数分して謎の光を浴びて気を失ってしまった

 

その間に十六夜がゲームに勝利したようだ

 

後で十六夜に聞くと元・魔王の力で石化されていたらしい


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