問題児たちが異世界から来るそうですよ?―振り回される問題児―   作:gjb

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第六話

ガルドと一悶着あった後、店のお代をガルドになすりつけて黒ウサギと十六夜を待ってる

 

「そういえば紫炎君のギフトってどんなのかしら?」

 

「そういえば気になる」

 

飛鳥と耀が聞いてくる

 

「俺のギフト?二人ほど大したものじゃないがこんな感じだ。」

 

俺はそういって手に炎を灯す

 

「発火能力ですか?」

 

「それに近いが少し惜しい。確かに自在に炎を出せる。しかしそれだけじゃない。灯した炎を自在に操れる。こんな風にな。」

 

そういうと俺は箱庭を草むらを発火させる。

 

「うきゃあ」

 

すると草むらから黒ウサギが声をあげて飛び出した

 

「なにするんですか!」

 

「で、あれを消すには念じるだけでも消えるし、普通に炎を消すようにしても消える。」

 

「って無視して話を進めないでください、このお馬鹿様ぁ!」

 

黒ウサギにハリセンではたかれた

 

「はははっ。悪い悪い。」

 

俺は炎を消した

 

「それより皆様なぜここに?箱庭を堪能してくださっていたのでは?」

 

「それは向こうにいる奴らに聞いてくれ。」

 

そういってジン達の方を指さした

 

それを聞いて黒ウサギはジンたちの方に行った

 

「面白いな、お前のギフト」

 

「そうでもないぜ。そんな事より世界の果てはどうだった?」

 

「おう。そりゃあ凄かったぜ。」

 

「そうなのか。やっぱ俺も行けばよかったな。」

 

そんな話をしていると

 

「な、なんであの短時間に”フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」

 

黒ウサギが大声をだした

 

「しかもゲームの日取りは明日!?それも敵のテリトリー内で戦うなんて!準備している時間もお金もありません!!一体どういう心算があってのことです!聞いているのですか三人とも!!」

 

「「腹が立って後先考えずに喧嘩を売った。今は反省しています」」

 

「黙らっしゃい!!!」

 

誰が言い出したのか、まるで口裏を合わせていたかのような言い訳に激怒する黒ウサギ。

 

「けど、一番乗り気だったのは紫炎君よ。」

 

「どういうことですか、赤羽さん。」

 

「乗り気なのは認めるけど発案は飛鳥だ。」

 

俺がそういうと黒ウサギは飛鳥の方に向き直った

 

「けど大丈夫だ、黒ウサギ。俺は二人と違って全然反省していない。」

 

「それが一番だめです、この問題児様ぁぁぁあああ!!」

 

俺がそういうと再び黒ウサギにハリセンで叩かれる

 

「別にいいじゃねえか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」

 

「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この“契約書類”ギアスロールを見てください」

 

“契約書類”とは”主催者権限”を持たない者達が“主催者”となってゲームを開催するために必要なギフトである。

 

そこにはゲーム内容・ルール・チップ・賞品が書かれており“主催者”のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。黒ウサギが指す賞品の内容を十六夜が読み上げる。

 

「“参加者”が勝利した場合、主催者は参加者の言及する罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する”―――まあ、確かに自己満足だ。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを背負ってまで短縮させるんだからな」

 

ちなみに飛鳥達のチップは“罪を黙認する”こと。それも、今回だけでなく今後一切について口を閉ざすことだった。

 

「時間さえかければ彼らの罪は暴かれます。だって肝心の子供たちは・・・・・・その」

 

黒ウサギが言い淀む。彼女も“フォレス・ガロ”の悪評は聞いていたが、そこまで酷い状態になっているとは思っていなかった。

 

「そう。人質は既にこの世にいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの。それにね、黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲で野放しにされることも許せないの。ここで逃がせば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの」

 

「ま、まあ・・・・・・逃がせば厄介かもしれませんけど」

 

「大丈夫だ黒ウサギ。ガルドはそこまでたいした奴じゃない。なっ、ジン。」

 

「僕もガルドを逃がしたくないと思っている。彼のような悪人は野放しにしちゃいけない」

 

ジンが力強くいうと黒ウサギは観念したようだ。

 

「はぁ・・・・・・。仕方がない人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。“フォレス・ガロ”程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」

 

十六夜と飛鳥は怪訝な顔をして、

 

「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」

 

「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ」

 

フン、と鼻を鳴らす二人。

 

黒ウサギは慌てて二人に食ってかかった。

 

「だ、駄目ですよ!御二人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「そういうことじゃねえよ黒ウサギ」

 

十六夜が真剣な顔で黒ウサギを制した。

 

「いいか?この喧嘩は、こいつらが売って、奴らが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」

 

「あら、わかってるじゃない」

 

「・・・・・・。ああもう、好きにしてください」

 

四人の召喚とその時の騒動、さらに十六夜を追いかけたりと丸一日振り回され続けて疲弊した黒ウサギはもう言い返す気力もなかった。

 

「俺のギフトの説明、まだ全部してないけど、まあいいかな?」

 

紫炎が誰にも聞こえないように呟いた


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