アフリカでミナチームとファントムペインが合流した。
SIDE ネオ
やれやれ、今度はアフリカか。しかもネオ・オーブの指揮に従えだと?上の奴らは何考えてるんだ?なにか取引があったんだろう。ロンド・ミナ・サハクなら勝つには問題ないだろうが、しかし…
お!来た来た。へー中々美人じゃないの。
「ようこそ。地球連合軍第81独立機動群のネオ・ロアノーク准将です。宜しくお願い致します」
「ネオ・オーブのロンド・ミナ・サハク少将だ。こちらこそ」
一目で分かる、こいつは有能だ。
「我々はサハク少将の指揮下に入ります」
「うむ、では早速作戦会議に入ろう」
「はっ!オペレーター、スクリーンに出してくれ」
さて、俺たちをどう配置する?
「敵はここ、つまりアークエンジェル付近の部隊が迂闊にも突出している。そこを斜めの両方面から叩く」
「戦力を集中させないのですか?」
「我らでは連携は無理だろう。アークエンジェルの次の目標は東側の補給基地だと思われるのでラー・カイラムをそっちに配備する。貴官らは南から突出した部隊を攻撃せよ」
妥当だ。しかも我々を使い潰す気は無いようだ。運が良かった。
「分かりました。しかし相手はあの不沈艦です、本当に援護は必要ないんですか?」
「ああ、残念ながらそちらのGでは対抗できないだろう」
確かに、敵はあのジャスティスの発展型だ。
「了解しました」
今回の任務は簡単かもしれない。
SIDE OUT
シン、レイ、劾は気分転換の為に街に出かけた。ミナも最初は渋ったがこの三人なら大丈夫だろうと考え、許可した。ただし、変装してだが。シンがはしゃぎ、レイが適度に押さえて、劾が見守る。彼らは兄弟みたいに仲がいい。
食べ歩きしていたら、シンがピンク短髪の頭を見つけた。見慣れたそれにシンは驚きを隠せない。即座にレイと劾を路地裏に引っ張って相談する。
「レイ!ルナマリアがいた!」
「!あいつもアークエンジェルに乗ってたのか!」
「知り合いか?」
「ZAFTでは俺、レイ、ルナマリアの三人が同期なんです」
「……そうか。しかし、今は敵だ。私情を挟むと死ぬぞ」
「わかって…います…」
「レイ、お前はどうしたい?」
「……話がしたい」
「俺もです」
「……いいだろう。ただし、警戒は怠るなよ」
「「はい!」」
ルナマリアは一人でカフェテリアで食事をしていた。断りもなく男三人が同じテーブルに座る。ルナマリアはシンを見ると最初は驚いたが、直ぐに「この裏切り者!」と言って殴りかかった。シンが咄嗟に首チョップ、ルナマリアが気絶した。
「……」
「……」
「……」
これはかなり気まずい。
SIDE ミナ
「それで運んで来たと?」
「はい…」「……」「……」
これは、褒めるべきか?敵パイロットを鹵獲したとか言って。しかしやってることはただの誘拐だな。
「とにかく、敵パイロットの可能性が大きいので返す訳にはいかん。捕虜として扱う」
「やっぱりそうなりますか…」
心配そうだなシン、惚れた女か?
「妹が良く働いてくれてるんだ、亡命する意思があれば私からロイに言おう。悪いようにはしない筈だ」
「分かりました、直ぐ行きます!」
行動速いなおい。やっぱり惚れてるな、コイツ。
「はあ〜、他には?」
「いえ」「ありません」
「その気があるならシンを手伝ってやれ、人材としては申し分ない」
「はい」「それは命令ですか?」
劾、傭兵の癖がまだ抜けないのか?
「いや、やる気あるならでいい」
敵MSは一機減ったと考えるべきか?
SIDE OUT
SIDE アスラン
「ルナマリアが戻ってこないだと!?」
「落ち着けカガリ!通信機を落としただけかもしれないだろ」
いや、恐らくは攫われたんだろう。
「でもっ!」
「大丈夫だ。既に捜索隊は出した、直ぐに見つかる」
ルナマリアはカガリを嫌っていたな、まさかそのせいで脱走を?いや、ルナマリアはそんな奴じゃない、やはり何かあったんだろう。
無事でいてくれ。
SIDE OUT
ほぼ同時刻、C.Bで技術革新が起きた。ロイが原理を伝え、マッドが開発したヒッグス場の限定中和による質量封じ込め装置が完成する。これに推進装置を組み合わせればフロートシステムが出来る。直ぐにMS、VF用フロートユニットの開発が始まる。フロートユニットが完成すればMSの地上での推進剤使用量が激減するだろう。
サハク財閥はそれだけでは満足せず、民間用航空機企業を成立し、フロートユニットの民間転用を考える。この会社の最初の仕事は大型客船「ソレイユ」の開発だ。ロイ・サハクが設計した宮殿見たいな豪華客船を作ることでその技術力を示すためだ。
なおナイトメア用フロートユニットは開発しない。戦争では使えないし、治安維持に空飛ぶナイトメアは必要無いからだ。
アークエンジェルはルナマリアの失踪で混乱している。プラントに余分のパイロットなど居る筈もないのでこのままではデスティニーインパルスが一機使えなくなる。アスランは傭兵を雇うべきかアフリカ共同体から派遣してもらうべきかを考えている、カガリがその努力を台無しにするとも知らずに。