チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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外交は多分難しい

兵器生産を再開させるため、ラクス・クラインは父と同じくマイウス市の一部を兵器生産基地に改造した。これにより、マイウス市がPUの攻撃対象に入る。

 

連合は経済回復と戦力回復を同時に行なっていた。そして連合とプラントの戦争はまだ正式に終結していない。戦闘はそう遠く無い未来に再開される。

 

プラントは兵員を確保するために徴兵制に逆戻りした。戦争が既に終わったと信じているプラント市民は一部が軽い気持ちで入隊した。

 

宇宙拠点を手に入れるため、プラントはDSSDを接収する。DSSDはZAFT資本で建設されたため、反抗も少なく、順調に拠点化されていく。

 

大洋州連邦がカーペンタリア基地の撤退をプラントに要請するも、プラントは武力をもって脅してこれを拒否する。これにより大洋州連邦は反プラント感情が上昇していく。

 

大洋州連邦の状況を見たプラントは、アフリカ共同体に接近する。交渉は梃子摺ったが、お互いに満足な結果を得た。プラントが技術と戦力を提供する代わりにアフリカ共同体は食料と水を提供することになった。ラクスは義勇軍としてアークエンジェルを派遣した。搭載機はインフィニット・ジャスティス(アスラン・ザラ)、デスティニーインパルス*3、ハイパーデュートリオンの整備ブロックを搭載したため他のMSを載せられなかった。超疑問的に指揮官はカガリ・ユラ・アスハだ。

 

「世界安全保障条約」の締結国であるアフリカ共同体がプラントの義勇軍を受け入れた事を連合は「最悪な裏切り行為」と発表。宣戦と共に「全締結国で討つべし」とも言った。しかし南アメリカ合衆国と汎ムスリム会議は呼応しなかった。

 

これを見てプラントは南アメリカ合衆国と汎ムスリム会議に接近する。

 

目まぐるしい変化の中で、PUは連合進出に忙しかった。ロイは予想外のニュータイプの出現の早さに対応するため、全コロニーを改造している。

 

そしてプラントからネオ・オーブへ使者が送られ、両方は会談に至る。なお、ネオ・オーブ側はこれを終戦の交渉だと考えている。

 

SIDE ラクス

 

ふふっ。最近は何もかも上手くいきますわ。大洋州連邦にはそっぽを向かれましたが仲良くなってくれそうな国が三つも見つかりましたわ。まだ大々的に貿易するまでは行きませんがいずれ助けてくれるでしょう。カガリさんのもアスランに押し付けましたし。バルトフェルドさんの戦死で暗くなった空気がこれで一掃されました。あとはネオ・オーブの食料輸送を再開させることですわ。

 

SIDE OUT

 

 

コペルニクスでプラントとネオ・オーブの重要会議が開かれる。プラントの参加者は最高評議会議長のラクス・クライン、国防委員長のイザーク・ジュール、護衛のキラ・ヤマト他数名。ネオ・オーブ側は外交官のロイ・サハクと大統領のフィリップ・ジャッカ、護衛のステラ・R・サハク他数名。今回の交渉は主にフィリップとラクスが行う。

 

簡単な挨拶の後、ラクスが切り出す。

「プラントとしてはネオ・オーブからの食料輸入を再開させたいのです」

ネオ・オーブは開戦してからプラントと大西洋連邦への食料輸出を停止した。この前は更にアフリカ共同体へに輸出も止めた。

「(噂どおりの我儘っぷりだな)貴国とはまだ戦争中なので論外ですな」

「しかし、プラントは既に戦う意志が有りません。戦争は終結した筈です。」

「(このピンクどんだけ政治知らないんだよ?)ほう?ではそちらには当然謝罪の意志はあるんでしょうね?我が国は一方的に侵略された訳ですから」

「それは前議長の責任です、プラントになすりつけないでください」

「(来るんじゃ無かった)話になりませんな。プラントが謝罪と賠償をしない限り食料輸出は考慮しない」

会談は直ぐに終わった。

「待ってください!」

待つ訳がなかった。

 

 

SIDE イザーク

 

失敗だった。こんなに酷いとは。最近は連合側の内部分裂につけこんで外交勝利を得てきたが、ラクス・クラインでは本格的外交は無理だったか。こんな一方的な交渉、俺でも無駄だと分かる。パトリック・ザラ、シーゲル・クラインは政治家としては優秀だったのに、なんでこの二人は駄目なんだ?期待した俺もバカだったな。このままプラントが潰されたら俺の責任か?どうすればいいんだ?

 

SIDE OUT

 

 

 

ラクス・クラインの外交は失敗、プラントの食糧問題は解決できなかった。プラントは更に南アメリカ合衆国と汎ムスリム会議に接近しようとする。しかし、アフリカではそれを台無しにする出来事が起こった。

 

アークエンジェルの活躍でアフリカ共同体は快進撃が続く。戦場は南アフリカ統一機構領内になり、アークエンジェルはカガリの指揮の下で工場地帯、資源採掘基地なども手当たり次第攻撃して行った。その中には資源採掘権を得たネオ・オーブの採掘基地も多い。これにネオ・オーブは激怒し、アフリカ共同体へ宣戦布告、軍の派遣を決定する。連合もこれに同調し、援軍を派遣する。これで「世界安全保障条約」はその意味を完全に失った。

 


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