チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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祝日でもマッドは止まらない

連合とZAFTは戦争で忙しいし、アークエンジェル組は謀略で忙しい。そんな中、PUは相変わらず平和だ。そもそもPU構成国は戦時体制に移行していない、軍事予算も増加していないし、寧ろ国家予算がロゴスとの取引で増えてる。ロイの仕事が他の人に移るとマリアとメイリンも仕事がなくなる。ついでにマユ・アスカも来て四人でロイの相手をする事になるが、美少女四人に世話されてるロイはウナトを呆れさせた。ついでにユウナが此処に居なくて良かったとかも考えてる。

 

ロイの影響で奮闘したC.Bのマッド達はついにVF27を完成させた。VF27はGが凄すぎてコーディネーターでも耐えられない、その為コクピットに緩衝液を充満させる方法をとる。当然量産なんて無理で、今のところはソキウス用の3機を作る予定に留めている。しかしこれで終わらないのがマッドがマッドたる所以だ。ズゴック+VFでビグロをすっ飛ばしてヴァル・ヴァロが完成してしまった。プラズマ・リーダーは無いが大型クローアーム*2、メガ粒子砲*2、内蔵ビームガン*10、2連装ミサイルランチャー*4、110mmモーターガトリングガン*4と非常に怖い装備がある。更に複合フィールド発生装置、TP装甲なんて物も使うから核エンジンを使わなければならなくなった。値段が性能に比べて安いのもあって、軍部はこれを採用せざるおえなかった。ネオ・オーブ軍のチートは止まらない。

 

此処で簡単に状況を纏めよう。ZAFTはネオ・オーブに宣戦、連合は宣戦なしでそれに随従。ZAFTと連合は停戦していない。地上で連合は同士討ちで戦力は少ない、ZAFTもPUに叩かれて涙目状態。宇宙では連合は大規模基地はアルザッヘル基地のみ、ZAFTはダイダロス、ゴンドワナ、メサイアと戦力は充分だが補給能力は壊滅。最後にPUは地上、宇宙共に戦力に不足はない、生産能力にも余裕がある。三つ巴でPUだけが有利な状況だ。

 

サハクはスカンジナビア王家を支援し、もう一つの財閥を作る事になった。将来、サハクのみで経済を支配するならいずれ堕落する、それを防ぐために競争は必要だ。ある程度大きくなったら支援を止めて王家に任せる、当然サハク財閥の脅威になるほど支援するつもりはない。

 

 

グダグダなままC.E73年は過ぎていった。連合は経済崩壊なまま、プラントはコロニーを壊されてどちらも暗い。だがPUは明るい。被害は殆ど無く、取引などで得た利益は莫大だ。そしてジャンク屋連合の人もこの雰囲気に飲み込まれた。一部はこれを見てネオ・オーブの管理下に入るのも悪く無いと考えている。

 

 

C.E74年、最初の出来事は連合の侵攻であった。連合軍はダイダロスへ向けて発進する。それをZAFTは鹵獲したレクイエムで攻撃し、基地ごと破壊した。コープランド大統領は戦死。デュランダルはこれを持ってネオ・オーブに終戦を迫るが未だ良い返事は得られない。ネオ・オーブはZAFTより前にレクイエムの情報を掴んでおり、対策は完璧だ。

 

 

ネオ・オーブが忙しくなるとともにロイも復帰する。

 

SIDE ロイ

 

はあ、自分の疲労って意外と気が付きにくいものだ。四人には感謝しないとな、ついでにウナトも。しかし将来修羅場になる予感がするんだがどうしよう?

 

あれは後回しだ。一番問題なのはあのマッド達だ。なに怖い兵器作ってんだよ、フィールド展開して突っ込むだけでMS隊は終わりだろ。しかも一番怖いのはこの値段だ、VF10機分では安すぎる買い物だ。まあ、整備が難しいので主力にはならないだろう。マッド達には更なる予算だな。後名前をヴァル・ヴァロにしないと。

 

デュランダルの終戦打診か、レクイエムを見せたままでは降伏しろと言っているような物だろう。受けるわけがないな。デュランダルはネオ・オーブを攻撃するだろう、準備は完璧なので問題は無い。しかし、メサイアか。戦力やネオ・ジェネシスはどうでもいいが遺伝子分析情報は欲しいな。

 

SIDE OUT

 

 

 

 

『やはり終戦は駄目ですか』

司令室でロイがデュランダルと応答する。

「当然ですね、プラント政権をくれるとでも言うのならば別ですが」

『そちらもようやく回復したんですからまた体調を崩したくないのでは?』

「ええ、ZAFTを倒してから休ませてもらいます」

『仕方有りません、あなた方とはお別れしたく有りませんでしたが』

「……」

ロイはただ微笑む。

『では』

デュランダルが通信を切った。

 

SIDE ロイ

 

「コロニーの位置の最終チェックだ!それと採光ミラーを閉じろ!」

すぐに来るだろう。そして戦争の大義名分にもなる。全員緊張しているな。確かに失敗すればコロニーは崩壊するが裏でソロモンが制御補佐してるから問題はないんだよな。

「っ!レクイエムの起動を確認!」

オペレーター、緊張しすぎだ。

「落ち着け!準備は万全だ、問題はない」

「は、はい!」

まあ、無理もないか。

「発射されました!方向は首都です!」

流石だ、無駄がない。いや、無駄に出来る時間が無いのだろう。だから我らも分かるんだよ、デュランダル。

 

SIDE OUT

 

レクイエムから発射されたビームはコロニーに到達し、ヤタノカガミに反射される。計算され尽くしたコロニーの位置でビームは方向を変え、レクイエムの第一中継ステーションに向かう。ZAFTにこれを阻むすべは無く、第一中継ステーションは破壊された。これによりレクイエムはその機能の半分を失ったと言ってもいいだろう。そしてネオ・オーブの報復が始まる。

 


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