ダイダロス基地はロゴスの影響下のある最後の大型基地だ。ジブリールは到達するとともにレクイエムを使おうとするも中継ステーションがまだ所定位置に到達していなかった。数日内に到達するのでジブリールはゆっくり待つことにした。その間にも同盟軍は宇宙に戦力を集めている。
SIDE ロイ
そろそろ時間だな。国の主要人物がこの部屋に集まっている。大型モニターにはダイダロスとプラントのリアルタイム映像がある。最高で最悪の作戦が完遂される。
レクイエムは発射される。そして連合、ZAFTの両方が終わる。だが念のために中継ステーションとコロニー位置の再計算だ。気が変わってこちらに撃ってきたら洒落にならないからな。しかし、マリアが観たいと言ったのは予想外だったな。これから数十万人死ぬというのに。まあいい、これもネオ・オーブのためだ。地獄の私の席はとっくに用意出来ているだろう。
SIDE OUT
SIDE ジブリール
待に待っていたぞ、この瞬間を！あの忌々しい砂時計、今こそ壊してくれる！ネオ・オーブからオオツキガタを買ったのは正解だったな、バレた中継ステーションでの戦闘はこちらが圧倒している。
「警告はなしだ。目標はプラント首都アプリリウス！」
死ね、コーディネーター！
SIDE OUT
ネオ・オーブが用意したプログラムが発動し、中継ステーションの偏向数値が改竄さされる。ビームが向かうのはプラントだ。しかし、首都ではない。破壊されたのは軍事プラントアーモリー３〜６の四基。そして崩壊の影響でアーモリー市が壊滅するだろう。アーモリーは工業用プラントとされてるが、実際は名前の通り（Arms＋Factory＝Armory）、全てが軍需プラントか軍事プラントだ。
モニターにはおぞましい光景が映っている。こういう現場を直に見るのは初めてなので少しだけショックだった。連日の激務も相まってそろそろちゃんと休むべきかも知れない。
レクイエムの攻撃によりZAFTに補給能力が壊滅した。デュランダルは集めていた軍を即座にダイダロスへ向けた。これにアークエンジェルとエターナルも参加した。ストライクフリーダム、インフィニットジャスティスとドムトルーパー27機でダイダロス攻略戦に参加した。ネオ・オーブさえ居なければ最強なキラはデスティニーのアスラン・ザラと協力しロゴス軍を撃破していく。しかし、やはり詰めが甘く、レクイエムを完全に破壊しないまま撤退していった。なおジブリールは脱出する間も無く殺された。
補給源を失ったデュランダルに選択肢は残されていなかった。ロゴス軍が終わった今、レクイエムを使わなければ連合と戦うすべが無くなる。そして冷静になれば連合も分かるだろう、今が千載一遇の機会だと。デュランダルは分かる、これで戦争が終わるはずがないと、此処でレクイエムを使わなければ支払う代償はZAFT軍兵士の命であると。Dプランは諦めたがプラントの為にレクイエムは修理せねばならなかった。
ロイはその後も通常通り仕事をしていたが、日を重ねるに連れてやつれていった。ぶっちゃけ今のロイは国家首相より忙しい、最重要作戦が終わって一気に疲れが湧いてきたのだろう。其れを見たコトーは強引にロイを休ませた。ロイはステラと共にウナトの処に送られた。暇なウナトならロイと話が合うし、時間もある。此処でならゆっくり休めるだろう。ロイは休むことは了承したが、万が一のためにPDAは手放さなかった。
倒れてないが表向き、ロイは過労で倒れたと言うことになっている。国民はロイの貢献の大きさを知っている。実際は彼らの知るよりも遥かに大きいが。倒れるまで働くロイに感動し、国民全体が奮発するようになった。特に真実を知る政治家達は頑張りようは一層激しい。さらにマッド達も頑張って、またとんでも無い物が出来た。
ロイは休む前に行動の計画書を作った。政府はこの計画書の内容を充分に検討し、実行した。まずジャンク屋連合。彼らとの交渉の結果、ジャンク屋連合の全拠点がネオ・オーブの管理下に入ることになった。ジャンク屋連合はネオ・オーブで一企業となり、特権は存在しない。また、メガフロートのマスドライバーとジェネシスαの兵器部分は接収される。そしてネオ・オーブがジェネシスαの修理と改造を開始する。
地上ではロゴス軍が投降し、連合はまた一つになる。そしてコープランド大統領は終戦を主張するが、連合で大問題が発生する。ロゴス幹部の死亡、亡命による経済混乱だ。これを何とかしなければクビになるところか物理的に首が飛ぶかも知れない、なにせ敵と共に自国民を撃ったのだから。コープランドは生き残るためにプラント制圧を決定した。プラントを戦前（ヤキン・ドゥーエ戦役以前）の状態に戻せば国の経済は何とかなるし、自分が正しいとも証明できる。自分の命がかかってるなら穏健派とかどうでもいい。かなりムチャクチャで行き当たりばったりである。
アークエンジェル組はこの戦争の成果でプラントで更なる支持者を得た。資金や物資の横流しが増え、デュランダルが居ないままプラントは狂っていく。