チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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三権分立を思い出して欲しい

ミネルバのブリッジでデュランダルは余裕の姿勢で回答を待っていた。48時間前に旧オーブ市にロゴス幹部引き渡しを要請したからだ。しかし内心では焦りまくっていた。

 

「そろそろだね(どうなってんだよ!情報が全く手に入らねえ、不気味にも程があるだろ!)」

「議長、公開通信です」

「ふむ(頼むからそのまま渡してくれ!)」

『私はネオ・オーブ、旧オーブ市の市長、ロイ・サハクだ。ロゴス幹部の五人は確かにここに亡命してきた。この件については大統領から一任されている。』

「……(ロゴスだよ!ロ・ゴ・ス!)」

『引渡しについてだが、拒否する。』

「ほう(やっぱりかぁぁぁぁぁぁ!)」

『ネオ・オーブは主権国家であり、連合とプラントの指図を受けるつもりは無い。よってそちらの要求を拒否する』

「こちらも公開通信を(くそっ!ならば士気だけでも下げておかないと)」

「了解」

「プラント最高評議会議長のギルバート・デュランダルだ。そちらの回答について訪ねたいことがある」

『なんだ?』

「ロゴスは戦争を煽った存在です、ネオ・オーブはそれをかばうと仰るのですか?」

『ネオ・オーブは法治国家だ。罪を裁くのは法であって政治ではない。どこぞの軍で自国民を法の確かめもせずに殺す国と違ってな。』

「………(え?この流れって?)」

『ロゴス幹部はネオ・オーブ領内で何ら罪を犯していない、故に我が国では裁く必要もない。人権を尊重する我が国では彼らが犯罪を侵さない限り、放逐する事もない。正規の手続きも取らない連合の引渡し要求には応える必要はないし、そもそもプラントにはそれを要求する権利もない。』

「しかし、戦争を引き起こした彼らの罪は明白です(理知的すぎるだろう、大艦隊を目の前にして話すことじゃねえ!)」

『つまりちゃんと証拠があると言う事ですね?』

「え?(ねえよ!全部燃やされちまったよ!)」

『ならば私は中立国での公開裁判を提案する』

「な!?(証拠ねえんだぞ!出来るかぁぁぁ!)」

『公開裁判によって真実を明らかにすればいいでしょう。そしてこれで更なる犠牲者を無くすことも出来ます』

「ネオ・オーブはあくまで庇うと言うのですね?(もうやだこれ、空気嫁よ!)」

『文明人らしく理知的に対応すべきと言っている』

「しかた有りませんね。ZAFTはネオ・オーブへ宣戦します。攻撃開始です(もうどうでもいいや、やっちゃえ☆)」

 

宣言と共にPUが動き出す。スカンジナビア王国と赤道連合はジブラルタルとカーペンタリアに投下したアッガイで地下発電所を破壊したのち爆撃する。

 

同盟軍艦隊からウインダムとグフが飛んでいくがクーベルメによって撃ち落とされる。タイミングよくVF17とムラサメが発進。大量の空戦MSで同盟軍は押されるも、デュランダルはいち早くデスティニーとレジェンドを投入。同時にネオ・オーブ水中部隊が出て、ラー・カイラムの降下が開始する。同盟軍はジオグーンとアッシュを投入するも旧世代のMSで最新鋭のズゴックとハイゴックの相手は務まらない。更にアッガイがミラージュコロイド展開し、迂回して艦船、潜水艦を攻撃。デスティニーとレジェンドはΞガンダムに足止めされている。盛大な爆撃と共にラー・カイラムが東側に落下し、増援のVF17とウイングガンダムゼロカスタム、アマテラス、ハウメアが発進。同盟軍艦隊は横からも攻撃される。ミナが東で応戦し、シンと劾が最激戦区へ向かう。アマツ発進。少数のZAFT軍MSが強行突破するもローエングリンの前では無力だった。しかも二重のバリアでは攻撃さえ通用しない。ミサイルも全てクーベルメに無力化された。完全にネオ・オーブが押している。ネオ・オーブの専用機四つが集合し配置換えする。アマテラス対デスティニー、ハウメア対レジェンドになり、アマツとΞガンダムが敵艦を叩く。最大の問題はザクが飛べない事だ。アマツとΞガンダムが火力をもって艦船を撃沈する。空戦MSが殆ど無く、水中では押され、準備した陸戦MSは発進出来ない。デュランダルは真っ青だ。

 

ネオ・オーブは大規模で正規軍相手の戦争をしたことがない。それ故に「ネオ・オーブは少数だけが強い」と思っている人も多い。連勝気分に浸ったZAFTがそうだ。議長があまりにも余裕だったため完全に実力を読み間違えた。その代償は大きい。

 

推進システムが同じデスティニーは何とか戦えるがレジェンドはフルボッコにされている。疲れたアスランとレイでは本気を出すまでも無かった。レイが悲鳴を上げ始めた頃デュランダルはようやく撤退を指示した。追撃は激しかったが問題はそれに留まらなかった。ウイングガンダムゼロカスタム、アマツ、Ξガンダムの追撃があり得ないほど長かった。推進剤なんて使ってないので三人が疲れるまでネオ・オーブの追撃は続き、更に赤道連合から出撃した艦隊がそれを引き継いだ。特にプレッシャーがハンパなく、どうあがいても逃げ切れ無い感じがトラウマになった軍人が多数出現した。カーペンタリアに入るまで追撃は止まらず、カーペンタリアの半壊も有ってPUの恐ろしさは骨身に沁みた。だが、これはまだ宣戦したばかりであって終わったわけではない。ジブラルタルの半壊の知らせを聞いたとき、そう考えたデュランダルは倒れた。

 

 

 

ガンダムエピオンカスタム

パイロット:ロンド・ギナ・サハク

説明:総合的に性能をアップした。

IFF:脳でビット操作する為に搭載した。

RSビット*12:翼がライフルビットとシールドビット各六つで構成されている。ライフルビットの威力はビームライフルの倍。シールドビットはVPS装甲と陽電子リフレクターが付いてる。

 


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