SIDE ロイ
さて、目の前には脱走してきたシン・アスカとメイリン・ホークが居る。シンはまだいい、戻ってくると思っていたから処置は考えてある。しかし、メイリン・ホークは考えていなかった、てっきりまたアスランの手助けをすると思った。ああ、アスランは脱走する気無くなるな、エンジェルダウンは実行されないだろうし。
「シン・アスカはこのままネオ・オーブに行って家族と会ってこい、その後軍に入るかどうか聞く、ZAFTとの問題はこちらで片付けておこう」
「あ、ありがとうございます！」
やはり、家族が一番か。
「それで、メイリン・ホーク。お前はどうしたい？」
「え、あたし？その〜……」
「考えていなかったのか……まあいい、安全な住居を準備しよう。一週間位考えてくれ。どうしても考えつかないならネオ・オーブで戸籍を用意しよう。いいもの貰ったしな」
「分かりました」
SIDE OUT
シンは除隊申請が中々認められないと見ると脱走を決意した。中々アグレッシブである。一方、メイリンはブレイク・ザ・ワールドの時のロイの言葉でデュランダルを疑う。そして持ち前のハッキングスキルで証拠を掴んでしまった。デュランダルが怖くなったメイリンはルナマリアに相談するもルナマリアは信じなかった。いくら自分の妹でも単独でプラントメインコンピューターにハッキング出来るとは思わなかったからだ。メイリンの掴んだ情報はダミーだと主張するがメイリンは納得できなかった。シンはそれをルナマリアから聞いて脱走にメイリンを誘った。メイリンが基地システムを騙し、シンがVTOLを操縦する、中々いいコンビである。システムに問題を発見した時、VTOLは既に追撃不能な位置にいた。その後旧オーブ市に到着し、ロイに説明と証拠データを渡した。そして冒頭に戻る。
西ユーラシアはZAFTと戦う連合を後ろから撃つことになってしまい、連合から容赦ない復讐を受けた。それは軍人だけでなく、政変を支持した民間人にも及ぶ。さらにゲリラやZAFTまで介入し、混沌に包まれる。これに連合はデストロイを投入、避難勧告を行った後全てをなぎ払う。これを見てデュランダルはミネルバを投入、デストロイはハイネ・ヴェステンフルスとアスラン・ザラの尽力で何とか倒した。
ネオ・オーブはこの期間で水中用MSを配備完了。シン・アスカがネオ・オーブ軍入隊を決定し、ミナの直属となった。そしてC.Bで改造中の二機目のパイロットとなる。シンは復讐心が無くなったことにより無茶をしなくなった。いい傾向だがこれでは成長が遅い。ミネルバでの戦績を見たロイはミナと劾にシンを鍛えさせた。それはもうスパルタだった。そしてメイリンはマリアと意気投合して彼女の補佐になった。元々マリアには機密内容は扱わせてないから問題はない。
デュランダルがロゴスを戦争の暗躍者として発表し、幹部の情報を公開した。何故か信じた民衆はロゴス幹部の所有する施設を片っ端から襲撃した。幹部のブルーノ・アズラエル、ラリー・マクウィリアムズ、アルヴィン・リッター、ルクス・コーラー、ロード・ジブリールはアイスランドの地球連合軍最高司令部 ヘブンズベースに逃げこみ、私刑を免れた。
そこに大西洋連邦大統領のジョゼフ・コープランドはあり得ない判断を下した。ZAFTと共にロゴスを倒すと宣言したのだ。そして東アジア共和国と幾つかの連合地域もそれに同調した。地球連合は二分化する。
SIDE ロイ
どっから突っ込めばいいのか分からない。
ジョゼフ・コープランドがロゴスを嫌ってたのは分かるが敵と組んで自国民を撃つってのはどうよ？民衆もなんで敵対国元首の言葉をああもあっさり信じられるんだろう？やはり政府が否定しなかったからか？
しかしジョゼフ・コープランドもバカだったとは。ロゴス幹部は皆超大物経営者だ。全員死んだら連合の経済は終わるんじゃないか？穏健派で戦争が嫌だからってパトロンを消すってのは短慮過ぎるだろう。そもそもだ、ジブリールはともかく、この戦争の最大目的はプラントの奪還だ。それを放棄してどうする。戦争の目的を忘れた軍隊なんて初めて見たぞ。
まあいいや。取り敢えず、ヘブンズベースは戦力差もあって落とされるだろう。ロゴス幹部も後五人しか居ないのか、救出準備をしないとな。それとスカンジナビア王国と赤道連合へ爆撃機と爆弾の輸出も始めよう。アッガイも輸出していいな、PU内部なら問題は無い。
SIDE OUT
シンが居なくなった事により、デスティニーはアスラン・ザラが乗ることになった。エンジェルダウンが実行されなかったので離反していない。デスティニーはシンに合わせて調整されたのでアスランでは完全に性能を発揮出来ないと思われる。アークエンジェルはメガフロートのマスドライバーを使って宇宙に上がった。
そしてラー・カイラム二番艦がロールアウトし、人員の配備と訓練が始まった。