チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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シンプルイズベスト

内政は大体指示を出したが軍の増強もしなければならない。旧オーブ市は大西洋連邦に近い、あんな薄っぺらな防御ではだめだ。しかし、これについて考えるべきロイはそれをやめた。経済回復の為に既に一週間寝ていない、疲労の限界に達したのだ。故に、自重をやめて、シンプルに強化することにした。

1.無汚染の新型陽電子砲を多数配備、陽電子リフレクターとビームシールドを囲うように設置する。

2.対空用大型拡散ビーム砲「クーベルメ」を多数設置、各部の高さを調整することで方向変換出来るようにする。(参考:MS IGLOO、ゼーゴックの装備)

3.VF17を導入する、だが他の改造が終わるまでムラサメは破棄しない。

4.C.Bとモルゲンレーテでズゴック、ハイゴックを共同開発させ水中用にする。

5.エネルギー確保の為に大型核融合発電施設を建設する。

6.ラー・カイラムを地上に回し、二番艦をソロモンで建造する。

指示を出すとロイは幸せに眠った、何気にステラと同じ部屋だった。

 

 

元オーブ軍が反乱を………………………………………….起こさなかった。まず、氏族の士官が殆どいなくなり、叩き上げの士官が増えた。嘗て特権を持たない人達は昇進のチャンスに喜び、昇進の為に己の仕事に励んだ。彼らはアスハかサハクかと言う政治なんかよりも家族や国民の生活を守れるかどうか大事であり、ロイ・サハクの仕事には満足している。極少数のアスハ支持者はこの状況を見て反乱を諦めた。ソガ一佐を初めに軍をやめる者もあったが普通に許可された、軍内部で邪魔されるよりマシだ。

 

その後、政府は前政府の大きな不明用途金の行き先を発表し、国民はこれに激怒した。一番問題になったのはフリーダム、アークエンジェルの修繕、改造である。まずフリーダム、アークエンジェルは前大戦両勢力の最新鋭兵器であり修復と改善には莫大な金が要る、しかしこれら国家予算を使いながらオーブ軍に組み込まれなかった。更にアークエンジェルには温泉なんて巫山戯た物まであり、「国家予算をなんだと考えてるんだ!」と叫びたくなる。これらは全てカガリ・ユラ・アスハの押し切った物である。続いてアークエンジェルとカガリ・ユラ・アスハの関係を公表、代表は攫われたが自分の意志でもある事を教える。貴族義務を放棄し、私軍を連れて逃げたカガリに帰る場所は無い。

 

 

 

 

アークエンジェルにて主要人物が集まって会議をしている。

「ターミナルからの情報です!」

ミリアリアが情報を出す。中にはユニウスセブンの戦闘映像、旧オーブ市の軍強化計画書などもある。だが、テロリストの支援者や新MS開発計画の情報は無い。実際ターミナルの諜報能力は高くない、予算が国のそれと比べにならないからだ。しかし特殊なコネで貴重な情報を得る時もある、今回の情報も内通者から得た物だ。

「これは、ユニウスセブンの戦闘映像ね」

マリュー・ラミアスが一応言う。

「これではネオ・オーブの一人勝ちですわ」

元プラント市民としてZAFT兵の死亡に少し顔を顰めるラクス。

「連合、プラント共に損害があるがネオ・オーブは損害無しで名を上げてるぞ」

サハク嫌いなカガリが偏った見解を述べる。

「ナイトメアがかなり多いね」

キラが見たものをそのまま言う。

「ZAFTに見せ掛けたネオ・オーブの謀略じゃないでしょうか?」

観終えたラクスが考えてみた。

「そうに決まっている!」「可能性は充分あるわね」「そう…かも」

不思議!こんな結論になっちゃう。

 

結論は出たと考えてマリューが話を切り替える。

「それで、オーブが軍備を増強するんですって?」

「うん、陽電子砲を多数設置するみたい」

「なに!?それではオーブは汚染されるじゃないか!」

「しかし強力なのは確かですわ。これらが完成するとオーブは完全にサハクに乗っ取られますわ」

「そんな!?ならば早く帰らないと!」

「問題はロイ・サハクね。キラ君、勝てる?」

全員がキラを見る。

「勝つよ、この戦いは負ける訳にはいかないからね」

「私も手伝いますわ、キラ」

「ありがとう、ラクス」

「ふふっ、じゃあその時のCICはラクスさんにしましょう。カガリさんは?」

「私はストライクルージュで出る、軍はソガ一佐が指揮している、彼なら味方になってくれる筈だ」

全員の顔は希望に満ち溢れてる、敵の強さも知らずに。

 

 

同時刻、ロイは一つの情報を得て歓喜していた。

「くくくくっ、とうとう辿り着いたぞ、レクイエム」

そう、ネオ・オーブ諜報部は連合の最高機密、軌道間全方位戦略砲レクイエムの情報を手に入れた。それもロイの原作知識のような曖昧な物でなく、稼働原理、建造スケジュールなど詳細な物だ。ロイは大統領へ機密回線でとある提案をする。フォールド通信でソロモンを経由し首都へ量子通信う使うので情報漏れの心配がない。フィリップ・ジャッカはその考えに戦慄すると共に感心した。ロイが提案したプランは連合、ZAFT両方とも肩入れせずに共に大打撃を与え、更に倫理的にも最善なプランだ。即答と共に諜報部に最優先で実行させた。

 

ネオ・オーブは祝福されている、それが天使か悪魔かは分からないが。

 


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