チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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チートを始めようと思います

SIDE コトー・サハク

 

息子は天才だ、生まれて三ヶ月で本を読み初め、一年で中学生レベルの問題を解けた、更に一年で一般大学の工学科の問題を解いている。そして精神も成熟するのが早い。先程の受け答えは見事だった、あのウズミが顔を引き攣らせたのもわかる。しかし、こいつはまだマシだ。ロイは2歳の誕生日から突き抜けてしまった。お小遣いに十万ねだったと思ったら三日後には一億になってたし、何故かオーブの名門大学の教授になってたり、そこでとんでもない経済論文を発表したり、悪いことではないのだがすこし自重してくれると助かる。最近、前からあった嫉妬の視線が一部が親の仇を見るような目になった、そういう奴らと付き合うつもりはないので実害はないのだが、胃が痛い。あっ、これ実害だよな。

 

とにかくロイはよくいい意味で驚かしてくれる、心臓には悪いが。そういえばパーティーの後家族四人で話しがしたいと言ってたな、また何かやらかす気か?先に胃薬を準備しておこう。

 

SIDE END

 

 

 

SIDE ロイ

 

パーティーは殆ど人と話さないまま終了した。これからが今日の本番だ、家族に協力してもらわないとサハク家の繁栄はない。

 

今の私にとって一番重要なのは自分と家族、そして次にサハク家だ。最初は逃げるとか言った私がここまで考えられるようになったのは2歳の誕生日の日に起こった事件に起因する。それまでは影響力を確保するために天才を演じていた、しかし大学の知識が最後でこれ以上の知識はない。そしてあの日、朝起きたら頭に手紙が乗ってた、略すとこんな感じ<オレ、神。間違って殺してちゃった。転生とチート能力あげるお>。今更死んだとかどうでも良かったが、チート能力は喜んだ。実際は知識だけなんだけど、内容と量がハンパねぇ(手紙よると人類が手に入れる可能のあるすべての知識らしい)。ナノマシンとか核融合炉とかはまだいい、経済とか政治知識とかも嬉しい、しかしフォールドとか月光蝶とかやり過ぎだろう、そしてなんと錬金術までもあった。そういえば錬金術は科学だったな。モチロン早速錬金術を試してみたさ、エドみたいにパンッてあわせてから地面に手を付いた、気絶した。実験を繰り返し、大量の精密機械を一気に練成するのは頭脳が耐えられないという結論になった。技術レベルの高さと錬金できる規模は反比例らしい。そして何故か頭の回転も早くなった、分割思考なんて寝ながら出来ます。ともかくこれでご都合主義で力も手に入れた。これからずっと私のターンだ!

 

SIDE END

 

 

 

 

 

サハク家に屋敷の一部屋に四人が集まった。

まずは集めた本人が最初にいう。

「三人とも集まってくれてありがとう。今から話すのは我が家の今後のことです。ここは盗聴とか大丈夫ですよね?」

「ああ」「うむ」「問題ない」

「まず、十年以内に大規模な戦争が勃発する。」

いきなり爆弾を投下した。

「根拠は?」

コトーが厳しい顔で問うた。

「第一にC.E.54年に発生したS2インフルエンザです、これによって大多数のコーディネーターとナチュラルが互いに反発感情を持ち始めました。第二に黄道同盟のシーゲル・クラインとパトリック・ザラがプラント評議会議員に当選したことです。これにより独立運動が高まっています。最後に決定的なのがこれです、プラントのメインシステムにハッキングして得た資料です」

ロイは資料を三人に配った。三人は資料を読むと驚愕した。

「なんだ!このふざけたスペックと設計思想は!」

「落ち着けギナ!」

弟を落ち着かせたミナがロイに聞く。

「プラントはこのMSでプラント理事国と戦おうとしているのはわかる、しかしこれは使えない兵器だろう」

配った資料にはMSの設計と開発プランが書いてあった。その計画の緻密さと予算の量でプラントの意気込みが見える。

「ええ、これを使って勝つ為には最低限核と誘導兵器を封じなければなりません。ですがそう都合にいい方法があるんですよ、これです。」

そう言うと、もうひとつの資料を配った。

「セクスティリス市基礎物理学・素粒子物理学者のオーソン・ホワイトが自由中性子の運動を阻害する装置を開発しています、副作用として電波通信が阻害され、誘導兵器が無効になる。これで開戦の条件は整います。」

三人はロイの情報収集能力に舌を巻くと共に、戦争が近づくのを感じた。

「そして戦争にはオーブも巻き込まれるでしょう、モルゲンレーテ、マスドライバー、理由はいくらでもあります」

十分予測できたことなので動揺するものはいない。

「私の考えはこうです。まず今から、サハク家は財産、技術、戦力を貯めます。そしてオーブ危機にて力を使う、その功績をもってサハクを表舞台に押し出す。もしこれでも手柄を横取りするか、アスハが代表として酷過ぎる暴挙にでた場合、独立します。」

三人はもう驚かない、耐性がついたようだ。

「いいだろう、これはサハク家の悲願を叶えるチャンスだ、お前がやるなら心配もいらんしな。我々はなにをすればいい?協力が必要なんだろう。」

「父さんにはまず新しい会社を作ってもらいます、その会社で私が設計した新しいタイプのコロニーを20基ほど造ります。国力増強と共に独立する時の土地にします。資金は私が新技術を使えば何とかなるでしょう。」

スケールの大きさにコトーはニヤリと笑った。

「いいだろう、やり甲斐がある仕事じゃないか。それでミナとギナは?」

「ふたりはこのまま士官学校を卒業して、軍で優秀な人材を取り込んでほしい、独立しても付いてくる人材を。それと有視界戦闘の研究は、私も含めて開戦までに三人でやります、戦争が始まればその価値は大きい。」

「まかせろ」「いいだろう」

「よし、細かいことは今後決めよう。しかしロイ、お前が家に産まれてよかった。」

コトーが締めくくるように言った。

「私も皆が家族で幸せだよ」

ロイは人懐っこい笑みでそう言って、会議は雑談に変わった。

 


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