チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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<<DESTINY開始>>国は人が基本

C.E.73年10月1日

 

SIDE ロイ

 

私は今、車でアププリウス議事会堂に向かっている。デュランダルと前大戦でプラントに逃げてきたオーブ国民に関する内容を議論する為だ。もちろん護衛はステラだ。

 

独立宣言後、プラントは大混乱に陥ったが、今では落ち着いてる。大多数のプラント市民はこの事実を受け入れた。極少数過激派の反対運動は意味をなさなかった。今頃彼らは何をしているんだろうか?

 

ネオ・オーブの発展は凄まじかった。新たな資源衛星の発掘、新技術の開発はネオ・オーブの完全なる自立を可能とした。はっきり言って地球が滅んでも今のネオ・オーブなら生存出来る。

 

ソロモンの兵器は全て完成した。専用機の建造、改造も終了している。国軍のVFの改造も終了した。ネオ・オーブ初代大統領フィリップ・ジャッカはこの強すぎる戦力を見て政治に悩んだらしい。断っておくがソロモンはサハクの私兵だ。

 

マリアとは未だに直接会えない。通信でよくこちらの事を話したら政治に興味を持ってしまった。しかも彼女の見解は的確な物が多い。あの歳でこれ程理解できるのは異常だ。彼女も天才か、サハクの伝説はまだ続くようだ。

 

ネオ・オーブとスカンジナビア王国、赤道連合の関係は更に親密になった。同盟はまだだがもし戦争が始まれば即同盟と言う感じになっている。

 

ナイトメアの販売を開始したことで、注文が殺到している。戦争以外での使い道はMSのより遥かに多い。治安維持や工事建設などではMSは無駄に大き過ぎる。議事会堂に向かっている途中でも幾つかのナイトメアを発見した。普及率は高いようだ。

 

意外な事にあのデュランダルがテロリストの支援をしていた。この情報は上手く使えばかなりの利益が手に入るだろう。

 

お、着いたか。では、いじmじゃなくて交渉に行こうか。

 

SIDE OUT

 

会議室にはデュランダルとその秘書、護衛一名が待っていた。ロイ達が入ると簡単な挨拶を交わし、直ぐに座り本題に入る。

 

「単刀直入に言いましょう、デュランダル議長。こちらが欲しいのはプラントに住むオーブ国民、元オーブ国民を対象とした移民の宣伝です。」

ロイはズバッと言った。

「つまり彼らを移民させて欲しいということかな?」

「いいえ、飽くまでも宣伝です。ネオ・オーブは歓迎すると言うだけです。最終的には彼らの意思に任せます。」

「分かりました、それについては特に問題はありません。ただ、宣伝内容は一応チェックさせてもらいますよ。」

「もちろんです。つきましては移民意思のある人達の妨害をやめて貰いたい」

デュランダルの眉毛がピクッと動いた。

「どういうことですかな?我々は彼らの意思を尊重しています。」

「こちらの調べではかつてオーブ移民組の住民へ強制徴兵しているとの記録があります」

「しかし、それは過去の事で、今は志願制に変えています。そもそもあの時は全ての適齢のプラント市民が徴兵対象でした、オーブ移民組は例外ではありません」

「ええ、しかし彼らが不当の待遇を得ているとの報告があります。オーブ系軍人は昇進が遅く、使い捨てにされる場合も多い、そこが問題です」

オーブ系軍人は嘗てナチュラルと共存しようと考えたことがあるだけで殆ど信用されていない。ナチュラルへの憎しみはオーブ系コーディネーターの不当な扱いを招いた。

「それは仕方無いでしょう、人の心は簡単には制御出来ません」

「問題は今、彼らの退役志願は叶えられますか?」

「……機密に関わらなければ、許可は出しています」

「機密とはMSの事ですか?それに関わらない軍人の方が少ないでしょう」

「つまり機密に関わった軍人の退役も許可しろと?」

「ええ」

「それは無理でしょう、軍事常識ではありえません」

「しかし今やMSはどの国も保有している、それだけでは機密とは言いません。それにそちらは正当な方法で残す努力をすればいい。それに、この事が宣伝されればプラントへの移民が激減するでしょう」

人口はプラントの永遠の問題だ。出世率の低下と戦争のため人口問題はさらに深刻になった。前大戦では中立国のコーディネーター達は中立国が攻撃されると見て「どこも戦場ならプラントへ」と言った感じにプラントへ逃げた。しかし今は大国、ネオ・オーブが有る。プラントへの移民は既に減少している、これ以上減ると今後の国家防衛にさえ影響が出るだろう。ロイは許可しなければ宣伝するぞと脅しているのだ。

「それにゴンドワナ、ニュートロンスタンピーター、メサイヤ、ZGMF-X42S、ZGMF-X666S。最高機密は後いくら残ってるんでしょうね?」

「!!!」

先程言ったのは全て最高機密の兵器の名前か番号だ。デュランダルは冷や汗が絶えない。

「どうですか?議長」

ロイはにっこり笑った。13歳になり、身長も165cmになった。それは顔の幼さを無くし、美しい顔で威圧的な笑顔を出せるように成った。

「……了承しましょう」

デュランダルが搾り出すように言った。秘書の女性は見とれていた。何気にステラの頬も少し赤い。

「ありがとうございます」

ロイは立って帰ろうとしたところ。デュランダルが慌てて行って。

「所で明日の予定は決まっているかね?良ければアーモリーワンの紹介をしたいと思うのだが」

ネオ・オーブの軍事力が高いのは周知の事実だ。デュランダルはZAFTの力を見せる事で少しだけでも牽制しようとしている。それにどうせ全部知ってるんだ、今更見せたって問題にも成らない。ロイは実物を見るのも損は無いと考えた。

「分かりました、喜んで案内されましょう」

ロイのアーモリーワンツアーが決まった。

 


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