チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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一番疲れるのはセイラン

この独立宣言は各国市民を震撼させた。だが政府は「ああ、やっぱり」的な空気だった。連合とプラントは未だ食料をネオ・オーブに依存している、前大戦の借りもあって反対はなかった。中立国は軍事支援を受けているのが多いのでむしろ賛成が多かった。唯一オーブが抗議したがどの国も同調などしない。

 

三種の進化方向は独立以上に世界の注目を集めた。普段ならどの国もこんな話を信じない、しかしサハクが言った言葉なら信用度は高いと考えている。現在、コーディネーター、ニュータイプ、イノベイターの支持者はいい割合で安定している。これによってナチュラルは劣等感をなくし、コーディネーターに対し自信を持てるようになった。コーディネーターはナチュラルを軽視する事が出来無くなった。ニュータイプ、イノベイターは既に確認されているとある、コーディネーターは絶対優位種では無くなった。プラントには激怒する者もいたが、ナチュラルを受け入れられるネオ・オーブのコーディネーターはむしろ喜んだ、これによってネオ・オーブでのナチュラルとコーディネーターの争いは激減したからだ。連合とプラントは長年のプロパガンダもあってなかなか変わらない。ネオ・オーブでは公開議論の場所を設置し、人々はそこで人類の進むべき方向を模索している。

 

独立に伴いネオ・オーブはオーブを攻撃する準備を始めた…と言う情報を流した。これにオーブは慌てた。前の作戦でほぼ全ての戦力を使い果たしたのだ、精強と言われるネオ・オーブ軍の降下作戦を阻止できるはずがない。カガリはなんか騒いでたがセイラン家は無視してネオ・オーブに停戦を申し込んだ。なにげにウナトとコトーは仲が良かった、同時にユウナとロイも仲がいい、仕事ではお互い容赦がないが。ウナトの努力で停戦は成立した、もちろんネオ・オーブの立場が上だ。しかし、オーブには搾り取れるものが無い。金も、技術もネオ・オーブの方が圧倒している。はっきり言って地上オーブの領土などいらんロイは困った、何も取らないんじゃ示しが付かないからだ。結局、独立の承認とヤタノカガミの技術を貰った。なお、捕虜は戦艦共に返した。

 

SIDE ウナト

 

なんて事を仕出かしたんだ、ウチのバカ姫は!連合やZAFTさえ手が出せないサハクを攻撃するなど、オーブを滅ぼす気か!?

 

「ユウナ、ロイに言って何とかオーブを統一に出来ないか?」

「無理なのは父さんも承知でしょう」

「そうだが、サハクが居なくては誰が軍を纏める?」

「僕らがやるしか無いだろうね」

「無理だ、別の氏族に任せるか」

「しかし、新たな進化の方向か。相変わらずやる事のスケールが大きいね」

「中立国ではナチュラルとコーディネーターの争いが激減している、世界的難題を解決したか」

「やっぱりあの子かな?」

「だろうな、いつの間にこんな研究をしたんだ?」

「ロイならやってのけるだろうね、昔からそうだったし」

「ああ、昔はお前も奴と比べられて荒れてたな」

「それは言わないでよ、今思い出しても恥ずかしいんだから」

「それはいいとして、停戦条件に賠償金を要求してこなかったのは助かった」

「復興途中だもんね」

「しかしあのカガリに独立を認めると宣言させろだと?」

「あの暴走娘に?承認宣言すればいいだけじゃないの?」

「コトーが笑顔で私に要求してきた」

「それは…気の毒に」

「お前が説得しろ」

「ちょっ、無茶言わないでくれよ」

「婚約者なんだろう」

「父さんが決めたんじゃないか、それにカガリには恋人が居るようだし」

「あの護衛か?問題ないだろう、今婚約を解除すればオーブに響く、カガリもそれくらいは分かるはずだ」

「分かるかな?正直それでも良かったんだけどね」

「おいおい」

「今後あの暴走娘と毎日を過ごすと考えると……」

「……」

「……」

「て、照れると普段とのギャップで可愛いと思うぞ、うん」

「父さん」

「な、なんだ?」

「ネオ・オーブに逃げません?」

「……」

「……」

「ひっじょ〜に魅力的な提案だが駄目だ」

「やっぱり、まあ確かにこのまま国民をカガリに任せる訳にはいきませんね」

「優秀な者は殆どネオ・オーブに引きぬかれた、我らが残らないと本当にヤバイ」

 

お互い溜め息をつくが、状況が良くなるわけでもない。昔ロイがカガリと婚約という話もあったがサハク側が断ったのはこれを見越しての事か?ありえるな。こうなったら本気でアスラン・ザラをカガリとくっつけるか?世界情勢が安定したら考えてもいいかもしれん。

 

SIDE OUT

 

SIDE ロイ

 

さて、情勢は一旦安定した、今のうちに次の大戦の為に戦力を増加しないと。まず、ソロモンにビルゴIIを1000機配備、VF17を追加武装をつけてVF171に改造。大隕石引っ張ってきて中を空洞にしてピースミリオンを建造し改造、搭載機のゴーストも生産する。VF171のコクピットをPS装甲の複合装甲にする。コロニーの採光ミラーの裏側をヤタノカガミで覆う。主力艦はサラミス改とマゼラン改でいいだろう、こちらの技術も合わせれば高性能な艦が作れる。DXを二機追加、マイクロヴェーブ発信装置をソロモンに三つ設置。

 

ソロモン内部にボソンジャンプ演算装置を翻訳機付きで設置。万が一の為に全コロニーと両要塞を外宇宙へシャンプさせる量のCCを確保、これは錬金術の方が早いな。私のと同型のPDAを四つ作る。五つのPDAにボソンジャンプトリガー機能とラムダ・ドライバ汎用版を追加。後は全員にCC付きのアクセサリーでもプレゼントするかな。ラムダ・ドライバの練習もしないとな。

 

問題は専用機三機の改造とステラの専用機だが、どうしよう。

 

SIDE OUT

 


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