チートと転生、あとガンダム   作:ロイ

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あれ(ZAFT技術)はいいものだ

C.E.72年3月10日

 

SIDE ロイ

 

連合とプラントの停戦から色々ありました。南アフリカ独立戦争や停戦条約の交渉などなど。特に交渉で連合とプラントは互いに譲らず、スカンジナビア王国のリンデマン外相が介入するまで進まなかった。最終的に連合とプラントは史実通りのユニウス条約を締結する。そしてオーブ(サハク)とプラントの停戦は、プラント側が賠償するということで落ち着いた。プラントに捻出出来る金が無いので賠償は技術の提供という形になった。遠慮無く量子通信、NJC、VPS、フリーダム、ジャスティス、エターナル、ミーティア、グングニール、デュートリオンシステム等の技術、設計図を要求した。もう技術機密まるごと寄越せって感じだった。交渉時には荒れたが最終的に全部認められた。

 

今、私はラー・カイラムで条約の締結の為にユニウスセブンに来ている。目の前のアガメムノン級でカナーバ議長とアーヴィング大統領が締結中だ、それが終われば護衛のステラと共にZAFTのナスカ級でもう一つの条約を締結する。

 

流石というべきか、ステラの戦士としての才能は凄まじい。エクステンデッドはブーステッドマンと違って精神操作を中心に改造された者で肉体改造は少ない。つまり原作で連合トップエースのステラは十分な訓練をすれば精神操作無しでもトップエースに成れる、今や体術とMS操縦ではミナとギナを越えている。仕事を探してたらステラの希望もあって私の護衛に成りました。MS操縦ではオールラウンダーでどんな専用機にするか困っています。

 

そしてカガリが地上オーブに帰りました、保守派と一部オーブ民衆には歓迎されたらしい。やはりアスハのネームバリューは伊達じゃない。まあ、災害が起きたら対策会議をする前に現地に飛び込むような奴だ、民衆にとっては身近に感じるんだろう。セイラン家と共に地上の復興に勤しんでるらしい。アスハの政治が嫌な者は既にコロニーに来ている。残ったのは保守派政治家とまだアスハを信じる人、どうでもいい人達だ。保守派の強烈な後押しもあってカガリが代表になった。おかげで毎日が五月蝿い、通信で「こっちの言う事聞け!」とか「コロニーを返せ!」とか「返さないと撃つぞ!」とかよく喚く。無視してたら本気で攻撃準備を始めた、だが打ち上げる戦力はイズモ級三隻だけ。三隻同盟も合流するかもしれないが、それで勝てると思うのがカガリの凄さだろう。

 

コロニーの準備はできた、手に入れた金でVF17を大量配備。アメノミハシラとソロモンを中心にした防衛網を構築し、ヨルムンガンドを四つ追加、重力センサーを配備した。防衛は完璧だ。

 

「ロイ、そろそろ時間だよ」

「解った、着いたら喋り方を気を付けてね」

「了〜解」

 

行くか。

 

そうそう、クルーゼはジェネシスが瞬殺されたのを見て固まった処をキラに撃たれた。クルーゼってこんなキャラだっけ?

 

SIDE OUT

 

SIDE デュランダル

 

私はカナーバ議長の付き添いで締結現場にいる。もうすぐオーブ側の二人も来るだろう。サハクがオーブの権限を手に入れて以来、オーブの発展は凄まじい。特に法整備と政治革命では我らが考えもつかない物を出してくる、しかも考えれば考える程その緻密さと先見性を思い知らされる。サハクの技術開発能力が高いのは周知の事だ、今回の一件でサハクが稀代の統治者と言うことが分かった。もっと早く気付くべきだった、サハク系企業は以前から斬新な管理制度を実施しており、常に高い効率を維持してきた。サハクの爆進はロイ・サハクが二歳の頃から始まった。大学を卒業したロイ・サハクが仕事を開始しサハク家を発展させた。こう考えるとつじつまが合う、少なくともなんの関わりも無いという事は無い筈だ。

 

「デュランダル、時間だ、ボーっとするな。」

「問題ありません、議長」

 

入って来たのは中性的な顔をした少年と金髪の少女だ。

少年の目を見た瞬間全身に寒気がした。何も読み取れない深すぎる目、そして自分の全てが見透かされた様な気分になる。そして私は確信した、こいつが今のサハクを作り、連合とZAFTから搾り取り、クルーゼの計画を始まる前に壊した者だ。

 

「ようこそ<ハーシェル>へ、私がアイリーン・カナーバだ。後ろはギルバート・デュランダル議員」

「外交官のロイ・サハクと護衛にステラ・R・サハクだ」

全く物怖じない、私より手馴れてるんじゃないか?

「まず、こちらの一方的な宣戦にも関わらず停戦に応じてくれたことを感謝します」

「いえ、我らも無駄な争いは好みません。あれはパトリック・ザラ個人の暴走でしょう」

「そう言ってくれると助かる、では条約を」

「ええ」

一つ一つの動きが堂に入ってる、もう驚かないよ。

「これで戦争が終わった」

「そうですね。では、我々はこれで」

「待ってください!」

「なにか?」

声が大きすぎます議長、そしてあっさり過ぎるよロイ君。

「サハク、いえ貴方は何がしたいのですか?私にはサハクの目的が見えない」

確かに金や権力が欲しいだけの人には見えない。

「人類の融和と革新です」

「「!」」

余りのスケールの大きさに固まってしまった。人類の融和と革新、彼は人類の未来を創るとでも言うのか!?

「では」

二人が出て行った後もしばらく動けなかった。とんでも無い奴だ、敵に回したくないな。

 

SIDE OUT

 


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