C.E.71年8月
SIDE ロイ
フッフッフ、やっと合法的に政権が手に入ったぞ、苦労したよホント。これで大々的に国を改造出来る。
まずは政治改革だな。氏族制度を廃止し三権分立にする。氏族の反発を抑えるため上院議員にする。チート知識から100年位未来の法律を引っ張り出し、少量の必要の改修の後、布告する。サハクを支持する政治家に進んだ政治関連の論文を読ませる。あれ、もうやること無くなったぞ。
全コロニーに核融合発電機(NJは効かない)を搭載。ついでに極秘にGNエンジンも着けとく、GNエンジンなら緊急時に必要最低限の電気を供給できる。治安維持のためナイトメアを開発、いざという時は対テロ用にも使える。囲めばナイトメアで一般MSは撃破出来る。コロニーでS.I.E社を分解する、独立した後でも競争を維持するためだ。
地上オーブの政治はセイラン家に任せとく、残ったフラッグとスイクンをあげたから、治安維持に問題はないだろう。結局自爆したのは五大氏族の中でも三家だけ、しかもアスハ家には後継者が居る。トキノ家とキオウ家の財産で経済の立て直しとモルゲンレーテの再建をする。宇宙から物資を運び復興はすべてサハクが主導する。サハク軍の軍人にコロニー移住をすすめる。
サハクの善政を宣伝すると共にアスハがやったバカを広める。実際、オーブの復興は始まってるのにカガリは未だ行方不明だ。あえて地上の政治制度は変えない、これでサハクを支持する者はコロニーに来る。そして改革に反対する者を地上に送ればいい。
未だマリアと直接あったことはない、だからと言って問題が有る訳でもないが。8歳と11歳なら今後次第で婚約解消も充分にありえる。
ソロモンで精鋭部隊を作る。一応二つ作った、ダブルオー小隊(OO、ケルディム、アリオス、セラヴィー)とウイング小隊(デスサイズヘル、ヘビーアームズ改、サンドロック改、アルトロン)で全部MDだ。後メリクリウスとヴァイエイトを私の専用支援機にした。
今はこんな感じでいいか。この戦争には成るべく介入しない、目的は独立だ。ジェネシスだけは注意する必要があるか。
SIDE OUT
SIDE クルーゼ
オーブが復興を開始?ばかな!サハクの軍事力を以てすれば充分第三勢力に成り得たはずだ。連合も食糧問題如きで怖気づいてどうする。この戦いでオーブを戦争に巻き込み、最終的にジェネシスで始末するはずだったのに、まさか第一歩で躓くとは。マズイ、これではL2に1億7000万もの人間が生き残ってしまい、私の悲願が叶わない。パトリックもサハクの一件には遠い目をするだけだ、サハク首長はナチュラルなんだぞ、何故攻撃しようとしない!?
「変な顔してどうしたんだ、ラウ?」
「ギル、オーブを戦争に巻き込む方法はないか?」
「私はこれでも穏健派を自称してるんだけどね。まあいい、答えはNOだ」
「くっ、やはりか」
「経済、政治、軍事、あらゆる面で彼らが戦争をする必要が無い。ウチの閣下はあんな状態だし、連合は食料問題が解決するまで頭が上がらないだろうし、どちらもちょっかいは出さないだろう」
こうなれば私がジェネシスで撃つしかないか?
「処でラウ、君はアラスカで捕虜を捉えたらしいね」
「む、それがどうした?」
「しかも艦内で給仕をさせているとか」
「だからそれがどうした」
「ネットで話題になっててね、ああもちろん機密に関わる情報は出まわっていないよ。だが軍で捕虜の扱いがなってないと一部で言われている」
「それくらい問題ないだろう」
「ここまではね。しかし君が色香に惑わされたと言っている人もいる」
「……」
「さらに未成年者保護委員会は訴訟を起こしたとか」
「ちょっと待て!初耳だぞそれは」
「今朝、郵便を確認したかい?」
最近家に帰ってない。
フレイは確かに役目が有るので手元に置いてあるが手は出していないぞ。
「誤解だ、手は出していない!」
「落ち着け、慌てると余計怪しい。ほらピアノの練習中のレイも変な目でみているよ」
「大体あの女はナチュラルだろう、なぜ保護する必要がある」
「噂では可憐で健気な娘じゃないか、それがあの婆さん達の心を刺激してね。それに老人達は第一世代か第二世代のコーディネーターが多い、親か祖父、祖母がナチュナルで悪感情も少ない」
「あいつより若い兵もいるだろ、仕事させて何が悪い」
「捕虜なのがダメらしい、何時襲われるか分からない環境に居させるべきではないというのが主の理由だ」
「私があの婆さん達の相手をするのか……」
あのババアどもが!これでも戦争の英雄なんだぞ!
「実際は軍も黙認している、君のいつもの独断に対する嫌がらせだろうね。一応裁判は戦後になっているが、まあ頑張りたまえ」
まじかよ
SIDE OUT