その日、私はいつも通り意識が覚醒し背伸びをしようとしていた、が、体が動かない。
慌てて目を開けるとなんか視線が低い。そして目に入ったのは太陽っぽいのが中心にある見たことがあるようなマークの国旗。それと今は揺りかごの中にいるようだった。
(え、あれってオーブのマーク?しかもオレ今赤ちゃん?あれか?転生憑依系?)
結構混乱しているようだ。十分ほど騒いでたら世話係のおばさんらしき人が入ってきて宥め始めた。ちょっと落ち着いた赤ん坊はまた考え始めた。
(時々聞こえるナチュラルとかコーディネーターとかからしてここはSEEDの世界のようだ、おばちゃんの腕時計の時間ではいまはC.E.60、まだ戦争は始まっていない。なぜ私がここにいるかは考えるだけ無駄だろう、問題はこれから先の事、どう転んでもオーブは滅ぶ。というかオーブって氏族制度が残ってるんだったな、どおりで政治家共も無能なのが多い、それに首長のウズミが一番ダメだろ、自爆して責任を押し付けて、ついでにマスドライバーとモルゲンレーテも破壊するって国のトップとして失格すぎる)
TVではあのシーンは感動的だが、結局は戦後処理を残った人に押し付け、マスドライバーとモルゲンレーテがなくなったことで、技術立国のオーブはその価値を大いに下げた、戦後の政権がモルゲンレーテを再建できたのは奇跡と言ってもいいだろう。
(アスハ家は政治を主導する家なのに二人共ダメなのはヤバいだろ、しかもオーブは無資源国家、人口も多いとは言えない......つんでね?)
原作でもオーブは殆ど何も開発出来ていない。MSのハードウェア技術は大西洋連邦のを盗んだだけだし、OSはキラ・ヤマトが作った物を使っている。発展型はそれなりにあるが、肝心の物は全部外部協力?からきている。
(よし、逃げよう、戦争開始までまだ十年もある、スカンジナビアあたりに逃げれば安全だろう。原作でもあそこは戦場にならなかったはずだ)
イキナリ逃げる決意を固めた主人公だった。