BIOHAZARD CODE:M.A.G.I.C.A.   作:B.O.A.

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・1968年
スペンサー等が、製薬会社アンブレラを設立。


Chapter 1 -Puella Magica-
chapter 1-1


・9月某日、見滝原市内ショッピングモール。

 

 

 

「ぎゃははははははは!!!!」

 

ファストフード店の中に、元気な少女の声が響いた。

 

「わ、笑わないでよぅ。真剣に悩んでいるのに……」

「いやいやいや、文武両道才色兼備な転校生と、実は夢の中で会ってました~、って一体何処のファンタジー小説の設定だよッ。練るにしてももうちょっと何か無かったわけ?」

「べ、別に練ってるわけじゃないのに……」

「でも、まどかさん。流石に出来すぎてる気が……プッ、ウフフッ」

「仁美ちゃんまで……」

 

「まどか」、と呼ばれたピンクのショートツインテールの少女が抗議の声を上げる。

 

「しっかし、今朝といい、等々まどかまでキャラ立ちし始めるとはな~。あたしも何か設定作った方がいいかな?」

「下手に設定作っても、ボロが出るだけですわよ?さやかさん」

「だよねぇ~~」

 

「さやか」、と呼ばれた青のショートカットの少女が、ドリンクのストローを咥えながら返事をする。

 

「そう考えると、天然でお嬢様キャラの仁美は楽でいいよねぇ~」

「そう簡単なものでもありませんわ」

 

「仁美」、と呼ばれた緑のロングの少女はそう答える。

 

「・・・・・・だから、設定じゃないのにぃ……」

 

打ち明けた悩みを笑われた挙句、話から置いてかれたまどかは、等々涙目になっていた。

残りの二人は、慌てて話を戻す。

 

「でも、夢の中で会った挙句、相手もまどかを知ってる素振りなんでしょ?きっとあんたら前世で恋人でもやってたんだよ!」

「こ、恋人ってそんな……」

「そうでないとしたら、まどかさんの方が会った事があるのを忘れているのかもしれませんわね」

「えぇ~~。何かそれつまんない」

「……さやかちゃぁん……」

「わっ、ごめんって。真面目に考えてるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

特別なことのない、今時の少女なら普通にありそうな会話。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、もうこんな時間ですわ」

 

そう言って、仁美は席を立つ。

 

「今日も習い事?」

「ええ、日本舞踊の稽古が。二人とも、お先に失礼しますわ」

 

笑顔でさやかに返事をして、仁美はファストフード店を出て行った。

 

「……仁美には悪いけど、お嬢様キャラはご遠慮だな」

「もう受験も近いもんね」

 

出て行った後を眺める二人。

と、まどかが席を立って言う。

 

「そろそろ、私たちも行こうか」

「ああ、じゃあ途中でCDショップ寄ってもいい?」

「いいけど、また上条くんに?」

 

そうまどかが聞くと、さやかは年相応の乙女な表情を作って、

 

 

 

 

 

 

 

 

「へへ、まあね」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう答えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人が去った後の、ファストフード店。

何でもないはずの日常の風景に、「異質」は始めから潜んでいた。

 

 

「何処で飲んでも、ファストフードのコーヒーの味は変わらんな」

 

少女たちの席から通路を挟んだ反対側の席で、コーヒーを飲んでいた竜二がそう呟く。

 

『それが奴等の売りだしな』

 

目の前のノートパソコンに映った男、ジョージ・ルータスが答える。

 

「受け取りの場所は?」

『ショッピングモールの5階、改装中の区域になっているところだ』

「オーケー。予定の時間も近いしな」

 

そう答えて、竜二は立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が、少女達の運命と邂逅する時は、もう目の前に迫っていた。

 

 

 

 

 




chapter1-1投稿しました。

今回はほとんどムービー回ですね。

1-2から戦闘描写入り出すので、ちょっと不安です……。

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