この中に1人、ハニートラップがいる!   作:佐遊樹

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今までの中で一番しっくり来るサブタイトルでした(小並感)


IF2-2:インフィニット・ロリトキス

 蘭と、蘭と手をつなぐ幼女の先導で階を降りていく。先導っつってもエレベーターだけど。

 なんかおかしいのは、幼女の反対側の手を俺が握っているということ。

 

「パパみたいで安心するー」

 

 幼女が俺を見て、少し笑ってそう言った。

 

「ぱ、パパみたいって、それじゃあまるで私と一夏さんが夫婦みたい……ッ!? も、もう、そんなこと言われても困りますよねえ一夏さ……」

「あ^~」

「まるで聞いてないわよこのロリコン」

 

 パパかぁ……こんな娘がいたら即ハボ……っていやいやいやいやいやいやいやいやいや!?!?

 クロエちゃんと会ってから思考回路が良くない方向に突き進んでいる。やめよう。

 深呼吸して自分を落ち着かせて状況を確認すると、エレベーターの中にはシラーッとした白い目で俺を見るスコールと、ニパニパと笑う幼女と、完全にL5状態の蘭がいた。

 

「ヒィィィィィッ!?」

「パパ、くすぐったい」

 

 怖いッ! この子怖いよォッ!? 俺は反射的に幼女の背中に隠れた。まあ隠れるのなんて無理だから背後から抱き付いて顔を首筋に埋めてるだけなんだけど。

 やっばこのロリスメルやっば。なにこれ。ロリスメルやっば。これでご飯6杯ぐらい平らげられちゃうよ~

 

「鼻をヒクヒクさせながら幼女に後ろから抱き付くってもう織斑一夏の名声なんて地に堕ちたも同然ね」

「パシャパシャ写メってる暇があったらその人を引き剥がしてください」

「アッハイ」

 

 二人がかりで男を幼女から引き剥がすってお前ら恥ずかしくないの?

 蘭とスコールによって幼女と離れ離れになった俺は、半泣きでエレベーターの隅に蹲っていた。

 

「ホラーに弱かったり想定外の女の子からのアタックに弱かったり、一夏さんって結構弱点だらけですよね」

「実際に敵として剣を交わすと厄介この上ないんだけどねえ」

「は? あなた一夏さんの敵だったんですか? 殺しますよ?」

「じょッ……冗談、冗談ッ! 私は超織斑クンの仲間よ!? さっきの銃撃戦だって悪ふざけの延長! 悪ふざけであれだけできるなんて仲の良い証拠じゃない! ねえ!」

「そう言えば君、名前なんて言うの?」

「……ひな」

「そっかーひなタン……ひなちゃんかー。早くお母さん見つけような」

「うん」

「無視しないで頂戴よッ!?」

 

 なんか蘭とスコールが騒いでたけど、それはともかくとして、俺はひなちゃんの頭をなでながらほんわかとしていた。

 チーン、と間抜けな音と共にエレベーターの扉が開く。

 目の前にはモールにいた人々が座らされ、それを取り囲む数人の男たち。

 休日故か家族連れがたくさんいて、多くのロリたちが不安そうに周囲を見回していて――許せねェな、おい。

 

「……女の子をあんなにも怖がらせるのは、言語道断だよなァ?」

「……女性をこれだけ集めて恐怖させるのは、言語道断よねェ?」

 

 俺とスコールの視線がかち合う。

 テロリスト達の困惑の目が俺たちに向けられる。

 瞬間――

 

「『輝夜姫(ライジング・ガール)』ッッ!!」

「『ワールド・パージ』ッッ!!」

 

 純白と黄金のISが、並び立つ。

 隣にたたずむ金色の羽を背負った天使は、不倶戴天の敵にして、かつ、今現在は最強の仲間。

 

「え、えッちょッ、いきなりIS展開しちゃうのッ!?」

「オオオオオラァッ!」

 

 人質の中に紛れていた鈴が困惑の声を上げる中、俺は容赦なくスラスターに点火した。生身の人間相手に行うのはさすがに引いちゃうレベルの連続瞬時加速(アクセル・イグニンション)。アイコンタクトすら要することなく、スコールは俺と別方向へかっ飛ぶ。

 未だ状況を理解できていない男の頭へ加速を乗せた膝蹴り、きりもみ回転しながらそいつが吹っ飛んでいく。

 

「おッ、お前――」

「死ねェエェェェッ!!」

 

 すぐ隣のテロリストには、裂帛の掛け声とともに回し蹴り。首が折れやしないかとちょっと心配になったので腹に思いっきりブチ込む。内臓破裂するかもしれないけど許してネ☆

 

「ホラホラホラホラ」

 

 視界の隅ではスコールが男四人を相手取って、ラスボスらしくメチャクチャな性能のISとメチャクチャな技量の本人とメチャクチャなホラホラダンスとで圧倒してる。まあ生身とISで戦うってもはやその辺の最強系オリ主じゃなきゃ勝てないだろうけどさ。

 金の羽に吹き飛ばされた男がもんどりうって転がり、殴られたおっさんは柱に激突して気を失った。エレベーターの傍で蘭は幼女の目をふさいでいた。まあ教育に悪いしな。

 

「一夏ッ」

 

 同様にすぐさまISを展開して、代表候補性組が無双を始めた。さすがにもう勝ち確だろ。目を凝らすとオータムもアラクネを呼び出して男たちをその八本の足で吊し上げていた。

 俺の名を呼んだ箒は殴り掛かってきた男を篠ノ之流戦闘術で受け流し床に叩きつけて踏み潰し、俺の下へ駆け寄ってくる。今の一連の流れ綺麗すぎて引いたわ。

 

「無事だったのか!」

「うるせェよストーカー」

「そういうお前はロリコンだろうに」

「ロロロロリコンちゃうわ!」

 

 飛び交う銃弾。俺は素早く腰部と背部に設置されたBT兵器モドキを飛ばすと、人質たちを囲むエネルギーバリヤーを展開する。

 ここまで器用な真似ができるのも人類初の三次移行(サード・シフト)到達者たるイケメンこと織斑一夏様のおかげだな。やっぱロリを泣かす奴はワンサマ法に基づき死刑だ死刑。

 

「大体なんでお前の行くところ行くところこんな風になるんだ! 疫病神だろうお前ッ!」

「知るかよォ! 俺だって好き好んでこんな目に遭ってるわけじゃねえよ!」

 

 背中合わせに雑兵と雑兵と雑兵をなぎ倒しながら、俺と箒の幼馴染口論が炸裂する。

 証人プラグラムもどきによって引き離されこそしたが、普通に電話とかでやり取りしまくってて仲の良さは全盛期を引き継いでるからな……

 

「一夏ッ!」

 

 箒の合図ですべてを察し、俺は振り向きざまに腕を振るう。間髪入れず箒がの太刀が俺が対峙していたテロリストの顎を打ち、俺は箒の背後の覆面にハンドガンのグリップを叩きこんで昏倒させた。互いの腕が頬すれすれまで接するスーパータッグプレイ。

 間近で見る箒の顔は、戦いに臨む戦乙女の顔だった。

 

「綺麗だ……」

「この砲煙弾雨を美しいと言い切るなら、お前は狂人だろうな」

「違う、お前がだ」

「え? ……え、あァッ!?」

 

 キメ顔でなんか言ってた箒が瞬時に顔を赤く染めた。

 ごく自然に口説き文句を言い放った俺は、しかしちょっと気分が良いので変わらず箒に背を預けて眼前の雑魚を殴り倒す。ISのパワーアシストがあったらちょろいちょろい。

 瞬く間にテロリストたちが床に倒れ伏す。

 

「ひ、ひいいいいっ」

 

 最後に残った、覆面に黒ずくめの服装と怪しさ満点のデブは、情けない悲鳴を上げて傍の柱に縋りついていた。アブねーな、そこで迂闊に幼女を人質に取ったりしていたら俺がブチ殺してたぜ。

 

「こうなると哀れですらありますわね……」

 

 部分展開した『コバルト・ティアーズ』のBT兵器を棍棒代わりにしてテロリストを殴るという英国淑女にあるまじき野蛮さを発揮していたオルコット嬢がこちらに振り向いた。

 いや今更お嬢様っぽい口調で発言しても無駄だから……ほら隣の更識とか妹さんとかドン引きしてるから……

 

「ふ、ふふふふ。どうせ無駄だッ! ISがいくら集まったって、もう俺たちを止められはしない!」

「は?」

「へぇ?」

「試してみるか?」

 

 鈴が刃を首に突き付け、デュノア嬢が銃口で頭部を突っつく。トドメにボーデヴィッヒがワイヤーブレードで包囲した。信じられるか? これの相手、生身の人間一人なんだぜ……?

 その、三人の代表候補性に囲んで棒で叩かれているデブは、顔面蒼白でしめやかに失禁していた。まあそらそうなるわな。

 

「ああいうことするから年食った女はダメなんだよな」

「えっ」

 

 いやホント幼く瑞々しいころの女の子特有の聖人っぷりは異常。それからいじめをしちゃう子されちゃう子とかに成長の方向性が分かれていくから学校教育ってクソだわ。

 俺がそう言うと横で太刀を引き抜いて今にもテロリスト残党いじめに加わろうとしていた箒が顔を引きつらせた。お前元いじめられっ子だよね? なんでそんないじめにノリノリなの?

 

「制圧完了ってところね」

「ッ! スコール・ミューゼル!?」

 

 いつの間にか俺の隣にいたスコールが『ワールド・パージ』をかき消しながら言った。その姿を見て楯無が警戒心露わに大型ランスを構える。他の代表候補性組も鋭い視線と殺気を以てスコールに相対した。

 俺は慌てて両者の間に割って入る。折角丸く収まりそうだってのに面倒事増やしてんじゃねえよ!

 

「待て待て待て! 今は敵じゃねえ! なんなら制圧すんの手伝ってもらったろ!」

「だが、そいつは『亡国機業(ファントム・タスク)』のッ!」

「あらやだ、今日はオフの日なのよ。まだ大人のレディーらしくオンオフもできないの? お子様ねえ」

「挑発してんじゃねぇよババア」

「ねえ今いきなり罵倒されたんだけど」

 

 ボーデヴィッヒに対して余裕ぶって煽り始めたババアを黙らせ、俺は視線を巡らせる。

 先ほどまで蘭が保護していた少女は、お母さんと思しき女性に抱きしめられていた。どうやらあまり事態を理解できていないようで、頭の上にハテナマークが浮かんでいた。

 まあいずれ、分かる時が来るさ。ワケ分からん争いの場に巻き込まれたこと、涙ながらに駆けずり回って自分を探してくれた親のこと、そして自分を助けてくれたウルトライケメンスーパー爽やか好青年である俺のこと。

 

「良かったな」

「ええ」

 

 蘭の呟きにこめられた、そこはかとない哀愁。まだまだこの子も中学生だ。若干ババアの世界に踏み込みつつあるが、まだやっぱり蕾なのだ。

 

「いつかまた会えますよね」

「いや、十中八九会えないと思うぜ。世の中そんなもんだろ」

「……そう言うと思いました」

 

 慰めるのが下手なんですよ、ホント――蘭はそう言って、苦笑しながら、頭を撫でようとした俺の左手を回避した。

 

「あとそういうことする男の人はホントにモテないんで注意してください」

「あっヤベ今の言葉すげえ胸に刺さった」

 

 俺が胸を押さえてうずくまるのを尻目に、蘭が小声で何かボソボソ言う。

 

「まあ、一夏さんの場合は、誰彼かまわずやるから問題なのであって、ちゃんとそういうことは好きな人だけにしてあげるのがいいと思うんですけど……」

 

 ……好きな人、ねえ。

 それは好きだから触れ合いたいと思うのか、触れ合いたいから好きになるのか、一体どっちなんだろうか。

 まあ俺は好きな人というのは今のところ全ての女性だからなんとも言えないし――

 

 不意に、教室でバカ騒ぎをする、アホ面の少女が浮かんで、俺は慌てて頭を振ってそのイメージを消し飛ばした。

 

「それで、一夏さん。なんか向こうで騒いでますけど、行かなくていいんですか?」

「あ? 何してんだあいつら」

 

 蘭が指さした方を見れば、確かになんか候補生組が大騒ぎになっていた。マドカも、オータムさえもが顔を青くして何か叫んでいる。

 

「何やってんだお前ら~、俺も仲間に入れてくれよ~(キチスマ)」

「一夏さん大変です……彼らが人工衛星を操作して東京に落とそうとしています」

「…………ゑ?」

 

 クロエちゃんがかすれた声でそう言った。

 軽いノリで混ざったらなんかすげえこと話してた。

 なんですかそれ……え、えっ?

 

「デュ、デュフフ。これでもうすべてがおしま」

「「うるっせェんだよ引っ込んでろピザデブ!!」」

「たわば!」

 

 俺とスコールが同時に放ったパンチに顎を打ち抜かれ、男がもんどりうって倒れた。

 どうやらこの事態は世界最強のテロリスト集団『亡国機業』的にも想定外らしい。

 

「何だ、何しやがったんだテメェッ」

 

 発言からしてどうもこいつらの企みらしい。

 男の首元を掴んで、俺は鼻と鼻がこすり合うような距離で問い詰めた。

 

「ちょ、ちょっと衛星落下させて、新型のウィルスを拡散させちゃおっかなって……ハハハ……」

「「話の風呂敷広げ過ぎなんだよ死ねッッ!!!」」

 

 再びのダブルライダーパンチが今度こそ男の意識を刈り取る。

 素早く『輝夜姫』がNASAやらにアクセスし、全コアネットワーク上に同じウィンドウをポップアップさせた。

 

『解析:落下阻止限界点到達予測時間まで00:15:49』

 

 日本オワタ。

 

 

 

 

 

 

 

 ISを展開してものの数分でIS学園グラウンドにたどり着くと、滅多にお目にかかれないだろう壮観な光景が広がっていた。

 すぐさま連絡したのが功を奏し、準備はすでに完了している。

 

「『スターライトmk-Ⅰ』……よくもまあ、こんな骨董品を引っ張り出してきましたわね」

 

 オルコット嬢が感心したように呟きながら、もはやスナイパーライフルというか個人携行火器とは呼べない大砲サイズのそれを手に取った。

 IS黎明期、英国はまあいつも通りっちゃあいつも通りに爆発的な火力を求めた。というより当時はエネルギー兵器の開発が一ミリも進んでいない状態だったので、レーザーが対象に到達するまでに拡散しないようとにかく出力を上げるしかなかったのだ。

 その結果生まれたのがこのおバカ兵器『スターライトmk-Ⅰ』――現在でもIS用エネルギー兵器の中では火力はぶっちぎり、ただしISコア1つではエネルギーを賄いきれないって言う滅茶苦茶な致命的欠陥を持つレーザーカノン。

 

 何より目を引くのは、それを構えたオルコット嬢の『コバルト・ティアーズ』にケーブルで接続された学園が所有するIS数十機だろう。

 電池にしてはちょいと規模とか出力が大きすぎるが、まあ致し方あるまい。むしろISを起動させるためだけに駆り出されて今エネルギーをオルコット嬢に送りこんでいるパイロットの生徒たちが可哀想なまである。

 

「でも、この出力でも一撃で撃破できないだなんて」

「どうもこいつらコソコソと衛星を改造してたらしくてな。質量が十倍近くに膨れ上がってやがる」

 

 展開した『打鉄』で開示情報を拾っていた相川が顔を上げる。

 衛星はテロリストが積み重ねた改造により半端じゃない堅牢さを誇っており、加えて中に入ってるウィルスも日本政府が出所を掴んだが、かなり凶悪なものであるようだ。

 手はずは、別働隊が宇宙にISで上がって衛星をある程度の大きさまで破砕し、そこをオルコット嬢が叩くというもの。

 この作戦は各国政府が手を貸す暇すらないので日本政府と学園、加えて緊急時ということで『亡国機業』すら助力している。ほらオータムが居心地悪そうにしながらオルコット嬢へエネルギーを転送してるし。

 

「エネルギーに混ぜてウィルスなどを送らないでくださいね?」

「ハン、悪いがここで日本に滅びてもらっちゃ困るんでな」

 

 いかいもヴィランらしい邪悪な笑顔で、オータムがオルコット嬢の煽りに返した。

 

「まああの気に言ってた雑貨店が消えたりしたら残念だものね」

「そうそう、まだ買ってないぬいぐるみとか――ってスコォール! それは関係ないだろうッ!?」

 

 こいつぬいぐるみ趣味とかあんのかよ……ババア無理すんな。

 

 何はともあれ、役割分担ははっきりしている。

 ①箒をはじめとする潤沢なエネルギーを以て衛星をぶち抜くオルコット嬢。

 ②宇宙にあがって衛星を一口サイズならぬ一撃サイズに切り分ける別働隊――俺とスコール。

 

 すでに大気圏突破用外部取付式大型ブースターは装備している。IS学園の探せば何でもある感じ好き。

 俺とスコールは急造の射出台に並んで、空を、その向こう側の宇宙を見上げた。

 

「こんな形でISを本来の用途で使うなんて、なんだか皮肉ね」

「そう言うなよ、これがなけりゃヤバかったんだ」

 

 宇宙に吹っ飛ぶまで残り15秒ほど。

 

「一夏、死ぬなよ」

 

 姉さんの言葉に親指を立てる。

 

「一夏さん、まだ、デートの続きがありますから……」

「分かってんよ」

 

 不安そうに顔を曇らせるクロエちゃん。

 隣にいた束さんが、彼女の手をそっと握った。

 

「大丈夫だよ。いっくんは殺しても死なない、ゴキブリみたいな男なんだから」

「……はいッ、そうですね」

 

 幼女を笑顔にしたのは良いとしても他に言い方ありませんでしたか?

 

「遺言は済ませたかしら?」

「おいおい、いかにもなラスボス発言はやめてくれよ」

 

 ニヤリと笑ったスコールに対し、俺は肩をすくめた。

 これから共同で衛星をぶっ壊そうって言うのに、なんで敵対フラグ立てなきゃならねえんだよ。

 

「カウントスタート。15,14……」

 

 数字が減っていく。

 俺もスコールも口を真一文字に引き締めて空を見る。

 

「一夏君」

 

 相川の声。

 俺は返事もせず、瞳を閉じて返した。

 それでも、ハイパーセンサーは彼女が、彼女が頷くのを見せてくれた。

 

「3,2,1――発射」

 

 凄まじいGが俺を叩く。

 同時、体が『輝夜姫』ごと空中に放り出された。濛々としたミサイル煙を空に残し、俺の体が地球圏を抜けていく。

 大気圏を突破する際に急ごしらえの追加装甲が焼け落ちていく。構わず加速、体が弾丸のスピードで疾走。

 

 いまだ人類の到達せざる未踏破領域、宇宙。

 篠ノ之束が夢見たその大いなる暗闇に、俺と輝夜姫は飛び込んだ。

 その漆黒に飲み込まれるような感覚――

 

『ブースターパージ』

「ッ、パージ!」

 

 オペレーターの声を聞いて慌てて叫ぶ。いつの間にか体は重力を見失っていた。

 背部ウィングスラスターに接続されていた大型ブースターが切り離され、流れていく。きっと宇宙の彼方へ行くのだろう。

 

「調子はどうかしら」

「悪くない」

 

 すぐ傍までやって来たスコールは、俺の様子を確認すると体を反転させた。

 あらかじめ地球上の重力を仮想数値として組み込んでいるので、地上と同じ感覚でPICを起動させることができる。

 

「時間がないわ、早く――」

「ああ、分かってんよ」

 

 俺もスコールと同じ方向を向き、絶句した彼女の背に危うくぶつかるところだった。

 

「っぶね……何やってんだ、お、ま……え……」

 

 文句を言いながら、というか言おうとして、スコールが凍り付いている理由を俺は直視してしまった。

 視界を塞ぐ、黒い宇宙空間とは別の鈍色の人工物。

 全体としては太いシルエットだが、その頭部は極めてコンパクトに収まっている。額から生えた2対のブレードアンテナが太陽光に照り返す。瞳は人間と同じ数だけあり、グリーンの光がその奥から敵意を以て俺たちを貫いた。

 

「なんだこの巨大ロボット!?(驚愕)」

 

 俺たちの目の前に立ちふさがっていたのは、四肢をしっかりと持った巨大ロボットだった。

 こんな人工衛星があってたまるか! いい加減なことしてんじゃねえぞカス!

 

「ねえ、日本って一応私の祖国のはずなんだけど、いつの間にこんなクリエイティビティを手に入れたのかしら」

「国民性は割と創造的だろ、ていうかお前スコール・ミューゼルなんて名乗っておきながら日本人だったのかよ……ッ!?」

 

 なんか突然明かされた衝撃の真実。

 戸惑いながらスコールの顔を見ていると、俺の頬をレーザーが掠めた。

 

『障害物を排除します』

「「――――ッ!」」

 

 互いに突き飛ばし合う格好で、俺とスコールはその場を離脱。瞬間、その空間をレーザーの雨が穿つ。

 こいつ、全身にレーザー砲塔を備えてやがるのか。

 

「どうするッ」

「やることなんて一つだけよッ」

 

 スコールが獰猛な笑みを浮かべた。オーライ、やってやろうじゃねえか。

 

「主人公をッ、」

「ラスボスをッ、」

「「ナメんなァァ――――ッッ!!」」

 

 レーザーの機銃掃射をかいくぐって、俺達はすれ違い様にロボットへ斬撃を叩き込んだ。

 俺は純白の大剣『白世』、スコールは銘の分からん紅い太刀。それぞれの得物が、あっさりと四肢を断つ。視界の隅でこっそりと流れていくその腕と足――無論、大気圏で燃え尽きるような半端なサイズではないそれら――を左腕に展開した荷電粒子砲『雪羅』で一気に薙ぎ払う。これで最低限までにはリスクを削れたはずだ。

 

 残るは四肢をもがれ、最期の足掻きとばかりにレーザー機銃を垂れ流す本体のみ。

 もはやこのサイズになれば、『スターライトmk-Ⅰ』での撃破は容易い。

 

「オルコット嬢ッ」

 

 これで、終わりだ。

 

『ターゲット……ロックオンッ……!』

 

 閃光。

 地表から成層圏を切り裂いて、一筋の光が解き放たれる。

 俺とスコールは素早く散開。絶対致死のその輝きが――

 

 ――ロボット本体に激突し、シャワーのように光の粒子をまき散らした。

 

「……ッ!?」

 

 貫通できていない。表面装甲に直撃した端から辺りへと拡散し、その威力を無力化されていく。

 アンチ・ビーム・コーティングか! しかしここまでの堅牢さを実現してるなんざ聞いてねえぞッ。

 

『充填済エネルギーがッ……もう……!』

「クソッタレェッ!」

 

 閃光が飛び散るあの空間に飛び込めば、まず生きては帰れない。

 さすがのスコールも、眼前の光景には沈黙を貫かざるを得ないようだ。

 

『諦めてんじゃあないッスよ!』

「フォルテ先輩ッ!?」

『オルコット、シゴきが足りねえみたいだなァ……もっと腰に力を入れろ!』

『ッ! ……ハイ!』

 

 ポップアップされたウィンドウの中で、超遠距離狙撃用バイザー越しにオルコット嬢の瞳が再び燃え上がる。

 

『織斑一夏、あんたもッ』

「分かってますよッ! アンチ・ビーム・コーティングも無敵じゃないはずだ……これなら!」

 

 左腕の『雪羅』――装甲と一体化した多武装搭載型全距離対応兵器――をガトリングモードに変更、巨大ロボットの表面装甲に撃ち続ける。コーティングされた装甲を物理的に剥がせば問題ねえだろッ!

 ものの数秒で装甲がボロボロになり、そのままレーザーが腹部を貫く。届いた。

 

「おしッ」

「まだよ!」

 

 スコールの叫び。

 体を貫かれた人工衛星ロボットが砕け散り、しかしそのカメラアイに光を宿したまま、ゆっくりと地球の重力に引かれていく。

 

「なッ、撃ち漏らしたッ!?」

『違うッ! 衛星が自壊――ううん、本体の半分ぐらいをパージしてる!』

 

 相川の声に、目を凝らして衛星の残骸を見る――こいつ、貫かれた腹部を起点にバラバラになりはしたが、どうやら一緒に木端微塵にされる前に下半身をパージらしい。

 衛星本体は落下を続け、まき散らされた装甲の破片もまた、大気圏を突破しかねない大きさのまま重力に引かれていく。

 本来だけならともかく周囲の残骸は手が届かねえ……! 

 さっきみたく荷電粒子砲でまとめて――エネルギー残量確認、もうほとんどない。ンなことしたら俺が地球に帰還できなくなるッ! さすがに考えるのはやめたくねえよッ。

 

「万事休す、ね……」

「クソがッ……」

 

 隣のスコールが、『亡国機業』首領さえもが、諦めの色が混じった呟きを漏らした。

 

 瞬間。

 地表から突如放たれた閃光が、その衛星の欠片をまとめて薙ぎ払った。

 コア・ネットワークが束さんの愛機名と地上の映像をを表示した。

 

「『灰かぶり姫(シンデレラ・ガール)』……にしては、あれ、デカくね?」

『急ごしらえのオートクチュールだけど、『十二時までの魔法(ドレス・イン・ザ・パーティー)』の仕上がりは良好だったね!』

 

 映ったのは全長15メートルはあろうかという巨大なロボット。今日はやたらロボットを見る日だ。

 束さんと、その傍にいるクロエちゃん。

 

『破片はまとめてこっちで引き受けたよ! だから!』

『申し訳ありません、一夏さん。こちらはエネルギーが切れています……だから』

『後は、任せたッスよ』

『地球を頼むぜ、エロガキ』

 

「……誰がエロガキだ」

「信頼されているみたいで良かったわね」

 

 地上からの通信。

 スコールが乾いた笑みを浮かべる。

 

「でも、これをどうやって処理するのかしら?」

「撃破するしかねえだろ」

 

 だが、大気圏を突破し、全力で戦闘機動を行った代償は大きい。

 恐らくここで継戦すれば――俺もスコールも地上に戻れない可能性が高くなっていた。

 

「怖いか」

「……そっちこそ、手、震えてるわよ」

「武者震いだ、察しろ」

 

 右手を無理矢理に左手で握りこむ。

 もうちょっと頑張れよ俺。

 

 すでに俺もスコールもロボットも、あと少しで大気圏突入コースだ。

 阻止限界点まではもう時間がない。だからと言ってここで躊躇いなく特攻するほど俺は人間性を捨てていない。

 

『一夏君』

「ッ」

 

 相川の、声。

 

『無理しなくても、いいよ』

「バッ、そんなことしたら、日本が」

『それでもいいよ、一夏君が死ぬより、そっちの方が、ずっといいっ。けれどッ』

 

 きっと俺を励ますためではない。

 きっと俺を促すためではない。

 それでも彼女は伝えようと、涙目で、俺に語り掛ける。

 

『君自身が決めて、君自身が成すべきと思ったことを成して』

「……俺自身が、成すべきと思ったこと」

『うん! だって、私の知る織斑一夏は、そんな人間だから』

 

 そう言って相川は笑った。

 あ、多分、俺こいつのこと好きだわ。

 

『だから、君自身が願うのなら。君が迷うことなく選べるのなら』

「…………」

『一夏君、世界を――』

 

 それは。

 それはきっと、いつか聞いた言葉。

 

『私達を、守って』

「……ああ」

 

 諦めかけていた心に決意の炎が宿る。不退転の戦士がこの宇宙に君臨する。

 開眼――四肢を力が満たし、俺は。

 

「ああ、ああッ! やってやる、やってやんよ相川! 俺は、俺は――お前を、守るッッ!!」

 

 スラスター点火。

 もはや帰還など考えない。この命、ここで燃やし尽くす使命だと思え。

 愛する少女のために、命を懸けて世界を救うなんて――嗚呼、俺、最高の主人公じゃん。

 

『スコール……』

「……オータム」

『うまいもん作って、待ってるからな』

「……ッ。ええ、そうね、待っていて頂戴ッ!」

 

 隣の女もまた、バイザー越しでも分かるほどにギラついた瞳で顔を上げた。

 

「さっさと行こうぜ、ラスボスよォ」

「ええ行きましょうか、主人公さん」

 

 白と金が爆発的に加速、瞬時に視界が白熱しISアーマーを含む俺たちの体が灼熱に包まれる。大気の層が俺たちを摩擦死させようと凄まじい負荷をかけてくる。

 だが、もう止まらない。この体が焼き尽くされたとしても、俺たちの魂は永遠に加速し続ける。

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァイカワアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァ!!!」

「オオォォォオォオオオォオオオオオォオオオオオオオオオオオオオォォォオオオオオタムゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッ!!!」

 

 愛する人の名を叫びながら流星と化し――俺とスコールは、衛星本体の眼前に躍り出た。

 握った『白世』から外装をパージ、形状を一新。

 青眼に構えるは姉から引き継ぎ、そして俺の精神を司る最高の相棒――『雪型弐型』ッッ!!

 

 同様にオータムもまた、長大な太刀を構えた。

 二人の視線がかち合い、互いにやるべきことを確認した。レーザーが直撃しエネルギーを根こそぎ持っていかれる。だが、ここで回避運動を行えるほどの余裕はもうない。

 ただ一刀の下に。

 眼前の衛星を、真ッ二つに切り裂いて――愛する人のために世界を救うッ!

 

「「篠ノ之流剣術」」

 

 太刀を腰元に構え。

 

「「陽ノ型」」

 

 PICにより足場を固定し。

 

「「壱之太刀」」

 

 一刀に全身全霊を叩きこむ。

 

「「――『水面滑螺子(みなもすべらし)』ッッ!!」」

 

 俺とスコールが声を合わせ、二人で太刀を振るった。

 

 まあ、なんだ。

 ウエディングケーキ入刀にしちゃ、規模がデカ過ぎるし、花嫁はこいつじゃねえよな、って感じだ。

 二つに切り裂かれたその衛星。ツインアイの眼光が明滅し、消えた。

 俺とスコールはそれぞれ荷電粒子砲を展開すると、雀の涙のエネルギーを総動員して叩き込む。直撃、爆散。このぐらいの大きさなら中のウィルスごと燃え尽きてくれそうだ。

 

「ハァッ、ゼェッ、ハァッ……なんとか、なった、のか……」

「はあ、はあ、ふう……どうやら、そうみたいね」

 

 周囲に浮遊する衛星だったデブリ。

 もう完全に限界だ。俺は脱力して、大気との摩擦で融解していくISアーマーを見やった。

 

『お疲れ様、一夏君』

「ああ。とにかく、こっから離脱しないと……」

『織斑、いったん重力圏から離脱しろ。そうすればどうとでもなる。間違ってもそのまま流れ星になるなよ?』

「俺が流れ星になったらちゃんと結婚相手が見つかるように3回お願いすればいいんじゃね? あっごめん冗談そのマジギレ顔やめてくれ」

『ほんと、ちゃんと帰って来なさいよね』

「安心しろ、クロエちゃんとのデートも残ってるしこの世にはまだ見ぬロリがたくさんいるんだ、こんなところで死ねるかよ」

『……今の発言が全世界に中継されていると知ったら羞恥心で死にそうですわね、この人』

『セシリア、それは酷だから黙っていてあげよう?』

「あ? なんか言ったか?」

『何でもないぞ安心しろ』

 

 EU組が気の毒そうに俺を見ていた。なんだこいつら。

 エネルギー自体は放っておけばある程度回復する。十分回復してから大気圏に突っ込み、エネルギーバリアーを使って突破。そうすれば、全員無事でハッピーエンドだ。

 

 だが。

 不意にアラート。ウィンドウが立ち上がる。表示されたのは美しい蒼の惑星と、そこに力なく引かれていく金色のIS。

 俺の相棒が、『輝夜姫』が、臨時のパートナーであった『ワールド・パージ』がエネルギーを失い、落下していくのを見つけてしまった。

 

「スコール!? おい、どうした!」

「……気にしないで頂戴。エネルギーがゼロになったのよ。どうやら、私はここまでみたい」

 

 ふざけんなッ!

 ここに来て誰かが死ぬなんて、許せるかよッ!

 スラスター点火。『輝夜姫』の警告を無視して加速しスコールに近づく。

 

『一夏ッ!? 何をしている、早く戻れ! 一夏、一夏ァッ!!』

『一夏君ダメぇっ! 戻って、戻ってよぉっ、お……く……』

「ダメだぁぁぁっ! ダメだ! ダメだスコールッ、こんなところで無駄死にすんじゃねェッ」

「もう遅いわよ……あなたこそ、バカなことをしたわね」

 

 つないだ手。だがそこで、俺も自分の状況に気付く。エネルギー残量ゼロ――背部ウィングスラスターが完全に停止した。通信がノイズだらけになり、やがて遮断される。すでに俺たちの体こそが、阻止限界点を超えていた。

 

「バカな子……」

「……ハッ、主人公とラスボスが相討ちなんて、陳腐すぎてコメントもできねえな」

「あら、私はそういう陳腐さは好きよ」

 

 軽口の叩き合いをしている間にも、凄まじい負荷が俺の体を蝕む。視界がぐらぐらと揺れて、白と黒の境界線が曖昧になる。

 やばい、意識がもうろうとしてきた。ごめん、相川、ちょっと、言いたいことあったんだけどな。

 帰れない、かも。

 

 スコールが俺の体を引き寄せる。抵抗する術もなく、俺はすっぽりと彼女に抱きしめられる形になった。

 

「ねえ一夏、あなたはどこに落ちたい?」

 

 そう言ってほほ笑んだスコールの微笑と、誰かのそれが、重なった。

 

「かあさん……?」

 

 体が流星と一体化する。

 俺の意識は、それきり焼け落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 目を開けると、満天の星空が広がっていた。

 俺の体は砂浜に打ち上げられていて。

 なんだここ。天国かよ。

 

『私のワンオフが間に合って良かったわね、危うく巻き込まれて死ぬところだったわ』

 

 スコールからの通信。秘匿回線教えてくれたのかよちょっと得した気分。

 

『位置情報は教えてあげたから、すぐに救助が来ると思うわ』

「おう……俺、なんで助かったんだ……?」

『私も驚いたのだけど、『ワールド・パージ』のワン・オフ・アビリティが発現したのよ、あの土壇場でね』

「は?」

『起動条件が愛だなんて、タチが悪いと思わない?』

「えっ……えっ、えっ」

『大丈夫安心して頂戴、あなたを取り巻く女の子たちとは、また違ったものだから』

 

 それきり、通信は終わった。

 遠くから俺の名を呼ぶ声が聞こえる。

 

「一夏君っ!」

 

 一番最初に俺の下へ駆けつけて、泣きながら体にしがみつく相川の頭を見て、俺は、なんだかすごく安心した。

 良かった。俺、こいつのこと守れたんだ。

 

「良かったぁ……戻ってきてくれた……もう、心配、したんだからね!?」

「悪い……許せよ……」

「……うん」

「ホント……なんていうかさ……」

「うん、うんッ」

「お前……結婚したらいい奥さんになるよな……」

「うんッ……うンッッ!?」

 

 面白いぐらい真っ赤になる相川。

 自分でも何言ってんだかなあ、とは思う。

 遠くからヘリの音と、他の候補生たちの声が聞こえる。

 しかし、疲れた。俺は耐えがたい睡魔に身をゆだね、最後に、何か口をパクパクさせながら耳まで赤くした相川を見て、笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 誰とも目が合わない一組教室。

 みんな俺から意図的に視線をそらし、本をさかさまにして持っていたり、自分の腕を抱きしめて俯いたりしている。

 誰だってISを起動できる男子のレイプ目なんて見たかねえと思いますよはい。

 

「実は俺、いじめを受けてるんです」

 

 教壇に立つ俺が口を開いた瞬間、視界の隅でファースト幼馴染が噴き出しで机に突っ伏した。

 

「町を歩けば後ろ指を指され、ネットを見れば世紀のロリコンと叩かれています」

 

 どこかの英国淑女が「と、当然ですわ……」と小声で呟いた。

 

「俺のWikipediaのページを見たら、『地球を救ったロリコン』なんていうネットスラングが付けられていると書いてありました」

 

 ドイツとフランスから来た金銀コンビがひっきりなしに机に頭をガンガンぶつけて何かをこらえ始めた。

 

「全世界が敵になってしまい、俺はこれからどうやって生きていけばいいのでしょうか」

 

 二組代表とか生徒会長とその妹とかがどこかで『擁護できない……ッ!』と叫ぶ。

 

「こんなことになったのも俺が独身貴族なせいだと思うのです。俺が結婚済みだったらこんな目には遭わなかったはずなのです」

 

 何故か出席番号一番の少女が顔を赤くしてもじもじし始めた。

 

「早く……早く、彼女がほしい……」

「授業を始めるから席につけ馬鹿者」

 

 姉さんの出席簿アタックを受けて、あえなく地球を救ったロリコンはきりもみ回転をしながら吹き飛んだ。

 

 こういう感じのは萌将伝で山ほど見てるんだよ。

 やっぱ暴力オチってクソだわ。


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