魔法世界興国物語~白き髪のアリア~   作:竜華零

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アフターストーリー第30話「ボクノ、ダイジナキミ:後編」

Side エヴァンジェリン

 

「・・・アリア!」

 

 

『ブリュンヒルデ』が飛び立った直後、私は移動用の簡易ベッドに乗せられているアリアの傍に行った。

ブロントポリスに置いて来た奴らのことも気になるが、今はとにかく目の前のアリアの方が重要だった。

アリアは、意識はあるようだが・・・もう、声も出せない程に衰弱している。

顔色は蒼白で・・・。

 

 

素人目にも、危険だとわかる。

処置室へと移動しながらも、私はアリアの手を握ってやっている。

傍には茶々丸と・・・もちろん、若造(フェイト)もいる。

 

 

「・・・」

 

 

誰も何も言わないが、胸にあるのは気持ちの良い感情では無いだろう。

後悔かもしれないし、自責かもしれない、怒りかもしれない。

対象が、違うだけで。

 

 

ズ、ズン・・・!

 

 

その時、船体が大きく揺れた。

かなり大きな揺れで、何人かの兵や侍医がその場に倒れる。

私と茶々丸、そして若造(フェイト)は踏み止まる。

踏み止まって・・・アリアを乗せたベッドが倒れないよう、支える。

 

 

「・・・・・・何だ!?」

『・・・悪魔っス!』

 

 

揺れが収まった後、私の声が聞こえたわけでは無いだろうが・・・艦橋から『ブリュンヒルデ』全体に放送が入る。

だが、悪魔と言う単語は気に入らない。

ああ・・・気に入らないな。

 

 

『たぶん、最下級の使い魔っスけど・・・数が半端無いっス! どんだけの魔力こめればこんな数に・・・っ!?』

「砲座に行くよ。生憎、私がここにいても役に立てないからね」

 

 

放送の最中に、龍宮真名が砲座へと駆けて行った。

こんな状況でも冷静に自分の仕事を見つけて果たすのは、流石と言うべきか。

だが・・・。

その時、再び船が揺れた。

 

 

『か、艦体に取りつかれたっス――――!』

 

 

・・・状況は、最悪のようだ。

どう言うわけかは知らないが、どこぞの誰かがこの船に使い魔をけしかけている。

・・・少しは静かに、産ませろよ・・・!

 

 

思わず、ぎゅっ・・・とアリアの手を握っている手に力を込める。

・・・だが、アリアは握り返して来ない。

 

 

「・・・陛下!?」

「不味い、意識が・・・」

「アリアさん!」

 

 

侍医団が騒ぐ・・・気絶したのか!?

ちょ・・・それって、不味いんじゃ無いのか。

茶々丸が耳元で名前を呼びながら、頬を軽く叩いている。

 

 

わ、私は・・・何をすれば良い?

ここにいて役に立てないのは、龍宮真名だけでは無い・・・私だって。

 

 

「・・・頼むよ」

「あ・・・おい」

 

 

すると、若造(フェイト)がその場から離れようとするのが見えた。

私が呼び止めると、振り向く。

いつも通りの無表情、無機質な目で・・・私を、いやアリアを見る。

 

 

「甲板に出て、迎撃するよ。砲撃じゃ細かいのは無理だろうからね」

「そ、それなら・・・私が」

 

 

私が、迎撃に出る。

お前は・・・アリアの傍にいなくちゃ、ダメだろう。

 

 

「・・・残念だけど、今のキミには広範囲殲滅戦闘はできない」

「いや、それは・・・そうだが」

「アリアを・・・頼むよ」

 

 

・・・そう言って、若造(フェイト)は行った。

その目は、最後までアリアを見ていて。

頼むって・・・何だよ、それ。

 

 

どうして皆、私に後を任せて・・・行くんだよ。

どうして皆、そんな・・・勝手なんだよ・・・っ!

・・・畜生!!

 

 

「・・・ゴシュジン」

「わかってる!」

 

 

チャチャゼロに促されて、私は若造(フェイト)の向かったの方向と反対側に駆け出す。

そっちは、アリアを乗せたベッドが角を曲がった所で・・・。

私は、アリアの傍にいるために・・・駆け出す。

・・・どうしようも無い、無力感を抱えて。

 

 

 

 

 

Side フェイト

 

・・・吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)を残したのは、広域殲滅魔法が使えないからだけじゃない。

正直な感想を言えば、彼女が本気になれば1人で万単位の敵を屠ることもできると思う。

 

 

単純に・・・もしもの時のために、誰よりも強い彼女を残しておきたかった。

アリアの傍に彼女がいれば、きっと・・・何があってもアリアは大丈夫だと思えるから。

単純に言って、僕よりも強いからね。

本当は・・・僕がアリアの傍にいてあげたいのだけれど。

 

 

「そこは少し・・・嫉妬、だね」

 

 

たぶん、嫉妬と言うのが正しいのだろうね・・・この感情は。

手元の装置を操作すると、甲板へ通じる扉が開く。

整備士が使う扉の一つで・・・普段、飛行中に開くことは少ない。

 

 

機械音を立てて、扉が上へとスライドする。

すると、開いた先から人間の物では無い爪のような指先がかかる。

・・・悪魔の指。

サイズ的には僕と変わらない、最下級の使い魔。

開ききった瞬間に飛び出してきたそれの頭を、片手で掴んで止める。

 

 

「・・・邪魔だよ」

 

 

身体を捻ってもがいていたそれの頭を、握り潰す。

僕は<地>のアーウェルンクス、膂力は・・・他のアーウェルンクスよりも強いよ。

握力、筋力・・・基礎体力。

 

 

「・・・僕が出たら、閉じておいてね」

「は、はいっ・・・!」

 

 

この扉の近辺の区画の警備を担当している女性兵にそう告げて、僕は外に出る。

ぶわっ・・・と風が僕の全身を撫でる。

だけどそれ以上に、甲板全体を埋め尽くしている使い魔に目を奪われる。

 

 

醜悪な外見をしたそれは、黒い影のようでもある。

形は様々で、獣のような物もあれば人型の物もある。

甲板だけで無く、『ブリュンヒルデ』の艦体周囲を使い魔が取り囲んでいる。

・・・どこから、いつ出て来たのか。

でも、それを考えている暇は無いね。

 

 

「・・・邪魔だよ」

 

 

いろいろな意味で、キミ達は邪魔だ。

白銀に輝く甲板の上で、僕は両手を広げる。

・・・そう言えば、6年前の戦いで似たような状況になったことがあったね。

今は、あの時よりも状況は悪いかもしれないけれど。

 

 

「『千刃黒曜剣』」

 

 

ジャカッ・・・と、僕の周囲に千本の黒い剣が生まれる。

・・・悪いけど。

 

 

「静かにしていてくれないかな」

 

 

大事な時なんだ、今。

アリアにとっても・・・僕にとってもね。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

・・・気が付いた時、そこは白い部屋でした。

白いと言っても、自然な色では無くて・・・いわゆる、人工的な色合いです。

無味乾燥と言うのが、表現としては正しいのかもしれません。

 

 

霞む視界の中で、小さく周囲を見渡します。

良く見えないのですが・・・何人かの人が私を囲んでいるのがわかります。

その内の何人かは、私に何かを言っている様子です。

でも、良く聞こえなくて・・・っ。

 

 

「は、あああぁぁぅ・・・っ!?」

「アリア!」

 

 

不意に、全てが戻って来ます。

眼は光を捉えて、耳は音を。

頭は記憶を、そして身体は、痛みを取り戻します。

正直、最後の方はいらないです・・・っ。

 

 

「あ、あぅっ・・・はあぁぁ・・・ぁ・・・っ」

「アリアさん、大丈夫です・・・落ち着いて、息をしてください!」

「ぁ・・・茶ち・・・ゃ・・・うっ」

 

 

左側に、茶々丸さんがいました。

私の額に布を押し当てて、たぶん、汗とか拭ってくれてるんだと思います。

手術着みたいな服を着ていて、マスクとかしてます。

どうも、息をしろって言われてるんだと思いますが。

 

 

息、息・・・息って、何でしたっけ・・・?

喉が渇いて・・・唇が痛いです。

胸、苦しぃ・・・っ。

 

 

「・・・ぃぬ、死んじゃ・・・ぅ・・・っ」

「大丈夫だ、死なない! 死なせない!!」

 

 

ぎゅううっ・・・と、右手が誰かに掴まれています。

右側にいる人が、私に・・・必死に、呼びかけて来ていて。

その声が私を起こしたような、そんな気がします。

 

 

「え・・・えぁっ、さ・・・ぃた、いっ・・・痛いぃ・・・っ!」

「な、泣き事を言うな! 母親になるんだろ!!」

 

 

お、お腹の下の部分が、とんでも無く痛いです。

お腹が張ってるとか固いとか、そう言うレベルで文句言っててごめんなさい・・・っ。

誰に対してかはわかりませんけど、何となく謝りたくなりました。

 

 

謝って終わるなら、もう何回だって謝ります。

だから・・・だから、早く終わって。

何が何だかわからないですけど、こんなに痛いのは、もう嫌ぁ・・・。

ポロポロと涙が溢れてきて、止まりません。

 

 

「ぃ、た・・・痛い・・・痛いぃっ!!」

「う、う・・・シエンッ!」

「大丈夫、痛い痛いって言ってる内は大丈夫ですよ・・・っ」

 

 

し、シエン・・・あ、助産婦さん?

こんな・・・こんなに、痛いなん、て。

に・・・二度と、妊娠なんて・・・っ。

 

 

「だ、大丈夫、大丈夫だぞ・・・頑張れ、頑張れ・・・!!」

「う、うううぅぅうぅ、う・・・っ!」

 

 

エヴァさんの声を耳にしながら、歯を食いしばります。

他は良く聞こえなくて、どうしたら良いかわかりません。

わからなくて・・・ただ痛くて、エヴァさんの手を握るしか、何も・・・。

 

 

・・・どうして。

どうしてここには、あの人がいないの・・・?

 

 

 

 

 

Side 真名

 

やれやれ、どうにも分が悪いね・・・!

『ブリュンヒルデ』の全砲塔を指揮下に置いて、私は引き金を引く。

砲撃手がエネルギーを充填させて、主砲と副砲を間断なく発射する。

 

 

『ろ、6時の方向から敵小集団!』

「・・・!」

 

 

通信機から響いた報告に、私は座席を180度反転させる。

ぎゅるっ・・・と飾りの銃座ごと後ろを向いて、艦体後部の副砲と連動した引き金に指をかける。

甲高い電子音を立てて、後方6時の方角から襲い来る敵の使い魔の集団に照準を定める。

 

 

―――――狙い撃つ!

裂帛の気合いを込めて引き金を引き、10数の副砲が同時に火を吹く。

ウェスペルタティア製の精霊砲が、6時方向から来ていた使い魔を数十体は薙ぎ倒す。

・・・だけど、全部は無理だね。

何体か砲撃から逃れて、艦体に取り付こうとしている。

 

 

「こうなると、砲撃じゃ無理だね・・・機銃座、中にいれるなよ!」

『『『了解(ヤー)!!』』』

 

 

艦体各所に備えられている機銃座から、対空戦闘用の重機関銃が次々に火を吹く。

対魔コーティングが施された特殊弾は、最下級の使い魔ごときなら楽に撃ち抜ける。

正直、敵の強さは大した事が無い。

 

 

むしろ数だ、ここの360度スクリーンで把握しているだけで1000弱。

1隻の戦艦にこれだけ付かれると、かなり困るね。

鬱陶しいとも言えるよ。

しかも、他の護衛小艦隊とはぐれてしまってはね・・・孤立無援だ。

後はもう、エリジウム大陸外に必死に逃げるしか無い。

 

 

『隊長、機竜隊はいつでも出れますぜ!』

「そのまま待機! ハッチの周辺に使い魔がいる!」

『でも、このままじゃ嬲り殺しですぜ!』

 

 

傭兵隊の中で機竜を扱える連中が、血気に逸って出撃許可を求めてきている。

ブロントポリスでは近衛と親衛隊に良い所を持っていかれたからね・・・焦りもあるのかもしれないね。

だけど・・・。

 

 

「ハッチを開けると・・・中に侵入される!」

『何とかならねぇんですかい!?』

「とにかく待機だ・・・よっ!」

 

 

引き金を引き、精霊砲を撃つ。

本当、かなり厳しいね。

ここまで厳しいのは、6年前の戦い以来じゃないかな。

 

 

・・・最近、優位な状態からの戦闘ばかりだったから。

その意味では、久しぶりの負け戦、撤退戦。

・・・まぁ、給料分の仕事はするさ!

 

 

 

 

 

Side フェイト

 

大型の使い魔はいない、小型の使い魔ばかりだ。

戦艦を落とすつもりで放っているとは思えない、なら時間稼ぎと考えるのが妥当だろうね。

問題は、何のために時間を稼いでいるのかと言うことだけど・・・。

 

 

「『千刃黒曜剣』」

 

 

千本の黒い剣を何度も作り出し、射出する。

艦体を傷付けるわけにはいかないから、少し距離のある使い魔を落とすのに使う。

ある程度は操作もできるし、時に鋭角に曲がり続けて敵の使い魔を屠る。

 

 

魔装兵具『千刃黒曜剣』の攻撃能力は、圧倒的だ。

複雑な動きをしない使い魔の間を蹂躙し、戦果を拡大していく。

問題は、すでに艦体に取り付いている使い魔だった。

下方や側面のは、機銃座にある程度は任せられるけれど・・・。

 

 

「・・・!」

 

 

頭上から襲いかかって来た使い魔が、先程まで僕がいた位置に落ちて来る。

『ブリュンヒルデ』の甲板の表面が、重みと衝撃で小さくヘコむ。

バックステップでそれをかわした後、周囲に浮かべた黒い剣の内から数本を射出し、使い魔の身体に突き立てる。

 

 

ひゅっ・・・と両腕を振るい、黒い剣を左右に放つ。

剣が刺さり、僕の両側にいた使い魔が悲鳴も上げずにボロボロと崩れ落ちる。

どうも、随分と脆いようだけど。

 

 

「・・・この構成魔力には、覚えがある」

 

 

そしてその使い魔の身体を構成する魔力・・・つまり、術師の魔力に僕は覚えがある。

かつて、契約によって使役したことがある悪魔の物に酷似している。

それは・・・伯爵級悪魔、ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマンの魔力。

数ヵ月前、政治犯収容所からネギ・スプリングフィールドその他を連れて逃げた、悪魔。

 

 

・・・だけど、この使い魔達の構成魔力には淀みがある。

つまり、混ざり物と言うことだ。

悪魔の物と混ざり合う、この魔力は・・・人間の物。

そう、彼の物だ。

 

 

「『千刃黒曜剣』!」

 

 

再び、千本の漆黒の剣を周囲に放つ。

それは甲板周辺の使い魔を薙ぎ払い、使い魔の群れの一角をごっそりと削り取ることに成功する。

 

 

・・・パチパチパチパチ。

 

 

その時、拍手が響いた。

それはこの場所には不似合いな音であって、ある意味では不快でもある。

そしてその拍手は、突然この場に現れた男によって行われていた。

 

 

「・・・キミは」

「いやいや、久しぶり・・・と、言うべきかな?」

 

 

漆黒のコートに・・・赤い髪と目。

・・・ネギ・スプリングフィールド。

だがその身体から感じるのは、悪魔の魔力だ。

 

 

「・・・ああ、ちなみにここへはある人形から拝借した転移符で来たのだがね」

 

 

・・・人形。

脳裏に浮かぶのは、西洋人形に魂を乗せた陰陽師。

 

 

「何分、エリジウム大陸の外には出てほしくなくてね・・・おやおや」

 

 

何か言っているようだけれど、話を聞く必要は無いね。

僕は右手に持った黒い剣の切っ先を、ヘルマン・・・ネギ君に向ける。

それに対して、ネギ君の顔に嫌な笑みが浮かぶのが見える。

 

 

いろいろと聞きたい話もあるのだけど・・・。

・・・キミを倒して、使い魔を消させてもらうよ。

 

 

 

 

 

Side エヴァンジェリン

 

こう言うと問題だが、私はアリアと出会ってからと言う物、無力感に苛まれることが多くなったように思える。

今も・・・私には、何もできない。

 

 

「う、ううぅぅぁぁああぁ・・・っ!!」

「陛下、もう少しです!!」

「陛下、もう一度!」

「・・・っふううぅ、ぅぅ・・・ぁっ!」

 

 

シエンやルーシア、助産のための侍医の言葉も、今のアリアを慰めているとは思えない。

もう、どれくらいの時間が過ぎたのかもわからない。

1分かもしれないし、10分かもしれない、1時間かも・・・。

 

 

その間、私はずっとアリアの手を握って、無責任に「頑張れ」と言うことしかできない。

アリアは今、私には経験できない「産みの苦しみ」を味わっているんだ。

私には、何もできない。

何も・・・何もだ!

 

 

「アリアさん・・・落ち着いて、息を吸って・・・吐いて・・・」

 

 

出産用の特別なベッドに寝かされたアリアは、外の状況を知らない。

それでも破水から陣痛開始、そしてここでいくつかの薬を使って出産を促進して・・・きっと、混乱しているはずだ。

 

 

茶々丸はそんなアリアを落ち着けようとしているのだろう、汗を拭いてやったり、水を含んだスポンジを唇に当ててやったりしている。

これは私が勘違いしていたのだが・・・ラマーズ法と言うのは呼吸法のことでは無く、それを含めた精神予防性無痛分娩法のことを言うらしいな。

だから茶々丸は、精神的にアリアの苦痛を和らげようとしているわけで・・・。

 

 

「・・・は、ぅ、ぃぃい、ぎっ・・・ぃっ!」

 

 

・・・私は、そんな気の効いたこともできない。

自分が情けなくて・・・ただこうして、アリアの手を両手で握ることしか。

ぎゅううっ、と握り締めてやることしか。

 

 

アリアは、本当に苦しそうで・・・辛そうだった。

額には玉の汗が浮かんでいて、ポロポロと涙を流し続けて、可愛らしい顔を歪めて、唇を噛み切る程に歯を食いしばって・・・全身に、断続的に力を込めて痙攣している。

口を開けば、悲鳴ばかりで・・・。

 

 

「・・・あ、あ・・・ぁぁああ、ぁ・・・くぅあっ!!」

「・・・頑張れ・・・頑張れよ・・・!」

 

 

私はただ、早く終わるように祈るしかできなくて。

アリアの右手を両手で握り締めて・・・それに額を押し付けて、震えていることしかできない。

畜生、畜生・・・。

 

 

「頑張れ・・・頑張って・・・頑張って・・・!」

 

 

・・・子供を産むと言う痛みを、私は感じることができない。

だから、逃げ出したくなっても・・・私はアリアの傍を離れない。

それくらいしか、してやれないんだよ・・・!

 

 

どうして・・・どうしてだ、畜生。

どうして皆、出産の時くらい大人しくしていないんだ。

頼むから・・・静かに、産ませてやってくれ。

頼むよ、そんなに贅沢な願いじゃないだろ・・・!

 

 

 

 

 

Side ラスカリナ・ブブリーナ(ブリュンヒルデ艦長)

 

状況は、極めて厳しいと言わざるを得ない。

味方の護衛小艦隊とも分断され、我が『ブリュンヒルデ』は孤立無援だ。

おまけに、医療区画の機能の半分はアリア様のご出産のために使用されている。

 

 

艦内に敵の使い魔の侵入が無いため、負傷者が少ないのが幸いだった。

とは言え、一介の艦長である私が判断して行動するには、あまりにも厳しい状況だ。

せめて正式な艦隊司令官がここにいてくれれば・・・私では、『ブリュンヒルデ』の行動に関する判断しかできない。

 

 

「か、艦長・・・甲板に新たに巨大な魔力反応っス!」

「何・・・!?」

 

 

これまでの所、『ブリュンヒルデ』の乗員各員と龍宮真名、そして夫君殿下の活躍によってどうにか保っているが・・・。

ここに来て、新たな要素が出てくるとは・・・。

 

 

「映像に出せるか!?」

「や、やってみるっス!」

 

 

オルセン副長が返事を返した数秒後、艦橋のスクリーンに甲板の映像が映る。

そこには、夫君殿下と向かい合う、一人の青年がいた。

赤い髪の、その青年は・・・まさか。

 

 

・・・だがそれを口に出すわけにはいかない、公的な問題になってしまうからだ。

だが、あれは・・・。

 

 

「・・・ブロントポリスの管理空域からは、あとどのくらいで離脱できるか!?」

「え、えー・・・っと・・・あと、30分あれば!」

「保たせろ! この艦は女王陛下の座乗艦・・・『ブリュンヒルデ』だ! 何があろうともこの艦だけは落とされてはならない!!」

 

 

他の艦が撃沈されるのと、この艦『ブリュンヒルデ』が落とされるのとでは、意味が違う。

この『ブリュンヒルデ』が落とされる・・・それはすなわち、女王の敗北、王国の敗北を意味する。

逆に言えば、この艦だけでも安全空域に離脱できれば、それだけで我々の勝ちだ。

 

 

それが、女王の座乗艦を預かる我らの誇り。

それだけは・・・何があっても、させない。

私は、女王の座乗艦の艦長なのだから。

 

 

「周囲の使い魔、離れて行くっス!」

「何!?」

 

 

オルセン副長の言葉に、スクリーンの映像が切り替わる。

すると確かに、群がっていた使い魔達がこの艦から距離を取るのが見えた・・・。

・・・どう言うことだ?

 

 

ズ、ズン・・・!

 

 

その時、艦体が大きく揺れた。

操舵士が悲鳴を上げて警告する中、オルセン副長の声が響く。

 

 

「夫君殿下が、新しい悪魔と戦闘に入ったっス!」

「・・・離脱を急げ!」

 

 

指揮シートにしがみ付きながら、私は代わり映えのしない命令を飛ばす。

他にできることが無い。

だが・・・自分の責任からは、逃げない。

 

 

この艦を、一刻も早く安全な空域へ。

一秒でも、早く・・・!

 

 

 

 

 

Side フェイト

 

今のネギ君の状態は、人間の肉体に爵位級悪魔の魂と魔力を乗せたような物だ。

そしてそれは、ある特定の術式によって結び付けられている。

端的に言えば、その術式を解くことができれば人間の部分と悪魔の部分を切り離せるのだろうけれど。

 

 

「・・・何のつもりだい?」

 

 

僕がそうして相手を分析していると、ヘルマンと融合したネギ君は周囲の使い魔を離れさせた。

 

 

「何、私は複雑なルールを設定するのが嫌いでね。単純(シンプル)に行こう、私を倒せばキミ達は逃げ切れる。倒せなければ私の勝ちだ」

「ふぅん・・・キミが勝った場合、どうなるのかな」

「ふむ、それは確かに重要な所だ・・・ふむ」

 

 

ネギ君は、漆黒のコートを風にはためかせながら腕を組んでいる。

重厚さをまるで感じないのは、貫禄と存在感の問題だろうね。

 

 

「・・・とりあえず、アリア君の肉体を貰」

 

 

相手の言葉が終わる前に、僕の拳は彼の顎を捉えている。

鈍い音と共に彼の顔が跳ね上がり、数歩、たたらを踏んで後退する。

・・・僕の右拳は、殴った衝撃でビリビリとした感触を覚えている。

 

 

「・・・ふ、ふふふふ・・・」

 

 

・・・普通の人間なら、今ので終わっているはずなんだけどね。

彼は踏み止まって、ゆっくりと顔を僕に向ける。

 

 

「・・・!」

 

 

彼の顎、ちょうど僕が殴った部位に奇妙な紋様が輝いている。

幾何学的な紋様でありながら、どこか黒く昏い魔力を感じさせるその紋様は・・・。

 

 

「・・・<闇の魔法(マギア・エレベア)>と言うらしいね、コレは」

「・・・・・・そう言うことか」

 

 

要するに、ネギ君のスキルをヘルマンが使用している。

そして不味いことに、アレは闇の眷属である悪魔にとっては・・・。

・・・ノーリスクのブーストに近い。

 

 

しかし、そうなるとネギ君の肉体はすでに・・・。

と、僕が数秒間考察している間に、ネギ君・・・ヘルマンは掌に黒い魔力の塊を生み出している。

それはどこか雷のようにも見えて・・・その黒い雷を、彼は顔の前で握り潰した。

何かが繋がるような音がした瞬間、黒い雷が僕の前を駆けた。

 

 

「・・・!」

 

 

自分の顔に衝撃を感じたのは、倒れてからだった。

もちろん、僕も無様に倒れたりはしない。

殴られた衝撃をそのまま利用して、その場で一回転。

地面に膝をつく形で着地し・・・・・・顔の左側面に、相手の踵。

 

 

蹴り抜かれる、僕が吹き飛ぶ。

甲板スレスレの所を低空で飛ばされて・・・バンッ、目前の床を叩いて衝撃の方向を変え、身体の位置を戻す。

立て直した瞬間、ネギ君の身体がそこにある。

疾い、そう脳が感じた瞬間には僕の腹部に彼の肘が撃ち込まれている。

 

 

「ふむ・・・『黒雷瞬動』とでも名付けようかな」

「・・・っ!」

 

 

それも一撃では終わらず、複数回、衝撃が続く。

僕の障壁にすら罅を入れるそれは、僕の身体を再び吹き飛ばす。

 

 

「ぐっ・・・あ」

 

 

・・・『千刃黒曜剣』!

甲板から甲板の端へ飛ばされながらも、僕は漆黒の剣の群れを放つ。

しかしそれは、黒い雷と化した相手には掠りもせず・・・代わりに、艦体の周囲に浮いていた使い魔達を巻き込んで行く。

 

 

そして僕自身は、背後に回った彼に打たれる・・・これは、5(クゥィントゥム)の雷化に近い。

アレには劣るが速力は限りなく近い、瞬動では追いつけない。

なるほど、確かに脅威だ。

皮肉なことだね、ネギ君・・・これはおそらく、キミがかつて望んだ領域の技術だろう。

 

 

「そう言えば・・・かつてキミには理不尽な契約を結ばされたことがあったね」

「・・・」

「そう・・・襲撃対象を襲うなとか言う契約だったかな」

 

 

正確には、アリアに触れるな、だよヘルマン。

まぁ、そのおかげでキミは数年間、封印されるハメになったのだろうけど。

・・・アリア。

 

 

僕の妻、僕の女王・・・きっと、僕が傍にいなかったと後で怒るんだろうね。

そして今・・・彼女は出産と言う戦いに挑んでいる。

はっきり言うけれど、僕は彼女が「偉大なお母さん」になることを信じて疑っていない。

だから・・・きっと、暦君達も約束を守ってくれたんだと信じたい。

彼女達の想いは、ボクにはもったいないくらいの物だけれど。

 

 

「なるほど、流石はかの<闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)>の技法だ。これなら私も、没落貴族で無くより上位の爵位に行けるかもしれない」

 

 

ああ・・・パチパチとうるさいね。

何発目かはわからないけれど、ゴンッ・・・と彼の攻撃で僕の障壁が砕ける。

そして彼は、僕の背後へキュンッ・・・と回る。

 

 

視界に残るのは、黒い雷の残滓。

だけど僕の視覚は、彼の位置を的確に掴んでいる。

身体は追いつかない、だから・・・僕が振り向いた瞬間。

僕の左脇腹に、彼の拳が深く叩きこまれた。

その際、彼の腕全体に黒い紋様が浮かび上がって・・・そして。

 

 

「・・・ッ!!」

 

 

振り上げた拳を、ネギ君の顔面に叩きつけた。

彼が顔面から甲板に叩きつけられて、バウンドする。

キュンッ・・・再び黒い雷が僕の背後に回り込む。

 

 

振り向き様、彼の拳が僕の顔を捉える。

そして同時に、僕も相手の顔を・・・再び顎を撃ち抜いている。

 

 

「な・・・」

「・・・風属性の精霊を使って、電位差を固定して移動先を決める」

 

 

彼は再び背後に回り込もうとして、できないことを悟る。

何故ならその途上に、僕の足が置かれていたから。

ネギ君は自分から僕の足に、「当たりに来た」んだ。

 

 

「空気の感触と・・・先行放電(ストリーマー)」

「・・・!」

「最強種の技法で・・・有頂天になったかい、ヘルマン?」

 

 

ただ疾いだけの攻撃、しかも「軽い」。

そんな物は、別に大したことじゃない。

カウンターの餌食にすれば良いだけのこと。

 

 

そして、再び僕の拳が彼の身体に届く。

振り下ろした僕の右拳がネギ君の頬骨を砕いて、彼の身体を甲板に叩きつける。

僕を殴るその瞬間だけは、雷化を解かなければならない。

それが弱点・・・二つ目。

 

 

「ごっ・・・おっ、おおっ・・・お!?」

 

 

骨の砕けた頬を押さえて、ネギ君が悶える。

特にそれに何かを感じたりは、しない。

何故なら僕は・・・一刻も早く、アリアの下へ行かねばならないから。

 

 

「ま・・・待て、待ちたまえ。私をこのまま倒すと、ネギ君の命も・・・」

 

 

悪いけど、僕はネギ君に遠慮してあげるべき理由を何も持たない。

せいぜい、アリアが悲しむかを考えなくてはいけないくらいだ。

僕は右拳に魔力を収束させて・・・倒れたネギ君に近付く。

後ずさる彼を・・・甲板の端にまで、追い詰める。

 

 

「・・・ま、待て待て、そう、話し合おうじゃ・・・」

 

 

答えず、右腕を振り上げる。

そしてやはり、迷わずに振り下ろした。

 

 

「・・・ぬううっ!!」

 

 

キュンッ・・・彼が放った拳を受け止め。

踏み込む、足元が砕ける。

僕の右拳が彼の左胸を捉え、紋様に蝕まれた心臓を撃つ。

振り抜くこと無く、一撃。

彼は・・・吹き飛んだ。

 

 

「ぬおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ・・・っ!?」

 

 

・・・ネギ君は、吹き荒ぶ風に揉まれて落下していった。

そしてその時、同時に・・・おそらくはネギ君が動かしたんだろうね。

僕の後方の空に待機していた使い魔が、背後から僕に突進してきた。

僕はネギ君を殴り飛ばしたままの体勢だったけれど、相手は最下級の使い魔、大したことは・・・。

 

 

 

―――――ギシッ―――――

 

 

 

・・・いつかも感じた身体の軋みが、僕を襲った。

労働党のテロから、アリアを守り損ねた時に感じた・・・軋み。

二度目のそれは、最悪のタイミングで僕を襲った。

軋みが収まった時には、僕の身体は使い魔の突進を受けて、甲板から投げ出されていたから。

 

 

激しい風に揉まれて落下しながら、僕が考えたことは・・・。

・・・アリアのことだった。

アリア・・・僕の大事なキミ。

必ず・・・・・・。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

・・・気が付いた時、私はまた別の部屋にいました。

と言うか、この見なれた天蓋は・・『ブリュンヒルデ』の私の私室のベッドです。

正直、直前までの記憶があんまり無いんですけど。

 

 

「あ・・・アリア?」

 

 

私がうっすらと眼を開けるのが見えたのか、傍にいた誰かが驚いたような声で私を呼びました。

聞きなれたその声は・・・思った通り、エヴァさんで。

目の下に薄い隈を作ったエヴァさんが、そこにいました。

 

 

「・・・ぁ・・・」

「い、いぃいや、無理に喋らなくて良い。ち、ちょっと待ってろ!!」

「・・・ぇ・・・」

 

 

ガタタンッ、といろいろな物に身体をぶつけながらエヴァさんが部屋を出て行った後は、蜂の巣を突いたような騒ぎが待っていました。

まずダフネ先生やルーシアさんなどの侍医団の方々が来て、私の身体を診察して・・・。

 

 

・・・ちなみにこの時点で、私は自分の身体がやたらに軽いことに気付きました。

と言うか、お腹がヘコんでいて・・・身体の節々が軋むんですけど。

 

 

「初産ですので、仕方がございません」

「はぁ・・・」

 

 

そう言う物ですか、と頷いた所で・・・はたと気付きます。

そうですよ、お腹が小さくなってるってことは・・・赤ちゃんは?

わた、私の、赤ちゃんは・・・どこ?

 

 

「い、いやいや、落ち着け。すぐに・・・」

「・・・失礼致します」

 

 

軽く動揺して起きようとすると、エヴァさんが慌てて私を押さえつけてきました。

そしてちょうどその時、寝室の扉が開いて・・・茶々丸さんが入って来ます。

茶々丸さんの、腕には・・・。

 

 

「あ・・・」

 

 

そこには、小さな布の塊があって・・・塊って言うか、その。

その・・・私の、赤ちゃん・・・です、よね?

 

 

「はい、アリアさん」

 

 

柔らかな声で茶々丸さんが答えると、布の中で赤ちゃんがもぞもぞと動いているのがわかりました。

エヴァさんに身体を支えて貰って、ベッドの上で上半身を起こします。

そんな私に、茶々丸さんが・・・赤ちゃんを、渡してくれます。

 

 

は、初めて・・・初めて、赤ちゃんを抱きました。

我ながら拙い抱き方ですけど、だ、大丈夫ですかね・・・?

赤ちゃんは意外に重くて・・・覗きこむと、小さな小さな顔が見えました。

目はまだ開ききってませんけど、生え揃っていない髪は・・・白。

白い髪の赤ちゃんは、とても重くて・・・とても、とても温かくて。

 

 

「な、泣く奴があるか・・・」

「す、すみません、でも・・・何だか、感極まっちゃって」

 

 

段々と思い出してきましたよ・・・そう、まさに死ぬほど痛かったんですから。

痛みに耐えて・・・ちゃんと、産めました。

それが嬉しくて、涙が滲んでしまいます。

 

 

「・・・ふえぇ・・・っ」

「え・・・わ、わわわっ・・・」

「ああ、いけません。お疲れなのでしょう」

 

 

私が泣いたせいかはわかりませんが、赤ちゃんまで泣き出してしまいました。

どうしたら良いかわからずにオロオロしていると、茶々丸さんが助けてくれました。

赤ちゃんを茶々丸さんに渡して・・・。

 

 

「ちなみにお前、抱くのは2回目だからな」

「へ?」

「出産直後にも抱かせて貰ったろ・・・まぁ、その後すぐに力尽きたみたいだから、覚えて無いだろうが」

 

 

な、何てことでしょう、そんな大事な場面を覚えていないだなんて!

必死に思い出そうと頑張っている間に、赤ちゃんは茶々丸さんが新生児用の部屋へと連れて行ってしまいました。

リアルにショックです、もう少し抱っこしたかったんですけど。

 

 

・・・あ、そう言えば。

私はキョロキョロと周りを見回しますが・・・ここにいるべき人がいなくて、首を傾げます。

悩んでいても仕方が無いので、聞いてしまいますけど・・・。

 

 

 

 

「あの・・・フェイトはどこですか?」

 

 

 

 

瞬間、場の空気が凍りついたかのようでした。

侍医や侍女は顔を上げず・・・エヴァさんですら、顔を逸らします。

・・・?

 

 

私は首を傾げつつ、次々に聞きます。

晴明さんは、田中さんは、暦さん達は、知紅さん達は、ジョリィ達は・・・?

どうして皆、ここにいないんですか?

どうして誰も、答えてくれないんですか?

まぁ、後半の方々は仕事かも・・・仕事?

 

 

「・・・いないよ」

 

 

寝室の扉に身体を預けるようにして立っていた真名さんだけが、かろうじてそれだけ教えてくれました。

いない? いないって、どう言う・・・。

 

 

不意に。

 

 

不意に・・・記憶が、戻って来ます。

整合性を、取り戻し始めます。

断片的な、途切れ途切れなそれらが繋がって・・・理解へと。

理解。

何て、嫌な言葉。

 

 

 

 

「・・・フェイトは、どこですか?」

 

 

 

 

今度は、震える声音で問います。

誰でも良いから、私が信じられる答えを言ってほしかった。

どうして誰も、何も言ってくれないんですか。

 

 

シーツを握り締める手が、ギリリ・・・と音を立てます。

爪が掌に食い込んでいるのがわかりますが、そんなことはどうだって良いんです。

 

 

 

 

「皆は・・・フェイトは、どこ?」

 

 

 

 

・・・どうして誰も、私と目を合わせてくれないんですか。

どうして誰も、教えてくれないんですか。

ねぇ・・・どうして? どうしてですか・・・?

 

 

教えてくださいよ、答えてくださいよ・・・。

・・・ねぇ、エヴァさん。

ねぇ、真名さん・・・ねぇ、皆!

何、何で・・・何で!?

 

 

 

 

「・・・・・・どこおおぉ―――――――――っ!!」

 

 

 

 

ナンデ、オシエテクレナイノ――――――――。




ウェスペルタティア王国宰相府広報部王室専門室・第28回広報:

アーシェ:
アーシェ、です。
お世継ぎ誕生、おめでとうございまーすっ!!
どんどんぱふぱふ~・・・はぁ。
すみません、無理ですよね・・・テンション上げるのは。

これはしばらく、ドシリアスが続きそうですね。
私みたいな人間には、なかなか辛いですよ。


レメイル:
焔さんと同年代、同じ部族の出身の少年。
今はパルティアで大使をやっているらしいです。
ちなみに、焔さんとは同じ部族ですが出身の村が違うのでかなり仲が悪いです。
腰まで伸びたボサボサのオレンジの髪と、赤い瞳が特徴。


アーシェ:
今回のキャラクター紹介は焔さんと犬猿の仲のレメイル君でした。
どうもでしたー。


アーシェ:
では、次回。
女王陛下が・・・女帝への道を歩み始めるかもしれません。
そうでなければ・・・歩けないから。
では、またお会いしましょう。

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