魔法世界興国物語~白き髪のアリア~   作:竜華零

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最近、何故か未来編のストーリーが思い浮かんで来ました。
そのようなわけで、どうぞ。
灰色様・Big Mouth様・司書様・伸様ご希望の要素を含んでおります。


アフターストーリー第3話「天ヶ崎家・家族の肖像・前編」

Side 小太郎

 

トントントントン・・・台所でかぁちゃんが包丁を使う音が、聞こえる。

身体は寝とるけど、耳だけは音の方向を向いとる。

それから、嗅ぎ慣れた味噌汁の匂い・・・。

 

 

『月詠、小太郎を起こしてきてやー』

『はいな~・・・』

 

 

そんな声がして1分もせん内に、階段を上る音がして・・・静かになった。

スス・・・と、俺の部屋の襖が開く音がして・・・。

 

 

「小太郎は~ん、朝ご飯ですえ~? 起きてくだはれや~」

「・・・んー・・・?」

「・・・うふふー、もう、しゃーないですなぁ、小太郎はんは」

 

 

月詠のねーちゃんが、やたらに甘い声を出した。

それを聞いた次の瞬間、俺は跳ね起きた。

正直、まだ完全には起きてへんかったんやけど。

・・・いや、まぁ、毎朝のことやけどな。

 

 

「・・・なぁ、月詠のねーちゃん。いい加減、それやめてくれへんか・・・?」

「そんなん、小太郎はんが自分で起きてくれれば終わる話ですやんか」

「いや・・・せやけどなぁ・・・」

 

 

跳ね起きた体勢のまま、視線を下に下ろす。

そこには、俺の何百個目かの枕に小刀を刺しとる月詠のねーちゃんがおった。

・・・枕、また買わなな。

 

 

「ほな、はよ顔洗ってきてくださいな。朝ご飯、できとりますえー」

「・・・おーぅ・・・」

 

 

まぁー・・・こっちの世界におる時はいつもこんな感じやねんけどな。

もう慣れたわ、ええ感じに起きれるのは確かやし。

 

 

適当に顔洗って、着替えて、俺が居間に降りて行った時には、もう俺以外の奴は揃っとった。

千草のかぁちゃんはしゃもじ片手に人数分のお椀に米を盛っとるし、月詠のねーちゃんは茶ぁ淹れとるし、そんでもって・・・カゲタロウのおっさんは、新聞読んどるし。

 

 

「カゲタロウはん、朝食にしますえ」

「・・・うむ」

 

 

そんでもって、朝飯。

何かもう、これが最近の朝飯・・・つーか、朝夕二食の光景になりつつあんねやけど。

昼飯は基本的に別々やしな。

と言うか、何でこれが普通になってんねやろ。

いや、それ以前にカゲタロウのおっさんと千草のかぁちゃんの間の空気が何か嫌や。

 

 

「カゲタロウはん、今日の卵焼きはどないですやろ?」

「・・・うむ、美味い」

「さいどすか! ふふ、今日の卵焼きは月詠が作ったんどすえ?」

「・・・ふむ、美味い」

「うふふ~、おおきにどすー」

 

 

最近は何故か、月詠のねーちゃんまで変な感じなんやけど。

どうしてか、疎外感を感じんねやけど。

ズズズ・・・と味噌汁を飲みながら、俺はそんなことを考えとった。

まぁ、しゃーないかなぁー、なんて思わんでも、だってなぁ・・・。

 

 

「・・・ってぇ、んなわけないやろがぁ!?」

 

 

ガタンッ、とお椀片手に立ち上がる俺に、千草のかぁちゃんが驚いたような顔をした。

他の2人は、変化がよーわからんわ。

 

 

「かぁちゃん! 毎日言っとるような気ぃするけどやな・・・!」

「小太郎、食事中や、ちゃんと座りや」

「いや、今俺はもっと大事な――――「小太郎?」――――うぃ・・・」

 

 

・・・とりあえず、朝飯を食うことにした。

 

 

 

 

 

Side 千草

 

カゲタロウはんに貰うた桜の飾り簪を四六時中身につける・・・なんてことはせぇへんけど、きちんと直しとるえ、ああ言うのは普段から身につけるような代物や無いさかいにな。

ええ加減、うちもそんな若く無いし。

若い頃やったら、そらまぁ、いくらでもやったらええて思うけど。

 

 

それこそ、新婚のアリアはんとかは、ええんちゃうかなぁ?

何や新婚旅行先から戻って来てから、また仕事増やしたとか聞くけど・・・。

 

 

やっぱ、年若い娘は着飾ってこそやろ。

うちも昔はそうでも無かったんやけど、月詠と一緒におるようになってから、そう思うようになったえ。

うちができひんかった分、ええもん着せてやりたいし、ええもん食わせたいやん。

まぁ、でも、月詠は同性やからまだええけど、小太郎が最近、どうも・・・。

 

 

「何やかんやでわややになっとるけどやなー・・・俺はまだ、こんなオッサン認めてへんからな!?」

 

 

何やろなー・・・エヴァンジェリンはんと仲良くなれるんとちゃうかなー・・・。

どうしてか、今の小太郎を見とったらそないなことを考えてしまうんやけど。

・・・と言うか、5年・・・いや、もう6年になるんか?

とにかく、カゲタロウはんがうちの傍におるようになってから、小太郎の反応はいつも変わらん。

 

 

よっぽど、カゲタロウはんが嫌いなんやねぇ。

片頬に手をついて、溜息を吐く。

 

 

「・・・うーん、小太郎は何がそないに気に入らんの?」

「まず仮面が気に入らん! 次に仮面が気に入らん! 最後に仮面が気に入らん! つーか、飯ん時くらい仮面取りぃや!?」

「ははは、小太郎殿は今日も元気が良いな」

「その態度がすでにムカつくんやってーのにっ!!」

 

 

キシャーッ、と威嚇する小太郎に対して、カゲタロウはんは悠然と構えとる。

・・・まぁ、カゲタロウはんの方がまだ、ちょい強いかなぁ。

それがわかっとるからか、と言うかわかってしまうからか、小太郎はますます不機嫌になって行く。

ああ、これはまたいつものパターンやね・・・。

 

 

「とにかく、俺は絶対にこんなオッサン認めへんからな!」

「あ、ちょ、小太郎!」

 

 

最後に何か犬っぽく鳴きながら、家から飛び出して行ってまうんや。

これが最近の日常茶飯事と言うか、朝の光景と言うか・・・。

・・・ほんま、どないしたもんかなぁ・・・。

 

 

「・・・堪忍どす、カゲタロウはん」

「・・・構わない」

「おおきに・・・」

 

 

カゲタロウはんは、特に何も言わへん。

何も言わずに、ただ待っとってくれはる。

ほんまに、有り難いことや思う。

うちなんかには、もったいないことやて、思うわ。

 

 

けど、うちは・・・。

うちは・・・。

 

 

 

 

 

Side 月詠

 

・・・千草のおかぁさんは、小太郎はんが嫌や言うとる限り、カゲタロウはんの求婚を受けへんつもりやね。

まぁ、でも、あの飾り簪を大事に取っとる所を見ると、気持ちは決まっとるんやろうけど。

小太郎はんも、お子様やからねぇ・・・。

 

 

「・・・おかぁさん、片付け終わりましたえー」

「あ、ああ・・・ありがとな」

 

 

うちがタイミングを見計らって居間に戻ると、俯いて何かを考えとる様子やった千草おかぁさんは慌てて顔を上げて、笑顔でうちの方を見た。

食器洗いを終えたのは事実やから、ええけど・・・。

 

 

でも、やっぱり、元気無いなぁ。

何と言うか、斬り応えなさそうな感じや。

斬らんけど。

 

 

「おかぁさん、もう行かなあかんのとちゃいます?」

「え、あ、ああ・・・せやな、はよ行かんと」

 

 

うちが居間の時計を見ながらそう言うと、千草のおかぁさんは慌てて立ち上がって、パタパタと上に上がって行ったえ。

今日は、何やよーわからんけど、工場かどっか視察に行くらしいえ。

旧オスティアで、何やどんどん新しい工場が建っとるらしいからなぁ。

そう言う技術の出所である旧世界連合としても、権益やら権利やら、まぁ、いろいろとありますやろ。

千草のおかぁさんなんかは、そのせいで出ずっぱりやけど。

 

 

カゲタロウはんも、千草のおかぁさんと一緒に行くんやけど。

カゲタロウはんは、まぁ、いつも通りの格好やから、今さら準備することも無いやろね。

 

 

「なぁなぁ、カゲタロウはん」

「・・・何か、月詠殿」

 

 

うちが声をかけると、カゲタロウはんは何を考えとるんか感情の読めへん声音で応じてくれました。

 

 

「・・・うちは、カゲタロウはんのことは嫌いやないですー」

「月詠殿・・・」

「でも、小太郎はんより好きかと言うと、そうでも無いんですー」

「・・・」

「それだけ知っとってくれはったら、うちはカゲタロウはんのこと好きでいたりますー」

 

 

うちとしてはまぁ、千草のおかぁさんや小太郎はんがええて言うなら、別にええと思うんです。

逆に、あかん言うんであれば、別にそれでもええと思いますー。

せやから、うちは千草のおかぁさんとカゲタロウはんの間のことについては、何も言いませんわ。

積極的な賛成もする気は無いですけど、反対する気も無いです。

 

 

「・・・ほな、月詠、行ってくるえ」

「はいはい、ほんまにうちは行かんでええんどすかー?」

「ええ、ええ、別にそんな遠くに行くわけやなし・・・」

 

 

数分後には、玄関先で千草のおかぁさんらをお見送りですわ。

今日はうちも学校休みやから、ついてってもええかなーと思ったんですけど。

ま、急に随員増やすわけにもいかんですやろからなー。

・・・何より、斬れへんし。

 

 

・・・何や、千草のおかぁさんはやっぱり、どこか元気無い感じやけど。

んー、面倒ですなー。

ハラハラと千草のおかぁさん達を手を振って見送った後・・・。

 

 

・・・さて、どないしましょかなー。

やることも無いですしなー・・・小太郎はんにでもちょっかい、出して来ましょうか。

カゲタロウはんのためやなく、千草のおかぁさんと小太郎はんのために。

 

 

 

 

 

Side 小太郎

 

・・・気に入らへん。

気に入らへんわ、気に入らへんったら、気に入らへんねん。

いや別に、千草のかぁちゃんが誰を選んだって、別にええねんけど。

 

 

問題はそこやないっつーか、何と言うか・・・。

・・・くそっ。

 

 

「・・・あ? 何やね・・・ったく」

 

 

いつの間にか無くなっとったスポーツドリンクのペットボトルを、10m先のゴミ箱に投げ入れる。

『CC衛門』っつー最新シリーズか何か知らんけど、レモン系の飲み物や。

まぁ、それを飲み干した後は、ベンチの寝転んで時間潰しや。

特にやることも無いしな、ここでは。

 

 

「にーとですねー」

 

 

目の前に、月詠のねーちゃんのニコニコした笑顔が出て来た。

ベンチの背もたれに寄り掛かる感じで、ベンチに寝転んどる俺の真上から、俺の顔を覗きこんどる。

 

 

「今の小太郎はんは、見事なまでにニートですねー」

「・・・うっせ、月詠のねーちゃんかて似たようなもんやろ」

「うちは学生ですから、ニートじゃないですー」

 

 

いや一応、俺も旧世界連合に籍を置いとるんやから、ニートってわけやないで?

・・・まぁ、荒事が減ってきとるのは確かやから、めったに仕事も無いけどな。

結局の所、俺には腕っ節しか無いし・・・。

 

 

「それで、小太郎はんは何がそんなに気に入らないんですー?」

 

 

ツンツン、と俺の鼻っ柱を指でつつきながら、月詠のねーちゃんがそんなことを聞いてきた。

それは今朝、千草のかぁちゃんが聞いてきたことでもあって・・・。

煩わしげに月詠のねーちゃんの手を払って、身体を起こした。

 

 

「別に、カゲタロウはんが嫌いなわけやないですやろー?」

「はぁ? 俺はあんなオッサン、死ぬ程ぶっ殺したいっつーか、そんな感じやっての!」

「嘘どすな」

 

 

・・・俺の隣に座りながら、月詠のねーちゃんはあっさりと言い切った。

いや・・・もうちょい、考えてや。

 

 

「嫌いやったら、とっくの昔に叩き出しとるはずですやん」

「・・・」

「そう言う場合は、うちもヤっちまいますしー」

 

 

・・・カゲタロウのオッサンは、まぁ、強い思う。

千草のかぁちゃんは、たぶん俺の方がまだ弱いて思うてんのやろうけど。

まぁ、マジでやったら、実の所、どうやろな。

俺一人ならともかく、月詠のねーちゃんと二人がかりなら倒せる思う。

追い出すくらいなら、楽に行ける。

せやけど・・・。

 

 

せやけど、千草のかぁちゃんとカゲタロウのオッサンと結婚したら。

してしもうたら、きっと・・・。

 

 

「・・・気に入らへんねや」

「さいですか、なら、仕方ありまへんなー」

 

 

変わらず笑いながら、月詠のねーちゃんは俺の隣でホワホワしとった。

特に、自分の考えを言うわけでもなく。

そのまま、俺と月詠のねーちゃんはオスティアの自然公園で時間を潰すことにした・・・。

 

 

 

 

 

Side カゲタロウ

 

やはり、早まってしまったのだろうか。

他人の結婚式に触発されて、というのが不味かったのかもしれない。

それまでは確かにあった物の形が、変化してしまったと言う意味で。

 

 

「堪忍どす、カゲタロウはん」

 

 

あの日以来、千草殿は何度も私にそう言ってくれる。

申し訳なさそうな顔で、何度も私に謝ってくれる。

だが私は、そう言う物を望んだわけでは無かった。

 

 

千草殿には千草殿の譲れない一線と言うか、譲りたくない一線と言う物があって、つまりはただそれだけのことで。

私としては、そこを犯してまで千草殿を貰い受けたいわけでは無い。

と言うより、そこを犯してしまうと、千草殿は千草殿では無くなることがわかっている。

天ヶ崎千草と言う女性が、別の何かになってしまうことが、わかっているのだ。

 

 

「構わない」

 

 

だから私は、そうとしか言わない。

私が自分の条件を整えても、仕方が無い事で。

千草殿の条件が整えなければ、どうしようも無いことで。

 

 

待つことに比較的慣れている私にとっては、待つことは苦痛にはならない。

だが、千草殿に「待たせてしまっている」と負い目を感じさせてしまうのは、どうしようも無く嫌だった。

それは、私が望んだ物では無いのだから。

 

 

「小太郎も、カゲタロウはんのことが嫌なわけやないと思うんどす」

「・・・うむ」

「ただ、あの子には父親がおらんもんやから・・・」

 

 

旧世界連合の大使館から旧オスティアの工場へ向かう車両の中で、千草殿はなおもそう言っていた。

私自身、目で見える程には小太郎殿に嫌悪されているとは思ってはいない。

ただ、それとこれとは話が別と言うだけの話で。

だがそれは、ただの意地として片付けるには、いささか複雑さを孕んでいて。

 

 

「・・・堪忍どす」

 

 

結局の所、千草殿はその言葉で会話を締めくくった。

そこからは、私的な話は一切無かった。

空港に到着して、旧オスティアの工場に向かうための小型の飛行鯨に乗り込む際には、公人としての仮面を纏っていた。

私はいつも通り、物理的に仮面をかぶっているので、もとより他人に表情を読まれることは無い。

 

 

「ようこそ、待っていた・・・久しいな、天ヶ崎特使」

「そうどすな、マクダウェル尚書・・・今日はどうぞよろしゅう」

 

 

旧オスティアの件の工場の側の仮設空港に降り立った時、ウェスペルタティアのマクダウェル尚書が出迎えに来ていた。

ウェスペルタティア工部省と旧世界連合の麻帆良の合弁で行われている工場だから、当然だが。

 

 

・・・私は仮面の中から、公人として振る舞う千草殿を、ただ見つめていた。

いつものように、何も語ることなく。

旧世界連合オスティア特使付き武官、カゲタロウと言う公人として。

 

 

 

 

 

Side エヴァンジェリン

 

旧オスティア・『浮遊宮殿(フロートテンプル)』建設予定地の一つ。

後にその宮殿群島に附属される事になる小さな浮き島に、旧世界連合との合弁工場が作られている。

基本的に魔法世界側の工場はウェスペルタティアが、旧世界側の工場は麻帆良が管理しているわけだが、ここは違う。

 

 

オスティアは双方の行き気ができる唯一のポイントだからな、そう言う話も出る。

旧世界連合側としては、魔法世界への経済進出の足掛かりの一つ。

王国側としては、麻帆良の独占技術を国内に確保できる・・・まぁ、いろいろだ。

権益は旧世界連合が51%、王国が49%。

・・・粘ったんだが折半にはできなかった、まぁ、仕方が無いな。

 

 

「事前協議で決められた通り、ここでは軍用の『スピーダーバイク』の量産を行う予定だ。完成品の生産は2ヶ月後からだが、一部の部品の製造はすでにスタートしているが・・・」

「うちの技術主任からも、そのあたりは聞いとります。民需用も並行して作らはるんやろ?」

「ああ、軍用のバイクの性能を落として・・・時速は最大で80キロ程度まで落とす。『69-Aスピーダー・バイク』として売り出す予定だが・・・」

「名前は好きにしてくらはれ、売上の分配は・・・」

「・・・権益の比率、だろ?」

「命名権以外は、な」

「ああ、警備の費用以外は、な」

 

 

魔法世界側にあるので、労働者の多くは魔法世界人。

工場の管理と技術者は旧世界連合側の人間だから、いろいろと問題もあるがな。

まぁ、今の所は上手く回っている。

周辺の警備は真名の王国傭兵隊の仕事だがな。

 

 

本来なら工場の視察くらいはもっと下の立場の人間に任せても良いんだが、千草が相手ではな。

尚書級くらいは出さんと、後でどうなるかわからん。

最近の詠春は、隙を見せると毟り取ってきやがるからな・・・京都で死にかけていたのが嘘のようだ。

 

 

「では、次は実際に工場のラインを視察するとしようか」

「おおきに」

 

 

工場内の事務室での説明と簡単な会談を終えた後、本格的な視察に入る。

ここからは、工場内を実際に案内する技術者の代表やら労働者の代表やら、工部省の私の部下や千草の所の部下なんかがゾロゾロとついてくる。

後は工場内を1時間ほど視察して、今度は本格的な会談、とスケジュールが決まっているわけだが。

 

 

・・・しかし、何だ、今日の千草はどこか沈んでいる様にも見えるな。

別に仕事の面で影響があるわけでは無いから、どうでも良いが。

仕事相手のプライベートのことまで気にしていたら、キリが無いしな。

プライベート、か・・・。

 

 

「えー、ではまずバイクに乗せる精霊炉の生産ラインを・・・」

 

 

ゴウンゴウンと音を立てて動く機械(ライン)の前で―――この機械自体、精霊炉で動いている―――技術者が説明するのを、頭の隅で聞きながら、私は別のことも同時に考えていた。

 

 

・・・プライベート、なぁ。

オスティアに戻って来てからは、アリアと若造(フェイト)は普通に仕事するようになった。

いや、別に新婚旅行に行っていた際も仕事はちゃんとしてたがな・・・。

・・・茶々丸は田中と一緒に旧世界行き、現在ハカセの所でメンテ中だ。

おかげで身の回りの世話がアレだが、まぁ、あと2日くらい何とかなるだろ。

茶々丸も、たまには休暇も良いだろうしな・・・。

 

 

 

 

 

Side 合弁工場労働者(45歳・妻子持ち)

 

工部尚書と旧世界の偉いさんが来るってんで、皆、気合いが入ってる。

まぁ、だからって俺らの仕事が変わるわけじゃねーけどな。

実際、工場の隅で作業してる俺らからは、遠目にしか見えねぇしな。

 

 

しっかし、アレだねぇ・・・精霊炉ってーのはすげーな。

前の奴より、良く動くぁな。

その分、扱いがわかり辛いっちゃー、辛いんだがよ。

 

 

「班長ぉっ! ちょい来てくれやせんか!」

「何だ、どうしたぁっ!?」

「ハンスのバカが、ボルト一個無くしちまったってよぉ!」

「んだとぉっ!?」

 

 

機械の横から、茶色の毛を油まみれにした狼の獣人がそんなことを言ってきやがった。

力自慢の良い奴なんだが、短気でいけねぇやな。

まぁ、だとしてもボルトを無くしたってのはいけねぇやな。

ライン全部止めて、探さなきゃいけねぇんだが。

 

 

「ハンス、またお前か!?」

「す、すんません、班長・・・」

「ああーったく、しゃーねぇなお前は~・・・」

 

 

犬の獣人のハンスが、髪の色と同じ黄色い犬耳を垂らしながら、頭を下げてやがる。

月に3度は、何か問題を起こしやがるんだが、憎めねぇ若いのでなぁ。

人族なんだが、なんつーか、うちの倅と同じくれーの年頃でよぉ。

 

 

「どうしやす、班長?」

「ああ~・・・とりあえずハンス、おめぇは向こうで燃料缶の運搬でもしてな」

「は、はいっ、すみません、すみません・・・!」

 

 

タタッ・・・と、隅の方で一抱えほどの燃料缶の運搬を始めるのを見て、嘆息する。

 

 

「工場長には、俺から言っとく。んで、すぐにボルト探さなきゃいけねぇんだが・・・向こうの技術屋には伝えたんだろ?」

「へぇ、それが視察が終わるまで待てって話で」

「・・・マジか」

 

 

これだから、机の前に座ってやがるインテリはよ・・・現場で部品が一個無くなるってのがどんだけ危ねぇか、わかっちゃいねぇんだかんな。

視察の終わりは、後30分くらいか・・・?

それまで、何も起こらなきゃ良いが・・・。

 

 

「すいやせん班長、どうもB-2のラインの調子が悪いらしいんス!」

「B-2?」

「・・・ハンスのいた所です、班長」

「ハンス・・・!」

 

 

・・・そういや、聞きそびれたが、ハンスの無くしたボルトってのは、どこのだ!?

予備に持ってる奴なら良いが、メンテ中に抜いたのを差し忘れたとかだったら・・・!

 

 

「おい、ハンス! お前、どこで・・・!」

「・・・はい? な、何ですか班長・・・っ!?」

 

 

慌てて燃料缶の所に行って、燃料缶を両肩に抱えたハンスを見つける・・・って、オイ!

何を慌てたんだか知らねぇが、側の燃料缶を積んでる台に足を引っ掛けてコケやがった・・・!

グラリ、と缶の山が揺れるのと同時に。

工場の中で―――B-2ラインの方向―――から、何かが爆ぜるような音がしやがった。

 

 

ヤバ――――――――――――――――――。

次いで、轟音。

 

 

 

 

 

Side カゲタロウ

 

・・・凄い物だな。

現在、C-1と言う『スピーダーバイク』に積む小型精霊炉の生産ラインを視察している。

先の大戦を知っている私としては、凄いとしか言いようが無い。

 

 

もちろん、製品の性能にも驚きではある、先の大戦の時代にこれらの一部でもあれば、いろいろなことが違っただろう。

だが何より私が驚いているのは、亜人と人族が入り混じって働いていると言うことだ。

25年前であれば、とてもではないが想像もできなかっただろう。

彼らを統合しているのは、統合の象徴としての王室・・・。

 

 

「亜人は帝国、人族は連合と、区別がされていたからな・・・」

 

 

大戦期、ウェスペルタティアは名目上は中立だったが、実質的には連合側に立っていたからな。

まぁ、その後、あの<紅き翼(アラルブラ)>の活躍や<完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)>などが表舞台に立ち、私のような存在はいないも同然になってしまったが・・・。

・・・そう言えば、エリジウム大陸に<完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)>と似たような名前の村ができていると言う話を聞いた覚えがあるような気がするが・・・。

 

 

「えー、民需用のバイクは、全長3m前後、積載量は2キロ程を想定しておりまして、デザインについても・・・」

 

 

技術者の先導と説明を耳に入れながら、並んで歩く千草殿と王国のマクダウェル尚書の後について私も歩く。私の後ろにも、それぞれの部署の人間がついて歩いて来ている。

小型精霊炉は、細かな部品は他の工廠で作り、この工場で完成品として組み上げられる仕組みになっている。

私の隣には、そのラインの一部が大きな音を立てながら稼働している。

 

 

「・・・む?」

 

 

その時、説明を続けていた技術者の下に、工場労働者らしき狼の獣人がやってきて、耳元で何かを囁いていた。

担当の技術者は一瞬だけ不快そうな表情を浮かべたが、工場労働者を追い払った後、特に何も言わずに視察を続けようとしたので・・・。

 

 

「どうした、何かあったのか?」

「い、いえいえ、大したことじゃありませんです。良くあることでして」

「・・・?」

 

 

マクダウェル尚書はかなり不審そうな表情を浮かべた物の、予定もあると言うことで、そのまま続けることになった。

工場の権益と管理が新旧世界で入り混じっているため、マクダウェル尚書も千草殿を放って強くは出れない、と言う事情もあったのだろうが・・・。

 

 

「・・・お、おい、アレは大丈夫なのか?」

「何か、煙が出てるぞ・・・」

「む・・・?」

 

 

そのまま5分ほど工場の中を進むと、私の後ろの連中が何かを囁き合っていた。

工場内の階段を上り、上から生産ラインを見下ろしている所なのだが・・・。

 

 

ラインの一部から、煙が上がっていて。

これは、いか

 

 

 

 

 

  ―――――――ズズンッ―――――――!!

 

 

 

 

 

Side 千草

 

・・・っ・・・?

何や、何が起こったんや・・・?

 

 

「・・・っ、う・・・?」

 

 

よほど強く打ち付けたんか知らんが、背中、痛・・・。

しかも何や、煙っぽくて息がしずらいわ・・・それに暗いし、うちの身体の上に何かあるみたいで・・・。

 

 

ピチャッ・・・ヌチッ・・・。

 

 

その時、頬に何か水がかかって、右手で掴んだ物も濡れてて、滑ったような音がしたえ。

何や、やけに、温かな・・・。

 

 

・・・カシャッ・・・。

 

 

身体を起こそうと左手を地面についたら、何かを割ってしもた。

何かと思って手にとって見れば、それは見慣れた物で。

この5年、視界のどこかに必ずおった、仮面で。

 

 

「・・・は・・・?」

 

 

呆けたような声を上げて、上を見てみれば。

黒いローブを纏った人間が、うちの上に覆いかぶさってて。

半分だけになった仮面からは、綺麗な左目と、口の部分から溢れた赤い液体と。

それと、左胸に。

 

 

「・・・カゲ・・・ッ」

 

 

言葉を飲み込んで、息ができんで。

それで、カゲタロウはんの、左胸に。

 

 

左胸に、棒みたいなんが、刺さってて。

 

 

私の右手が掴んでるんは、それで。

うちの掌に、カゲタロウはんの身体から流れてる血が・・・血が。

カゲ・・・。

 

 

「ぁ・・・あんたぁぁっっ!!??」

 

 

自分のもんとは思えへん声が、うちの口から出た。

もうそこからは、どないしたんかわからへん。

とにかく、必死にカゲタロウはんの身体の下から這い出して・・・。

 

 

這い出したそこは・・・地獄やった。

何が爆発したんかはわからへんけど、工場の一部が吹き飛んで、天井から空が直に見える。

そこかしこで人の呻き声がするし、火事も・・・。

 

 

「す・・・鈴吹、木下・・・藤原! 誰か、誰か近くにおるんか・・・ぁ・・・!!」

 

 

随員として連れて来た連中の名前を一通り呼ぶけど、誰の返事も無い。

・・・畜生、冗談やないで・・・!

 

 

「あんた・・・あんたっ、あんたぁ・・・!!」

 

 

呪文みたいにカゲタロウはんのことを呼びながら、うちはカゲタロウはんの身体を掴んで引き摺ろうとする。

引き摺って、それで・・・それで、どないしたらええんや?

だって、こんな、血が。

血が、止まらへんのに・・・!

 

 

「・・・け、へん・・・抜け、へ・・・ぅ・・・!!」

 

 

カゲタロウはんの左胸の当たりに刺さっとるそれが、血で滑って抜けへん。

ガラ・・・と、身体の上の機械の破片を払ってると、うちの手や指も切れてもうて・・・。

でも、そんなんどうでもええねや。

・・・あかん、あかんえ、そんな、嘘や、こんな。

こんなん、あかんて・・・だって、うち、まだちゃんと。

あんた、あんた・・・カゲタロウはん、カゲ・・・。

 

 

「だ、誰か・・・」

 

 

誰もおらんて、わかってるけど。

でも。

 

 

「誰か・・・!!」

 

 

助け。

 

 

 

「ぬぅうううおおおおぉぉぉぉっっ!!」

 

 

 

その時、うちから数m離れた位置の瓦礫が吹き飛んだ。

次いで冷たい空気が吹き抜けて・・・一部の火災が凍って、消える。

そこから出てきたんは・・・。

 

 

「何だコレは、事故か!? オーディッツ! やはりさっきの現場労働者は・・・・・・お?」

 

 

何か喚いとったみたいやけど、その子は・・・エヴァンジェリンはんは、うちらに気付いた。

うちは反射的に、助けを求めるようと右手を伸ばして。

 

 

「無事か、天ヶ崎『特使』!!」

 

 

・・・・・・右手を、握り込んで。

 

 

ゴスッ。

 

 

・・・そのまま、自分の額を思い切り殴った。

額が切れて血が流れるのを感じるけど、それでどうにか、自分を取り戻す。

しっ・・・かり、しぃや、天ヶ崎千草・・・!!

あんたは今、誰や!?

 

 

「マクダウェル尚書!」

「何だ!?」

「こっちの怪我人も多数や・・・救助の協力を、要請したい!!」

「・・・わかった!」

 

 

数秒間だけ視線を交わして、後は何も言わへん。

お互い、やるべきことはわかっとる。

 

 

「なら、まずそっちの・・・カゲタロウ殿から、外へ運び出すぞ、良いか?」

「おおきに、他の負傷者と同じ・・・・・・同じ扱いで、頼んます・・・・・・!」

「・・・了解した。可能な限りのことをしよう」

 

 

・・・堪忍え、カゲタロウはん。

 

 

 

 

 

Side 真名

 

「状況はどうなってる?」

「隊長!」

 

 

私が現場に到着した時、そこにいたのは王国傭兵隊(ウチ)のライラ・ルナ・アーウェンだった。

青と黄色の瞳を困ったように細めて、手短に事情を聞く。

 

 

端的にいえば、工場で事故があったと言う話だけど。

そこに、うちの工部尚書と旧世界の特使連中までが居合わせたってことが、事態をややこしくしている。

合弁工場と言うのは、どうにもね・・・王国傭兵隊(ウチ)は警備権限はあるけれど、非常事態においてどう動くかは、その権限の外なんだよね。

私一人なら、「契約以上のことは知らないね」とでも言って放置もできるけど・・・。

 

 

「雇い主の一人がいるとなると、そうも言ってられないかな」

「いや、それ以前の問題だと思いますけど・・・」

「冗談だよ」

 

 

本気の口調でライラにそう告げて、さてどうするかと思案する。

現在、工場の一部が吹き飛んで、さらにその一部で火災が起こってるらしいけど・・・。

・・・その気になれば、どうにでもできると思うけれど。

 

 

うちの工部尚書がこの程度の事故でどうにかなるとは思わないけれど・・・。

他の面子は、どうなるかわからないからね。

 

 

「さて、命令無しで救助を始めて良い物か・・・と言うか、そろそろ」

「隊長、セルフィが来ました」

「報告でーすっ」

 

 

シュタッと敬礼してくるヘラス族のハーフの傭兵に、私は視線だけ向ける。

 

 

「・・・何だ?」

「王国傭兵隊はそのまま待機しろとの命令が、通信兵から届きましたー」

 

 

・・・待機?

内心、首を傾げていると・・・工場周辺を固めている私達傭兵隊の傍に、何台もの装輪戦闘車が止まった。

そこからゾロゾロと出て来たのは、王国陸軍の兵士で・・・。

・・・軍を投入するのか?

 

 

その次の瞬間には、工場の一部が凍り付くのが見えた。

私の左眼の魔眼で視る限り、アレはうちの工部尚書のだね・・・流石は、エヴァンジェリン。

うっかりをしない限りは、頼れるね。

 

 

「・・・どうしましょう、隊長?」

「・・・ま、クライアントが動くなと言うなら、その通りにしようかな」

 

 

上でどう言う話が通って、どう言う判断がされたのかは私にはわからないけど。

まぁ、私達は傭兵だ。

傭兵である以上、クライアントの命令に従うさ。

 

 

それ以外のことは、知らないね。

それが、プロの傭兵って物だろうさ。

 

 

 

 

 

Side 小太郎

 

「こら――っ、病院内の廊下は走らないでください!」

「す、すんまへんっ」

 

 

叱られてもなお、俺は走るのをやめへんかった。

新オスティアの中央病院、俺は今、そこにおる。

何でそこにおるかって? そらお前・・・。

 

 

千草のかぁちゃんが、旧オスティアで何や事故に巻き込まれたって聞いたからや。

 

 

それ以外には、そら、旧世界連合の同僚とか、心配しとんねやけど。

それ以外には、特には何も無いで。

・・・無いったら無いんや!

 

 

「かぁちゃん!」

 

 

受付で聞いた通りの場所に行くと、そこに千草のかぁちゃんがおった。

何や、女の医者(せんせい)の前に座って、両手に包帯が・・・。

 

 

「かぁちゃん! 大じょ・・・あたっ!?」

 

 

慌てて近付いたら、デコピンされてもうた。

か、かぁちゃん・・・?

 

 

「・・・静かにしぃや。病院の中やで」

「あ・・・ああ、スマン・・・」

 

 

別に痛くも無いけど、額を片手で撫で擦った。

良く見てみると、千草のかぁちゃんの手の怪我は大したことがなさそうやった。

指に包帯巻いとるだけやし・・・ちょっと切った程度なのかもしれんわ。

酷い事故やったって聞いたけど、何や、大したこと無いんやんか。

 

 

「ほな、先生。うちの職員らをよろしゅう頼んます」

「わかりました、お大事に」

 

 

医者(せんせい)と頭を下げ合って、千草のかぁちゃんはそのまま部屋を出て行きおった。

慌ててついて行くと、俺の後を追っかけとったらしい月詠のねーちゃんが、そこに立っとった。

 

 

「か・・・かぁちゃん、他の連中は・・・?」

「・・・死んだ奴はおらんよ、何とかな。大半はすぐ復帰できる思うえ」

「それは、良かったですねー」

 

 

ホンワリと笑みを浮かべる月詠のねーちゃんの頭を一撫でして、千草のかぁちゃんが歩き出した。

な、何や、何か雰囲気がいつもと違う言うか・・・。

 

 

「月詠、悪いけどカゲタロウはんの面倒、見とったってくれるか? 夜になったら、うちが看るさかいに・・・」

「はいな・・・カゲタロウはん、どうかなさったんえ?」

「・・・・・・あと数日は、目が覚めん」

「は・・・?」

 

 

思わず、立ち止まった。

数日、眠りっぱなし? あのオッサンがか?

い、いや、それ以前に、何で・・・。

 

 

「ほな、頼むえ」

「・・・・・・はいな」

「あ・・・」

 

 

何で、千草のかぁちゃんが最初っから、面倒見ぃひんのや?

いや別に、あのオッサンのことを心配しとるわけやないけど、けど。

何や、拍子抜けって言うか・・・何と言うか。

 

 

そう聞こうとしたら、月詠のねーちゃんに肩を掴まれて、止められた。

千草のかぁちゃんは、そのまま旧関西の服を着た連中と合流して、どっかに行ってしもた。

・・・仕事か?

仕事があるから・・・カゲタロウのオッサンにだけ構ってはおれんっちゅー、ことか?

 

 

「おかぁさんは、大人ですから」

 

 

ゆるゆると首を振りながら、月詠のねーちゃんがそう言うた。

いや・・・それくらいは、俺にもわかるけど。

けど・・・。

 

 

・・・大人って、何やね。

釈然とせぇへん何かが、俺の中には残っとった・・・。

 




今回新登場の小道具:
ヴラド=ツェペシュ様より「CC衛門」元ネタは境界線上のホライゾンです。


ウェスペルタティア王国宰相府広報部王室専門室・第3回広報

アーシェ:
はーい、こんばんはー!
王室映像班のアーシェです! 第3回広報、はーじまーりまーす!
今回のお客様はぁ・・・。

茶々丸:
現在メンテ中の茶々丸です。
皆様、ようこそいらっしゃいました(ペコリ)。

アーシェ:
いやー、何か大変ですねぇ、室長。

茶々丸:
そのようですね、今回は千草さんの所のお話らしいのですが、マスターも登場しております。

アーシェ:
あの人は、どこででも出れる人ですからねー。

茶々丸:
それではアーシェさん、本日のベストショットを。

アーシェ:
はぁい、では今日のベストショットはぁ・・・こぉちらぁ!!


「事故現場で、自分を殴った瞬間の天ヶ崎特使」


・・・壮絶な感じですねー・・・。

茶々丸:
・・・それでは次回は。

アーシェ:
後編です!

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