ブリーチ 蒼い稲妻   作:ki4

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第五話 虚(ホロウ)の襲撃

北流魂街(ルコンガイ)五番地区「皐(さつき)」に暮らしている戸倉美夏と嵐山慎二はいつものように朝起きていつも通り暮らしていたそんなある日・・・

「美夏どうかしたんですか?」

「どうかしたって何が・・・」

「顔色があまりよくありませんからね」

「そう・・・」

「何か悩み事があるなら僕に言ってもらっても構わないし言いたくなければ・・・」

言いかけた時に美夏が切り出し

「あのさ」

「何ですか?美夏」

「最近変な夢見るんだよね」

「変な夢・・・ですか・・・」

「うん」

「どんな夢ですか?」

「私が荒野の真ん中にぽつんと立っていて突然風が吹いて・・・」

「それでそのあとは」

「それで誰かが私を呼ぶ声がしてそっちのほうを見てみると鬼みたいな感じで肩に何かおっきな袋を背負っている奴がいたの」

「鬼にみたいで肩から大きな袋ね~」

考え込み

「うん、名前を聞こうとしたら何かにかき消されてよく聞こえないの何か知らない?」

「わかりませんね」

「あっそ」

「力になれなくて申し訳ない」

「別にいいよ、聞いてくれただけでも嬉しかったし」

いつものように出かけていった。

美夏は数人の子供たちを連れて森の方に向かって歩き出した。

一人の子供が美夏に聞いてきて

「美夏姉ちゃん鬼ごっこしょうよ」

「そうねそれもいいね」

「今日はチャンバラがいい」

「えー、かくれんぼしようよ」

「はい、はい、今日は隠れんぼでもしようか?」

「やったー」

一人の少女が喜び

「チャンバラと鬼ごっこはまた今度にしましょうね」

「「うん」」

「それじゃ私が鬼になるから三十秒数えるからその間に隠れてね」

「一、二、三、四・・・・・・二十七、二十八、二十九、三十、もういいかーい」

「「もういいよ」」

「それじゃあ、探すよ」

美夏は探しに行き

「さーてどこに隠れているのかな?」

カサカサと茂みが動く音がして美夏はよく見て

『あっ、あれでも隠れてるつもりかな・・・フフッ』

心の中でそう思い

「どこに隠れてるんだろう」

わざとらしく大きな声で言って

「うっしししし」

少年が笑っているところに美夏が

「みーつけた!」

「あっ!あーあ見つかっちゃった」

頭を掻きながらそう言って

『次は・・・あそこか』

次の標的を見つけ

「どこから来るかな・・・」

「どこからくるのかな?」

「さぁ知らねぇ」

「?」

少年が頭の上で?マークがつき恐る恐る横を見てみると

「みーつけた」

「もー、ここなら見つからないと思ったのに!」

「まだまだだね」

「ちぇー」

「あと二人か・・・」

そういった時『ズドォォォーン、ガサガサガサ』木が倒れる音がして

「何があったの」

「わからない、あんたたちはこっから早く逃げな」

「う、うん」

「わかった」

二人の少年は村に戻り美夏は音がした方に向かい

「おーい、コズエちゃーん、サエギくーん、どこなの!どこにいるの」

美夏は叫び

『ガサッ』何かが崩れる音がしてよく見るとコズエとサエギの二人であった。

「コズエちゃん、サエギくん大丈夫?」

「美夏姉ちゃんうあァァァーん!」

二人は泣き叫び抱きついてきた。

後ろを確認した時虚(ホロウ)の姿が一部見え

「さ、早くここから逃げましょう」

「うんっ」

泣きながらそう言って美夏は二人の腕を掴み走り出し村に戻っている時サエギがつまずき転倒し

「大丈夫、まだ走れる」

「うん!」

聞いたとき後ろから

『バキッ、バキッ、バキッ』

木がなぎ倒される音がして

「あんたたちは早く逃げて!」

「美夏姉ちゃんはどうするの?」

「私はここに残って囮になる」

「どうしてそうするんだよ!」

「このまま逃げたら村に向かっていくかもしれないし」

「「えっ」」

二人は息を飲み

「だから早く逃げな」

「いやだ!」

「僕も嫌だ!美夏姉ちゃんがいなくなるのいやだ」

「文句を言うんじゃない!」

そう叫んだ時虚(ホロウ)が飛び出し美夏はコズエとサエギの二人を抱えながら咄嗟に右に飛び何とか交わし

「さ、早く逃げなさい」

「うっ、うっ」

「大丈夫、私は死なないから・・・」

「約束だよ」

二人に指きりげんまんをして美夏はその場に残り

「こっちだ化け物」

叫び走り出し時々後ろを確認しながら走り、とうとう体力の限界が来てしまい美夏は足がもつれ倒れてしまい後ろから虚(ホロウ)が迫ってきており

「はっ、はっ、はっ、はっ」

息を切らせながら『どうしよう、どうしよう』思考をフルにして考えたが何も思い浮かばず目の前に虚(ホロウ)があらわれ

「ガルゥゥゥ」

低い声を出しながら標的を美夏に向け虚(ホロウ)は腕を上げそのまま美夏に向かって振り下ろした時

『もう終わりだ、サエギくん、コズエちゃんごめん!』

そう思ったとき『とすっ、ブオォォォ』何かが落ちた音と虚(ホロウ)が泣き叫ぶような声が聞こえ恐る恐る目を開けてみるとそこには黒い着物を着た人と白い羽織を着た人が立っており

「あなたたちは・・・」

「間に合ったな」

「たすか・・・った・・・?」

その後美夏は気を失い寝込んでしまった

「おい、松本そいつを頼む」

「分かりました、隊長」

「霜天に坐せ・・・・氷輪丸!」

そう言ってから斬魄刀を降り下げるとそこから氷の龍が虚(ホロウ)に向かっていき凍らせた。

そいつは氷が砕けるのと同時に虚(ホロウ)も砕けてしまった

「松本そっちはどうなんだ?」

「疲労と極度の緊張から気を失ったものかと・・・」

「そうか」

「それより隊長この子・・・」

「ああ、わかってる。相当の霊力を感じられる」

「隊長、この子の住んでいるところまで運んでいきますか」

そうだな、あとは頼む」

「えー、どうしてですか」

「全く毎回毎回駄々をこねるな」

「もう、しょうがないな」

そう言いながら美夏を担ぎ

「こに近くだと五番地区の『皐』でしたよね」

「そうだ、さっさといけ」

「はーい、分かりました」

瞬歩で『スッ』と物音を立て運んでいった

「さーてとおれは報告書を書くか・・・それにしてもこのまま寄り道しなきゃいいけどな」

彼も瞬歩を使い精霊艇に戻り報告しに行きその頃乱菊さんは『皐』につきこの子と暮らしている人を見つけ出し事情を説明しているところであった。

「・・・っと言うことです」

「そうですか、助けていただきありがとうございました」

「いえ、いえ我々死神の仕事ですから」

乱菊さんは表に出て瞬歩を使いその場を後にし美夏が起きたのはその事件が起きてから二日後のことであった。

彼女が眠っているとき

「・・なよ」

「・・美夏よ」

「聞こえぬか戸倉美夏よ」

何度も彼女の名を呼ぶ声がして

「ウッ、ここは・・・?」

「ここはおぬしの精神の世界だ」

「私の精神の世界?」

「ああそうだ」

「それで私はどうなったの?」

「ギリギリのところ死神に助けもらった」

「よかった、はっ」

そこで美夏は目を覚まし彼女は手を頭に抑え

「美夏っ」

そう叫び

「慎二どうしたの?」

「どうしたも何も美夏はこの二日間ずっと眠っていたんだ」

「えっ、二日も!」

「ああ、そうだ。でもよかった」

「ごめんね、心配かけちゃって」

「みんなに言ってくる」

出ていき皆が集まりコズエとサエギの二人も美夏の帰還を分かち合ったのであったとさ・・・・・


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