ブリーチ 蒼い稲妻   作:ki4

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第七話 美夏の想い

コウ、美夏、明奏の三人がホロウの襲撃に合いコウが退院した翌日三名が総隊長に呼ばれてこっぴどく怒られたのであった。それから数ヶ月後、総隊長からの授業を終え昼休みになりコウはすぐさま片付けて教室から出て行き教室に残った明奏と美夏の二人は

「全くあのバカはそそっかしいんだから・・・」

美夏はため息混じりでそう呟き

「もうお昼なんだからね。私たちも早く行こ!美夏ちゃん」

明奏は美夏の手を握りそのまま引っ張っていき

「ちょっと明奏ちゃん!」

と言ったものの美夏は明奏に引っ張られてしまったのであった。

そして二人はお昼を済ませて美夏と明奏の二人は霊術院のとある木下で日向ぼっこをしており

「ねぇ、美夏ちゃん」

「何?明奏ちゃん」

「コウのことどう思ってるの?」

「どうって何が?」

「だからさ、コウのことどう思ってるかなって...ね」

「明奏ちゃん・・・・まさか、あのコウ(バカ)に何かされたの!?」

美夏は突然起き上がり明奏の方に顔を向け

「フフッ、別にそんなことないわよ。それにそんなことしたらお父さんが黙ってないし」

明奏は笑いながらそう言って

「それにコウは私にとってお兄ちゃんみたいな存在だしね」

「ふーん」

「美夏ちゃんも私にとって一番の親友でお姉ちゃんみたいな存在だからさ」

「それはいいけど、コウのことどう思うってどういうこと?」

「別になんでもないけど最近、美夏ちゃんコウのこと気になってるんじゃないかって思ってさ」

「気になるって別になんでもないわよ」

「本当にそうかな」

明奏は美夏の方に向き直し

「どういう意味?」

「だって美夏ちゃんコウのことチラチラ見てるじゃない?」

「なっ!?」

美夏は驚き顔を赤くして

「やっぱり、美夏ちゃんコウのこと好きなんじゃないの?」

「別にそんなんじゃないし!好きとかなんとも思ってない」

美夏はさらに顔を赤くしていつの間にか耳まで赤くなっておりそっぽを向き

「ただ・・・この三年ちょっとあいつを見てると何をしでかすかわかんないし周りには優しくするしそれに私が見てあげないと危なっかしいし」

美夏は色々とコウの悪口やなんやら数十分語り明奏はそれを黙って聞いており

「美夏ちゃんやっぱりコウのことよく見てるし好きなんじゃないの?」

「本当にそんなんじゃないわよ」

美夏は立ち上がりそのまま剣道場に向かっていき

「美夏ちゃんったら・・・・待ってよ!」

明奏も立ち上がり美夏の後を追いかけて行ったのであった。

 

数日後・・・・美夏は一人で霊術院のとある場所で一人で空を見上げて頬ずえをついて考えており

「はぁ~・・・・」

美夏はため息混じりで顔をうつむかせて

「やっぱり・・・・私、あいつのことが好きなのかな・・・・」

美夏は空を見上げながらコウと明奏の三人で修行してきた三年間を振り返り考えており

「おーい、美夏!」

突然後ろから声をかけられ

「ひゃう!?」

美夏は背筋をピーンと伸ばし

「ったく・・・・そんなに驚かなくてもいいだろ?」

よく見てみるとそこにはコウの姿があり

「コウ・・・・びっくりした。もう、驚かせないでよ!このバカ!」

「バカで悪かったな。それでこんなとこで何してんだよ」

「別になんだっていいし私の勝手でしょ!」

美夏はそのまま窓の外の遠くの方を眺めており

「それで、コウこそどうしてここに居るの?」

「別にいいだろ?俺の勝手だし」

コウは笑いながら美夏のとなりに行き壁にもたれて少しの間二人に沈黙が訪れておりそれをたまたま通りがかった明奏が見ており

『も~、さっきまではいい感じだったのにどうしてこんな時に限って!!!』っと明奏の心の中ではジタバタしておりコウは突然喋りだしそれをみていた明奏も静かして二人の様子を見て

「なぁ、美夏」

「なによ」

「お前ってさ・・・・その・・・・」

「何?」

「その・・・・さ・・・」

「さっきからなによ!うじうじしないでさっさと言いなさいよ!バカ」

「さっきからバカ、バカってうるせえんだよ」

「バカだからバカなのよ!」

「だからよ!その・・・・・」

コウは思い切って

「好きな奴とかいねぇのかよ・・・・」

「好きな・・・・人・・・・?」

美夏の思考は一瞬止まったが直ぐに取り戻しそして直ぐにコウに対して背を向けて顔を赤く染めて

「べべべべべ、べつにすすすすきな・・・・・・ひととか!いないわよ」

慌てふためき最後には声を裏返しながら返しそれを見ていた明奏は

『美夏ちゃん・・・・結構可愛いとこあるのね』

「そうなんだ・・・それは良かったぜ」

コウは安心して目を閉じて美夏はコウが目を閉じている間にチラッと様子を見て

「一体どうして・・・そんなこと聞いてくるのよ」

「別にさ、最近いろんな男子生徒から告白されてるだろ?それなのにフッてばっかりだからさ」

「だからってそれイコール好きな人がいるって思ったわけ?」

「なんかワリィかよ」

そっぽを向き

「だからバカなのよ」

美夏は顔を下に向け

「あんたも好きな人とかいないの?」

「別に・・・どうしてそんなこと聞くんだよ」

「あんたもあんたで女子生徒から告白されてるけど付き合っては別れてばっかりだし・・・・」

「なんていうか・・・口じゃうまく言えねぇけどしっくりこねぇんだよ」

「そう」

美夏はそのままどこかえ立ち去っていきコウは立ち去っていく美夏の姿を見て追いかけもせずそこから見ているだけでコウは小声で

「やっぱり俺・・・・・美夏のことが好きなのかな」

コウは窓の外を見上げておりそれを見ていた明奏はコウと美夏の二人をどういうふうにくっつけるか考えており

『これは私一人でどうにかできることでもないしね~どうしよう・・・・』

そして時間が経ち三人はそれぞれ帰宅して明奏は食事を済ませ父親の冬獅郎は寝室に入りゆっくりしており母親の桃と娘の明奏の二人は食器等の洗い物をしており

「ねぇ、お母さん」

「何?明奏」

「お互いに好きなのにどうしたらくっつけられるのかな?」

「急にどうしたの」

「別になんでもないけど気になってね」

「ふーん、もしかして明奏の友達のコウ君と美夏さんのこと?」

「どうしてわかったの」

「まぁ、見てればわかるしね」

「・・・・・。それでね、二人ともお互いのこと好きなのになかなか言い出せないみたいでどうしたらいいのかわからなくて」

「私も実際に会ったことないからわからないけど二人とも好きなんだけど意地っ張りで素直になれないのね・・・・」

「だからどうしればいいのかわからないの」

「だったら芝居をすればいいんじゃないのかな?」

「芝居?」

「そう。例えば、美夏さんが誰かに連れさらわれてそれを知ったコウ君が美夏さんを助けに行き最後に告白するとか」

「それもそれで山じいが怒りそうな気がするんだけど・・・・」

「だったら美夏さんをかけて決闘するとか?」

「誰がコウの相手するのよ、お母さん」

「それだったら京楽さんとかかな」

「でも、七緒さんに見つかったらどうするの?」

「それもそうか・・・・」

「というよりお前らはいつまで皿洗いしてるんだ」

「きゃうっ!?」

突然、桃の背後に現われ桃は涙目になり背筋をピーンと伸ばして

「もう、突然現れないでよ!シロちゃん」

「シロちゃん言うな。それにいつもより上がってくるのが遅かったから見に来たら変な話してるし」

冬獅郎はコップに入れた牛乳を飲み干し畳の上に座りこみ

「お父さん、今の話聞いてたの?」

「大体はな・・・・」

「それで何か言い方法ない?」

「雀ケ森の奴に事情を説明すればいいんじゃねえのか?あいつもそういうの興味ありそうだしな」

冬獅郎は立ち上がりコップを洗って寝室に戻っていく際に桃が文句で

「隊長に説明ってそう簡単に言わないでよね!」

「お母さん」

「何、明奏」

「お父さんの言ってることもいい案かもしれない」

「どうして」

「だってレン兄そういうの好きそうじゃん」

「明奏まで・・・・・・・・確かに雀ケ森隊長は普段は何を考えてるかわからないし・・・・・」

桃は考え込み

「どうしたの?お母さん」

「隊長の性格を考えれば行けるかもね」

「行けるってコウと美夏ちゃんの二人がくっ付くってこと」

「確実に行けるかわからないけどやるだけやろう!明奏」

「お母さんがそう言うなら・・・・」

桃がそう言って二人は残りをさっさと片付けており閉じてある麩の向こう側で話の流れを聞いていたのであった。

翌日、桃は明奏と共に隊首室に来ていたのだった(明奏は休みが重なってきているだけ・・・・)

「久しぶり、レン兄」

明奏は扉を開け中に入っていき仕事をしていた五番隊隊長の雀ケ森レンの後ろに行き抱きつき

「コラ、明奏!子供じゃないんだからいいかげんにしなさい」

「まぁ、いいじゃないですか。日番谷副隊長。明奏ちゃんも頑張ってますし、今となってはソウル・ソサエティにとっても大事な存在ですからね」

レンは笑顔で答え明奏は照れており

「それで親子揃ってどうしたんですか?」

そこから明奏が事情を説明して

「なるほど・・・・雷帝君と鳳凰の二人をくっつける方法ね・・・・・なんだか面白そうですね。あ、そうだ!ちょっと用を思い出したのであとは任せました」

レンはそのまま飛び出していき

「ちょっと隊長!」

呼び止めようとしたが既に姿はなく

「はぁ~・・・隊長ったら・・・・子供なんだから」

「お母さんも大変だね」

「やるときはやってくれるけどああいうところ直して欲しいわ」

その後、桃は残りの仕事を仕上げて明奏はその手伝いをしてレンが帰ってきたのは日が暮れた頃に帰ってきて副隊長の桃に三時間説教をくらっていたのであった・・・・・

 


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