そして翌日コウと美夏の二人は明奏の家に向かっており玄関の前では明奏が待っており
「美夏ちゃん、コウ、おはよう」
「よう、明奏」
「おはよう、明奏ちゃん」
「明奏本当に大丈夫なのか」
「絶対に大丈夫といってもいいのかどうかわからないけど傍にはコウや美夏ちゃんがいるしなんか安心するっていうかね」
「お前がそう言うならな・・・・」
「明奏ちゃんもあまり無理しないようにね」
「わかってるよ、美夏ちゃん」
「そんじゃ行こうか」
三人は霊術院に向かって歩きだしたのであった。
霊術院では総隊長自ら霊術院に赴き拳西と最終調整に入っていたのであった。
「爺さん、本当にいいのかよ」
「何を言っておる。儂が決めたことじゃしそれに上に報告して儂の手で責任をもって育てていくということが正式に決定したことだ」
「それにしてもソウル・ソサエティの守護神の三人がまさかあの三人だとは驚きだな・・・・」
「遅かれ早かれ見つけ出さねばならなかったのじゃが早めに見つかってよかった。それに・・・」
「それに?」
「この霊術院の生徒だということが良かったということじゃな」
「と言うとこの段階で見つかって早めに手ほどきを受けさせ後は各々のチカラを磨いていくっていうところかな」
「そういうところじゃ。取り敢えず待たせてもらおうかの」
総隊長は適当なところで座って待っておりそれと同時にコウ、美夏、明奏の三人は霊術院に到着したが正門をくぐり抜けようとすると明奏の足がとまり
「どうしたんだよ、明奏」
「やっぱりダメ私いけない」
「昨日は行くって言っただろ」
「そうだけど・・・」
「明奏ちゃんが勇気出して来たんでしょ?」
「うん・・・・やっぱり私怖い」
「そんな悲しい顔するなよ、それになんでもかんでも抱え込んでそれを自分のせいだと思わない方がいいな」
「え?」
「そうだよ、明奏ちゃん」
「俺だってあの時もっと早く駆けつけてやれなかったのか結構後悔してるしそれにお前を失うのが一番怖かったって思ってるしな」
「実際私もコウとおんなじこと思ったからさ、それに隊長さん達から聞いたとき明奏ちゃんは間違ったことなんてしたなんて思ったしね」
「それとさお前は一人なんかじゃない。傍には俺や美夏がいるしお前の味方だから安心しろ」
「全くコウったらいいところ全部持って行ってさ、ずるいよ」
「別にいいだろ」
それをみた明奏はにっこりして
「二人とも仲がいいね」
「仲がいいっていうかそんなんじゃねえけど」
「コイツの言うとおりだよ」
「こいつとか言うな」
「はい、はい夫婦喧嘩はそこまでにしてはやくいこ」
「「夫婦喧嘩じゃない」」
美夏とコウの二人が同時に言ったとき拳西が現われ
「三人とも揃い踏みだな」
「「六車先生、おはようございます」」
コウと美夏の二人が挨拶して
「明奏も元気になったみたいだし嬉しいな」
「はい、コウや美夏ちゃんのおかげですね」
「それで六車先生はなんのようなんですか」
コウが訪ねて来て
「お、そうだそうだ。お前ら三人に用があってな。先導と戸倉の二人は前々から言ってあったっけどお前ら三人とも今日から山本総隊長のもとで指導を受けることになったんだ」
「「「!!!」」」
三人は驚きコウが思い切って聞いてきて
「ちょっと待ってくださいよ!六車先生、そういう話は聞いていたけどどうして総隊長自らそんなことを」
「お前たち三人は今後、瀞霊廷だけではなく現世、ソウル・ソサエティに置いて重要な役割を持っているからだ。としか今は言えないが詳しいことや質問等は総隊長から聞け、それでもって総隊長のところに案内するから黙って付いて来い」
三人は拳西強引に連れて行かされ剣道場に連れてこさせられその中には総隊長が座禅を組んで待っており
「先導コウ、戸倉美夏、日番谷明奏の三名を連れてきた」
「連れてきたか、六車」
「詳しいことは爺さんに聞けと言ってあるんでな、後は頼むぜ」
拳西は剣道場から出て行き
「それであんたが総隊長か・・・なんかすごい威圧感だね・・・・・」
コウは息を飲みながらそう言ってきて
「お久しぶりです、山爺」
「お主は久しぶりじゃのう、日番谷明奏」
「六車先生から聞いたんですけどどうして私たち三人を総隊長自ら教育しようと思ったのですか」
美夏が単刀直入に聞いてきて
「そうだな、説明せねば納得せぬからまずそこからしようかのう・・・まずは瀞霊廷に古からある言い伝えを教えようか」
「古からある言い伝え?」
「そうじゃ。その呼び名は守護神と呼ばれておってのう」
「昔、山爺から聞いたことある」
「明奏には話したの」
「それで守護神っていうのはなんですか」
美夏が訪ねて
「守護神というのは瀞霊廷の三大戦力でありソウル・ソサエティと現世二つの世界を護る神と崇められた呼び方」
「それで、その三大戦力っていうのが守護神とどう繋がるんだ?」
コウが疑問を投げつけ
「守護神とは三つの力から成り立っておりまず一つ目に雷帝・・・これは体中から蒼白い輝きとともに雷を発生させる雷の化身、チカラの扱いを間違えれば暴れる暴君となる。二つ目は不死鳥・・・・いかなる傷も直ぐに治り相手の傷もたちまち治せる力がある。但し致命傷を受けたものや既に息絶えた者は蘇らせることも治すこともできないと聞いたことがある。最後に鳳凰・・・これは風を操る天空の覇者でいろんな風を巻き起こせ風を自分自身に纏わせることもできる。それに唯一暴君と化した雷帝を止める役割も担っておる」
「なんとなくわかったけどさ、それと俺たち三人がどうつながってるわけ?」
「先導コウ、明奏を助けたときの記憶がはっきり覚えておるか」
「うーん・・・そういえば明奏がやられて気を失ったところまでは覚えててそれでカーっとなって何かがプツンと切れて・・・・そのあとは覚えてない。それに目を覚ましたときは四番隊隊舎だったしな・・・これとなんか関係でもあるのか」
「明奏が気を失ったあとそれを見たお主は死んだと思い込みそして怒り、悲しみ、憎しみといった感情が爆発して雷帝になったのじゃ」
「俺が!」
「それはそうと私と明奏ちゃんはどうしてなんですか」
「明奏から説明するとお主にとっては嫌な思い出じゃが上級生から相当な暴行をされたのにも関わらず現場から四番隊隊舎に到着して治療しようとしたが外傷はともかく内蔵の損傷や骨折といった傷がいつの間には治っておった。それゆえ不死鳥の力があると思ったのじゃ。最後に戸倉美夏お主はわしと副隊長の雀部を見た瞬間強風が吹きそれと同時にお主は倒れたのじゃ最初は単なる偶然かと思ったのじゃが後々調べた結果その時は強風が生じるような風ではなかったということが分かった故にお主を鳳凰と断定したのじゃ」
「ということは私たちが古より伝わる守護神っていうわけね」
「なんかすっげーワクワクしてきた」
「私も山爺から聞いて単なるおとぎ話かと思ったけど私がその一人だなんて信じられない」
「信じる信じないはお主次第じゃが紛れもない事実じゃ」
「これからは各々の力を教育するために山爺がかってくれたの?」
「そういうところじゃ」
「流れはわかったけど俺たちそのチカラって言うの実際にわからねぇしどうすりゃいいんだ」
「そうよね」
「まずはお主たちそれぞれの斬魄刀の名を聞き出すところからじゃのう」
三本の浅打をそれぞれ渡し
「これって・・・なに?」
「それは浅打と言って席官になれない下級死神や霊術院の生徒がもつ名もない斬魄刀じゃ。それを抜いて己の精神世界に入り込み斬魄刀と対話し同調させることからはじめる。それと同時に他の鬼道や剣術、体術、歩法といったことも儂が引き受けたからそこらも覚悟するように」
「フッ・・・・なんか面白くなってきたな」
「ま、やるしかないのね」
「私もこうなった以上足でまといにはなりたくないしね」
「お主たちはこれで良いのか」
「どう言う意味だ」
「後悔はないのかと聞いておるのじゃ」
「別に後悔もなにもねえよ。それに俺一度やるって決めたら最後まで貫くからさ後悔も何もねえ」
真剣な眼差しで総隊長を見て
「面白いやつじゃのう、戸倉美夏、日番谷明奏も良いか」
「私もある人の約束もあるし、それに明奏ちゃんのこともあるしね」
「私も二人に護られてばっかりは嫌だし怖いけど二人といると安心するしなんだかいけそうな気がする」
「それじゃ今からはじめるとしようかの」
山本総隊長の掛け声と共に守護神としての修行が始まったのであった