ブリーチ 蒼い稲妻   作:ki4

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第四話 明奏の傷そして決意

明奏が襲われてから十日が経ち美夏とコウの二人はいつも通り霊術院に登校しており

「そういえば今日も明奏来てないな」

「そうだね。ここんとこ明奏ちゃん見てないしやっぱりあのことが・・・・」

「多分な」

だが明奏は事件があった日から全く霊術院には出ておらず自分の部屋の中に閉じこもったままで親である冬獅郎や桃の問いかけには全く返事がなく困り果てており冬獅郎は総隊長の下に行き

「どうしたのじゃ、日番谷隊長」

「真央霊術院に行かせてもらいたくこちらに参りました」

総隊長は暫く冬獅郎の目を見て総隊長は口を開き

「どうして急に霊術院に行くのじゃ」

「明奏が・・・・娘が事件に合ってから引きこもってしまって俺たちじゃ手に負えなくて・・・それで娘の友人たちに声をかけてもらおうと思って・・・・」

「・・・・・やはりそうじゃったか・・・・時間をかけても良いがこちらの業務に支障をきたすようようじゃ手を引け、それでは行って参れ」

すぐさま冬獅郎は乱菊を連れて霊術院に向かい

「たいちょー、どうして私までついていかなきゃいけないんですか」

「お前もお前で目を離せばサボるか酒を飲みまくっていつも潰れてるだろうが」

「うー、隊長のケチ」

「うるさい!」

同時に霊術院の正門にたどり着き中に入るやいなやちょうど霊術院ではお昼時で昼食をとっており生徒の一人が隊長の日番谷冬獅郎と副隊長である松本乱菊の姿に気がつき次第に生徒達で群がっていき乱菊は小声で

「それより隊長、今日は何しに来たんですか」

「何しにって明奏の友人を連れてくるためだ」

「へー、それで明奏ちゃんの友達のこと聞いてたんだ」

「あいつもあいつで業務中にもかかわらず霊術院であったこと話してたからな。それに友達のことも話してたのを覚えててな」

「そういえば私も聞いたような気がする」

歩いていると前から拳西が現われ

「これはこれは日番谷十番隊隊長さんじゃねえか、今日はどうかしたのかい」

「ちょうどよかった・・・・六車、お前に話があるから場所を移そう」

「ほう、俺に話か・・・・・嫌だと言ったら?」

「無理やりにでも連れて行く」

「ま、こんなところでやりあう気なんてねぇしな・・・・場所を移そうか」

三人は場所を移し

「で、話ってなんだ?カミさんの話か」

「ちげーよ。お前んとこの生徒に先導コウ、戸倉美夏の二人がいるだろ」

「お前の娘のことで来たのか」

「そうだ、親の俺がいうのものなんだか少々手を焼いててな」

「そんでもってあいつらの力を借りたいと」

「そういうとこだ」

「隊長ってホント親ばかになりましたね~」

「本当にそうだな」

「ほっとけ!」

「それでこの二人を連れて行きたいんだがいいか」

「そういうことならなおさらだからな、それにお前たち二人も知っていると思うがお前の娘を含めコウと美夏の二人も総隊長の下でシゴかれそうだしな」

「そうだな、それまでに元の元気に戻ってくれればいいんだがな」

「あいつならなんとかなるだろう」

「あいつって誰だ」

「先導コウだよ。今はなんとも言えねえがあいつといるとこの先なんとかなるんじゃねえかって思うときがある」

「どう言う意味だ」

「分かんねけどなんか一護と似てるような気がしてな・・・・・先導は道場で剣術の練習で戸倉も稽古に付き合ってるぞ」

拳西は瞬歩で消え去りそのかん乱菊は黙って見ており

「行くぞ!松本」

「はいはい、わかりましたよ」

道場の方に行き中ではコウと美夏の二人が剣術の稽古をしており

「隊長、あの娘前にホロウに襲われた娘じゃないですか」

「入学していたとはな・・・・お前たちちょっといいか」

コウと美夏は入口を見て

「隊長羽織に副官章・・・・・」

「俺は十番隊隊長日番谷冬獅郎だ」

「同じく私は副隊長の松本乱菊よ」

それぞれ名乗り

「先導コウです」

「戸倉美夏です」

二人は頭を下げ

「どうして隊長と副隊長の二人がこちらに来てるんですか」

「ちょっとお前たちに用があってな」

「用とは?」

「俺の娘、明奏が引きこもっててな手を焼いているんだ。お前たちからも声をかけてほしんだ」

コウと美夏は顔を見合わせて目を点にしていて

「どうかしたのか?」

「こんな小さな人が隊長で明奏の両親だったとは思わなくて」

「今・・・小さいって言ったな?」

冬獅郎は怒りを抑えながら聞き返し

「隊長~、それはしょうがないですよ。私も含めて一番小さいの隊長ですもん」

「てめぇは黙ってろ!いちいちうっせーんだよ」

「それで本題の方に戻ってもらってもいいですか?」

美夏が冷静な口調で言ってきて

「ああ、そうだったな。それでお前たちにも声をかけてもらって欲しいんだ」

冬獅郎は頭をコウと美夏の二人に頭を下げて頼んできて

「ちょっと待ってください!日番谷隊長そんなことしなくても明奏をなんとかしたいっていうのは同じですし・・・・このままほっといても明奏のためにもならないと思ってたところです」

「そうか・・・・それはよかった」

冬獅郎は微笑み

「松本はここを出たらすぐに十番隊隊舎に戻って仕事をしておけ」

「えっ~、めんどくさーい」

「しとけって言ってるだろ!じゃないとお前が隠してる酒の入った瓶全部わるぞ」

「ひどい!残忍!冷酷!悪魔!鬼!ちびっこ隊長」

「そんなことさせたくなかったら帰ってちゃんとしろ!それに最後のは余計なお世話だ!」

冬獅郎は乱菊の頭を思いっきりげんこつで殴り乱菊は渋々隊舎に戻っていき

「見苦しいとこ見せちまって悪かった、それじゃ俺と一緒についてこい」

「「え?」」

二人はキョトンとしており

「今からですか」

「お前たち二人は六車から許可を取ってるから大丈夫だ」

冬獅郎がそう言って二人は霊術院をあとにして歩いておりその道中コウは少々疑問になっていたことを聞いてきて

「あの、日番谷隊長ちょっといいですか」

「なんだ」

「どうして・・・どうして俺たちなんですか」

「私もそれが聞きたいです」

「どうしてか・・・か」

冬獅郎は口を開き

「いつも明奏が霊術院であったこととか友達の話とかでお前たちのことをよく話していたからな、だからお前たちの問いかけに何か変化するんじゃねえかって思ってな」

「そういうことですか」

コウと美夏の二人は納得して十分ほどのところに日番谷家があり玄関をくぐり抜け冬獅郎が明奏の部屋まで案内して

「明奏、大丈夫か」

中にいた明奏は

「ほっといて、今は一人でいたしそれにここから出たくない」

「といつもこんな感じなんだが」

冬獅郎はため息をつき

「お前たちの方からも何か言ってやってくれ」

「明奏、俺だ!コウだ!それとついでに美夏もいる」

「ついでは余計よ!」

美夏はコウの脇腹を思いっきり殴りコウは暫く倒れこみそれを見ていた冬獅郎は数歩後ろに引き下がり

「明奏ちゃん、このまま部屋のなかに閉じこもっててもなにも変わらないよ」

「だからほっといて!私誰とも会いたくない」

「美夏の言う通りだ。それに誰とも会いたくないって言うのもあまりよくないな・・・・それに今、誰とも会いたくないって言うのも本心じゃないだろ」

コウは脇腹を抑えながら言って

「うるさい!本当に誰にも会いたくない」

「明奏もこのままじゃダメだってわかってるだろ!」

「うるさい、うるさい」

「なのに、それを変えようとしないのはどうしてだ!」

コウが怒鳴りつけて数分待ったがなんの返事もなくしびれを切らしたコウは

「明奏、なかに入ってもいいか」

「入ってこないで」

「はぁー、日番谷隊長、なかに入ってもいいですか?」

「これで強引に入って余計に状況が悪化したらただじゃ置かないぞ」

「それはわかってます」

日番谷隊長はその場から立ち去りコウと美夏は明奏の部屋の中に入っていきそれぞれ入り

「入るぞ、明奏」

「明奏ちゃん、入るね」

隅っこで座っていた明奏がいて

「入ってこないでって言ったはずよ」

「確かに言われた」

「どうして入ってきたのよ」

「こうでもしないと相手のことがわからないだろ?」

コウは明奏のそばに座りこみ

「で、何しに来たの」

「何しにってお前をこの部屋から出すため」

コウは笑顔でそう言って

「あんたこの空気でそんな顔よくできるわね」

「こうでもしないと重たい空気の中で話しろっていうのか」

「別にそうじゃないけどほかにもあるでしょ?」

「他ってなんだよ」

「例えば・・・・」

美夏は口がとまり

「お前も考えなしかよ」

「うるさい」

美夏は頬をふくらませており

「コウ、美夏ちゃん・・・・・ごめん」

「明奏、急にどうしたんだよ」

「どうして急に謝るの?明奏ちゃん」

「さっき誰とも会いたくないって言ったけど本当は二人に会いたかった・・・二人に会って謝りたかったのかもしれない」

明奏は泣きながらそう言ってきて

「やっぱりな・・・・」

「明奏ちゃんどうしてそんなことを?」

「こういうとこお父さんに似ちゃってのかもしれないけど私自分のせいで何か起きたときなんでもかんでも抱え込んで結局処理しきれなくていつも周りに迷惑かけちゃって・・・・それに今回のことも・・・・」

「なんでもかんでも自分のせいだと思って抱え込んで結局自分の殻に閉じこもり・・・か。お前もお前で素直じゃないっていうか頑固っていうか不器用なところもあるんだな」

コウは明奏の頭を優しく撫でて

「結局私今回もコウや美夏ちゃん、あなたたちに迷惑かけてごめん・・・・でも私どうすればいいのかわからない」

「そういう時は素直になって友達に頼ればいいんじゃないのかな?明奏ちゃん」

美夏も優しく声をかけ

「そういう時の友達・・・・というより親友かな?こんなやつでも頼りになるかどうかわからないけどさ困ったときは相談してよね」

「こんなやつで悪かったな」

「しん・・・ゆう・・・素直・・・」

明奏はそう言って明奏は美夏に抱きつき胸の中で思いっきり泣き出して美夏は優しく抱きしめ髪の毛を撫でおろし・・・・それから五分後

「もう大丈夫?」

「うん、今ので少し気が済んだ・・・」

「それで、これからお前はこれからどうするんだ」

「いきなりはないでしょ!そんな話」

美夏はコウの頬を引っ張り

「わからない・・・・美夏ちゃんたちが言ったように部屋のなかに閉じこもっててもなにも変わらない。確かにそうだけど霊術院に行こうと思ってもまた前みたいになったらどうしよって考えがよぎったの・・・・そしていつしか悪い方へ悪い方へ考えが言って部屋のなかに閉じこもってた」

「ああいうことが起こったら並みの人間でも無理だろうな」

「コウはどうして他人事のように聞き流してるのよ」

美夏が一発コウの顔面にケリをくらい明奏の部屋の外まで飛ばされてしまい

「あいつはほっといて、それじゃ明日私と一緒にいかない?」

「美夏ちゃんと?」

「そうよ」

「ちなみに俺も一緒に行くぞ」

コウは顔の右半分が真っ赤に晴れ上がった状態で言って来て

「それでもなんだか怖い」

「その時は俺が護ってやるよ」

コウは真剣な表情で明奏の眼を見て

「え?」

「だから俺がお前を護ってやるって言ってるだろ」

「護るってどうして」

「今回のことでお前がいないあいだに決めてたんだよ。お前が襲われれて明奏をという友達が失うんじゃないかってスッゲー怖かった」

「実際私もこいつと同じ気持ちだし」

「それになんだ、今回のことでお前のこともよく知れたし」

コウも笑顔で言って

「私も!」

明奏は顔を俯かせ

「ありがとう・・・・・・・二人ともありがとう!」

明奏は思いっきり抱きつき今度も泣きながらお礼を言ってきたのであった。

 


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