ブリーチ 蒼い稲妻   作:ki4

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真央霊術院
第一話 試験、そして合格!?


真央霊術院の試験が明日に迫った日の朝、コウが住む『竹林安』では・・・・

「フゥー、とうとう明日か・・・」

「コウお兄ちゃんも頑張ってるね!」

妹のエミナがコウの横から顔を出し

「なにがなんでも合格したいからな」

コウはエミナにそう言って、頭を撫でた

「へへっ」

エミナはコウに頭を撫でられ嬉しそうにした。

「エミナ、お兄ちゃんの邪魔してるの?」

「ちーがーう!コウお兄ちゃんを励ましてただけだから」

ほっぺたを膨らませ

「はい、はい、分かりました」

「僕、頑張って合格するよ!」

「そのいきよ、コウ」

「頑張ってコウお兄いちゃん!」

コウは張り切って再開した。

 

場所は移り北流魂街(きたルコンガイ)にいる戸倉美夏はというと・・・・

「んっ、んっー」

そう言って美夏は背伸びをして勉強を中断し

「お疲れさまです!美夏」

「慎二」

「いよいよ明日ですね」

「そうね」

「真央霊術院への勉強はどうですか?」

「まずまずってところかな、あんまり自信無いけどね・・・」

「そうですか、それではこれを・・・」

「何?・・・これお守りじゃん」

「私からの差し入れです」

慎二がお守りを差し出してきた

「どうして私に?」

「どうしてって言いますか・・・あなたを見てると応援したくてね、それに受かって欲しいからですよ」

「ふーん、ありがとうね!」

受け取り勉強を再開した。

時間は過ぎ日が暮れ夜になり美夏と慎二宅では

「ジャーン」

慎二がそう言って豪華な料理を出し

「さっきから一体何をしていたのか気になっていたけれど・・・これはすごいね」

「今日は少しお金を叩きまして豪華にしてみました」

「どうしてここまでしてくれるの」

「どうしても受かって欲しいから験担ぎとして頑張って作ってみました!」

涙ながらそう言って

「私たちだけじゃこれだけの量は・・・・」

「大丈夫です、余ったら明日の昼ごはんにでも回します」

「そう・・・それじゃ食べましょうか」

美夏は片付け

「それじゃ」

「「いただきます!」」

二人でそう言って食べ始めた。

食べている間、二人の間では余り会話がなく食器の音しかなく

「ごちそうさま」

「御馳走様でした」

食べ終わったものの少し余ってしまし

「それじゃ、これ明日の昼に回しましか」

「そうね」

食器を片付け

「今日は早めに寝ますか」

「そうしたいんだけどね・・・」

「余り体に無理し過ぎたら明日に響きますよ!」

「うっ・・・わかったわよ」

言葉を少し詰まらせ今日は早めに布団を敷き

「おやすみ」

「おやすみなさい」

 

先導家では・・・

ちらも夕飯の支度が終わり

「コウ、エミナ、出来たわよ」

「「はーい」」

エミナは手伝いに行きコウは勉強道具を片付けて手伝いに行った。

夕飯が卓袱台の上に並べられていき

「今日はあなたのために久々に母さん腕を振るったわ!」

「ありがとう、母さん」

「そう言ってくれると嬉しいわ!」

全品ならべ終わり

「それでは・・・」

「いただきます」

明美がそう言ってからコウとエミナも

「「いただきます」」

食べ始めた。

食べているときは楽しげに会話してそして食べ終わり

「御馳走様でした」

食器を片付けている最中に明美が

「コウ、今日は早く寝たらどう?」

「今日はいつもより早めに寝るか・・・・でもちょっと心配だからなー」

「ここで無理して明日試験受けられなかったら意味ないわよ」

「そうだよ、コウお兄ちゃん」

エミナも会話に参加してきて

「そうだな・・・わかったよ」

そして片付けは終わり

「コウ、これ・・・」

「お守り?」

「ええ、合格祈願にね」

「ありがとう・・・・母さん」

「どういたしまして」

コウはお守りを受け取り、最後に見直しをしていつもより早く床についたのであった。

 

次の日・・・とうとう真央霊術院の試験日がきて先導家では・・・・

「フゥー、緊張してきたな」

コウがそう言って

「コウ、緊張しちゃダメよ」

「何か受かるのかなって思ってさ・・・」

不安な表情を浮かべ

「ほら、そんな顔しない、そんな顔しているとますます受からなくなるわよ」

「そうだよ!コウお兄ちゃん、スマイル、スマイル」

エミナがコウの横から笑顔で出てきて

「そうよスマイル、スマイル!フフッ」

「何か緊張感が少し和らいだよ」

「それじゃ行ってらっしゃい」

「コウお兄ちゃん頑張ってね」

「うん!」

真央霊術院に向かって行った。

 

美夏と慎二の方ではというと

「体調でも悪いんですか?美夏」

「なんかね、緊張してきてね」

「そうですか、試験が始る前に深呼吸を三回やればいいんじゃないんですか」

「何それ・・・」

「これは私が緊張したり不安な時に良く使っていました」

「ふーん、分かった。使ってみるよ」

「そろそろ時間ですね」

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

美夏も真央霊術院に向かって行った。

 

コウは瀞霊廷の近くまで行きそこには九番隊隊長の臼井ユリの姿があり

「ユリ姉!」

「あ、コーちゃん。おはよう」

二人は久々に再会して

「まさかコーちゃんが本当に死神になるとはね」

「別にいいじゃんユリ姉、それに俺だって家族に迷惑かけたくなかったんだよ」

「本当にコーちゃんは昔から自分のことより他人の心配ばっかりかけてるからね」

「やめてくれよ!」

「それじゃ行きましょうか」

「ああ」

二人は霊術院に向かっていき

その頃美夏は真央霊術院の門をくぐりぬけており

『すごぃ!・・・』

心の中でそう思い周り見ながら歩いていると

「きゃっ」

美夏は誰かとぶつかり

「ごめんなさい、大丈夫ですか?」

「えっ、あ、はい、だ、だいじょうぶです!」

少し緊張気味で少女は返し

「あなたもここを受けるの」

「え、あ、はい、そうです。あの~あなたの名前は・・・」

「戸倉、戸倉美夏よ」

「戸倉美夏さんですね。私は日番谷明奏です」

「明奏さんね」

「あ、はい、戸倉さん」

「私のことは美夏でいいわよ」

「そ、それじゃ・・・美夏さんお互い頑張りましょうね」

「そうね」

二人は受付に行き手続きを済ませ明奏と美夏は別々の受験会場に案内され、席に着いた。

試験の開始五分前になり試験担当員が会場に入り

「これから試験問題を配布するから静かに席に着け」

受験生は席に着き試験問題が配布され

「全員いきわたったな・・・時間は今から一時間だ。それでは試験開始!」

全員試験が始まった。

 

そのころ家で待っていたコウの母親の明美とエミナの二人は

「コウお兄ちゃん大丈夫かな・・・」

エミナが心配そうにしていた。

「大丈夫よ・・・きっと」

「きっとって・・・」

「あの子なら受かってくる、私はそう信じてるわ」

「そうだよね、絶対に受かるよね」

「絶対に・・・・」

コウの合格を信じて帰りを待っていた。

 

美夏と一緒に暮らしている慎二はというと家の中の囲炉裏の周りをぐるぐる回りながら美夏の帰りを待っていた。

「大丈夫かな・・・大丈夫かな・・・・受かっているかな」

心配しながら待っていた。

 

場所を戻し真央霊術院では・・・・最初の科目が終わり五分ほど休憩を挟み次の科目を受けており、コウ、美夏、明奏の三人も必死に問題を解いていた。

日が少し傾いた頃に試験が終わり

「試験終了!」

後ろから前に試験問題を裏返しにして送られ

「終わったー」

コウがそう言って

「受かってますように」

美夏がそう祈り

「どうしよう、どうしよう落ちてたら・・・」

そんなことを考えつつ担当員は

「合否の通達は一週間ほどで各家に届きますのでそれまで待っておくように・・・それでは解散」

連絡事項を言って解散した。

三人は自分の家に戻り

「ただいまー」

「おかえり、コウ」

「おかえり、コウお兄ちゃん」

「どうだったの、コウ?」

「多分、大丈夫」

「本当に?」

「うん」

「それで、いつ合否の結果が来るのコウお兄ちゃん」

「結果は一週間後だってさ」

「それまで緊張して寝れないかもね!」

エミナがちょっと意地悪な感じで言ってきて

「それはないと思うよ」

「ふーん、そうなんだ」

「でも、よかった」

「何が?」

「なんでもないよ」

エミナは笑顔で返した。

美夏の方では・・・

「ただいまー」

「おかえり!美夏」

「やけにテンション高いね・・・」

「いや、いや、美夏が受かるかどうかすっごく心配なんだよ」

「いや、いや私が帰ってきて第一声がそれか」

と小声でツッコミ

「それでどうだったんですか?美夏」

「受かってると思うよ・・・」

「そうですか、ここは受かっていると信じてパーッとやりませんか」

「今は一人でいたいから出かけてくる」

「なんですとー」

このリアクションもスルーされてしまい

「慎二・・・・ショック」

倒れ込んだのであった。

 

明奏の方では・・・・十番隊隊舎の隊首室の中に入っていき

「ったく、いつも言ってるだろ!ノックぐらいしろって」

「たまにはいいじゃん。それに小さいこと気にしすぎると背伸びないよ」

「お前まで言うな!」

明奏は父親である冬獅郎に喝を入れられそれを見た乱菊はというと明奏の後ろに立ち明奏を抱き枕見たく抱きつき

「たいちょ!女性に向かってそういうことしてると雛森に嫌われますよ」

「そうだ!そうだ!」

「余計な世話だ!それにお前まで調子に乗るな!」

今度は二人に対して喝を入れたのであった・・・・・

「フゥー、それでどうだった?」

「何が?」

「何がじゃねえよ!試験がだよ!試験!」

「ああ、大丈夫!大丈夫」

明奏は笑顔で答えて

「お前な・・・・」

「そんなに気にしなくても明奏ちゃんなら大丈夫ですよ」

といった乱菊の言葉に対し冬獅郎の表情が緩み

「隊長~、何ですか、その顔一人娘にベタ惚れじゃないですか」

「いいからお前はもう黙ってろ」

「もしかして、娘ができて親バカになったんじゃないんですか?隊長っ」

「てめえはさっさと自分の仕事をしろ!」

そう言ってから一発殴った

「も~、痛いじゃないですか、暴力反対!」

「痛いもクソもあるか、俺が黙ってろって言ったのに黙らなかったから悪いんだろ」

「フフッ」

明奏はそれを見て笑っていた

「何がおかしいんだ」

「いつ見ても面白いなって・・・」

「どこが面白いんだ?明奏」

「お父さんと乱菊さんを見ていると何だか面白くなってきて」

「こいつはある意味サボリ魔だからな・・・・」

「サボリ魔ってどういうことですか、一応私のほうが先輩なんだぞ!」

グチグチ言ってきて

「松本副隊長」

「何?明奏ちゃん」

「松本副隊長のほうが先輩って今、言わなかったですか?」

「たしかにそう言ったけど、この話はまた今度するわ」

「それじゃ、お先に失礼ッ」

そう言って出ていった。

「お父さん」

「何だ?」

「十番隊っていつもこうなの?」

「こういうのは日常茶飯事だけどな特に松本の場合はな・・・でも、あいつもあいつで頼りにしてるからさ・・・・・」

「ふーん、そうなんだ。これからお母さんのところに行ってくるから私もこれで失礼」

「そうだな」

明奏も出ていき五番隊に行き報告しに行った。

 

それから一週間が経ちそれぞれの家に封筒がくられてきてコウのところではコウが封筒を開け一枚の手紙を開いた。

そこには

『先導 コウ殿 先日行われた試験結果であなたは優秀な成績を収め真央霊術院の入学を許可する』

そう書かれており

「・・・・・・」

「どうだった、コウ」

「そうなのコウお兄ちゃん」

「どうなんだ、コウ」

森崎と倉野の二人もコウの様子を見て

「やったー!」

コウが叫び明美もエミナも喜び

「やったかいがあったじゃないの、コウ」

明美は抱きしめ

エミナは

「コウお兄ちゃんおめでとう」

妹のエミナはコウに飛びつき

「ありがとう、母さん、エミナ」

「良く頑張ったね、コーちゃん」

ユリはコウの頭を撫で

「ユリ姉のおかげだよ」

「別に私はは何もしてないわよ。ただコーちゃんにアドバイスをしただけだからさ・・・頑張ったのはコーちゃん自身なんだからね」

「あらあら」

「それとユリ姉」

「何?」

「俺がどこかの隊の隊員になったらちゃんと名前で呼んでくれないかな?」

「名前ね・・・・」

ユリは考え込み

「考えとくわね、コーちゃん」

「「合格おめでとう」」

森崎と倉野の二人が言ってきて

「ありがとう、森崎、倉野」

「コウ、これから死神になるのはすっごく大変になるとは思うけど頑張って卒業しろよ」

「わかってるって」

そのあとは死神の仕事をしている歩のおごりでお祝いムードになったのであった。

 

美夏の方も同じく合格が決まり喜びに浸っており、それから村全体で美夏の合格のお祝いをしていたのであった。

 

明奏の方も見事に合格を決め

「それじゃ、これから明奏ちゃんの合格記念にパーッとやりましょうよ隊長!」

「やるならお前たちで勝手にやってろ」

「もう、何ですか、隊長連れませんね」

「そうだよシロちゃん」

「シロちゃんって・・・」

突っ込もうとしたが思いとどまり

「それじゃ私たちだけで行きましょうか、雛森、明奏ちゃん。ノリの悪い隊長をほっといてね」

部屋から出ていき

「シロちゃん行ってくるね」

「行ってくるね、お父さん」

隊首室を出ていった。

三人は近くの店に入りその中には京楽隊長と浮竹隊長が座っており

「「「京楽隊長、浮竹隊長、こんばんわ」」」

「おお、これはこれは女性だけで何事だい?」

「明奏が真央霊術院に合格しましてね、そのお祝いをしようと思いまいてね」

桃がそう言って

「それはめでたいことだね~。それじゃ今夜はパーッと盛り上げっていこう!」

京楽隊長がそう言ってその勢いで

「いきましょー!」

松本副隊長が勢いに乗ってしまい

「これは大変になるぞ~」

雛森と浮竹は苦笑いして

「そうですね」

明奏もそう返し、そうこうしているうちに、京楽隊長と松本副隊長の二人は完全に酔いつぶれてしまい

「やっぱりこうなってしまったか・・・」

「全く・・・この人たちは良くここまで飲めるものだ」

浮竹は京楽を担ぎ

「雛森君と明奏くんは松本くんを頼むよ」

「こうなってくると大変ですね・・・ほら、乱菊さん行きますよ」

「あたしゃまだのへる」

乱菊さんは寄った状態で呂律が回っておらず日番谷副隊長がそう言って支え、明奏も手伝い何とか店の前まで出ていき

「それじゃまたね」

浮竹は瞬歩を使って八番隊隊舎まで送り届け

「それじゃ帰ろっか、明奏」

「うん」

「ねぇ、お母さん」

「何、明奏」

「お父さんとお母さんってどうして死神になったの?」

「私はね」

明奏は興味津津で聞こうとしたが

「秘密・・・また今度聞かしてあげる」

「今度っていつ?」

「今度は今度よ」

「それじゃ、お父さんはどうしてなんだろう」

「ウ〜ン」

考え込み

「何か気がついたら死神になっててあっという間に隊長までなってたかな」

「あっというまって・・・・」

「その時のシロちゃん百年に一度の天才だとか騒がれてたかな」

「お父さんが・・・・」

「それにあの人昔は一匹狼だったしね」

「それで今はどうなの」

「その時より丸くなったかな」

二人は一緒に笑っておりその後松本副隊長を送り届け、日番谷副隊長と娘の明奏は一緒に家に帰り家には机の中央には箱が置いてありその傍らソファーの上で寝ている父親、冬獅郎がおり

「もう、シロちゃんったらこんなとこで寝ちゃって・・・」

桃は少し呆れており

「んっ、あっ、帰ったのか・・・ふぁぁー」

と言って目を覚まし

「ごめん起こしちゃった」

「別にいいよ」

「怒ってる?」

「怒ってねぇよ」

「ホント?」

「ああ」

「それじゃ、キスして」

「はぁあ!」

半分寝ぼけており

「フフッ、やっぱり可愛いね、シロちゃん」

「私初めて見たかも、お父さんのこういうところ」

「それとシロちゃん」

「なんだ」

「机の上にあるこれ何?」

「別に何でもねえよ」

その場から冬獅郎はさっさと立ち去っていき

「お母さん開けてもいいかな?」

「まあいいんじゃない」

明奏は箱を開けて中身を見てみるとそこには苺のケーキがホールごと入っており

「わぁ、すごい。お母さん見てみて!」

「やっぱりね」

「あんまり驚いてないね」

「だいたいわかってたけどね」

「どういうこと?」

「シロちゃんはなんていうか昔から不器用っていうか・・・・うーん!そういう感じだからさ」

『お母さん何かうやむやにした』

心の中で明奏はそう思ったのであった

「だからシロちゃんは本当は一番嬉しかったのかもねほかの誰よりも・・・ね」

桃は明奏に向かって笑顔でそう言って

「ふーんそうなんだ」

「ガサガサして眠れねーからさっさとしろ」

後ろから怒鳴られ

「はい、はい」

桃がそう言って明奏は冬獅郎に抱きつき「うぉ!」と言ってバランスを崩し

「ありがとう」

「フンッ」

冬獅郎は頬を少し赤くしていたのであったとさ・・・・

 


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