問題児達+天帝が異世界から来るそうですよ!?   作:THE・Leaf

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執筆していると分かる事は、本を出している人がいかに大変かが痛いほど分かります

はいはい。駄々こねてないで執筆しますよ


第六話 ~序盤のボスは大概外道~

「よし着いた!」

 

「お得意の空間移動か」

 

「歩いたら半刻くらいかかるんだ。別にいいだろ?」

 

「お待ちしておりました。中でオーナーとルイオス様がお待ちです」

 

「黒ウサギ言っておくけど嫌みを言いに来たんじゃないだから早く入るよ」

 

「・・・・分かってますヨ」

 

「はいはい。拗ねてないで入る、入る」

 

店内に入り、中庭を抜けて離れの家屋に黒ウサギ達が向かう。

中で迎えたルイオスは黒ウサギを見て盛大に声を上げた。

 

「うわお、ウサギじゃん!うわー実物初めて見た!噂には聞いていたけど本当に東側にウサギがいるなんて思わなかった!つーかミニスカにガーターソックス―――」

 

「外道の定例文は聞き飽きるからそれ以上は言わなくていい」

 

「優希君一言足りないわ。・・・・先に断っておくけどこの美脚は私達の物よ」

 

「そうですそうです!黒ウサギの脚は、って違いますよ飛鳥さん!!」

 

「そうだぜお嬢様。この美脚は既に俺のものだ」

 

「そうですそうですこの脚はもう黙らっしゃいッ!!!」

 

「よかろう、ならば黒ウサギの脚を言い値で」

 

「売・り・ま・

 

「す」

 

「そうですよ。優希さんのっていい加減本気で怒りますよ!!」

 

「黒ウサギ落ち着かないで」

 

「耀さん・・・ってゑ?」

 

「本気で怒らせようとしてるから」

 

――スパァーン――×5

 

肝心のルイオスは完全に置いてけぼりを食らっている。

六人のやり取りが終わるまで唖然と見つめ、唐突に笑いだした。

 

「あっはははははは!え、何?”ノーネーム”っていう芸人コミュニティなの君ら。もしそうならまとめて”ペルセウス”に来いってマジで。道楽には好きなだけ金をかけるのが性分だからね。生涯面倒見るよ?勿論、その美脚は僕のベットで毎夜毎晩好きなだけ開かせてもらうけど」

 

「お断りでございます。黒ウサギは礼節を知らぬ殿方に肌を見せるつもりはありません」

 

「「「「てっきり見せ付けるために着てるのかと思った」」」」

 

「ち、違いますよ皆さん!これは白夜叉様が開催するゲームの審判をさせてもらう時、この格好を常備すれば賃金を三割増しにすると言われて嫌々・・・・・」

 

「ふぅん?嫌々そんな服着せられてたのかよ。・・・・おい白夜叉」

 

「なんだ小僧」

 

「超グッジョブ」

 

「うむ」

 

ビシッ!と親指を立てて意思疎通する二人。

 

「アホ共、進まないだろ」

 

「「アホとはなんだアホとは!!」」

 

「駄目だ。手の施しようがない」

 

「あの・・・・御来客の方も増えましたので、よろしければ店内の客間に移りましょうか?」

 

「はぁ~・・・是非御願いします」

 

一度仕切り直す事になった一同は”サウザンドアイズ”の客室に向かうのだった。

 

               *

 

「―――”ペルセウス”が私達に無礼を振るったのは以上の内容ですご理解いただけたでしょうか?」

 

「う、うむ。謝罪を望むのであれば後日」

 

「結構です。謝礼だけでは我々の怒りは収まりません。”ペルセウス”に受けた屈辱は両コミュニティの決闘をもって決着をつけるべきかと」

 

「”サウザンドアイズ”にはその仲介を御願いしたくて参りました。もし”ペルセウス”が拒む―――」

 

「いやだ」 唐突にルイオスは言った。

 

「・・・・はい?」

 

「いやだ。決闘なんて冗談じゃない―――」

 

「怖気づいたんですね。分かります。」

 

(優希さん・・・・・)

 

「優希君あんまり言っては可哀想よ?なんたって図星なのだから」

 

(飛鳥さん・・・・・)

 

「違うと思う。実はチキンハートなんだと思う。」

 

(耀さん・・・・・)

 

「そうか”ノーネーム”に負けるのが怖いのか。つくづく残念な奴だ」

 

(十六夜さん・・・・・)

 

とかなんとか言いながら必死に笑いをこらえる問題児達。

 

「そんなわけあるか!!」

 

「「「「ははははははははははっはははははは」」」」

 

「っ・・・自棄になったな」

 

「っ・・・いえ、暴走したのよ」

 

「っ・・・本当は全部図星だったんじゃ」

 

「っ・・・頭の回路が爆発したんだろ?」

 

明らかに馬鹿にしている問題児達。半ば笑いが漏れながら発言しているので誰でも分かるように馬鹿にしている。

 

「黙っていれば馬鹿にしやがって・・・・」

 

「それは一方的な主観だろ?もっと別の視点から別の感覚で見れば違ったように見えるだろ?」

 

「優希の言う通りだぜ。そういうのを被害妄想っていうんだ」

 

「・・・―――知っているかい?あの吸血鬼、ギフトを魔王に譲り渡したんだよ。この世界で”恩恵(ギフト)”は魂の一部。それを無能な仲間の無茶を止めるために捨てて、ようやく手に入れた自由も仮初め。他人の所有物っていう極めつけの屈辱に耐えてまで駆け付けたのにその仲間はあっさり自分を見捨てる!目を覚ましたあの女は一体どんな気分になるだろうね?」

 

「・・・・え、な」

黒ウサギは絶句し見る見るうちに蒼白に変わっていった。

 

「ねえ、黒ウサギさんこのまま彼女を見捨てて帰ったら、コミュニティの同士として義が立たないんじゃないか?」

 

「・・・・・?どういうことです?」

 

「取引をしよう。吸血鬼を”ノーネーム”に戻してやる。代わりに、僕は君が欲しい。君は生涯僕に隷属するんだ」

 

「なっ、」

 

「一種の一目惚れって奴?それに”箱庭の貴族”という箔も惜しいし」

 

再度絶句する黒ウサギ。飛鳥と優希が堪らず怒鳴り声を上げた

 

「「外道とは思っていた[けど](が)、此処までとは思わなかった[わ](ぜ)」」

            

「単刀直入にいえよ」

 

「黒ウサギ、君は”月の兎”だろ?仲間の為に煉獄の炎に焼かれるのが本望だろ?君達にとって―――」

 

「黙れよ」

 

「・・・・・・・・・・・・ウサギは―――」

 

「’黙りなさい’!」

 

「っ・・・・・!?・・・・・・・!!?」

 

「優希君にも言われたでしょう?貴方はそのまま’地に頭を伏せてなさい’!」

 

「おい、おんな。そんなのがつううじるのは―――格下だけだ、馬鹿が!!」

 

激怒したルイオスが取り出したギフトカードから光と共に現れた―――と思ったら消えた。

 

「優希落ち着けよ。相手の鎌を相手の首に当てるなんて穏やかじゃねえぞ?」

 

「十六夜お前には言われたく無い。お前も相手の拳止めてるし、もう片方は拳で反撃しようとしてるだろ?」

 

「ええい、やめんか戯け共!話し合いで解決出来ぬなら門前に放り出すぞ!」

 

「だ、そうだ。命拾いしたな」

 

「今日の一件は互いに不問。・・・・後、先ほどの話ですが・・・・少しだけお時間を下さい」

 

「待って黒ウサギ!黒ウサギはいいと思ってるの?」

 

「・・・・仲間に相談する為にも、どうかお時間を」

 

「オッケーオッケー。こちらの取引ギリギリ日程・・・一週間だけ待ってあげる」

 

にこやかに笑うルイオス。黒ウサギはそれだけ口にして足早に座敷を出た。

飛鳥と耀がその後ろを追いかける。十六夜と優希が部屋に残った。

 

「白夜叉は恵まれてるな」

 

「なんたって気難しい友人とゲスい部下に挟まれてるんだからな」

 

「そう経験出来ないぞ」

 

「全くだの。おんしら羨ましいなら代わってやるぞ」

 

「結構だ」

 

「右に同じだ。今はいいや・・・・ところで”ペルセウス”のリーダーってお前か?」

 

「あぁ?そうだけど、今更何聞いてんの?」

 

「「はぁ~~~」」

 

「―――ちょっと待てよ。今のため息はなに?」

 

「「名前負けしすぎ。期待した俺達が馬鹿だった。・・・そういう意味さ」」

 

「はっ。今なら安い喧嘩でも安く買うぜ?」

 

「「興味ないからいいわ」」

 

と二人は言い座敷に背を向けた。

 

         *

 

「優希分かってるだろうな?」

 

「ん?あぁ~海魔(クラーケン)とグライアイね」

 

「間に合うか?」

 

「さぁ?討伐時間は零に等しいとしても前置きが長いだろうな」

 

「やっぱりそこが一番の問題か・・・・・」

 

「それはそうと、早く行かないと五月蠅いよ。きっと」

 

「じゃあ頼むわ」

 

「はいはい」

 

         *

 

「夜中に叫ぶな喧しい」

 

「「「~~~~~~~~っ!」」」

 

「十六夜、もっと別の止め方があっただろ?」

 

「全部を踏まえて言わせてもらうと、黒ウサギ。お前が悪い」

 

「スルーかよ!まぁ、俺もそう思うよ黒ウサギ」

 

「どうしてですか!?」

 

「レティシアは”ノーネーム”の本拠に来た時、もう覚悟していたはずなんだ。それに、あの目は助けを求めている目だった?黒ウサギ」

 

「そ、それは・・・・いえ、助けを求めていないから―――」

 

「助けない。それは詭弁だ。だけど場合によるんだよ」

 

「レティシアがギフトを失っていた事を黙っていたのは、お前に身代わりになって欲しくないからじゃねえのか?」

 

「耀と飛鳥の言い方がもう少しソフトだったら気持ちが伝わるよ」

 

『私、黒ウサギの事が心配で堪らないの!御願い、私の傍に居て!』―――とか、か?優希」

 

「そんな感じかな?」

 

「申し訳御座いません黒ウサギそっちの趣味は・・・・・」

 

「「「「ここぞとばかりに曲解。この駄ウサギ」」」」

 

「皆さん酷いです!」

 

「「・・・・心配していたのは本当」」

 

「耀さん、飛鳥さん・・・・・」

 

「だって貴女、泣きそうな顔していたもの」

 

「こちらこそ申し訳ありません。冷静さを失っていました」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・それじゃあ、帰ろうか」

 

と、優希が言い本拠に帰るのだった。

 

             *

 

―――それから四日後。

 

「あれから四日。黒ウサギの交渉が―――」

 

「夜分失礼します、ルイオス様」

 

「誰だ!?」

 

「うわお!どうしたの急に?やっぱり―――」

 

「・・・・その一件でお話に参りました。明日、コミュニティの代表者を交えて会談したいと―――」

 

「オッケーオッケー!例のバンパイアで足りないなら他にも色々と付けるぜ!」

 

「はは、やったぜクソッタレ!これでもう”サウザンドアイズ”の看板に媚売る必要もない!ようやく僕にも運が回って来たってわけか!」

 

忠実な側近はカラになった主の杯に酒を注ぎ、山積みの書類を恨めしげに見るのだった。




やっとか!?やっと小説の第六章が終わったの?

長いわ!!!!!!!!!!!!

次短いな・・・・もしかしたら今日で書ききれる(かな?)第七話!

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