問題児達+天帝が異世界から来るそうですよ!?   作:THE・Leaf

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原作買ったのでお約束通り更新したいと思います。
が、これ更新できないような気が(ry

原作で問題児達のことが色々分かったので、こちらも優希の正体を書こうと思います。




第参拾話 ~起点(アルファ)と終点(オメガ)~

笑ってみんなが迎えてくれた。

その状況に安心した、その時だった。

優希の意識は完全に途絶え、その場に倒れた。

 

「優希!!」

 

間一髪、十六夜がキャッチした。

それと同時に十六夜は驚愕の表情を浮かべる。

 

 

「・・・・軽い、――軽すぎる!!」

 

優希の体重が異様に軽かった。まるで"中身がない"ような軽さだった。

 

「一体どうなってやがる!?」

 

「暗黒物質の影響ね」

 

突然、声が響く。

 

「テメェ、何しに来やがった」

 

声の主、柚葉に問う。

 

「ズタボロの状態で来て、する事なんて一つに決まっている。・・・・それは、優希を救うこと」

 

柚葉は優希が行った後も休んでいたが傷は中々癒えることはなかった。

彼女も優希の勝利を信じていた。だからこそズタボロの状態でも優希を救いにきたのだ。

 

「貴方達に優希が救えるの?」

 

不可能だ。十六夜達には今この場で優希を救うすべは無い。

だが、柚葉にはそれが可能であり最も生存率が高いだろう。

しかし、彼女のことを全く知らない十六夜達にとっては任せられない部分が多すぎる。

 

「まあ、信じられないでしょうね。なら、優希の昔々の話をしましょう。黒いツインテールの状態と白いツイン

テールの状態も含めて」

 

「頼む」

 

十六夜が彼女に告げた。勿論、周りにいる黒ウサギ達は一瞬、反対しかけたが十六夜が懇願の表情だったので何も言うことができなかった。

 

「ええ」

 

そう言って柚葉は優希に両手をかざす。すると青い環状が何本も現れ優希の体を中心にして回り始めた。

 

「この環状が消えるまで誰も優希に触らないで」

 

柚葉の言葉に一同は頷く。

 

「さて、さっきの話だけど・・・・どこから話そうかしら。そうね、とある世界のとある少年の話から始めましょうか」

 

そう言い、柚葉は語り始めた。

 

「とある少年はごく普通の家庭でごく普通に、幸せに育った。

ある日の事、少年は生き倒れの神を見つけた。ただ、少年はそれ

を神とは思わず生き倒れの人と勘違いし、あろうことか神に触れてしまった。

人は神を生み出した起点(アルファ)であり、神によって生み出された終点(オメガ)。

その神は少年の存在を奪い、自らの神格の糧として進化した」

 

「その神は一番最初に〝全〟の神の神格と存在を奪った。次に〝唯一〟の神。その次に・・・・とね」

 

「質問がある。下位の存在、神格の持ち主は上位の存在、神格の持ち主には干渉出来ないんじゃあないのか?」

 

と十六夜が質問を投げかけた。

 

「ええ。“下から上”は、ね。けれど、“上から下”には干渉できるのは当たり前よね? それを逆利用したのがあらゆる神の神格を奪った神よ」

 

「逆利用? まさか、相手から自分からも干渉できるように

して貰う。とかじゃねえだろうな?」

 

「その、まさか」

 

十六夜は驚きと同時に呆れた表情をした。

 

「どういった経路だったのかは詳しくは私も知らない。けれど、一番最初に〝全神〟を奪ったのなら後の神は〝全〟の神よりも神格が下だから、取り込み自身の神格を上げるのは容易かったでしょう」

 

「ただ、アルファとオメガの存在である人間には直接触れて貰う必要があった。そういうことか」

 

「九分九厘そうでしょうね」

 

柚葉は一拍置いて再び喋り出す。

 

「さっきの続きだけれど・・・・少年が神に触った事によって神が取り込んでいた〝全神〟と〝唯一神〟の半身が抜け殻同然の少年と一緒に未来へ飛んだの。

半身と言ったけれど肝心の本体は神側に取り込まれているから劣化コピーと言った方が正しいわ。

そして、未来に飛んでからだけど、少年も〝全〟と〝唯一〟も限界が来ていた。

そこにはW☆RSと呼ばれる白いツインテールの少女が倒れていて、B★RSと呼ばれる黒いツインテールの少女がその横に立っていた。

狙ってその少女達を選んだんでしょうね・・・・W☆RSと〝唯一神〟が完全同調(シンクロ)したものと、B★RSと〝全神〟が完全同調(シンクロ)したものが少年と同調(シンクロ)した。

まとめると、W☆RSが〝唯一神〟、B★RSが〝全神〟ということね。・・・・〝唯一〟は起点(アルファ)、〝全〟は終点(オメガ)。

神の起点(アルファ)と終点(オメガ)、人間が起点(アルファ)と終点(オメガ)。

・・・・二つの存在の起点(アルファ)と終点(オメガ)、二つの存在が起点(アルファ)か終点(オメガ)。

つまり神と少年はほぼ同じ存在。違うところがあるとすれば、人間を入れ物にしたか、神が取り込んだか、の違いね。

―――そして、そこにいる少年が“白星優希”よ。」

 

 

そこにいた十六夜たちは絶句だった。

 

 

「信じるかどうかは貴方達次第。但し他言無用、優希にもよ。本人に言ったところで、どうこうなる話でもない」

 

そこで声を発したのは十六夜だった。

 

「神を取り込んだ神は、どうなったんだ」

 

「アルファとオメガの再生をしている筈」

 

確証などどこにも無い。だが、自分ならそうする。そう顔で語っていた。

 

 

「まだ訊きたいことがある」

 

「時間がないから手短にね」

 

「暗黒物質の影響っていうのはどういうことだ」

 

「暗黒物質のギフトはごく簡単に他人に劣化コピー譲渡できるギフトなの」

 

「というと、オリジナルが存在してオリジナルから遠ければ遠いほど劣化しているのか。具体的にどう劣化してるんだ?」

 

「威力は勿論劣化していく。けど、劣化すると自損ダメージが減る。因みにオリジナルは自損ダメージを受けない」

 

「アンタはオリジナルのコピーか? それともコピーのコピーか?」

 

「オリジナルのコピー。それでも、オリジナルには遠く及ばない」

 

最後に言っておきましょう。と言葉を続ける。

 

「神を取り込んだ神は、いずれ必ずこの箱庭に来る。全世界、全宇宙、全時代を変える為に」

 

数年、あるいは数十年先。止められなければ、文字通り全てが終焉を迎える。

勝つことは限りなく不可能だろう。だが、それを託されたのは紛れもない優希である。

 

「相手が未知なら、その未知をも想定すればいい。」優希はこういうことを言う人間だ。

―――だからこそなのかもしれない。

信じなくてどうする? 十六夜は、例え優希がどういった存在であれ関係無かった。

切磋琢磨できる親友。自らの命賭けて命を救ってくれた親友。

その思いは耀も飛鳥も黒ウサギも全く同じだった。

 

 

すると柚葉は優希に近寄り、言葉を発した。

 

「・・・・もう見張って無くても大丈夫ね。――ユキ、あなたと会えて本当に良かった」

 

そう言うと、粒子となって優希に溶け込んでいった。

 

 

 

 

「―――・・・・・・・・」

 

 

 

沈黙と静寂。それを破ったのは耀だった。

 

「何か来るッ!! とんでもない数!!!」

 

その場に緊張感が一気に張り詰める。

今攻め込まれれば、最悪全滅する。

優希は回復中、十六夜は重傷。

耀、飛鳥、黒ウサギはほぼ万全で戦えるがこの状況からして、敵は”ウロボロス”の可能性が高い。

アジ=ダカーハを倒す援軍だと考えられなくもないが、最悪の可能性を考えなければならない。

 

「優希の空間のギフトで見晴が良くなっている。敵なら、即撤退。バラバラでもいいから逃げ切るぞ」

 

十六夜が真剣な声音で言う。

 

「・・・・もうすぐ有視界に入る」

 

耀が冷静かつ張り詰めた声で言う。

全員の心臓が高鳴る。

 

「・・・・5、4、3、2、1」

 

すぐ逃げれるようにとカウントダウンし、終わると同時に耀は安堵の息を吐いた。

 

「―――良かった、援軍だよ」

 

その言葉を聞き、十六夜達も安堵する。

 

「ヒヤヒヤさせやがって」

 

「全くだわ」

 

間もなく、十六夜達にもその姿が映った。

そして、問題児達は何かを耳打ちし合い、到着を待った。

 

 

「「「―――遅すぎ」」」

 

 

「遅すぎてとっくに倒したぜ、優希が」

 

「遅すぎて寝てしまっているわ、優希君が」

 

「以下同文」

 

黒ウサギも一瞬同意してしまったので、ツッコミを入れるタイミングを逃した。

 

「――主殿!!!」

 

真っ先に声を上げて来たのはレティシアだった。

 

「主殿、大丈夫か!!!!」

 

「眠ってるだけだ、安心しろ」

 

「本当だろうな!!?」

 

「ああ、本当だから落ち着けよ」

 

「・・・・それなら、よかった。ところで、アジ=ダカーハは?」

 

レティシアの中で重要さは、 優希>>越えられない壁>>アジ=ダカーハ のようだ。

まあ、仲間だし。と思いそこはスルー。十六夜が答える。

 

「主に優希が倒した。初めの方は俺も一緒に戦ってたが、ほぼ優希が一人で倒した」

 

「なっ!!」

 

レティシアだけでなく援軍に来たジャック、フェイス・レス、蛟魔王などなど全員が衝撃を受けていた。

 

「詳しい話は優希に聞かねえと俺にも分からねえ。とりあえず、起きるまで待ってくれ」

 

全員が呆気にとられていたが、そこは全員が肯定した。

 

「―――ならば、私が話そう」

 

 

 

「「「「「「「ゑっ?」」」」」」」

 

 

全員が素っ頓狂な声を上げた。

 

「なんだ、そんなに驚くことか?」

 

そうしゃべっているのは、W☆RSことシング・ラブだった。正確には、そうなった優希だが。

 

「おい優希、まだ寝てろ。起きて話せる身体じゃないだろ」

 

怒っているような心配しているような、中途半端なボリュームで十六夜が言う。

 

「心配するな。今は私だけが私自身の力で動いている状態だ。ユキにもステラにも負担はかかっていないよ」

 

十六夜が何か言おうとするが彼女が、それに、と言葉を続ける。

 

「私以外に状況を説明できる者がいない。私も安心して眠らせてやりたいからな」

 

と微笑みながら言った。

 

「さて、アジ=ダカーハだが。・・・・単刀直入に言おう。優希、つまりは私・・・・いや私達か。奴は完全に葬り去った」

 

すぐさま真剣な顔に切り替え、大声で全員に聞こえるように言った。

 

「その経緯だが、このまま話し続けるのは非常に疲れる。だから、できるだけ集まってくれ」

 

シング・ラブの言葉を聞き、周辺に集まってくる。

 

 

「―――質問は全て後にしてくれ。では、話そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  *

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――さて、これで終わりだが、質問があるものは挙手してくれ」

 

そういうと、ほぼ全員が手を挙げた。

 

「・・・・はあ。一人づつ答えていくことにしよう。面倒だがな」

 

そう言ってシング・ラブは目の前のレティシアに話すよう、手で促した。

 

「アジ=ダカーハは封印したのか、または消滅したのか」

 

「完全に消滅させた。二度と蘇生されないように一度、完全不特定独立閉鎖空間に送り込んだにすぎない」

 

次は? と言い、再び多数の手が挙がる。先ほどよりそこそこ減っている気がする。

 

ウィラに促した所、暗黒物質はどうやって入手して、どういった能力なのか。という質問だった。

それには話が少し長くなることを了承してもらい、話した。

 

「他に質問あるか? そろそろ疲れてきた」

 

とその言葉を聞き、皆が気を使ってか手を挙げなかった。

 

「すまないが、最後に答えて欲しいことがある」

 

たった一人そう言って手を挙げたものがいた。

 

「死神・・・・燕尾服の魔王(クロア=バロン)」

 

十六夜が何か言いたげであったが、あえて何も言わなかった。

そして、クロア=バロンが問う。

 

「”君は”、何も者だ?」

 

「それは、”私自身”に質問している。そう受け取って良いのか?」

 

「ああ、そうだ」

 

「・・・・・・いいだろう。私は! 異星人が技術・情報を提供し、人間がその職人の御業で造り上げられた!

歴史上人類史上、最低最悪最凶の”超大量破壊殺戮兵器”!!

シング・ラブ、またの名を White☆Rock Shooter

だっ!!!」

 

最後に不敵に笑うと、これで満足か? と問う。

 

「・・・・あ、ああ。そうだな、”ステラ”の事も聞かせて欲しい。これで本当に最後だ」

 

クロア=バロンだけでなく、優希を知る全員が驚愕だった。

信じられないと思いながらも彼は質問した。

 

「ステラまたの名を Black★Rock Shooterは、私を殺すために私をコピーして作られた兵器だ。

つまり、”兵器を殺す為の最終兵器”。・・・・全く、難儀なものだよ」

 

言っておくが、強さについては一切語らんからな、と少し間を空けて付け加えた。

これは今さっき思い出した、いや”戻った”と言うべきか。と心で付け加える。

 

「ユキに引っ張られているからな、正直寝たい。・・・・だが、それはまだ許して貰えなさそうだっ!!」

 

気づけば W☆RS はウィラの傍に移動しており、境界門で移動してきたマクスウェルをホワイトサイスで切り裂いていた。

 

「悪質ストーカーか。よくこの場に出てきたな。・・・・その勇士だけは称賛してやろう」

 

W☆RS はウィラを抱えて〝瞬間移動〟し、気づけば援軍がいる場所より遠くにいる。

ウィラが何か言いたげであったが、 W☆RS は人差し指をウィラの口に当てる。

 

「心配するな」

 

とだけ言った。

 

「優希、下がってろとまでは言わないが、ここは俺達にやらせてくれ」

 

「頼む。正直、動くのもかなり無理しているからな」

 

「ああ。・・・・いくぞ、春日部、お嬢様」

 

「うん」

 

「ええ」

 

周りのものは彼らを見守っているだけである。おそらく何の手出しもしないつもりだろう。

 

「春日部、マルコシアスなら」

 

「うん、大丈夫。分かってる」

 

マルコシアスは、眼前の状況に対して最も正しい未来を示す、という恩恵である。

つまり、「望む未来を実行する」この恩恵は、術者が状況を把握していなくてもダイレクトに答えだけを用意してくれるのだ。

 

 

「お嬢様はアレで援護を頼む」

 

 

十六夜のいう『アレ』とは、ハーメルンの風切り笛のことである。

耀のマルコシアスと十六夜の極光があれば、ほぼ問題ないだろうが万が一に備えて言っておく。

 

 

マクスウェルはその間、何かブツブツ呟いていた。

おそらく、というより十中八九、ウィラを左手で抱いている優希もとい W☆RS のことだろう。

 

 

マクスウェルを知っているものは、そう思っていた。

だが、実は完全にそうではなかった。

マクスウェルはウィラを連れ去り次第、逃げるという予定だった。

しかし、それが上手くいかなかったので逃げようとしたが境界門が開けられない。

それに対して自問自答しながらブツブツ呟いていた。

その呟きも、途中から皆がそう思っていることを呟いていたのは確かである。

だがそれ以外のこともあった。

マクスウェルが来たのも、援軍が来たのも"アジ=ダカーハが倒されていない"と思っていたからだ。

ちなみに、援軍が遅かったのは時間を止めていたことが主な原因である

 

なぜ、境界門が開けられないかというと優希のギフト”Space The End”によるものである。

進化させたので非常に使い難い。例を挙げれば、範囲、条件、干渉するもの等々、様々なことを決めなければならないことだ。

しかし、空間に与えられる条件や影響力などが格段に上がっているので、今まで出来なかったことが出来るようになっている。

 

「・・・・安心しろマクスウェル。私(達のコミュニティ)とウィラ(のコミュニティ)は既に一緒になると決めている。

それに、あんな事(武器を造って貰う)やそんな事(日用品を造って貰う)をウィラ(のコミュニティ)が許可している。お前に介入の余地はない」

 

マクスウェル以外の全員がこの台詞を聞いて思った。

 

「(完全に煽っているな)」

 

だが、マクスウェルは煽られているなど到底思う筈もなかった。

なぜならウィラが優希に顔を寄せているからだ。ただそれは、角度が違えば唇を重ねているようにも見える。

マクスウェルがいる場所を計算して、マクスウェルに見せつけているのは言わずもがな。

ウィラも優希の煽り作戦に乗ったのだ。

そして、マクスウェルは完全にキレた。

 

「済まない、怒らせるつもりは無くもなかった」

 

「それ、謝ってないよな」

 

優希と十六夜が言葉を交わす。

 

「あっちは乱心している。何するか分からないから、気をつけて全力で頼む」

 

「ああ、やってやるよ!!」

 

 

決着は早々に、あっけなくついた。

 

耀が十六夜に先陣を切らせて欲しいと頼のみ、承諾。

 

耀は、十六夜や優希に頼ってばかりいられないと言ったのだ。

 

先陣を切り、マクスウェルを物理で殴る。

 

境界門を開けないマクスエウェルは避けるしか無いのだが、避けれずクリーンヒット。

 

「極光を奴に叩き込め!」

 

十六夜は耀の後ろから現れ、優希に言われた通り、極光をマクスウェルに叩き込んだ。

 

マクスウェルは極光によって葬り去られた。

 

 

「・・・・そろそろ出てきたらどうだ? まさか、それで隠れているつもりか?」

 

 

優希ことW☆RSが見えないものに告げる。

 

「・・・・・・反応無し、か。お前たちが”ウロボロス”で、アジ=ダカーハの戦闘を見に来たというのならば言ってやろう。

 

私が奴を倒した。私の気が変わらないうちに、その薄気味悪い存在ごと消えろ。なんなら、ここで消してやろうか?」

 

 

八割ブラフ。もう、戦える力など残っていない。

 

相手は二人。内一人は存在がかなり不確定。

 

これだけの人数がいれば、容易く勝てそうな気がするがそんなことは全く無い。

 

この箱庭には規格外のチートとも思える能力を持っている輩が数えきれない程いる。

 

最悪、全滅しかねない。

 

勝ったとしてもそれは囮で、それが何かの引き金になるかもしれない。

 

よって、ここで攻めるのは愚行。

 

離脱するための力程度は、一応ある。

 

それに、ここにはかなりの味方がいる。相手が利口であれば、まず攻めてこない。

 

仮に、魔王で戦う意思があったならば見つけた時点でギフトゲームを挑んでくる筈だ。

 

相手が魔王で無いと信じた。最悪の能力を持っていないと信じた。去ってくれると信じた。

 

確証などどこにも無い。

 

 

そして静寂のまま、運よくW☆RSの言葉通り、二人の存在は消えていった。

 

気が抜け、元通りの優希に戻り倒れこむ様に眠った。

 

 

 

 

 

side ???

 

 

「閣下がイレギュラーにやられたか・・・・」

 

「イレギュラー?」

 

「・・・・閣下はどちらにしろ此処で死ぬ運命だったが」

 

隣からの疑問に耳を貸さない、線が細かく背が高い切れ長の目の男。

 

「あれこれ言っていても仕方がない。行くぞ、カーラ」

 

カーラと呼ばれた美麗な金髪にメイド服を着込む、苺のように赤い唇に整った容姿の彼女は有無を言わず男に付いて行った。

 

 

 

 

 

side 十六夜

 

 

「優希!」

 

優希が倒れた瞬間に十六夜が叫ぶが、同時に

 

「主殿!!」

 

レティシアが叫んだ。

 

「優希!」

 

耀も叫び、

 

「優希君!」

 

飛鳥、

 

「優希さん!!」

 

黒ウサギも。

 

一目散に駆け寄ったのはレティシアだった。

 

「主殿、主殿!!!」

 

レティシアは優希の胸に耳を当て、心臓の鼓動を確認する。・・・・正常。

 

息の確認、これも正常。体温は少々高いが許容範囲。

 

「――大丈夫なようだ。安静にしていれば問題ないだろう」

 

その言葉で全員が安堵した。

 

 




正直、まだ早いかなと思っています。
ですが、読んで下さっている皆様の事を考えると・・・・

次は、原作が発売して私が入手次第更新します。
番外編は考えてないです。あったら書くと思います。

兎も角、2014年10月17日17:45頃更新しました!!

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