問題児達+天帝が異世界から来るそうですよ!?   作:THE・Leaf

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第壱話 ~空間移動≒ワープ~

『ぎにゃああああああ!!お、お嬢おおおおおお!!』

 

上空4000メートルから落下している4人と一匹

 

「くっ、薄い水膜で速度軽減されていても自由落下だ。いけるのか?いや、いけるはずだ!」

 

そして4人と一匹は消えた。・・・比喩は無い。

 

「あっ危なかったぁ~、ふぅ、ちゃんと”陸地に移動着地した”から良かった。ところで皆さん大丈夫ですか?」と優希が言う。

 

「えぇ、大丈夫。ありがとう」

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!だけど、貴方には私もお礼を言うわ。ありがとう」

 

「右に同じだ。場合によっちゃその場でゲームオーバーになるところを救ってくれたんだ。だがなぁ俺はそんな事どう~でも良い。お前さっき何したんだよ?」

 

「私も知りたい」

 

「私も是非知りたいわ」

 

「えっ?えぇ良いですよ。先ほどやったのは”空間移動”です。分かりやすく言えばワープとかそういう類ですよ。」

 

「おい、おい面白ぇなぁ~そいつはよぉ~」

 

「まぁ、皆さんが助かったので問題ないです。それで自分からも聞きたいのですが皆さんにもあの変な手紙が?」

 

「あぁそうだな。少なくとも此処にいるのは皆そうだろ。お前達もそうだよな?」

 

「そうだけど、まずは”オマエ”って呼び方を訂正して。――私は久遠飛鳥(くどう あすか)よ。以後は気を付けて。それで猫を抱きかかえている貴方は?」

 

「・・・・・春日部耀(かすかべ よう)。以下同文」

 

「そう。よろしく春日部さん。私達を救ってくれた貴方は?」

 

「自分は白星優希です。以後お見知りおきを」

 

「よろしく優希君。最後に野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っておくから覚悟しておけ、お嬢様」

 

心からケラケラと笑う逆廻十六夜。

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

我関せず無関心を装う春日部耀。

それを傍目に見ている白星優希。

そんな彼らを物陰から見ていた黒ウサギは思う。

(うわぁ・・・なんか問題児ばっかりみたいですね・・・)

召喚しておいてアレだが・・・彼らが協力する姿は客観的に想像できそうに無い。

黒ウサギは陰鬱そうにため息を吐くのだった。

 

             *

 

十六夜は苛立たしげに言う。

「で、呼び出されたのは良いけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?

 

「そうね。何の説明も無いままでは動きようが無いもの」

 

「・・・・。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

 

(全くです)

 

「はぁ、それじゃぁそこに隠れている人にでも聞く?」

 

(ゑっ?今、お腹を括ろうと思った矢先に・・・・!?」

 

「それもそうだな。それが一番手っ取り早そうだ。

 

「なんだ、貴方達も気づいていたの?」

 

「そりゃもう初めからですが?何か?」

 

「当然だな。それにそっちの猫を抱いてる奴も気づいていたんだろ?」

 

「・・・風上に立たれたら嫌でも分かる」

 

「・・・・へぇ?面白いなお前」

 

軽薄そうに笑う十六夜の目は笑っていない。4人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線を黒ウサギに向ける。黒ウサギは怯んだ。

 

「や、やだなぁ御四人様。そんな狼みたいに怖~い目で見られると黒ウサギは死んじゃいますヨ?ええ、ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございますぅ。そん黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を・・・・」

 

と言いかけたところで、優希がにこやかに

「嫌です」と言う。

 

「同じく、断る」と十六夜が。

 

「却下」と飛鳥が。

 

「以下同文、お断りします」と耀が。

 

「あっはー、台詞を最後まで言わせてくれないのはおろか取り付くシマも無いですね♪」

 

バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。

黒ウサギはおどけつつも、四人にどう接するべきか冷静に考を張り巡らせていると

春日部耀が黒ウサギの耳を根っこから鷲掴みした。

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

「ちょ、ちょとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが――」

 

と黒ウサギが言いかけたところで、白星優希(しらほし ゆき)が

「好奇心の為せる業ですね。分かります。と、言うことで自分も」

 

「フギュゥ!・・・・自由にも程がありすぎます!」

 

「へぇ、このウサ耳って本物なのか?」

今度は十六夜が右から掴み引っ張る。

 

「・・・・。じゃぁ私も」

 

「ちょ、ちょと待――」

今度は飛鳥が左から。

そして左右から力いっぱい耳を引っ張られた瞬間、言葉にならない悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した。

 

               *

 

「――あ、あり得ない。あり得ないのですよ。話を聴いてもらうのに小1時間も消費してしまうとは――」次に何か言葉にを発す瞬間、

 

「それなら、早く進めましょうよ?」と優希が言う。

半ば本気の涙を浮かべながら長々と”箱庭”の説明をするのであった。

     

 

 




小説で言うとやっと1巻の第1章が終わったところですね。

(かなりカットしたんだけどなぁ・・・・・)

やっと1巻の第2章ですか・・・なんか執筆すると何十話単位を執筆しているお方に
はものすごい尊敬できますね。はい。

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