問題児達+天帝が異世界から来るそうですよ!?   作:THE・Leaf

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キター!! 魔王戦キター!!!

やっと伏線からの戦闘ですよ。
相手はペストですが、主人公(優希)が活躍するのであって、黒ウサギは何もしません!!

とにかくvsペスト戦開幕!!!!

ボカロ曲の『天樂』、一部ですが使わせて戴いております(分からなかったらググッてね)。ご了承下さい。

後、オリ敵&オリ展開があります!!!


第壱拾五話 ~vs黒死斑の魔王~

―――後、数分で決戦という時だ。

優希と十六夜が喋っていた。

 

「十六夜、頼みたいことがある」

 

「・・・・『魔王は俺に倒させてくれ』、だろ?」

 

「あぁ。駄目か?」

 

「別に・・・・只勝てよ? 負けたら承知しねえぜ」

 

「当たり前だ。耀のためにも、コミュニティのためにも、此処にいる人たちのためにも、必ず勝つ!」

 

「それさえ聞ければ問題ないな。背中は任せたぜ、帝釈天」

 

「・・・・後、もう少しで始まる。さぁ殺ってやろぜ!!」

 

                    *

 

ゲーム再開の合図は、激しい地鳴りと共に起きた。

境界壁から削り出された宮殿は光に飲み込まれ、激しいプリズムと共に参加者のテリトリーを包み込む。

 

「予想はしてたが、本当にハーメルンの街を召喚するなんて思ってもなかったぜ? ペスト」

 

「やっぱり、貴方が謎を解いたの?」

 

「まぁ、そうだな。八〇〇〇万もの死の功績をもつ悪魔さんよ」

 

「あってるはあってるけど、違うわ。時間も稼げるし教えてあげる。私は八〇〇〇万の悪霊群の代表よ」

 

「なるほどな。それで、太陽に復讐でもするのか?」

 

「その通りよ!!」

 

「そうか。それだけ分かればもう良いか」

 

と優希が言った後、光り輝く剣が現れた。

長さは長巻程だろうか。それよりも、少々長いと思われる。

 

「ロード・オブ・ヘブンソード―――ロード・オブ・ヘブンアームズの一つらしい。これは俺のギフト”天帝の聖騎士”に含まれているらしいんだが、詳しい事はどうでも言い。さぁ、お前の罪を数えろ!!!!」

 

「例え、帝釈天の持つ聖属性武器であっても当たらなければ問題ないわ!!」

 

と言って、ペストは黒い風を優希の方向に向ける。

 

「〝ファントムモード〟!」

 

だが、優希には当たらない。今の優希は幻影なのだ。狙いを定めるのは困難である。

だが、ペストはそれに気づいたのか風で広範囲に攻撃する。

それでも優希はロード・オブ・ヘブンソードで黒い風を斬る。

 

「やっぱり、場所が分からないと言っても広範囲攻撃に弱いのね」

 

「チッ、流石魔王だな。もうネタバレかよ・・・・【一刀・五十連斬(いっとう・ごじゅうれんざん)】!!」

 

「50連撃程度届くはずないでしょ!!!」

 

と以前ペストに攻撃を与えられてない。どうしても風に阻まれる。

空間移動を応用し、攻撃しても当たらない。

黒い風を攻略しなければペストに攻撃は与えられないのだ。

 

「無駄だと分からないの? 星を砕く一撃が50も続いたら流石に届くけど、違うでしょ? 精々―――」

 

「敵にヒントを与えるなんて愚の骨頂だぜ、ペスト!! 今、打ち鳴らす衝動の刃が世界を砕く!!! 〝天樂〟!!!!!」

 

「何かが変わった? でも、無駄よ? 貴方に私は倒せない!!」

 

「そうかい。ペスト、後悔すんじゃねえぞ!!! 【天樂一刀・五十星破斬(てんがくいっとう・ごじゅうせいはざん)】!!!!」

 

「甘い!! 甘いわ!!!」

 

ペストは一撃が世界(=星)をも砕く優希の状態の技、五十連撃(=星を五十個破壊できる)をなんとかいなしている。

 

「ハァァァァァァァァ!!!!」

 

――バァーン――

 

「フン、やっとか十六夜。やっと本物のハーメルンの笛吹き、ヴェーザーを倒したか。シュトロムは紅くてデカイ巨兵に乗った飛鳥が殺ったみたいだし。それにラッテンも逝ったようだし、こっちもそろそろ決着付けるか? ペスト」

 

「そうね。そうしましょう」

 

ペストはところどころボロボロになっているが、優希の質問に答える。

その刹那、黒い風は天を衝いた。

雲海を突き抜けた奔流は瞬く間に雲を散らし、空中で霧散してハーメルンの街に降り注ぐ。

空気は腐敗し、鳥は地に落ち、街路のネズミは触れただけで命を落とす。

 

「先程までの余興とは違うわ。触れただけで、その命に死を運ぶ風よ・・・・!」

 

優希の顔が歪む。この風がハーメルンの街を包めば全員死ぬ。

自分は守ると言い、何も守れない。

耀を死と隣り合わせにしてしまった。黒死病を止めれなかった。

自分の無能さに腹が立つ。

 

「バカヤロォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」

 

――ドッゴーン――

 

と優希が盛大に吹っ飛ぶ。十六夜に殴られたのだ。

 

「魔王倒すって言っただろうがッ!! 春日部助けるって言っただろうがッ!!

必ず勝つって言っただろうがッ!! 約束ぐらい守れ!!!」

 

優希は十六夜に言われ気づいた。まだ終わってなどいないと。

優希は右手を前に出した。そうすると、鍔が五芒星の長巻と鍔が六芒星の長巻が現れた。

そして、両方の長巻とロード・オブ・ヘブンソードが突然現れた光り輝く”何か”

に吸い込まれた。

黒ウサギは気づいたのか口に手を当てている。そして、”銀河の門(ギャラクシアゲート)”!!??? と呟いているが、もちろん優希には聞こえない。

 

そして、一本の太刀が出現した。それはあまりに煌々しく、あまりに美しいまでの”純白”の太刀だった。

 

「煌々剣・純白(こうごうけん・はく)。これがこの剣の名だ」

 

ガチン、と甲高い音が聞こえる。優希が”煌々剣・純白”を手にしたのだ。

そして優希の体を何かが包み込む。

 

「俺が纏っている・・・・装備している防具は”天帝聖騎士の宝具(ロード・オブ・ヘブン・パラディンアーム)”だ。どんな災禍であろうが絶望だろうが振り払う。もう、全て終わりだ。あの世で詫びるんだな」

 

【終焉・煌々白帝】(しゅうえん・こうごうはくてい)

 

――カチン――

 

と刀の納刀音が聞こえた瞬間、天が裂けた。

それと同時にペストは斬られており、太刀筋の軌跡が刃のようにペストを貫いている。

 

「・・・・・? ・・・・・う・・・・・そ・・・・・?」

 

――パチン――

 

と優希が指をならすとペストは細かい光の粒子になり雲散霧消した。

 

「十六夜、ありがとな。お前が殴らなかったら、俺は―――」

 

「何言ってんだよ。優希しかペストを倒せなかったんだ。あそこで殴らないで何処で殴るんだ?」

 

「そうだな。さぁ、偽りの伝承を砕いて真実の伝承を掲げよう。そして終わらせるんだ。このゲームを」

 

「あぁ」

 

 

―――それから数時間がたち、ゲーム開始から十時間後の事。

ネズミ捕りの男と、黒死病によって倒れた者達が描かれているステンドグラスが全て砕かれ、ヴェーザー河を描いたステンドグラスを一斉に掲げる。

”偽りの伝承を砕いて真実の伝承を掲げよ”の一文が成された直後、参加者達の視界は砕けるように開けた。

 

「全部終わったんだな」

 

「あぁ、白夜叉が申し訳なさそうに演説してるが無理もねえだろ」

 

「そら、終始封印されたままだったからな」

 

「今回のMVPはやっぱり優希だな」

 

「いや、十六夜だろ?」

 

「御二人ともMVPですヨ。優希さん、十六夜さん。本当にありがとうございます」

 

「いや、礼を言われるような事は―――」

 

「優希さん、白夜叉様の言葉を覚えていますか? 優希さんにもできないことはあります。それに、終わりよければ全て良し! 魔王を倒せたので良かったのです」

 

「魔王を倒せたのは十六夜のおかげだよ。俺一人だったら負けてたはずだから」

 

「”お兄ちゃん”見ぃつけた♪」

 

「・・・・桜、なんでお前がこんなところに居るんだよ」

 

「優希さんあの方は?」

 

「白星桜(しらほし さくら)俺の実の妹だ」

 

「「「ゑっ?・・・・・え~~~~~」」」

 

「ゆ、優希君、妹さんがいたの?」

 

「あぁ。・・・・桜、お前がどうやって此処に来たのかこの際どうでもいい。お前が持っているのは何だ?」

 

「優希さん、何も持ってないのに―――」

 

「流石、お兄ちゃんだね♪ はい、コレ?」

 

その手に握れれていた・・・・否、担がれたいたのは耀だった。

 

「放せよ」

 

「それは、大好きなお兄ちゃんの頼みでも出来ないなぁ」

 

「放せってんだろうがぁぁぁぁぁ!!!」

 

優希はペストを倒したときと全く同じ状態になっている。

気づけば耀は優希にお姫様抱っこされていた。

 

「黒ウサギ、すまないが耀を頼む」

 

「は、はい」

 

「此処にいるやつらに言っておく。下手に手を出したら死ぬ。以上だ」

 

「お兄ちゃん、相変わらず優しいね♪ そういうトコ好きだよ」

 

「桜、耀に何をした」

 

「呪いをかけたんだよ。後数時間もすれば死んじゃうよ。お兄ちゃんは、桜だけを見てればいいんだよ♪」

 

「ん・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・ゆ・・・・・き・・・・・」

 

「耀、これから俺がすることにどれだけ怨んでも良い。憎悪を殺意を抱いて構わないから・・・・生きてくれ」

 

コクリと耀がぎこちなく首を縦に振る。

桜が先程から何かを叫んでいるが聞こえない。

 

「黒ウサギ、ありがとう」

 

といって、黒ウサギに支えてもらっていた耀を再びお姫様抱っこする。

 

「耀・・・・目を閉じてくれ」

 

と優希が言うと耀は目を閉じる。

そして優希は、躊躇うことなく”耀の唇に自らの唇を重ねた”。

 

全員が唖然としている。桜は驚きと憎しみが混ざったような顔である。

 

「あっ、あれ? なんで? さっきまで苦しくてしょうがなかったのに・・・・本当に死んじゃうかもしれないって・・・・・」

 

というところまで思い出すと耀は顔が真っ赤になり、ショートするように気絶した。

 

「耀さん!!」

 

「大丈夫だよ。気絶してるだけだから」

 

「嘘でしょ!! 有り得ないわ!!! あの呪いは、今まで誰にも解かれなかった!!!! 何故!!???―――答えないんだ・・・・良いよ、もう。全員皆殺しだァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

と桜は言うと両手に漆黒の大鎌を持って優希に突っ込む。

 

「死ねェェェェェェェェ!!!!」

 

その瞬間だった。優希から天使の羽らしきものが優希の背中又は装備から出現した。そして桜は優希の目の前に透明なバリアでもあるかのように止まっている。

 

「・・・・っ・・・・・クソッ、テメェ何しやがった!!」

 

「オルタナティブシールドだ」

 

「ハァ!!?」

 

「二者択一のシールドだ。近距離攻撃又は遠距離攻撃どちらかを完全に防ぐ。但し、一度展開すると破壊されないかぎり防ぐ攻撃の種類を変えることはできない」

 

「今は、近距離攻撃が完全無効化されてるわけか。優希は正直一番相手にしたくない相手だな」

 

「オイ、兄貴どの程度が近距離だと判断されるんだ?」

 

「武器を持って水平にしろ。その長さと俺の太刀も抜いて鞘と水平にする。この長さその長さが今回の近距離攻撃だと判断される」

 

「つまり、相手の腕の長さ(≒身長)+武器の長さを〝A〟とすると、自分の腕の長さ(≒身長)+武器の長さを〝B〟とすると〝A+B〟が近接攻撃だと判断され、それを超えるのが遠距離攻撃だと」

 

「十六夜御名答だ」

 

「只のチートシールドじゃねえか」

 

「さぁ桜、どうするんだ」

 

「クソッタレがァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

 

【終焉壱式・煌々白霊斬】(しゅうえんいっしき・こうごうはくれいざん)

 

――カチン――

 

「―――グッハッ・・・・ガハッ・・・・クソ兄貴、手加減しやがったな」

 

「これ以上何かするなら俺も手加減しない」

 

「知らねえぜ? 魂を木っ端微塵にしなきゃ、呪いが巻き散るぜ!!!」

 

【終焉弐式・煌々白皇斬】(しゅうえんにしき・こうごうはくおうざん)

 

――カチン――

 

と再び刀の納刀音が聞こえた瞬間、桜が光の粒子になり雲散霧消した。

――かと思われた。

 

「面倒な事してんじゃねえよ。堕天使ルシファー」

 

「バレちゃってたか・・・・」

 

「分からねえ方がおかしいだろ」

 

全員が唖然又は驚いている。無理も無いだろう桜は堕天使ルシファーだというのだから。

 

「まぁ、言い切って良いかどうか微妙だけどな」

 

「グレーゾーンってやつだよね」

 

「優希さんどういう事ですか?」

 

「太陰対極図、知ってるか?」

 

「えっ、ええ、まぁ」

 

「太陰対極図っていうのは”どんな光の中にも闇があり、どんな闇の中にも光がある”ってことを表した図なんだ―――と此処まで言えば分かるか?」

 

「優希が天使だとしたらあっちは堕天使ってか? 世の中うまくできてるな」

 

「十六夜、その通りだ」

 

「今日は部が悪いね。あっちは第四リミットまで解除してるし。またね、お兄ちゃん」

 

といって、桜が消えた。

 

「逃げた、か。それにしても”第四リミットまで解除している”ってどういう事だ? できれば会いたくないが考えても分かりそうに無いだろうし、次合った時に聞くか」

 

と、魔王戦闘後に起こった戦闘は疑問を数々と残していった・・・・・・・。

 

                        *

 

―――”ノーネーム”農園跡地。

あれから一週間。

境界壁から帰ってきた一同は早速農地に向かい、メルンに土地の修復を頼んだ。

メルンはとんがり帽子を被った精霊のことであり、彼らハーメルンの笛吹きの精霊にとって一三一人目の同士と紅い鋼の巨兵・ディーンを託したのだ。

そして農地に来た理由もメルンが開拓の霊格を授けられたからである。

地精に復活できるかを問うと・・・・・

 

「むり!」

 

即答だった。

期待してやってきた子供達もいたので、飛鳥は申し訳なさそうに頭を下げた。

 

「ごめんなさい・・・・期待させるような事言って、」

 

「いや、なんとかなるかもしれないぞ? なぁ、十六夜?」

 

「その極チビに聞くのが早いだろ?」

 

「ごくちび?」

 

「そ。”極めて小さいメルン”だから略―――」

 

「せてねえよ。メルン、土壌の肥やしになるものがあったら、それを分解して土地を復活させる事できる? 廃墟の木材とか、本拠の周りの林を肥やしにして、さ」

 

おお? とメルンは考える仕草を取る。すると、

 

「・・・・できる!」

 

「ホント!?」

 

「かも!」

 

「やる価値があるんだ。やろうぜ?」

 

と十六夜に言われ、

 

「そうね」

 

と肯定するとギフトカードからディーンを召喚し、命令する。

 

「ディーン! すぐに取り掛かるわよ! 年長組の子達も手伝いなさい!」

 

「―――これからきっと騒がしくてもっと賑やかになるぞ、きっと」

 

「あぁ。・・・・いつの日か”ハロウィン”をやろうって、お嬢様に言ったんだ」

 

「それで?」

 

「名案だと」

 

「だろうな。Trick or Treat って早く言えたら良いな」

 

「十六夜君、優希君、貴方達も手伝って!!」

 

「今行くよ」

 

「了解」

 

と”ノーネーム”一同農地の開拓に勤しむのだった。

 




はい。第壱拾五話書き終わりました!!!

これで原作二巻が終わった事になりますね。
私事ですが、最新刊まで買ったのにまだ原作四巻の三分の一程度しか読んでませんw
読んだ後にあれをこうしてこうやって、みたいな感じでやってるのであんまり読み進めると、どんな話だったけ? と、なり読み返す事になるのでまだ読んでません。

次は個人的に一番書きたかった番外編を書きます。
正直、ペストと戦う前あたりから書きたかったんですよ。
ちなみに耀視点で書く予定です。好御期待!!!

ということで、本日4月3日更新致します!!!!


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