我輩はレッドである。 作:黒雛
そしてアニポケのようにその回限りのオリキャラを導入します。さすがに今の人数で話を膨らませるのは不可能だ。
――ヤマブキシティ。
そこはカントー地方随一の規模を誇っている大都会。
街並みには所狭しと高層ビルが並んでいて、圧倒的に人口が多い。
スケジュール帳と睨み合ったり、携帯で連絡を取りながら早歩きで歩くサラリーマン。やや軽薄な印象を受ける青年。垢抜けたコーディネートを着こなしたモデルのような女性。彫りの深い顔立ちの外国人。見渡せば十人十色の如く様々な人種が見受けられる。
しかし、その反面とでも言うべきか、ポケモンの数は少なかった。
愛玩用のポケモンはちらほらと確認出来るが、余所の都市と比べるとやはり寂しいものだ。
無論、ヤマブキシティの住人がポケモンを嫌っているわけではない。が、街の気風とでも言うべきか――とにかく時間に忙しい印象を受ける住人たちには、不用意にポケモンを連れて出歩かないように、と暗黙の了解が出来ているのだろう。
街は広い。道の歩幅だって他の街とは比較にならないほどだ。しかし、それ以上に人口が多いせいでポケモンをモンスターボールから出して歩くようなスペースが見当たらない。
なるほど。確かにカントー地方随一の大都会。最先端の技術を取り込んで日夜発展に勤しんでいる姿はその名に恥じない行動力だ。
「――けど、住むなら断然タマムシシティだよなァ」
ポケモンセンターより少し離れた場所にある噴水公園の芝生に腰を下ろしたレッドは、キッチンカーで購入したホットドッグを咀嚼しながら素直な感想を口にした。
レッドの周りには、彼のポケモンたちが陣取って同じく食事の時間に入っている。どうやら公園の敷地内はポケモンの解放は認められており(そもそも敷地外も暗黙の了解というだけであって法律による制限は無い)、他のトレーナーたちも伸び伸びとポケモンに自由行動を取らせていた。
(何かこの街はこう――人間味が強いというか何というか……比率が偏っているんだ。いや、別に悪いというわけじゃねーけど)
ただ――自分には合わない。
それはレッドのように各地のジム巡りをしているトレーナーの多くが同意するだろう。彼らは時間にルーズで、何より自由だ。他人や時間に急かされることの無い彼らからしてみれば、ヤマブキシティの働き者なイメージは肌に合わないのだ。
(それでも結局半数以上は、その社会の歯車に組み込まれるんだろうけど)
ポケモンリーグを目指すトレーナーは国からの援助を受けて成り立っている以上、当然その見返りとして相応の結果を求められる。
以前にも記したが、バッジの取得数や公式戦の結果、フィールドワークによって得られるレポート内容の充実具合がその最たる例だろう。
まだ旅に出たばかりの子どもはともかく、年齢を重ねるたびに条件は課されていき、それが達成出来なくなった場合、国からの援助は断ち切られてしまう。あくまで国からの援助が無くなるだけで自費で賄えば問題無いのだが、大抵の人間はそこで諦めて安定した職場へと転職する。
「まあ、これに関しては俺が一番無縁な話だな」
ポケモンリーグを制覇して頂点に立つのだから当然である。
ポケモンの世界でレッドという名を冠した以上、『最強』以外は認められない。
原点にして頂点。
それはレッドにとって目指すべき『絶対』なのだろう。
「しかし、その最強さんの最たるパートナーが萌え重視とは如何なものか」
ちらりと隣の様子を窺うと、
『 タ ピ オ カ 』
レッドへと身体を預けているラティアスが、自分の両手に収まっている飲み物にキラキラと目を輝かしていた。
「美味しいか?」
『ん!』
「そりゃー、よかった」
レッドは乾いた笑みを浮かべた。
何も言うまい。
食事の後は軽く運動をすることにした。
ピカチュウとルカリオはスパーリング。基本的に猛攻を仕掛けるルカリオの拳をピカチュウが余裕綽々に捌く作業だ。ルカリオのラッシュはレベルと釣り合わない高速ラッシュだというのにピカチュウは平然と尻尾で受け流している。しかし時折鋭い反撃を見せてルカリオにホームランを決める辺りが兄貴分の厳しさだ。
レッドはヒトカゲと主にコミュニケーションを図るためのキャッチボールだ。ポムポムボールを投げ合うだけだが、ヒトカゲは楽しそうだ。ぽいっと投げたボールをヒトカゲが弾いた。てん、てん、と転がっていくボールを追い掛けていく。木にぶつかって跳ね返ったボールをキャッチしたヒトカゲが小走りに戻って来る。その無邪気な姿にはレッドも相好を崩す。ポケモンには優しい男だ。
そしてラティアスとギャラドスだが、こちらはラティアスがご飯を食べ終わるなりさっさと夢の世界に飛び立ったから仲良くお昼寝タイムである。ドラゴンとは。
つくづく絵面がおかしいパーティだが、トレーナーを考慮すれば、それもある意味、『らしい』のだろう。
(改めて情報を集めておかないとなー)
人間主体の街とはいえ、ポケモンジムが設えられているのだからトレーナーやポケモンに利点のある施設だってそこそこあるはずだ。
せめてトレーニングルームの確保はしておきたい。この噴水広場では大技は使えないし、郊外まで移動するのも手間なのだ。
(とりあえず後一時間くらい遊んだら一度トレーナーズホテルに帰るか)
やはりヤマブキシティでもスイートルームである。
世間は最速でバッジを集めているグリーンにばかり目がいっているが、二か月でバッジ二つというのも充分に異例な速度だ。ニビシティではトレーナーと連戦する必要があったが、今はバッジの入手速度を評価されて無条件にスイートルームで宿泊することが出来る。少し甘やかしすぎるのではないかと、少年の未来を懸念する声も上がっているが、ポケモン協会としては、結果を出す人間に投資を惜しまないスタンスを崩したくないみたいだ。
――もちろん、それを感情的に否定する人間も決して少なくはなくて。
「おい」
それは苛立ちを孕んだ声音だった。
レッドはキャッチボールを一時中断して振り返る。
そこにいたのは学生服を着た青年だ。まだあどけなさの残る顔立ちと図体にやや見合わない大きめな制服から高校に入学したばかりの年齢であると判断出来る。レッドを見下ろすその表情は険しく、先の声音から鬱屈した感情を溜めていることが窺える。
はて、自分は特に問題となる行為をしたことはないはずだが……今まで一度も、とレッドは首を捻る。事実、最後の戯言はともかくとして、ヤマブキシティに入ってからのレッドは比較的大人しく、全米が認めるキャラ崩壊の最中なのは間違いないのだから。
「何だ?」
青年の呼び掛けに対してレッドは素っ気無く対応する。
すると青年も眉根が更にキツいものになる。
「口の利き方もなっていないのか? 年上相手には敬語を使え」
「悪いね。俺、敬語の価値を下げたくないから、尊敬に値しない奴には敬語を使わないようにしているんだよ。年功序列を言い訳にするのはやめた方がいいぞ? だって――それ以外は何も取り柄も無い奴だと証明しているようなもんだからな」
いつものやべー奴、帰還。
辛辣な相手にはその倍以上の辛辣さを以て対応する煽りの達人、その実力に疑う余地はなく、青年はカッと顔を赤くした。
「テ――テメェ! ガキが調子乗ってんじゃねーぞ!」
「ぷぷ。世間から見たらお前も充分ガキンチョなんですけど」
「ブッ飛ばす!!」
血走った目で憤然と叫んだ青年は懐からモンスターボールを取り出した。
(何だ喧嘩じゃないのか。久々のトレーナー直々の暴力案件だと思ったんだがな)
レッドは残念そうに寸鉄を仕舞う。
「つーか何で突っ掛かって来たんだよ、アンタ」
「決まってんだろ! お前みたいな夢見がちなガキが大嫌いなんだよ!」
肩を竦める。まるでロケット団のような言い分に溜め息をついた。
最近、この手の底辺な輩相手にTUEEEEEしても虚しいだけだと気づき始めた。記憶を探っても出て来る相手はろくでもない奴ばかり。ジム戦は相手側が制限をくらっているから公平なバトルは成立しないし、どうせならこんな見るからにやられ役乙な敵よりも、本物の強敵と鎬を削る白熱したバトルをしたいものだ。出演依頼を出すキャラクターを間違っているとレッドは運命を呪った。
「ま、いいか。ヒトカゲ、GO」
ててててて、と小走りで駆け寄って来たヒトカゲが前に立つ。
まだ積極性そのものは無いが、バトルに対する恐怖感は大分薄まっている。ヒトカゲ自身、成長を志しているようで何よりだ。
「行くぞ、ラッタ!」
青年が繰り出したのは、コラッタの進化系。黄土色の剛毛と鋭い前歯が特徴的なポケモンだ。
「先手必勝。“たいあたり”だ!」
青年の指示を受けて一直線に疾走するラッタ。
ヒトカゲは冷や汗を浮かべながらも肉薄するラッタを真剣に見据えて、紙一重のところで回避行動に移った。
(ん、タイミングに申し分なし)
サイドステップを踏んで側面を取ったヒトカゲは運動エネルギーを殺さず尻尾を振るい、勢いよく“ひのこ”を飛ばした。
横っ面から“ひのこ”を直撃したラッタがごろごろと転倒する。
「な!? まだだ。ラッタ! “でんこうせっか”!」
青年の焦燥の叫び。素早く起き上がったラッタは先程よりも加速してヒトカゲへと肉薄する。
今度は避けられない。ヒトカゲは肩よりも大きく足を開いて前傾になり、真っ向から受け止めた。大地に根を張った両足がガリガリと地面に軌跡を残す。一メートルほど後退して、ラッタの勢いは停止した。
驚く青年。僅かな硬直に困惑するラッタ。
ぱかりとヒトカゲの口が開く。喉の奥から溢れた炎が口元から零れ落ちる。溜め込んだ“かえんほうしゃ”を解放した。
僅かに拡散しながら迸る炎はラッタを完全に飲み込んだ。
「そ、そんな……」
「……?」
あっさりと戦闘不能になったラッタを見遣り、レッドはやや疑問に思う。
(何でラッタは困惑してたんだ?)
あの一瞬、ラッタには距離を取る選択があったはずだ。
「くそ、くそ、次だ! まだ負けたわけじゃない!」
ラッタをモンスターボールに戻して、青年は次のポケモンを繰り出した。
そのポケモンはオニドリル。鋭い瞳と嘴。そして細身な身体と長い翼を持ったポケモンだ。
「オニドリル、“みだれづき”!」
飛翔するオニドリルは羽ばたき一つで加速してヒトカゲに“みだれづき”を放――とうとしたが、その嘴を“メタルクロー”が切り裂く。鋼鉄化した爪は切るというよりは抉るような重い一撃だった。
想像を絶する激痛に悶え苦しむオニドリルだが、勝負は非情の世界。申し訳なさそうなヒトカゲの“かえんほうしゃ”によって焼き鳥になった。
「まーだやるのかー?」
レッドは呆れた目を向ける。
ラッタとオニドリル。進化に成功させていることは加点出来るが、残念ながら評価出来るのはそれだけだ。
何となく、ラッタの困惑の理由が分かった。
「――ッ! 今度こそ!」
なりふり構わず遮二無二に三体目のポケモンを繰り出した。ホルダーについているボールはアレが最後だ。
「お」
目を丸くする。
出て来たポケモンはリザードだった。ヒトカゲよりも少し大きく、そして目は鋭くなっている。煌々と燃え盛る尻尾の炎はヒトカゲよりも激しい。
「こいつはヒトカゲの進化系だ。こいつならお前のヒトカゲなんて目じゃないんだ!」
「……ヒトカゲ、ちょっと様子見」
ヒトカゲはやや首を捻るが、他ならぬマスターの命令だ。一先ず攻撃から防御に思考を切り替える。
「リザード、“りゅうのいかり”!」
ならばとこちらも“りゅうのいかり”で迎え撃って相殺する。
「次は“きりさく”だ!」
リザードの爪が伸びる。その鋭爪の切れ味は人体を容易く切断してみせるだろう。
振り下ろされる鋭爪。ヒトカゲはその鋭爪の先にある腕を狙って尻尾を薙ぎ払った。腕を打たれたリザードの鋭爪が横に逸れる。
「まだだ! “きりさく”! “きりさく”! “きりさく”! 当たるまで連打するんだ!」
――しかし。
「何で……何で当たらないんだ!」
その悉くが鞭のように撓る尻尾によって阻まれていく。
「もっと、もっとよく狙え! もっとだ!!」
「見るに堪えんな。ヒトカゲ、もういいぞ」
トレーナーの苛立ちと怒号によって徐々に動きが固くなっていくリザードに同情しながら、ヒトカゲを自由にさせる。
トレーナーからの圧力に恐怖するリザードを見遣り、ヒトカゲはレッドがマスターであることに心から安堵した。
赤い人は人間に対しては冷たい人間だが、ポケモンに対しては寛容だ。臆病だったラティアスとヒトカゲが懐いているのが、その証明だ。
リザードのために早くこのバトルを終わらせるべきだとヒトカゲは攻撃に移る。
既に恐慌状態に陥っているリザードならば相手にならない。ヒトカゲは早々に決着をつけた。
「そんな、馬鹿な……」
青年はあり得ないものを見る表情で膝から崩れ落ちた。
たった一体の――それも進化前のポケモンに全滅させられた事実を受け入れ切れずにいる。しかもヒトカゲは傷はおろか疲労すら浮かべた様子なくレッドにすり寄っている。
そんなヒトカゲに労いの言葉を掛けたレッドは青年の元へと歩み寄る。
「お前、才能無いよ」
「――ッ!!」
それは青年の心の奥底にあったコンプレックスを容赦なく刺激した。
「うるさい、この卑怯者!!」
「は?」
おっと殺害してくれ宣言かな?
「だって、そうだろ!? お前はポケモンに何も指示を出してなかった! どうせ親から強いポケモンを貰っただけなんだ! それを自分のポケモンみたいに振舞うのは卑怯者のやることだ!」
「いや、俺親いないし」
「あ、ごめ――じゃない! じゃあ別の誰かから貰ったんだ!」
「いや、確かにヒトカゲは貰いものだけど」
「ほら見ろ!」
「悪いけど旅に出るときに貰った普通のヒトカゲだ。ここまで強くしたのは、俺」
「フン、信じられるか!」
「誰も信じてほしいとか言ってないんですけど。……なるほど、お前ドロップアウト組だろ」
「!」
青年は悔しそうに顔を歪める。
図星だった。
「お前に何が分かる……!」
「さあ? 子どもの夢を壊して自尊心を満たそうとする奴が興味を持たれるとでも思ってんのか?」
「好きでこんなふうになったんじゃない。俺だって才能があったら……!」
「それ以前の問題なんだよなァ……」
ボソッとレッドが呟いたその時、
「全く情けない限りだね、シュン」
横から第三者の声が割り込んだ。
「ジン……!」
「え、何? 俺サイドストーリー始めていいとか言ってないんですけど」
というレッドの不満は黙殺された。
まるで因縁のライバルと出会ってしまったかのように青年――シュンはジンと呼んだ青年を睨みつける。
ジンはシュンと同じ学生服に身を包んでいた。一目で嫌味な成金息子と看破出来る雰囲気と身なりをしている。
「先程のバトルは見せてもらったよ。いや、酷い醜態だった。僕に敗北した時から何一つとして変わってないじゃないか」
「くっ」
「これを機にポケモンバトルは引退したらどうだい? その少年の言った通りだよ。君は昔ポケモンマスターを目指してヤマブキシティを旅立っておきながら志半ばに挫折した挙句、片手間でポケモン講座を受けた僕に惨敗したんだ。これを無能と言わずして何と言う?」
厭味ったらしく言うジンの言葉に、その取り巻きと思わしき男女がクスクスと笑った。
「いや、すまない。言葉が過ぎたな。君が無能なんじゃない。僕が有能過ぎたんだ。恥ずかしい勘違いをした僕をどうか許してくれたまえ」
神様というのは実に不公平だ、と高らかに笑うジンに白けたレッドは踵を返した。
そんなレッドに、
「少年、君も神様に感謝するといい。僕がポケモンマスターを目指していたら、その座は僕のものだったからね。僕の代わりに君がその座につくことを応援してあげようではないか」
「――あ?」
後に少年少女は語る。あれは人をたくさん惨殺した者だけが辿り着ける眼だった、と。
「中々面白いことを言うじゃねーか、成金坊ちゃん。いやはや抱腹絶倒っすわ、ほんと」
殺意満々にレッドはジンに突っ掛かる。
「俺が? お前の代わり? 応援してあげる? 身の程知らずもここまでくると滑稽極まりないな」
「おい、ガキ。さっきからジンさんに何て口を――」
「――――」
「何でもないです」
後に少年は語る。漏れた。尊厳は失ったけど生きているって素晴らしい、と。
「ほう、ならば試してみるかね?」
レッドの挑発を受けたジンが不敵に笑った。
「ああ、そうさせてもらおうか。但し、戦うのは俺じゃない。こいつだ」
レッドはシュンの肩に手を置いた。
「はあ?」
と訝しげな顔をして抗議するシュンに「黙れ」と睨みつけて、
「勝負は一週間後だ。それまでに俺がこのクソザコナメクジをちっとはマシなザコにまで成長させてやる」
「君は戦わないのかい?」
「悪いな。もうザコ相手に無双した後なんだ。二番煎じをしたって盛り上がらないだろ?」
そう、レッドが過剰な無双プレイを自らに許している相手はロケット団のみである。テロをしていいのはテロをされる覚悟のある奴だけだ。どこかに野生のロケット団はいないものか。
しかし、それはつまりレッドがジンを歯牙にもかけていないという意味であり、ここに至ってジンはレッドに敵意を抱いた。
「面白い少年だ。いいだろう。一週間後に再びこの場所で僕はシュンと戦ってあげよう。そして彼を打ち負かした後は君だ」
「おう、やれるモンならやってみな」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺はやるなんて一言も――」
「彼は瑠璃ではない(無言の腹パン)」
ズドン!
レッドの拳がシュンの鳩尾を穿つ。衝撃波が背中にまで突き抜けたのは気のせいだろうか。
「そ、そんなこと言ってな……」
白目を剥き、口から魂を零して気絶したシュンの足を掴んでレッドは踵を返した。
「本当はそこまでしてやる義理はないんだが……ポケモンが可哀想だからな。クソザコナメクジをちっとはマシなザコに成長させるRTAを始めるか」
【デバンナッシングズ】
マサキ
「なんでや……なんでワイの出番がないんや……! こんなんあんまりや……! ポケスペでナナミさんとフラグを立てたんがそんなにあかんかったんか? それ違う畑のマサキさんやん。今作のワイ関係ないやん……!」
???
「分かる……その気持ち、分かるでござる!」
マサキ
「そ、その声はまさか……!」
イワヤマトンネル
「…………!」
マサキ
「イワヤマトンネル! イワヤマトンネルやないか! その昔、フラッシュの技を禄に知らんかったキッズに地獄を見せたカントー地方きってのクソダンジョン、イワヤマトンネルやないか!
イワヤマトンネル
「崩落します」
マサキ
「MATTE! ごめん、言い過ぎた! そうか、レッドが普通にヤマブキシティに行きよったから……」
イワヤマトンネル
「某も最近のシリーズはそこそこ見やすいように改築工事を進めていたというのに酷いでござる」
マサキ
「まあそれでも微妙なダンジョンやしなぁ。珍しいモンスターが出るならともかく、あんさんのとこズバットとイシツブテの巣窟やん?」
イワヤマトンネル
「崩落します。伝説のポケモンを捕まえてくるので探さないでください」
ガラガラガラガラガラ。
はい、そのキッズとは私のことです。当時フラッシュの使い方も知らず、攻略本も開かず。ドゥンドゥンドゥンという壁にぶつかる音を頼りに発狂しながらシオンタウンへと通り抜けました。
すっごいイライラするけど、達成感は半端ないからやったことない人は是非フラッシュなしで挑戦してみてください。