我輩はレッドである。   作:黒雛

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第二話 「はじまりのミストボール ②」

 

 そこは広大な庭だった。

 陸上のポケモンが元気にはしゃぎ回るであろう見晴らしの良い平原と、水棲のポケモンが快適に泳げる澄んだ池。ここに住んでいるポケモンたちは実に快適な生活を満喫できるに違いない。

 しかし、しかしである。

 

「なんでポケモンが1匹もいないんだよ」

 

 レッドは見晴らしの良い広大な庭を眺めながら呟いた。

 そう、あくまでそれはポケモンがいたらの話。レッドの言った通り広大な庭には一匹たりともポケモンがいなかった。数分前までは賑やかだったというのに、この閑散っぷりは、一体。

 

「どういうことだ、じいちゃん」

 

 グリーンが聞いた。

 

「隠れているわけでもないみたいだしね」

 

 ブルーも辺りを見渡しながら言う。

 ふむ、とオーキド博士は、重々しい顔つきで熟考する。レッドも同じようになぜポケモンがいないのか考える。もしかして他の子供たちがこっそりと余分にポケモンを取っていったのだろうか?だとすると許せない。極刑ものである。必ず見つけ出して電気あんまをかけてやろう。

 しばしの静寂の後、オーキド博士はポンと手を叩いた。

 

「おお、そういえばお主らの分を用意するの忘れとった! これはうっかりしとったわい!」

 

 オーキド博士はタハハと笑った。

 三人の間に重苦しい沈黙が流れる。そういえば、今いる手持ちのポケモンを公式戦で使用するのに制限をかけたのは、つい先日の話だった。つまりアレか?初心者用のポケモンを用意したのは制限をかける前の話だったのか。なるほど、それなら既に自分だけのポケモンを所有しているレッドたちを除外するのは納得できる――とでも言うと思ったか、このクソジジイが。あれだけ期待をさせといて、なんだこの仕打ちは。期待はずれとか言う問題ではない。立派な裏切りである。レッドたちの怒りはムカ着火インヴェルノオオオオーーッッに至った。激おこスティックではない。そこまでいかせたら大したものだ。

 

「残念だよ、ユキナリくん。こんな結果になってしまうなんてね」

 

 レッドは粛々と言った。

 

「ユキナリくん!?」

「博士。博士は、私たちの旅立ちを見守ってくれると思っていたんだけど、違ったのね。一緒に旅立つつもりだったのね、別の場所に」

 

 まるで神に祈りを捧げる聖女のように、ブルーは胸元で手を組み合わせて天を仰いだ。はらりと一筋の雫が零れ落ちる。

 

「おじいちゃん、そこの外道二人でも言っていい冗談と悪い冗談の区別はつくというのに、今回のおじいちゃんは悪い冗談を言ってしまったよ」

 

 自然と三人はオーキド博士を中心にトライアングルを描いていた。

 決して逃がしはしまいと腰にある“モンスターボール”に手をかける。

 

「待て待て待て! それは人に向けて投げてはならん部類のやつじゃ! 先日のテストに書いてあったのを忘れたのか!?」

 

 確かにトレーナーの免許を取るペーパー試験にそんな問題があったが、この沸き上がる怒りの前には些細な問題だ。

 レッドの右手に握る“モンスターボール”がバチバチと青白い放電を放つ。絶縁グローブのおかげでレッドに電撃は通らない。

 

「落ち着けぇえい! そいつは本当にシャレにならないヤツではないか!?」

「黒焦げにしてやるぜ」

「わかった! 研究用に飼っておるポケモンをやるから落ち着くんじゃ、三人とも!」

「ヒトカゲは?」

「おる!」

「フシギダネは?」

「おる!」

「ゼニガメは?」

「おる!」

 

 両手を振りながらオーキド博士は必死の剣幕で返答する。コイツらなら本気でやりかねないと本能が訴えているのだろうか。

 まあ、ポケモンがもらえるのなら文句は言うまい。大人しく“モンスターボール”を戻すとオーキド博士は大きく息を吐いた。

 

「ああ、昔の良い子だったお主たちが懐かしいわい……」

「今は良い子を通り越して聖人君子だもんなあ」

「人は成長するものよ」

「やかましい!!」

 

 

 

 

 

 場所は再び研究所の中に戻る。

 研究所内はかなり閑散としている。既に自分のポケモンを手に入れた子どもたちは研究所を後にしているからだ。もしかすると、もう外の世界に第一歩を踏み出した子もいるかもしれない。

 

「博士ー、お菓子切れたー。ラティアスのためにおかわりー」

「博士ー、まだですかー?」

「おじいちゃん、ここに置いている“げんきのかたまり”もらっていいか? ありがとう」

「静かに待っておれ、フリーダムチルドレェエンッ!!」

 

 素直な感情を吐露していたら、奥の部屋にいるオーキド博士の怒号が飛んでくる。

 

「いきなり叫んでどうしたんだろうな。ああ、年か……」

「おじいちゃんおばあちゃんは、たまにおかしなところで怒り出すものね。沸点がわからないわ」

 

 基本的には好々爺なんだけどな、とレッドは肩を竦めた。よくわからないお年寄りに付き合うのも子どもの仕事というものだ。

 

『マスター、喉渇いたー』

「ん、ちょっと待ってろ。グリーン、冷蔵庫ってある?」

「そこにある」

 

 くい、と顎で指す。

 

「あったあった」

 

 そして他人の研究所の冷蔵庫を躊躇なく開け放つ。

 扉の内側にあるお茶を取り出し、ついでになにか入ってないか観察をしてみる。

 

「おっと、プリンが落ちているではありませんか」

『落ちてるの?』

「向こうは置いているつもりかもしれないが、俺には落ちているようにしか見えない。そして落し物は個人的に拾った者に所有権が渡ると考えている」

「あそこまでほざけるといっそ清々しいな」

「ゲスの極みね」

「いや、お前も大差ない」

 

 グリーンの言葉は実に正論だった。

 

「小悪魔と言ってほしいわね、キャハ☆」

 

 星を散らせてブルーは可憐なウインクを決めた。

 

「…………」

「おい、なんとか言えよ」

『喧嘩は、めーっ』

 

 なんてやり取りをBGMに、近くにあったコップにお茶を注ぐ。少し味見。うん、このくらいの苦さならラティアスも飲めるだろう。

 元の位置に戻り、ラティアスにお茶の入ったコップを渡す。

 

「あら? プリンはどうしたの?」

「よーく考えたら、この加齢臭が迸る研究所でプリンなんて甘いモノを食べるのは、ナナミさんくらいだから遠慮しといた」

「アンタ、本当にナナミさん大好きね」

「忠誠を誓っているから」

「姉さん、何者だ」

 

 ナナミ様はナナミ様だ。それ以上でも、それ以下でもない。弟でありながらそんなこともわからないとは……。レッドはグリーンを哀れに想った。

 

「なんだ、その不快な目は」

「別に」

「待たせたのう」

 

 と、疲れた顔でオーキド博士が戻ってきた。

 向かいのソファに腰を降ろすと、間にあるテーブルに三つの“モンスターボール”を置いた。

 

「右から順番にゼニガメ、フシギダネ、ヒトカゲとなっておる」

「やたっ」

 

 それぞれが自分の求めたポケモンを入手する。ふふんと笑みを浮かべ、“モンスターボール”を覗き込もうとすると、その奥にいるオーキド博士が微妙な表情をしていることに気づいた。

 

「どうした博士。そんな辛気臭い顔をして」

「いや、実はその三匹には少し問題があってのう」

「問題?」

「少し性格に問題があってな。初心者向けとは言い難いのじゃ」

 

 初心者用のポケモンと銘打っているが、その枠に入ることのできなかったポケモン。

 初心者用のポケモンとは、人間に対して友好的であるポケモンを示しており、つまりここにいる三匹はそのレベルに達していない、人間に対して友好的な感情を抱いてないということだ。そういうポケモンは育成に手間がかかり、まさに初心者には相応しくないポケモンだろう。

 だが、ここにいる三人は既に初心者の領域を超えている例外であり、事実、不安そうな顔をしている者は一人もいなかった。

 

「………………」

 

 おもむろに“モンスターボール”の開閉スイッチを押したのはグリーンだ。

 パカリと口が開き、ボールの中にいるゼニガメが出現する。愛らしい顔つきをしており、とても問題があるように見えないが。

 グリーンはゼニガメの前に歩み寄り、しゃがみ込んだ。

 

「グリーンだ。よろしく頼む」

 

 ブシャー!

 

「…………」

 

 返答は水鉄砲だった。

 水も滴る良い男になったグリーンを見遣り、ゼニガメはゲラゲラと笑い転げている。

 

「あのゼニガメはやんちゃで生意気な性格をしているんじゃよ。悪戯が大好きであり、とにかく人間をからかう性分なんじゃ」

 

 なるほど、そいつは確かに厄介だ。

 

「「まるでブルー(レッド)みたいなポケモンだな(ね)。…………」」

 

 ぐにー、と互いの頬を引っ張り合うレッドとブルーを背景に、グリーンはやおら立ち上がり、髪をかき上げた。ポタポタと床に水滴を垂らしながら、

 

「――少し調教してくる」

 

 完全にキレていた。

 笑い転げているゼニガメの首根っこを引っ掴み、グリーンは庭のある方向に消えていく。手っ取り早い調教の方法は、力の差を直に体感させて反骨心を徹底的に磨り潰すに限る。ゆとり教育などナンセンスだ。グリーンは他二人より育成に関心を寄せており、そのぶん徹底している。

 数秒後、バンギラスの咆哮でマサラタウンに激震が走った。

 

 

 

 

「じゃあ、次は私ね」

 

 どうやら、いつの間にか問題ありと称された御三家の見せ合いになっているようだ。

 るんるんとご機嫌にソファから立ち上がったブルーが、“モンスターボール”のスイッチを押す。ボールの中から淡い光のヴェールを纏いながらフシギダネが出現する。

 

「う、うぉおお……」

「これは、凄いな……。うん、凄い。見るからに初心者が触れたらアカン類のヤツや」

 

 ブルーとレッドは引きつった笑みを浮かべてフシギダネを見下ろした。

 

「まるで極道のポケモンみたいだな」

 

 グリーンの感想にそばに控えていたゼニガメがうんうんと頷く。ゼニガメくんはグリーンの調教により、生来の生意気な性格はすっかり真面目な性格に矯正されていた。

 極道、というグリーンの言葉は実に的を射ていた。

 大きな蕾を背負うフシギダネは、左のまぶたから頬にかけて傷が入っており、そのふてぶてしい顔つきと相俟って、怖い印象を与える。極めつけに煙管なんて咥えているから余計に悪印象を与えてしまっていた。というか、どこから調達した。

 

 

「ちょっとびっくりしたけど、私的には全然ありよ。個性的な子は好きなの」

 

 ブルーは面白いものを見つけたときの眼差しで、フシギダネと視線を合わせた。

 フシギダネはチンピラのように睥睨するわけでもなく、物静かな、しかし、巌の如く不動の雰囲気を湛えていた。ただ、格好をつけているわけではないようだ。

 尚更面白いとブルーは笑みを深くする。どういう経緯を経てこのオーキド研究所に流れ着いたのか、もちろん知る由はないが、それなりの場数を踏んでいることは十全に伝わった。まるで噴火前の火山を歩くようなスリルにゾクゾクと心地良い電流が走る。このフシギダネがやがて蕾を開花させ、フシギバナへ進化を果たしたとき、自分の切り札である最凶のポケモンとどんな化学反応を起こすのか、考えただけでドキドキする。

 ブルーはそういう危ないことが大好きな少女だった。外道というか、真っ黒である。

 

「うーん、そうね。貴方のニックネームは、親ビンよ!」

 

 ニッコリときれいな笑顔で言い放つ。

 

「すげえなあいつ。自分のエースを刺激するニックネームをつけているぞ」

「しかも確信犯だから、性質が悪い」

 

 レッドとグリーンはドン引きしながらブルーの腰にある“モンスターボール”を見遣る。アレが暴れ出すと高確率でマサラタウンが壊滅する。暴走を止めるためにバグチュウ――否、ピカチュウとバンギラスが降臨し、更に被害が悪化する。そうなるとオーキド博士が親友である胃薬のいっちゃんと結婚式を挙げると言いかねない。

 オーキド博士も同じことを思ったのか「ちゃんとポケモンを用意しておくべきじゃった……」と青い顔でキリキリと痛むお腹を抑えていた。

 

 

 

 

「最後は俺か」

 

 さてさて、ヒトカゲは一体どんな問題児なのか。

 ボールのスイッチを押してヒトカゲを外に出す。

 するとどうだろう、尻尾にもう一つの燃え盛る生命を持つ二足歩行のトカゲは凄まじい反射神経を披露して室内の片隅に逃げ隠れた。ひょこりと顔だけを出しておそるおそるこちらを見上げている。

 

「可哀想に。レッドの薄汚い本性を本能で感じ取ったのね」

「汚い。さすがレッド、汚い」

「うむ、みごとな洞察力じゃ」

「よーし、ぶち殺してやるぞーっ」

 

 援護など一切ない罵倒の数々に、レッドはわざとらしく声を張り上げて腕をまくる。己の名のように、この身体がレッドに染まるのはそう遠くない未来だ。もちろん、返り血で。

 

「どうどう、落ち着くのじゃ、レッドよ。お主は勘違いをしておる」

 

 オーキド博士はレッドの拳を降ろさせてから、姿勢を低くしてヒトカゲと向き合った。好感の持てる笑顔を浮かべ、手を差し伸べながら少しずつ距離を詰めていく。

 

「このヒトカゲは他の二匹に比べるとよっぽど健全じゃよ。少し人見知りが激しい臆病な性格をしているだけじゃ」

 

 おずおずとヒトカゲはオーキド博士の手を取って、ゆっくりと抱き上げられる。よしよしと頭を撫でられると、少し戸惑いつつも心地良い微笑を湛えつつあった。

 

「少し人見知りが激しいってどっちだよ。フォローになってねーし」

「細かいことは気にするでない。どうする?」

 

 その問いは、果たしてヒトカゲをもらうかもらわないかという選択肢のつもりだろうか。

 

「問題ないよ。俺はヒトカゲが好きなんだ」

 

 レッドはオーキド博士からヒトカゲを受け取った。抱き上げる人物が変わり、表情を一転させてヒトカゲは逃げようとするが、がっちりと抱きしめる。絶対に離してやらない。

 

「安心しろ、抵抗は無意味だ」

 

 レッドは不敵に笑い、ヒトカゲの頭に手を置いた。

 

 

 

 

 

 ついに旅立つときがきた。

 念願のポケモン図鑑を入手したレッドは早速機能を確認して、己の手持ちのポケモンたちのデータを読み取らせながらマサラタウンの外に向かっていた。

 

「――のLv.9、ヒトカゲのLv.5、ラティアスのLv.53、ピカチュウのLv…………ワロス」

 

 一流のエリートトレーナーだろうとLv.60に達するのも難しいというのに、相変わらず一匹だけ次元が違う領域に立っている。ピカチュウの公式戦デビューはもしかするとポケモンリーグまでお預けかもしれない。というか、強すぎるポケモンに頼るとトレーナーが成長しない。

 

「ピカチュウはもちろんのこと、当分はラティアスもお預けだな」

『私、強い?』

「ピカチュウの次には」

『むぅ…………ピッくんを比較対象に持ってくるのは卑怯』

 

 悲報、準伝説のラティアス、ポケモン界のマスコットキャラに敗北する。

 

「さすがに他と比べるのはダメだろ。二匹ともまだ一桁のレベルなんだぞ」

 

 レベルにかなりばらつきのある、バランスの悪いパーティなのは否めないが。

 加入したばかりのヒトカゲはともかく、もう一匹のポケモンはバッジの制限に掛からず、ヒトカゲと二人体制でジム戦やトレーナー戦を攻略するため、敢えてレベルを一桁に抑えていたのだ。

 もちろん、一桁とはいえ、既に仕込み(努力値、戦いの型、基礎トレーニング、技の効率化など)は完了している。少しウザいが実力は折り紙つきだ。

 

「とりあえず、当面はヒトカゲの仕込みをしつつゆったりと旅を満喫するか」

 

 レッドは足元にすりすりと身を寄せるヒトカゲを見下ろし、苦笑する。

 この四年間、ラティアスをひたすら愛撫(もちろん厭らしい意味じゃない)してきたレッドの手はいつの間にかポケモンを快楽の坩堝に誘う神の手になっていたのだ。この爆裂はしないゴッドフィンガーの前には如何なるポケモンだろうと「悔しい……! けど、感じちゃう!」というクリムゾン状態に陥るのだ。もちろん厭らしい意味じゃない。

 そんなレッドの巧みな愛撫により、すっかりヒトカゲは陥落していた。昔のラティアスのようにギュッと抱きついてくる。

 

『じー……えいっ』

 

 訂正。今もラティアスは、むぎゅ、と抱きついてくる。本当に可愛らしいなー、とレッドは破顔した。

 そのとき、チリンチリンと安っぽいベルの音が鳴る。

 

「あれ? レッドってば、もしかして徒歩で旅に出かけるつもりなの?」 

 

 そこにいたのは自転車に跨っているブルーだった。

 

「ま、まあ、旅の醍醐味は移り変わる景色を十全に楽しむことにあるからな。そのためには自分の足でしっかりと歩いておきたいんだよ。自転車じゃ速すぎて見落としてしまう大事な景色も徒歩ならばちゃんと見つけることができる」

 

 嘘である。強がりである。この男にそんな情緒など存在しない。自転車は中盤に入手するものという固定観念に囚われた結果、自転車を購入すること自体を思いつかなかったというのが真実だ。

 今までのようにラティアスの背に乗って空を飛ぶこともできない。ちゃんと自分の足で世界を巡るように、とオーキド博士により長期の禁止令を敷かれているのだ。

 

 

「オーキド博士にも言われていただろうが」

「足は使っているからセーフよ。ほら、グリーンだって自転車に乗ってるじゃない」

 

 どんな屁理屈をと思いながら、しかし自分もブルーの立場なら絶対に言いそうだよなと確信しつつ振り向くと、グリーンが自転車に乗り、俺たちを追い越していく。

 

「フッ」

 

 と、冷笑を一つ。

 

「ま、せいぜい頑張って歩きなさいな。オホホホホ」

 

 口に手を当てて華麗な笑い声を上げたブルーも地面を蹴ってペダルを漕ぎ出した。

 レッドは二人の幼馴染の後姿を、ただ見送るしかなかった。

 しかし、不意に思う。自分が歩いているというのに、あの二人が自転車を漕いで楽をするなど許されるだろうか? 否。答えは否である。許されるわけがない。

 なにより、あの勝ち誇った顔にイラッときた。

 

「ラティアス」

『んー?』

「“ミストボール”」

 

 

 

 

 

 

 ちゅどーんっ!

 

 

 

 

 

 

 

「「貴様ぁぁあああああーーーーッ!!」」

「あーっはっはっはっはっは! ざまあああああああああああああああああああーーーーーーッ!!!」

 

 

 

 

 自転車を木っ端微塵に破壊された両名の怒りが轟き、レッドは気持ちよく高笑いを上げながら全力で逃走する。

 こうして、後世にまで名を残すポケモントレーナーたちの旅は始まるのだった。

 最初から最後まで、実に、ぐだぐだである。

  

 

 

 

 


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