インフィニット・ストラトス ~迷い込んだイレギュラー~   作:S-MIST

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前回の感想で良いフレーズがあったので使わせて頂きました。感謝です!!
あと今回のお話し、本音ちゃんのファーストミッションとするにはちょいとアレなので、前回のサブタイを中編から後編へと変更しました。


そして今回、内容は完全にタイトル通り。
お楽しみ頂ければ幸いです。


第131話 蹂躙するNEXT、セシリアの死力

 

 薙原晶は思い出していた。

 自身が身に纏う物の歴史を。

 

 ―――アーマードコア・ネクスト。

 

 ―――たった26機で全国家を解体した力。

 

 ―――あの世界の例外たる鳥すらも叩き落した力。

 

 ―――その鳥が再び飛び立つ為に手にした力。

 

 ―――停滞していた世界を壊し、未来への扉を開いた力。

 

 彼の脳裏に、とある言葉が過る。

 既に遠い記憶となった世界において、何十回、何百回と見た映像のワンシーン。

 

 ―――In The Myth,God Is Force。

 

 意味は「神話の御世にあって、神とは即ち力のことである」というものだった。

 コレと初めて相対した国家の人間は、一体何を思ったのだろうか?

 驚き? 恐怖? 絶望?

 想像する事しか出来ないが、恐らく全てだろう。

 AMS(=Allegory Manipulate System)を用いた、手動では決して成し得ない超反応。コンマ1秒で音速突破を可能とするクイックブースト。人型機動兵器での音速巡行を可能にしたオーバードブースト。実弾兵器に対して圧倒的な防御力を実現し、エネルギー兵器ですら減衰させ、直撃でさえ無ければ核兵器すら凌ぐプライマルアーマー。

 そして兵器開発が進んだ後年では、プライマルアーマーを攻性転換した全周囲破壊兵器アサルトアーマーが実装され、アームズフォートの超々長距離攻撃に対抗するべくヴァンガード・オーバード・ブースター(VOB)までもが作られた。

 

(それがこの世界で束と出会い、IS技術と融合し、昇華されたものがNEXT)

 

 ドクンッ。

 パイロットの意志に従い、NEXTの出力が上昇していく。

 巡航(クルーズ)モードから戦闘(コンバット)モードに。

 更に上昇を続け最大出力(マックス)モードへ。

 同時に自己診断をプログラムロード。最終チェック。

 

 ―――SYSTEM CHECK START

    →HEAD:063AN02

    →CORE:EKHAZAR-CORE

    →ARMS:AM-LANCEL

    →LEGS:WHITE-GLINT/LEGS

    

    →R ARM UNIT :04-MARVE(アサルトライフル)

    →L ARM UNIT :051ANNR(ライフル)

    →R BACK UNIT :EC-O307AB(破壊天使砲)

    →L BACK UNIT :EC-O307AB(破壊天使砲)

 

 ―――STABILIZER

    →CORE R LOWER :03-AALIYAH/CLS1

    →CORE L LOWER :03-AALIYAH/CLS1

    →LEGS BACK  :HILBERT-G7-LBSA

    →LEGS R UPPER :04-ALICIA/LUS2

    →LEGS L UPPER :04-ALICIA/LUS2

    →LEGS R MIDDLE:LG-HOGIRE-OPK01

    →LEGS L MIDDLE:LG-HOGIRE-OPK01

    

 ―――SYSTEM CHECK ALL CLEAR

 

 並のISであれば、内装系が焼き切れてしまう程のエネルギーが四肢に満ちていく。

 また圧倒的な出力のみが可能とする強固なエネルギーシールドが展開され、極僅かに制御されなかったエネルギーが、一瞬だけ周囲に雷光となって迸る。

 ここに来て、晶は手加減する気など一切無かった。

 心が逸り焦っているという意味では無い。

 ただ、再現するだけのこと。

 個体が群体を蹂躙するという理不尽を。

 そうして死神の待つ空に、彼らと彼女達は来てしまった。

 この世界で生まれた物量戦の権化(巨大兵器)と、超兵器として扱われるISの混成部隊が。

 普通ならこれに単機で挑むなど、正気を疑うところだろう。

 何せ向かって来ている巨大兵器のスペックは、航空機というよりも、航空機動要塞とでも言うべきものだ。

 正式名称は“RAIJIN”。

 全長50.7m、全幅180.8m、全高30.5m。米軍のステルス戦略爆撃機(B-2)を2段重ねにしたような、航空機としては歪な姿。

 搭載兵器は大型プラズマ砲×1、近接防護用レーザー砲多数、ミサイルコンテナ多数。BT兵器を応用した多数のビット兵器。これに光学迷彩によるステルス性能とエネルギーシールドを備える。

 つまり巨大兵器でありながら、攻撃力、防御力、移動力、ステルス性能を兼ね備えるという反則的な存在だ。

 それが3機というだけでも、諦めるに足る現実だろう。なのに遊撃戦力として、5機のISが随伴している。普通なら、勝てないと判断するのが正しい。唯一抗えるとしたら、同等規模の戦力を用意出来た場合のみ。

 

 ―――しかし、この世界の者達は知らない。

 

 たった26機で、地球上の全国家を解体してのけた化け物を。

 巨大兵器の元となった概念、“アームズ(A)フォート(F)”を屠ってきた存在を。

 “スピリット(S)オブ(O)マザーウィル(M)”や“グレート(G)ウォール(W)”という規格外の存在すら、単機で撃破してきた戦場の覇者を。

 知らないが故に、読み違えた。

 勝負になるなどという、甘い夢を見た。

 故にこれから行われる会話は、只の様式美に過ぎない。

 晶は、通信を入れた。

 

『そこの巨大兵器3機、IS5機の所属不明集団に告げる。こちらはカラード所属の薙原晶。君達はサウジアラビアの国境を超えている。所属を明らかにした上で、すぐに引き返されたし。繰り返す――――――』

 

 暫しの沈黙の後、返答があった。

 

『その要望は受け入れられない。我々はサウジアラビアの救援という命令を受けている。退くのはそちらだ』

『こちらのクライアント、お前達が救援に向かっている国が、要らないと言っている。そんな巨大戦力を持ち込むような輩はお断りだとな。このまま進む気なら、全機撃墜して構わないとも言っている。繰り返す。このまま進む気なら、全機撃墜して構わないとも言っている』

『そうか。しかしそれはそちらの都合であって、我々の都合ではない。このまま進ませてもらおう』

『………最終確認だ。引く気は無いんだな?』

『クドいな。救援を待っている者がいるのに、引く道理は無いだろう』

『ではこちらも道理を通そう。クライアントとの契約に従い、そちらを全機撃墜する』

 

 言い放った瞬間、戦闘の幕は切って落とされた。

 敵集団のFCSがNEXT()をロックオン。

 “RAIJIN”から無数のビットが放出されると同時に、ミサイルハッチオープン。正面上下左右に撃ち分けられたミサイルが、壁となって迫る。加えて5機のISが、ミサイルの影から忍び寄っていた。

 並みの存在であれば、逃れる術は無い。

 例えミサイルのブラザーキル(誘爆)を狙ったとしても、1000を超えるミサイルだ。必ず数百発単位で抜けてくる。チャフを使っても同じだろう。そして物量に対応している隙をISが突く。作戦としては間違っていない。

 

 ―――相手がNEXT()でさえなければ。

 

 彼が反撃に選んだ初手は、両背部に装備されているEC-O307AB(破壊天使砲)。全六門最大出力による一斉射(※1)。

 国家解体戦争において、敵軍を都市区画ごと薙ぎ払った一撃だ。

 展開された砲身にエネルギーが満ち、先端から眩い光が漏れ出る。

 この間も、ミサイルは迫り続けていた。

 しかし、晶は構わずトリガー。

 放たれた六条の閃光が、迫るミサイルの壁とビットによる防御を貫き、正面に捉えていた“RAIJIN”を直撃。否、展開されていたエネルギーシールドも、正面装甲も、内部隔壁も、後部装甲すらも貫通して爆散させる。

 更に迫るミサイル。

 着弾まで、コンマ数秒と無い。

 だが逆を言えば、コンマ数秒“も”ある。

 

 ―――クイックブースト。

 

 NEXTは完全静止状態から、次の瞬間には音速を突破していた。

 そして流れるような動作で背部装甲板を展開。露出する大型ブースター。響き渡る甲高い作動音。

 

 ―――オーバードブースト、Ready。

 

 残っている“RAIJIN”の強力な誘導により、避わしたミサイル群が目標(NEXT)を再補足。

 猟犬の如く迫り来る。だが、遅い。遅過ぎる。

 

 ―――GO!!

 

 吐き出される膨大な推力。圧倒的な加速力。

 単純にミサイルの速度を上回ったNEXTが、次の獲物を定めた。

 ISだ。

 恐らくNEXTの事を十分に研究していたのだろう。

 不用意に近づかず、一定距離を保ちつつ、仲間と連携を取って削り切る。

 そんな作戦が透けて見える位置取り。

 晶は思う。

 

(甘いなぁ。甘過ぎる)

 

 “RAIJIN”3機分の火力と、ビットによる包囲を当てにしていたのだろうか?

 だがこちらの初手で、既に1機沈んでいる。お陰で、包囲網はまだ完成していない。

 そして相手の嫌がる事をやるのが、戦闘の鉄則だ。

 空いた穴を更に大きくしてやろう。

 EC-O307AB(破壊天使砲)の砲身を折りたたみ、両手に持つ武装をアクティブ。

 ターゲット(敵IS1機)、インサイト。

 こちらの接近を感知して回避行動に入っているが、もう遅い。

 ダブルトリガー。

 

(なっ!?)

 

 狙われた敵の思考は、それが最後だった。

 右手の04-MARVE(アサルトライフル)は、最高の実弾防御力を誇る有澤製ネクストですら削り切る。瞬く間にエネルギーシールドが消耗していき、次いで四肢の物理装甲が砕かれていく。

 そして左手の051ANNR(ライフル)は、ライフルでありながらスナイパーライフルに匹敵する射撃精度を持つ。頭部周辺に集中して撃ち込まれた弾丸が、エネルギーシールドを突破。絶対防御を発動させる。

 この時点で機体は大破。パイロットも意識を失っていた。

 試合なら、これで終わりだろう。

 だが今は違う。

 殺れる相手は、殺れる時に殺る。

 晶は接近を続け、すれ違う直前、一瞬だけオーバードブーストをカット。同時にクイックブーストを併用した超高速旋回。遠心力がタップリと乗った蹴りで、敵ISを後方から迫っていたミサイル群に叩き込む。

 乱れ咲く爆光。消失するコア反応。

 

 ―――オーバードブースト再起動。

 

 天翔ける黒き流星と化したNEXTが、次の獲物に狙いを定める。

 次もISだ。

 味方が瞬殺され、動きの鈍ったマヌケ。

 ダブルトリガーで装甲を砕きつつ接近し、04-MARVE(アサルトライフル)の銃身で殴りつける。設計当初から近接格闘戦が意識されたそれは、荒っぽい扱いにも耐える堅牢な作りだった。そして堅牢なだけで特別な機能など無いが、時速1000キロメートルオーバーという加速状態から放たれた一撃は、絶対防御を発動させるに足る一撃であった。

 吹き飛ばされ、“RAIJIN”のエネルギーシールドに叩き付けられる敵IS。

 勿論、これで終わりではない。

 

 ―――両背部EC-O307AB(破壊天使砲)、アクティブ。

 

 再び放たれる六条の閃光。

 エネルギーシールドに叩き付けられた敵ISは、コアごと蒸発。閃光は全く威力を減衰させずに、“RAIJIN”の側面装甲を貫通する。機体に大穴が開けられた巨大兵器は、あえなく爆散の運命を辿った。

 だが敵も、殺られてばかりではない。

 爆散に紛れ、“RAIJIN”のビットがNEXTを包囲。反撃の一斉射を開始する。

 並のISであれば、一瞬でエネルギーシールドがダウンする程の攻撃だ。

 が、直撃でさえなければ核兵器すら凌ぐNEXTに対して、ビット兵器は余りにも非力だった。

 数百、数千と当てればダメージも通るだろう。その為の物量だ。

 しかし瞬きする間に音速を超える相手に、どうやって当てる? 当て続ける?

 如何な物量とて、当てられなければ意味が無い。

 対してNEXTの攻撃は、強力無比。

 

『き、聞いてないぞ!! こんなの!!!』

 

 悲痛な声が、オープン回線に流れる。

 だが、晶は手を緩めない。

 既に最終確認は終わっているのだ。

 そして一瞬で包囲網を突破したNEXTが、3機目のISを喰いにかかった。

 左手の051ANNR(ライフル)リリース(拡張領域へ戻し)、新たな武装をコールする。

 

 →L ARM UNIT:KB-O004(コジマパイル)

 

 左腕に宿る緑の輝き。形成されるエネルギーパイル。

 距離という盾を一瞬で踏み潰したNEXTが、ボディブローのように打ち込む。

 結果は、消滅だった。

 超高密度に圧縮されたエネルギーが、エネルギーシールドも、絶対防御すらも貫通し、パイロットとISコアを焼き尽くしたのだ。

 

 ―――敵残存戦力、巨大兵器(RAIJIN)1、IS2。

 

 そしてこの男は、ここまで圧倒的な力を見せつけて、なお油断も慢心もしなかった。

 戦闘など、何が切っ掛けでひっくり返るか分からない。

 故に、決められる時に決める。

 どこまでも冷静で冷徹な思考が、弱者の策謀を許さない。

 この空域から敵反応が消滅したのは、これから僅か10秒後の事であった――――――。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 時間は、数分だけ巻き戻る。

 セシリア・オルコットが戦闘に突入したのは、決して後退の許されない場所だった。

 敵が狡猾だった、というべきだろう。何せこの作戦領域を抜けられたら、すぐに人々の生活圏がある。

 もしかしたら、敵は迂回する気だったのかもしれない。しかし陸上型巨大兵器(Type-D No.5)が生活圏を通り過ぎる、という可能性をチラつかせるだけで、敵は彼女から撤退という選択肢を奪っていた。

 そんな場所で行われた、お決まりの撤回勧告。敵が受け入れるはずもない。

 両者が明確な戦意を持って激突する。

 だがセシリアの方は、初手からプランの変更を余儀無くされていた。

 

(カタログスペックというのは、本当にアテになりませんわね!!)

 

 原因は自身の命運を託す聖剣。衛星軌道上に浮かぶ、対IS用高エネルギー収束砲術兵器(エクスカリバー)にあった。

 威力が、予定値に届いていないのだ。

 確かにISであれば、撃破に足る十分な威力だった。だがカタログスペック通りの威力なら、巨大兵器のエネルギーシールドを抜き、行動不能に追い込めたはず。

 

(なのに、半壊!?)

 

 普通に考えれば、十二分な威力だろう。

 相手の攻撃が届かない遥かな高空から、たった2発で巨大兵器を撃破出来るのだ。

 が、今の彼女にとって、そんな事はどうでも良かった。

 

 ―――次弾発射まで、残り3分28秒。

 

 この時間を生き残らなければ、次も何も無いのだ。そして半壊しているとは言え、標的にした陸上型巨大兵器(Type-D No.5)は、未だ攻撃力を残している。加えて同型機とIS3機も無傷で残っていた。

 迫るミサイルの雨。グレネードの弾幕。それらを片っ端からロックオンレーザーで迎撃していく。

 轟音と衝撃。舞い上がる砂塵。

 

(せめて、別の地形なら!!)

 

 悪態をついたところで、現実は変わらない。

 戦闘フィールドは砂漠。そして快晴の空。射線を遮る物の無いこの場所は、地形戦という弱者の小細工を許さない。

 逆に敵にしてみれば、巨大兵器の攻撃力を最大限に生かせる地形だ。

 

(ですが!!)

 

 戦力差と地形。勝敗を決する重要な要素。それらの不利を理解していて、なおセシリアは諦めていなかった。

 

(私は、あの人の2番機になると言った。ここで勝てなくて、何が2番機にですか!!)

 

 護られたいのでは無い。隣に立ちたいのだ。頼られたいのだ。

 故に彼女は、思考を走らせる。

 

(私の最も得意なのは遠距離戦。巨大兵器が得意なのも遠距離戦。でも火力のぶつかり合いでは勝てない。加えてISという遊撃戦力が、遠距離戦に集中させてくれな………)

 

 雷光のように走る閃き。

 遠距離戦に集中させてくれない?

 大いに結構ではないか。

 逆転の発想だ。

 射線に味方機を挟んで射撃を封じる。

 訓練で良く使っていた手段が、脳裏を過る。

 

(本当に、あの人()の言う通りですわね!!)

 

 ロックオンアラート。

 ほぼ反射的にイグニッションブースト(瞬時加速)。敵ISの放ったスナイパーキャノンが、直前までいた空間を射抜いていく。

 刹那の間に、思い出す。

 得意な距離でだけ戦える事など無い。近接対策をしていない遠距離型など、ただのカモ。

 散々、あの人に言われた言葉だ。

 そして常々、言われている事がある。

 

 ―――専用機が出るのは、常に最終局面。

 

 ―――つまり、決して負けてはならない戦場。

 

 カチリ。

 セシリアの中で、何かが嵌った。

 今まで、厳しい訓練を受けてきた。意味も理解していた。否、理解している“つもり”だった。

 だがこの絶望的な戦力差で戦って、ようやく本当の意味で理解した。

 晶がなぜ専用機持ちの訓練に、あれほど厳しい状況設定を課していたのか。

 

(始めから、分かっていたのですね)

 

 決して負けてはならない戦場で、「苦手だから出来ません」など通じない。

 敵側の思考に立てば、長所を発揮させず、短所を徹底的に攻めるのは当然のこと。

 

(だから私の訓練に、白式・雪羅との近接格闘戦を………)

 

 しかも近接縛りという鬼畜仕様。

 アレが初めて行われた日は、愛しい相手でもビンタしてやろうと思ったくらいだ。

 しかし、今なら分かる。

 アレが行われた意味を。

 白式・雪羅の反則的な踏み込み速度を知っていれば、普通の近接格闘戦など怖くはない。

 レーザースナイパーライフルを左手に持ち替え、セシリアは武装をコールした。

 ブルーティアーズ・レイストーム唯一の近接武装。

 

 ―――インターセプター・レイピア。

 

 元々搭載されていた接近戦用のショートブレード、インターセプターの代わりに搭載された武装。特別な機能は何も無い。

 ただ硬く、ブルーティアーズ・レイストームの外見に合わせて、儀礼的な装飾が施されただけのレイピアだ。

 

(まさか実戦で、コレを本気で使う事になるとは思いませんでしたわ)

 

 ここから先は、ギリギリの綱渡り。

 敵ISに張り付いて、陸上型巨大兵器(Type-D No.5)の火力を封じる。

 近接戦で負けてもダメ、距離を取られてもダメ、位置取りを間違えてもダメ。

 加えてブルーティアーズ・レイストームのパワーアシスト機能は、第2世代ISにすら劣る。

 確実に勝っているのは、機動力と必中のレーザー攻撃のみ。

 そして普通なら、白式のような特化型でもない限り、多対一の格闘戦など囲まれて終わりだ。

 

(だから鍵となるは――――――)

 

 12体の自動人形(タイフーン)

 アレらを如何に上手く使って、敵の連携を分断するか。

 そこに全てが掛かっている。

 よって彼女は、物言わぬ12体の自動人形(タイフーン)に命令を下した。

 

 ―――全リミッター解除。

 

 搭載コンピューターのオーバークロックと、駆動系への過負荷と引き換えに、反応速度と瞬発力を限界まで向上させる。

 機体の急速な劣化が始まり、弾き出された稼働限界まで残り9分20秒。

 これでも、勝率がコンマ数パーセント変わるかどうか、というところだろう。

 だが今は、たったコンマ数パーセントが惜しい。

 

(さぁ、行きますわよ)

 

 レイピアを一振りしたセシリアは、近くにいた敵ISに、イグニッションブースト(瞬時加速)で接近する。だが敵に、接近戦に付き合う理由は無い。また装備している武装は、マシンガンにショットガンというダブルトリガー。敵は冷静な判断の元、引き撃ちを選択した。

 が、セシリアはそれを許さない。

 彼女の指揮下にある自動人形(タイフーン)12体が、一斉に両手持ちの射撃武装(Mk-57中隊支援砲)を構え、引いた敵ISを牽制する。

 ISにしてみれば、致命傷とはなり得ない攻撃だ。しかし着弾による衝撃は、確実に足を鈍らせる。

 追い付き、懐に潜り込む。

 

『チッ』

 

 オープン回線に、敵パイロットの苛立たしい舌打ちが流れた。

 これを受けて、残っている敵IS2機が行動を開始。邪魔な自動人形(タイフーン)12体の排除に動き出す。

 

 ―――ここで、セシリアにとっての幸運が1つあった。

 

 それは敵IS部隊の武装構成が、実弾メインだったということ。

 確実性が重視される実戦部隊だったが故に、アサルトライフル、マシンガン、ショットガン、スナイパーキャノン、ミサイル等、確実に動作する武装群が選択されていたのだ。

 だからこそ、彼女は対応できた。

 自動人形(タイフーン)12体に向け、放たれるミサイル。パワードスーツでしかない自動人形(タイフーン)に、対IS用ミサイルを避わす術など無い。

 しかしブルーティアーズ・レイストーム(セシリア)の配下にある、という条件下に限り、この前提は覆る。

 

 ―――快晴の空に、雷光が舞う。

 

 桁外れの索敵能力を支える優れたセンサー系が、接近戦という中にあってなお、味方に迫る脅威を察知したのだ。

 そして必中たるロックオンレーザーは、一度放ってしまえば外れる事などない。

 ミサイルが残らず叩き落される。

 だが敵も実戦部隊だ。この程度で動揺などしない。

 ミサイルが駄目なら、別の武装で排除してしまえば良いだけのこと。

 音速突破もできない、エネルギーシールドもない自動人形(タイフーン)如き、ISならどうとでも料理できる。

 弱い者から叩くという戦場の鉄則に従い、2機のISが再び動き出した。

 1機は両手にアサルトライフルを構え接近。1機はスナイパーキャノンを照準。

 

(させません!!)

 

 セシリアは近接格闘戦の合間、敵の射撃を回避した瞬間にビットを展開。同時に左手のレーザースナイパーライフルを敵機に向ける。トリガー。

 スナイパーキャノンが発射される直前、レーザーがヒット。

 当てられるとは思っていなかった敵パイロット。照準が数ミリずれ、かすった自動人形の装甲板が弾け飛ぶ。だが動作に支障は無い。

 そして自動人形(タイフーン)に迫る敵ISに、ブルーティアーズのビットが迫る。こちらは明確な脅威と判断したのか、回避行動に移った。

 しかし、素直に回避行動など取らせはしない

 12体の自動人形(タイフーン)が、搭載コンピューターを並列同期して予測演算開始。

 算出された幾つかの回避軌道上に、Mk-57中隊支援砲を発射。

 コンピューターの精密さによって意図的に散らされた攻撃が、敵の回避難易度を跳ね上げる。

 だが本来なら、パワードスーツ如きの携行火器など、ISにとって大した脅威ではない。当たったところで、全てエネルギーシールドで阻めるのだから。

 なのに回避する理由は、着弾時の衝撃にあった。

 一発一発の衝撃は小さくても、中隊規模(12機)の全火力ともなれば、相応の衝撃を伴う。

 そうして足を止められたところに、ブルーティアーズ・レイストーム(光学兵器特化)のビット攻撃を受ければ、ダメージは避けられない。敵ISパイロットに、回避を選択させるに足るプレッシャーだった。

 しかし、時間の流れというのは残酷だ。

 

 ―――次弾発射まで、残り2分58秒。

 

 死力を尽くして生き残った30秒。

 巨大兵器2機とIS3機を相手にして、30秒生き残っただけでも奇跡的な健闘だ。

 だがまだ、3分も残っている。

 絶望的に長い時間だが、投げ出す訳にはいかない。

 つまり続けるしかないのだ。極限の綱渡りを。

 不得意な近接格闘戦で敵ISに張り付き、射線を遮らせる事で巨大兵器の火力を封じ、自動人形(タイフーン)への攻撃をロックオンレーザーとビットで迎撃していく。

 何か一つでも間違えば、その瞬間に終わる。

 極限の緊張と集中が、彼女の体力を否応無く奪っていく。

 そして敵も、愚かではない。すぐに気付いた。

 状況的に、セシリアの狙いは2つしかないのだ。

 1つは巨大兵器を半壊させた、大出力武装の次弾発射までの時間稼ぎ。即座に次弾が発射されなかったという事実から、時間が必要という推測は簡単に立つ。

 1つは自動人形を駆使してターゲットを分散させる事で、攻撃圧力そのものを弱めること。本当ならパワードスーツ(自動人形)など、ISにも巨大兵器にも、脅威とはなり得ない。しかし中隊火力の集中で“敵ISの動きを一瞬だけ止める”という事に特化して運用するなら、そしてブルーティアーズ・レイストームの攻撃力・弾速・命中精度があるという条件下でなら、自動人形は脅威足り得る。只でさえ必中の命中精度を持つ相手に足を止めたら、その瞬間をビットに囲まれたら、滅多打ちの未来しかない。

 故に敵は、パワードスーツ(自動人形)12体を無視出来なかった。囮と分かっていながら、意識を払わなければならなかった。

 そして意識を払ったからこそ、敵は決断を下した。

 

 ―――弱いものから叩く。

 

 強者の道理。戦場の鉄則。

 敵は油断も慢心もなく、まずは目障りな自動人形(タイフーン)12体を始末しにきた。

 無傷の“Type-D No.5”が、胴体部にある巨大なレーザーキャノンを稼働させ、膨大なエネルギーを収束させていく。

 そして半壊している“Type-D No.5”が、残っているミサイルとグレネードを全てアクティブに。と同時に、敵IS全機がイグニッションブースト(瞬時加速)で緊急離脱。直後、全弾発射という物量を持って潰しにきた。

 

 ―――セシリアは悟る。

 

 この瞬間が、運命の分かれ道であると。

 配下の自動人形に命令を下すと同時に、迎撃を開始。

 天使の放つ雷光(ロックオンレーザー)が、迫るミサイルとグレネードを次々と叩き落していく。

 乱れ咲く爆光。衝撃が砂塵を舞い上げ、戦場を覆っていく。

 悪化していく視界。

 だが敵も、プロだった。

 風が吹き、僅かに出来た砂塵の切れ目。射線がクリアになった一瞬、

 その瞬間に放たれるスナイパーキャノン。

 

(しまっ………!?)

 

 横合いからの衝撃に、一瞬意識が飛びかける。

 だが生への渇望と勝利への執着が、彼女の意識を繋ぎとめた。

 直後、自動人形(タイフーン)12体から通信が入る。

 

 ―――配置、完了。

 

 次の行動は、両者同時だった。

 巨大レーザーキャノンが戦場を薙ぎ払い、セシリアがイグニッションブースト(瞬時加速)で緊急離脱する。

 そしてこの時点で敵の脳裏から、自動人形(タイフーン)12体の事など消え失せていた。

 ある意味で、仕方のない事だ。

 ISという超兵器の事を知っていれば、巨大兵器がどれほどの存在かも理解できる。

 その巨大兵器の飽和攻撃が行われた戦場で、たかがパワードスーツ如き、生き残れるはずも無い。

 手足の欠損した残骸が、至る所に転がっていれば尚更だろう。

 また仮に生き残っていたとしても、12体揃っていて、ようやく一瞬の時間稼ぎが出来る程度の存在だ。数を減らした今、脅威とは成り得ない。

 敵ISパイロット達は、そう思った。

 そして間違ってもいない。

 

 ―――自動人形が、束博士による特別製でさえなければ。

 

 ハードウェア的に特別という訳ではない。

 最先端の軍事企業なら、金さえ掛ければ作れるだろう。

 だから特別なのは、ソフトウェアの方だ。群体として制御されながらも、目標完遂のためなら、個体としても行動可能という自律判断能力。

 この時、敵はもっと疑いの目を持つべきだった。

 しっかりと調べれば、すぐに分かったはずなのだ。

 四肢のいずれかが欠損していても、胴体部を破壊されている機体が無い事に。

 元々の稼働数と残骸の数が合わない事に。

 飽和攻撃によって、消し飛んだ機体と消し飛ばなかった機体があった、という程度にしか考えていなかったのだ。

 そんな中で、自動人形達は思考を巡らせていく。

 

 ―――統括個体(セシリア)の劣勢を確認。

 

 ―――支援行動を提案。

 

 ―――否決。

 

 ―――理由を。

 

 ―――実行中の作戦成功率を著しく低下させる。

 

 ―――統括個体(セシリア)の戦闘力、未だ健在。

 

 ―――現作戦案を支持。

 

 ―――了解。

 

 3対1でのドッグファイトを余儀無くされたセシリアが、徐々に地上へと追い込まれていく。数の不利だけでも厳しいのに、巨大兵器の絶大な火力が、分厚い天井となって空への道を塞いでいるのだ。

 反撃で放たれる雷光(ロックオンレーザー)も、拡張領域(パススロット)からコールされた物理シールドで、しっかりと防御されてしまっては効果が薄い。時間さえあれば撃ち抜けるだろうが、今はその時間がない。

 徐々に、徐々に追い込まれていく。

 そうして最後には、地表スレスレを飛び回ることしか出来なくなっていた。

 高低差の使えない2次元機動では、如何に機動力で勝っていようと、優位性を活かせない。

 もう3機のISに追い立てられ、逃げ惑っているようにしか見えなくなっていた。

 美しかった天使の翼は、既にボロボロだ。

 

 ―――敵が、ニヤリと笑う。

 

 もしこのまま撃墜できたら? もし鹵獲できたら? 仮定の話が脳裏を過ぎる。

 訓練された実戦部隊とは言え、敵も人間だ。ある意味で、仕方のない面もあるだろう。

 だがこの思考が、判断を誤らせた。

 勝ちに徹するなら、上空を抑えたまま削れば良かったのだ。

 如何に機動力に優れたブルーティアーズ・レイストームとは言え、攻撃を全て回避できる訳ではない。巨大兵器の絶大な火力とIS3機という遊撃戦力を組み合わせれば、遠からずエネルギーシールドをダウンさせて、活動限界にまで追い込めただろう。

 しかし敵ISパイロット達は、セシリアと同じ、地上にまで降りてきてしまった。

 己の手で撃墜したいという、無意識の考えが出たのかもしれない。

 お高い貴族様を地べたに這いずらせたいという、嗜虐心があったのかもしれない。

 3機のISは鮮やかなフォーメーションで、セシリアを同心円状に取り囲み、射撃開始。

 完璧に連携した3方向からの攻撃が、瞬く間にエネルギーシールドを削っていく。

 もがくセシリア。

 なけなしのエネルギーをイグニッションブースト(瞬時加速)に注ぎ込んで離脱を図るも、苦し紛れの加速など通じない。

 敵もイグニッションブースト(瞬時加速)で加速。包囲網は崩れない。

 

 ―――セシリアは、ニヤリと笑った。

 

 彼女が欲しかった、最後のピースが揃ったのだ。

 敵が、加速してくれた。敵は、気付かなかった。

 セカンドシフトマシンのイグニッションブースト(瞬時加速)に、何故第2世代ISが追い付ける?

 ダメージを負っていたから?

 違う。

 加減したからだ。第2世代ISの最高速程度にまで。

 敵の加速進路上、コンマ1秒後には通り過ぎる地点。

 そこに突如として、砂の中から大剣が出現する。

 自動人形の全高に迫る、分厚く巨大な大剣だ。

 とある物語において、“フォートスレイヤー(要塞級殺し)”と称された巨大な大剣。

 

『『『!!!!!!!!!!!!』』』

 

 流石はISパイロット達。

 障害物の存在には気づいた。

 しかし回避行動を行うには、絶望的に時間が足りなかった。

 トップスピードのまま、障害物(大剣)に激突する。だがISのエネルギーシールドは優秀だ。激突によって明らかな消耗はあったが、未だ戦闘能力を維持している。

 超兵器の名に相応しい。恐るべき耐久力だった。

 尤もそんな事は、仕掛けた当人(セシリア)も織り込み済みである。

 

(さぁ、いきますわよ!!)

 

 敵の動きが止まった一瞬。

 彼女は、この瞬間に全てを掛けた。

 

 ―――レーザースナイパーライフル、全リミッター解除。

 

 ―――全ビット展開。

 

 ―――ロックオンレーザー、フルロック。

 

 コンマ1秒ですら惜しい。

 最速で照準できる相手を最速で狙い、トリガー。

 ブルーティアーズ・レイストームのフルバーストが、敵ISのエネルギーシールドをダウンさせ、絶対防御を発動させる。

 この時点で、喰らったパイロットは意識を失った。

 だが敵ISは、まだ2機残っている。

 そしてフルバーストを使ったセシリアの背中はガラ空きだ。

 向けられる銃口。しかし弾丸が放たれる直前。

 

 ―――ガシッ!!

 

 足元、砂の中から突き出た自動人形の手が、敵ISの足を掴んでいた。

 

『『なっ!?』』

 

 予期せぬ妨害が、行動を鈍らせる。

 優先すべきはセシリアの撃破だが、足元を掴まれ、揺さぶられて照準が安定しない。

 やむなくターゲットを変更。邪魔な自動人形を破壊するべく銃口を向ける。

 時間にして数秒程度。

 しかしその数秒が、敵の敗北を決定付けた。

 砂に埋もれる事で姿を隠していた自動人形が一斉に起き上がり、足を掴まれたISに向かっていく。

 ある機体は、銃を持つ手を押さえに。

 ある機体は、機体重量を重石として行動を封じに。

 ISのパワーなら、簡単に跳ね除けられる。あと数秒時間があれば。

 その間に、四肢のいずれかが欠損し、残骸となって撃破されたフリをしていた自動人形が立ち上がる。

 手には巨大な大剣、“フォートスレイヤー(要塞級殺し)”。

 水平に構えられ、腰部跳躍ユニットフルブースト。突撃開始。

 自身を弾丸と化した質量攻撃。

 足を掴まれ、手を掴まれ、自動人形という重石をつけられた敵ISの初動は、決定的に遅れた。

 

 ―――衝撃。

 

 明らかに減少していくエネルギーシールド。

 だが撃破には至らない。

 自動人形ではパワーが足りない。

 後数秒あれば、この拘束を振り払って、大空へと飛び立てる。

 

 ―――勿論、それを許すセシリアではなかった。

 

 武装群に過剰供給されるエネルギー。

 機体の消耗と引き換えに、即座に次弾の発射が可能となる。

 そして統括個体(セシリア)の照準を感知した自動人形が、射線を開けた。

 しかし敵の手足は決して離さない。

 トリガー。フルバースト。

 狙いすました一撃が、敵ISのエネルギーシールドを叩く。

 絶対防御が発動。撃破2。

 ここで残っていた敵IS1機が、拘束を振り切っての離脱に成功した。

 思わず距離を取ろうとする。一端距離を取っての仕切り直し。常識的な選択だ。

 トラップに嵌められた、という認識があったのなら尚更だろう。

 

 ―――相手が、ブルーティアーズ・レイストームでさえなければ。

 

 焦りさえ無かったなら、これが悪手だと気付けたはずだった。

 遠距離戦型のセカンドシフトマシンを相手に、距離を取る事がどれほど拙いか。

 周囲を取り囲むビット。フルロックされるロックオンレーザー。最大出力で叩き込まれるレーザースナイパー。

 全方位からの攻撃に、減少していくエネルギーシールド。頼みの物理シールドも、最大出力のレーザースナイパーとロックオンレーザーで、瞬く間に残骸となっていく。

 結果、セシリアが反撃を開始してから僅か十数秒。

 敵IS3機は、全て大地に叩き落された。

 ここで、巨大兵器から通信が入る。

 

『素晴らしい戦闘力だ。だが君は、既に満身創痍。素直に道を開けたまえ。巨大兵器2機を相手にする力は、もう残っていまい』

 

 彼女は答える。

 

『敵を前にしてのお喋りは、二流のする事ですわ。大体、既に決着はついていますもの』

『こちらの勝利でな』

『いいえ。私の勝利で、ですわ』

『なに?』

 

 セシリアが、スッと右手を上げた。

 指差す先は、遥かな天空。自身の命運を託した聖剣。

 

『たった今、エネルギーチャージが終わりましたわ。では、さようなら。―――“エクスカリバー”、発射』

 

 振り降ろされる右手。

 天空より撃ち下ろされた一筋の閃光が、半壊していた陸上型巨大兵器(Type-D No.5)に突き刺さる。

 エネルギーシールドの拮抗は一瞬。

 次の瞬間には上部装甲板を貫き、内部機能をズタズタにしながら突き進み、最後は下部装甲板を貫通。陸上型巨大兵器(Type-D No.5)を完全沈黙させる。

 

『クッ、だがすぐに次弾は放てまい!! ここで、殺してやるぞ!!』

『あなた方の敗因は、私に時間を掛け過ぎた事ですわ。あの人が、たかが巨大兵器3機とIS5機程度に手間取るとでも?』

 

 ここからNEXT()の作戦領域まで、約450キロメートル。VOBなら、数分と掛からない。

 そして無傷で残っていた“Type-D No.5”のレーダーが、超高速で接近する機影を捉えた。

 

『ま、まさか、NEXTが、もう………』

『はい。そして、お待ちしておりましたわ』

『セシリア、良くやった』

『私は、役目を果たせましたか?』

『十分に』

 

 この数秒後、六条の閃光が残っていた最後の敵を射抜くのだった――――――。

 

 

 

 ※1:全六門最大出力

  気になる人は「AC4 破壊天使」で映像検索してGO!!

  フロムお得意のムービープレイ!!

 

 

 

 第132話に続く

 

 

 




今回晶くんには、フロムお得意のムービープレイ並に暴れてもらいました。
圧倒的な暴力を感じて頂けたのなら、嬉しい限りです。

そしてセシリア。
巨大兵器を撃破したのがエクスカリバーなので、“ジャイアントキリング”のスコアこそつきませんが、IS3機撃破は間違いなく大戦果なのでした。

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