ロックマンエグゼTR 作:謎沢
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第34話 良平の死
その騒ぎが始まる前に、熱斗たちは町を出た。スバルたちも、国王が出て行く前に、やっと気がもどり、なんとか怪我をしなくてすんだのである。
良平は言った。
「これからどうするんだい。」
それに熱斗は答えた。
「まだ分からない。」
良平は納得したような顔をした。
その時、良平は急に顔色を変え、うなり始めた。
「大丈夫か。」
熱斗たちが言った。しかし、その時には、砂漠に血を吐いていた。
「誰か医者を呼ばないと。」
「その必要はない。」
良平はかすかに言っていた。
「平和にしてくれてありがとう。そして、君たちにありがとう。最後は楽しい人生だった。君たちと出会って・・・。」
良平は言い終える前に息を引き取った。
「良平!」
熱斗たちは良平の体をゆすったが、まったく反応しなかった。熱斗はそこに老人がいることに気づいた。そして、老人はこういった。
「人には最後というものがある。それは、つまらない人生だったりするときもある。しかし、良平はいい顔をしながら行ってしまった。これほど贅沢なことはない。」
「じゃあ、なんで、良平が・・・。」
「それは運命だからだ。熱斗。お前がロックマンと会ったのも運命なんだ。熱斗の心情は今は不安定であることは十分承知だ。しかし、これを変える事はできないんだ。」
熱斗は、自分の姿が分からなくなっていた。
あれっ。ここは・・・。
そこは、森の中だった。
「熱斗!!」
向こうからメイルが来た。そして、熱斗に抱きつく。
「どこ行ってたの。心配してたのだから・・・。」
そして、また物語は始まるのであった。